「『Ruby on Rails』と『Laravel』とは何か知りたい」
「『Ruby on Rails』と『Laravel』どちらが学びやすいのか知りたい」
「『Ruby on Rails』と『Laravel』どちらの求人数が多いのか知りたい」
「『Ruby on Rails』と『Laravel』どちらの年収が高いのか知りたい」
「Ruby on Rails」……Webエンジニアを目指し勉強をしていると、必ず出てくるワードです。色々な記事を読んでも、いまいちピンとこない方も多いはずです。
また、よく比較される「Laravel」との違いはどのようなものでしょうか?
この記事では「『Ruby on Rails』『Laravel』とは何なのか?」からわかりやすく解説します。また両者の違い、未経験者はどちらを選べばよいかなど皆さんの疑問にもお答えします。
どちらも優れたツールで、同じくらい人気があります。でも、未経験者・初心者には「Ruby on Rails」がおすすめです。
「未経験からのWebエンジニア転職」の実績豊富な現役Webエンジニアが、丁寧に解説します。この記事を読めば、「Ruby on Rails」を周りの人にも説明できるようになります。みんなでRailsエンジニアになりましょう!
「Ruby on Rails」「Laravel」とは何か 未経験者にわかりやすく解説
はじめに、「Ruby on Rails」と「Laravel」についてわかりやすく解説します。
- 「Ruby on Rails」と「Laravel」はWebアプリケーション開発のフレームワーク
- 「Ruby on Rails」はRubyのフレームワーク
- 「Laravel」はPHPのフレームワーク
フレームワークとは
フレームワークとは、「Webアプリケーション開発のひな型」です。フレームワークを使うとSNSや通販サイトが初心者でも比較的簡単に作成できます。
例えば「Ruby on Rails」とgemと呼ばれるライブラリを組み合わせると、以下のような機能を実装できるるようになります。
- ログイン機能
- 決済機能
- 投稿機能
このような機能を利用すれば、開発作業を大幅に削減できることから、世界中のエンジニアがフレームワークを使用しています。
「Ruby on Rails」とは
「Ruby on Rails」はRubyのフレームワークで、ルビーオンレイルズと読みます。「on rails」は「レールに沿って順調に、軌道にのって」という意味です。以降、本記事ではRailsと記載します。
- Twitter、hulu、クックパッドなどがRailsで開発された
- RubyのフレームワークはほぼRails一強
- Webブラウザで表示されない「バックエンド」の開発でよく使用される
Railsは世界的に人気で、Twitter、hulu、クックパッドなど有名なWebシステムがRailsを使用して開発されています。そして、無料で誰でも入手できます。このように、商用目的で大規模なシステムが無料で作れてしまう点が大きな魅力です。
そして、Rubyが広く普及したのはRailsがきっかけでした。Railsの登場により、Webアプリケーションの開発が驚くほど高速・簡単になり開発者から圧倒的な支持を得ました。現在に至るまで、「RubyのフレームワークはほぼRails」の状態になっています。
Railsは主に「バックエンド開発」で使用されます。
「Laravel」とは
「Laravel」はPHPのフレームワークで、ララベルと読みます。この名前は、「ナルニア国物語」の架空の都市「Cair Paravel(ケア・パラベル)」に由来するそうです。
- ぐるなび、時事通信ニュースなどがLaravelで開発された
- PHPのフレームワークはLaravel以外にも様々ある
- Railsと同じく「バックエンド」の開発で使用される
Laravelも人気があり、ぐるなび、時事通信ニュースなどで使用されています。こちらも無料で入手できます。Laravelの歴史は浅く、Railsより7年後に初リリースされました。
Laravelは優れたフレームワークですが、PHP開発ではLaravel以外が使用される案件も多く存在します。エンジニアは、時間をかけてフレームワークの経験を積む必要があります。
Laravelも「バックエンド開発」で使用されており、Railsとよく比較されます。
フレームワークを使わずに開発できるのか?
冒頭で、「フレームワークはWebアプリケーション開発のひな型」とご紹介しました。では例えば、Railsを使わずにRubyだけでWebアプリケーションを作れるのでしょうか?結論を言うと、Rubyだけでも作れます。しかし、現実的には以下のように考えていただくと良いかと思います。
- 教養レベルなら可能
- 業務レベルではRailsが必要
RubyだけでWebアプリを作れば様々なことを学習できます。しかし、業務では大規模システムをスピーディーに作る必要があります。それを考慮すると、必然的にフレームワークが必要になります。
以上、RailsとLaravelについてご説明しました。ここからはRailsとLaravelどちらが良いのか、3つのポイントで比較していきます。
- 学習コスト
- 求人数
- 年収
比較① 学習コスト RailsとLaravel どちらが難しい?
はじめに、RailsとLaravelのどちらが難しいかをご説明します。
- 学習コストとは、「学習に必要な時間と労力」
- RailsもLaravelも、学習コスト・難易度は同じ
学習コストとは、「学習に必要な時間と労力」です。Web系開発での学習コストには、以下のようなものがあります。
- プログラミング言語の習得
- フレームワークの設定、操作方法の習得
RailsとLaravelの学習コストは同じ
結論、RailsとLaravelの学習コストはほとんど同じです。
RailsもLaravelも基本的な考え方が共通しています。どちらもMVCモデルという概念を取り入れており、「バックエンド機能はここ」「フロントエンド機能はこっち」のように整理されています。そのため、Railsを覚えればLaravelもすぐ使えるようになります。
Railsは初心者にもわかりやすい
学習コストは同じですが、初心者にはRailsがおすすめです。
- ネーミング規則があらかじめ規定されている
- ディレクトリ構成があらかじめ規定されている
- ポートフォリオ作成に最適
ネーミング規則が規定されている
Railsではネーミング規則が規定されています。例えば、「〇〇を意味するものは全て小文字」「●●を意味するものは頭文字が大文字」のようなものです。
- Railsのネーミング規則の例
- (例)全て小文字 user
- (例)頭文字を大文字 User
- (例)複数形 users
ネーミング規則があると、チーム全員が一目見て意味がわかり作業効率が高まります。ネーミング規則が無いと名前の使いまわしやファイル間での衝突が多発し、バグ(欠陥)の要因となります。
Railsではきちんと規則が決まっていますが、Laravelはこの規則があいまいでメンバー間での認識合わせが負担になることがあります。
ディレクトリ構成が規定されている
Railsではディレクトリ構成も規定されています。「ディレクトリ構成」とはウィンドウズの「エクスプローラー」のようなものです。
Railsのディレクトリ構成は以下のようなものです。
未経験者・初心者が見ても、直観的にわかるディレクトリ構成です。これによりチームでファイル管理が徹底でき、作業効率が格段に向上します。
Laravelにもディレクトリ構成はあるのですが、カスタマイズできてしまうためチームごと、案件ごとに異なる構成となることがほとんどです。
ポートフォリオ作成に最適
このように、ネーミング規則とディレクトリ構成が決められているおかげでRailsは未経験者でも容易に習得できます。
- ネーミング規則・ディレクトリ構成のおかげで、未経験者も直感的に使える
- 規則が守られているので、経験者もアドバイスしやすい。
- Laravelはカスタマイズされてしまうので、アドバイスしづらい。
これは、ポートフォリオ作成に非常に有利です。ネットで探した参考資料と自分のPC上の構成が一致しているため、スムーズに理解できるのです。また規則が決まっているので、上級エンジニアも初心者に対し的確なアドバイスが可能です。
この点Laravelはカスタマイズできてしまうがゆえに、未経験者・初心者にとって負担が大きいと言えます。
比較② 求人数が多いのはどっち? 2022年9月最新
次に、RailsとLaravelの求人数を比較してみましょう。
- Web制作を含めるとPHPの求人数が多い
- フレームワークはRailsの求人数が多い
Web制作会社も含めたIT業界全体でみると、RubyよりPHP求人数のほうが多いと言えます。ただし、Web制作会社の場合はワードプレスなども含まれるため、厳密にWeb系エンジニアの職種とはいえないことも多いです。
しかしWeb開発を生業にするWeb系エンジニアの求人で比較すると、RailsはLaravelの1.5倍の求人があります。
Laravel求人数 | 12,031件 |
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Rails求人数 | 19,034件 |
これは、Web系企業が最も利用している求人情報サイトWantedlyでの検索結果です。
このようにWeb開発エンジニアになりたい場合は、Ruby on Railsの方が求人数が多くおすすめです。
比較③ 年収が高いのはどっち? 2022年9月最新
最後にRailsエンジニアとLaravelエンジニアの年収を比較してみましょう。2022年9月最新の平均年収は以下のとおりです。
Laravelエンジニアの平均年収 | 876万円 |
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Railsエンジニアの平均年収 | 984万円 |
レバテックフリーランスより(Rails/Laravel求人の平均月収×12カ月で算出)
※正社員ではなくフリーランスの平均年収で比較しております。
このように、Railsエンジニアのほうが108万円高くなっています。フリーランス向け求人での調査ですが、企業転職でも非常に参考になる数字です。
また、Web業界は今後も右肩上がりの成長が見込まれており、大きな将来性があります。Web系エンジニアで高収入を目指すなら、Railsエンジニアをおすすめします。
まとめ Railsを学ぼう!
今回はRailsとLaravelの違いについて解説しました。
- Railsは未経験者に最適
- Railsのほうが「開発」求人数が多い
- Railsのほうが高収入
Railsを使えば、未経験者でも実用的なWebアプリを作成することができます。Railsで作ったハイレベルなポートフォリオを武器に、転職活動を有利に進めましょう。Railsを学び、理想のエンジニアキャリアを実現してください!
Ruby on Railsを学習してみたいと思った方は、「Ruby on Railsの学習方法」の記事で詳しく効率的な学習法を解説しています。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください!