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Webエンジニアとデータサイエンティストの違いは?仕事内容や平均年収を比較

「Webエンジニアとデータサイエンティストってどう違うの?」
「それぞれの仕事内容・将来性・平均年収が知りたい」

エンジニア転職に興味がある方の中には、このような疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。

Webエンジニアもデータサイエンティストも、どちらも同じ「エンジニア」という括りではありますが、何がどう違うのか、どうすればそれぞれのエンジニアを目指せるのか、ということがわからないとお悩みの方も多いはずです。

そこでこの記事では、Webエンジニアとデータサイエンティストとの違いや、それぞれの平均年収や将来性などについて詳しく解説していきます。

未経験の状態から、Webエンジニアやデータサイエンティストを目指すためのロードマップについても紹介していきますので、是非参考にしてください。

Webエンジニアとデータサイエンティストの違いを比較

Webエンジニアとデータサイエンティストの違い

同じ「エンジニア」でも、Webエンジニアとデータサイエンティストとではかなり違う部分があります。

ここでは、それぞれの仕事内容から必要なスキル、取っておくと役立つ資格などについて紹介していきます。

仕事内容

Webエンジニアとデータサイエンティストでは、仕事の内容が大きく違ってきます。
それぞれの仕事内容を一言で表すと、以下のようになります。

Webエンジニア

RubyやPHPといったWeb系のプログラミング言語を使って、Webアプリケーションの開発・運用・保守を行う。

データサイエンティスト

PythonやR言語といったデータサイエンス向きなプログラミング言語を使って、データの収集・加工・分析などを行い、企業が抱える課題と解決策を見つけ出す。

共通しているのは、どちらもプログラミングスキルが必要になる、という点です。
必要となるスキルや知識、作業内容、存在価値などについては、あまり共通する部分がありません。

特に大きな違いとしては、「役割」でしょう。
データサイエンティストは、データを集め、分析し、企業の課題を解決するためにはどんなシステムが必要なのか、といったことを提案するのが役割なのに対し、Webエンジニアは、求められたシステムを実際に開発するという役割を担います。

したがって、データサイエンティストが見つけた課題を解決するためのWebアプリケーションを、Webエンジニアが開発する、といったようなケースも出てきます。

仕事内容こそ違いますが、繋がりはある職種同士とも言えます。

必要なスキル

Webエンジニアに必要なスキルは、主に以下のようなものとなります。

  • フロントエンド周りの言語スキル(HTML/CSSやJavaScriptなど)
  • バックエンド周りの言語スキル(RubyやPHPなど)
  • データベース関連の知識
  • サーバーの知識
  • Webデザイン

そしてデータサイエンティストの場合は、以下のようなスキルが必要です。

  • 機械学習や統計解析に強い言語スキル(PythonやR言語など)
  • データ収集と分析
  • データクレンジング
  • データベース関連の知識
  • 数学や統計解析のスキル

持っておいた方がよい資格

基本的には、エンジニアに必須の資格というものはありません。

エンジニアにとって重要なのは、持っているスキルやポートフォリオだからです。
就職・転職時でも、資格が重要視されることはあまりないでしょう。

ただし資格取得には、「一定の努力ができることの証明」「基礎知識をある程度網羅できる」といったようなメリットがあるため、持っておいても損はないので、余裕があれば取得に動くべきです。

Webエンジニアになるために資格取得を目指すのならば、以下のような資格がおすすめです。

資格
概要
基本情報技術者試験
■「IT業界で働きたいのならばまず目指すべき資格」と言えるほどメジャーな国家資格。
■難易度は高く、累計平均合格率は約27%。しかし2023年4月からは試験が簡易化され、50%以上の合格率となっている。
■試験は「科目A」と「科目B」に分かれているが、どちらも多肢選択式。
Ruby認定試験
■プログラミング言語「Ruby」に関する知識について問われる民間資格。
■「Silver」と「Gold」という難易度の異なる2種類が存在。それぞれの合格率は非公開。
■試験はどちらも50問で選択式。
PHP技術者認定試験
■プログラミング言語「PHP」に関する知識について問われる民間資格。
■「初級」・「上級/準上級」・「ウィザード」に分かれていて、合格率は初級で約70%、上級は約10%。
■初級と上級/準上級は選択式の問題だが、ウィザードは別格に難しく、上級試験で9割以上取らなければ受験資格すら得られない。

データサイエンティストを目指している場合は、以下のような資格を狙うとよいでしょう。

資格
概要
統計検定
■統計に関する知識や活用力を評価する民間資格。
■「1級」・「準1級」・「2級」・「3級」・「4級」の5つレベルがある。
■2級までの試験は選択式だが、準1級は数値入力も加わり、1級は論述式となる。
データサイエンティスト検定
■通称「DS検定」とも呼ばれる試験で、数理・データサイエンス・AIについての実務能力と知識を有することを証明する民間資格。
■合格率は、2021年9月試験が約66%、2022年6月試験が約50%、2022年11月試験が約42%と段々下がっている。
■試験は、90問の選択式。
データベーススペシャリスト試験
■データベースに関して幅広い知識が求められる国家資格。
■合格率は15%前後と非常に難易度が高い。
■試験は、午前(合計90分)が選択式、午後(合計210分)が記述式。

平均年収

Webエンジニアとデータサイエンティストでは、どちらの方が平均年収が高いのか、気になる方も多いでしょう。

ここでは、「求人ボックス」という求人サイトのデータを引用しながら見ていきます。
求人ボックスは、あのカカクコムが運営するサイトで、求人情報を一括検索できるサービスとなっています。

膨大な数の求人案件が載っているため、年収データについても信頼できるでしょう。
(データは、2023年7月5日時点のもの)

Webエンジニアの平均年収

データサイエンティストの平均年収引用:求人ボックス

ご覧の通り、正社員の場合、Webエンジニアの平均年収が549万円、データサイエンティストの平均年収が699万円となっており、150万円もの差をつけてデータサイエンティストの年収の方が上という結果でした。

その分、未経験から目指すのが難しいというデメリットもありますが、転職に成功した時の恩恵が大きいのはデータサイエンティストということになります。

将来性

Web業界は、これまで急速な発展を遂げてきましたが、今もなお衰えることなく多種多様なサービスが登場し、盛り上がり続けています。
よほどのことがない限りは、この流れがそう簡単に終わるとは思えないため、Web業界はまだまだこれからも伸びていく業界だと言えるでしょう。

当然、そのWeb業界で働くWebエンジニアの将来も非常に明るいということになります。

また、機械学習や数学、統計学などを活用して新しいビジネス価値を創出するデータサイエンスという分野も、これからどんどん発展していくことがほぼ間違いありません。
その結果、データサイエンティストの存在価値もますます上がっていくはずです。

結論としては、Webエンジニアもデータサイエンティストも、どちらも将来性については非常に高いと言えます。

未経験からWebエンジニアやデータサイエンティストを目指す方法

未経験からエンジニアを目指す方法

Webエンジニアやデータサイエンティストとしての知識やスキルを何も持っていない初心者の方でも、将来性の高さや平均年収の高さを知り、目指したいと思うようになった方もいらっしゃるでしょう。

この項目では、未経験からWebエンジニアやデータサイエンティストといったエンジニアになるにはどうすればいいのかについて解説していきます。

まずはプログラミングスキルを習得する

どちらを目指すにしても、まずはプログラミングスキルを身に付けるのが最優先です。
プログラミングができなければ、Webエンジニアにもデータサイエンティストにもなることはできません。

WebエンジニアならばRubyやPHPといったWeb系言語、データサイエンティストならばPythonやR言語などが必要となってくるので、これらの言語の学習を徹底的に行いましょう。

独学でのプログラミング習得を目指すのならば、以下のようなオンライン学習サイトを利用するのがおすすめです。

  • Progate
  • ドットインストール
  • paizaラーニング

併せて、書籍も活用していきましょう。

関連知識の習得

Webエンジニアもデータサイエンティストも、プログラミングだけできればいいというわけではありません。
それぞれの分野に必要なスキルについても学んでいく必要があります。

まずWebエンジニアの場合は、バックエンドかフロントエンドかによって変わってきます。
バックエンドならば、データベースやサーバーに関する知識、フロントエンドならばWebデザインやUI/UXについても学んでおくべきでしょう。

そしてデータサイエンティストならば、データ収集の具体的な手法やデータクレンジング、機械学習などの知識が必須となります。

こうした関連知識の習得も忘れずに実践してください。

企業研究

現場で活躍するための基本的なスキルを身に付けたら、次は企業研究です。
将来自分が働きたいと思える企業を、じっくりと探していきましょう。

ここを疎かにしてしまうと、もし就活が上手くいってその会社で働けることになっても、入社後にミスマッチを感じて苦しむことになってしまいます。

企業のカルチャーや展開しているサービス内容、入社した際に担当する業務内容、労働環境などについて、できる限り多くの情報を集めておくべきです。

例えば企業のカルチャーについては、公式ホームページやTwitter、実際に働いている人・働いていた人が書き込める口コミサイトなどを利用することで、ある程度まで知ることができます。
もし知り合いがその会社にいるようならば、直接聞いてみるのもよいでしょう。

なお、研究する企業については1社や2社ではなく、可能な限り多くの企業を調べるべきです。
未経験の場合、そう簡単に内定はもらえないため、少なくとも10社以上は受けるつもりでいなければなりません。

就職・転職活動

入社を希望する会社も絞れてきたら、いよいよ就職・転職活動です。
なお、就職や転職の活動は、企業研究と同時に行っても構いません。
そのあたりは、自分のやりやすい形を選択しましょう。

なお就活時に、特に重要になるのが「ポートフォリオ」です。
ポートフォリオとは、自身のスキルを証明するための成果物のことで、斬新なWebサービスやWebアプリを作ることができれば、転職活動を有利に進めることができます。

未経験の場合、ポートフォリオが最大の武器となるため、一切手を抜かずに、「誰にも負けない」と思えるほどの作品を作って転職活動に挑むようにしてください。

そしてポートフォリオだけでなく、面接対策や、履歴書・職務経歴書対策などもしっかり対処しておきましょう。

未経験の場合はプログラミングスクールの利用がおすすめ

未経験の場合はプログラミングスクールがおすすめ

上記の項目で、未経験からWebエンジニアやデータサイエンティストを目指すためのロードマップを示しましたが、正直なところ、すべてを一人でこなすのはかなり困難です。

その理由について解説していきます。

独学は挫折率が高い

プログラミング学習は、未経験者にとってハードルが高く、独学の場合は約9割が挫折すると言われています。

もし残り1割に入れたとしても、抜け漏れなく学ぶことができたのか、現場に出ても通用するような実践的な知識を身に付けることができているのか、そのあたりがはっきりしません。

待遇の良い開発会社を志望するような場合には、面接などで「独学でプログラミングを学びました」と伝えてしまうと、あまり良い顔をされないことが多いでしょう。
スクールのように体系的に学んだわけではないため、どの程度までスキルを身に付けているのかがわからないからです。

したがって、「ポートフォリオがずば抜けている」といったようなことがなければ、独学の場合は、採用どころか、審査対象にもならないことがほとんどです。

企業研究や転職活動は未経験者には難しい

学習だけならばまだしも、その後に続く企業研究や転職活動はさらに難易度が上がり、未経験者が一人でどうにかしようとするのはかなり無謀です。

  • 書類審査で落とされないためのコツ
  • 面接での適切な対応
  • 採用担当者に興味を持ってもらえるようなポートフォリオ

これらを一人だけですべて適切に対処するというのは、相当困難な作業でしょう。

結果的に、対応を間違えなければ採用されていたような企業からの内定も逃してしまう可能性が出てきてしまいます。

プログラミングスクールならば学習から転職までをフォロー

プログラミングスクールならば、これまで列挙してきたような学習の不安点も解消できますし、転職活動に対してはエンジニア転職のプロによるサポートを受けることもできます。
餅は餅屋、ということわざ通り、エンジニア業界に精通しているプロのアドバイスは未経験者にとって大きな力となるでしょう。

特にポイントとなるのが、採用担当者を唸らせるようなレベルの高いポートフォリオを作れるかどうか、という部分です。
現場未経験者が、エンジニア採用担当の人間に認められるようなポートフォリオを作るのは至難の業で、多くの人はここで苦しみます。

この点も、プログラミングスクールならば悩む必要はありません。

例えば、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に非常に強いという特色がありますが、その理由の一つが「ポートフォリオ支援が強力」という点です。

実際、RUNTEQ生のポートフォリオは非常に高く評価されることが多く、Twitter上でもRUNTEQ受講生以外の方から、以下のような口コミをたくさんいただいています。

レベルの高いポートフォリオを作って、Webエンジニアとしての転職活動を有利に進めたい方には、RUNTEQは非常におすすめのスクールです。

まとめ

まとめ

以上、Webエンジニアとデータサイエンティストの違いや、それぞれの平均年収や将来性、未経験からエンジニアを目指すためのロードマップなどについて解説しました。

どちらも将来性のあるエンジニア職であるため、もし転職をお考えの場合は、ご自分の適性や興味を優先して好きな方を目指されるのがよいかと思います。

未経験であっても、30代中盤くらいまでであれば転職は充分に可能です。
40代でも、何か特別なビジネススキルや強みを持っていれば、チャレンジする価値はあります。

エンジニアになりたいという強い気持ちがあるようでしたら、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回の記事のまとめ
  • Webエンジニアとデータサイエンティストでは、仕事内容や必要となるスキルが大きく違う
  • 資格の取得はそこまで重要ではない
  • 未経験から独学のみでエンジニア転職を目指すのは難しいので、状況に応じてプログラミングスクールの利用も検討すべき

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