「AWSエンジニアはやめとけと言われる理由が知りたい」
「AWSエンジニアの仕事はきついって本当?」
このように、AWSエンジニアに対してマイナスのイメージを抱いている方も少なくないでしょう。
GoogleなどでAWSエンジニア(クラウドエンジニア)について調べると、「やめとけ」「きつい」というワードが出てくるので、これから目指そうとしている方は不安になりますよね。
たしかに、他のエンジニアと比べると仕事内容がハードだったり、覚えることが多かったりと大変なことも多いです。
ただ、AWSエンジニアに少しでも興味があるなら、ネガティブワードを見ただけで判断せず、「やめとけ」「きつい」と言われる実態を正しく把握しておくことが重要です。
そこで今回は、以下の内容について解説していきます。
- AWSとは
- AWSエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由
- 未経験からAWSエンジニアを目指す価値
- AWSエンジニアにおすすめの資格
本記事を読み終えれば、AWSエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由が明確になり、自分に向いている職業なのか正しく判断することができるしょう。
開発会社とWebエンジニア向けのプログラミングスクールを運営する弊社が、AWSエンジニアを目指す価値についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AWSとは
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。
クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じてコンピューターリソース(サーバー、データベース、ネットワーク、ストレージなど)を提供し、必要なときに必要なだけ利用できるようにする技術です。
これにより、サービス提供者は物理的なサーバーを所有・管理する必要がなくなり、柔軟性や効率性を向上させることができています。
AWSの主なサービスは以下の通りです。
- Amazon EC2:仮想サーバーを利用してアプリケーションやWebサイトを構築できる
- Amazon S3:オブジェクトストレージで大容量のデータを保存可能
- Amazon RDS:簡単にスケーラブルなリレーショナルデータベースをセットアップ可能
- AWS Lambda:コードを実行するサーバーレスのコンピューティングサービス
- Amazon SNS:プッシュ通知やメッセージングなどの通知を簡単に管理できる
このような、コンピューティングやストレージ、データベースなどに関するサービスが全部で200種類以上あり、現在もなお増え続けています。
AWSエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由
AWSエンジニアはやめとけ・きついと言われる主な理由は以下の5つです。
- いつ不具合が発生するかわからない
- クラウド業界は技術の入れ替わりが早い
- 従来のインフラ知識も必要
- 仕事の領域が幅広い
- 長期案件が多い
AWSエンジニアは、他のエンジニアと比べて覚えることややることが多かったり、緊急な対応が必要だったりと、ハードワークな面が多々あります。
そのため、仕事をしていて「きつい」と感じる人が多く、「やめとけ」という声が多数上がっています。
いつ不具合が発生するかわからない
AWSエンジニアは、システムに不具合があった場合に、すぐさま対応しなければならないため、24時間365日気が抜けないのがストレスになります。
「そんなに不具合って発生するものなの?」と思う方も多いかと思われますが、クラウドやインフラに関わる仕事においては、不具合やエラーなどの対応は日常茶飯事とも言えます。
急な対応が必要となるケースは以下の通りです。
- システムやアプリケーションに障害が発生した場合
- イベントやプロモーションなどで急激なトラフィックの増加が予想される場合
- サイバーセキュリティ攻撃や不正アクセスを検知した場合
- システムのアップデートや変更を行う場合
- AWS自体で障害が発生した場合
- 新しいプロジェクトや機能をリリースする場合
これらの状況において、AWSエンジニアは迅速かつ正確に対応することが求められます。
しばしばストレスの高い状況での作業が要求されるため、柔軟性やストレス耐性が重要です。
クラウド業界は技術の入れ替わりが早い
クラウド業界は技術の入れ替わりが早いため、新しいツールやサービスを習得するのが大変です。
一昔前の技術が使えなくなる訳ではありませんが、古いバージョンや旧式のテクノロジーのサポートが早期に終了することがあります。
これにより、過去のシステムやアプリケーションのメンテナンスが困難になることがあるのです。
そのため、新しい技術の導入に備えて、継続的な学習が求められます。
変化の激しいクラウド業界に適応するためには、高い学習意欲や問題解決能力、適応力が必要です。
従来のインフラ知識も必要
AWSエンジニアには、新しいテクノロジーの知識だけでなく、従来のインフラ知識も必要となるため、覚えることが非常に多いです。
従来のインフラ知識が必要な理由は以下の通りです。
- ハイブリッド環境の運用を行うため
- レガシーシステムのサポートを行うため
- オンプレミスからクラウドに移行するため
- セキュリティの確保が必要なため
- トラブルシューティングのスキルが役立つため
- クラウドリソースを適切に最適化するため
近年では、完全にクラウドに移行する企業もあれば、オンプレミス(従来のデータセンター)とクラウドリソースを組み合わせるアーキテクチャをとる企業もあります。
どちらにせよ、従来のインフラ知識がなければ、適切に設計や管理を行うことはできません。
また、セキュリティの確保やトラブルシューティング、クラウドリソースの最適化においては、既存のネットワークやデバイスに対する理解など、従来のインフラ運用経験が活かされます。
このように、クラウドとオンプレミスのシステムを効果的かつ安全に連携させ、運用するためには、インフラに対する深い理解が必要なのです。
仕事の領域が幅広い
AWSエンジニアは他のエンジニアと比べて仕事の領域が幅広いため、各領域での変更やアップデートに対応する必要があり、それが同時に複数発生すると、対応が追いつかないことがあります。
AWSエンジニアの仕事領域は以下の通りです。
- クラウドアーキテクチャの設計
- クラウドインフラストラクチャの構築
- アプリケーションやサービスの自動デプロイ
- セキュリティの実装
- ネットワークの設計や管理
- データベースの管理
- システム全体の健全性の確保(パフォーマンスモニタリングなど)
- コスト管理
このように、クラウド環境でのシステムやアプリケーションの設計・構築〜運用・最適化まで、幅広い業務に携わります。
これらの領域を包括的にカバーしなければならないため、バランスを取りながら、効果的な仕事の進め方やスキルの向上を図ることが求められます。
長期案件が多い
AWSエンジニアは長期案件に携わることが多いため、他のエンジニアよりも心身ともに疲弊しやすい環境にあります。
長期案件の具体例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- プロジェクトの初期から終了まで携わり、要件定義から設計、実装、テスト、運用までのフルサイクルを行う
- 大規模なアプリケーションの開発と運用では、システムの拡張や機能追加、障害対応、セキュリティの維持などを継続的に行う
- 企業のニーズや技術動向に合わせて戦略のアップデートを行い、追加の実装や既存環境の最適化などに携わる
これらの事例から分かるように、AWSエンジニアはプロジェクトの初期から継続的に関与することが多いため、膨大な作業量をこなす必要がありますし、モチベーションを高く維持し続けなければなりません。
時には、企業に常駐して仕事をしなければならないこともあるため、途中で投げ出さない忍耐力と精神力が必要です。
未経験からAWSエンジニアを目指す価値
ここまで、AWSエンジニアのマイナスイメージについて解説してきましたが、目指す価値がない訳ではありません。
むしろ、希少価値の高い職種ですので未経験から目指す価値は高いと言えます。
- AWSはクラウド業界で圧倒的シェアがある
- 年収が高い
- 次々に新しい技術が登場する
- 需要・将来性が高い
- リモートワークが可能
AWSはクラウド業界で圧倒的シェアがある
AWSは世界でNo.1のシェアを獲得するほど絶大な人気を誇っており、多くの企業で導入されています。
主な競合相手には、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformがありますが、AWSはここ数年間、市場をリードし続けています。
NetflixやAirbnbを始めとし、SlackやUnilever、Samsungなど、スタートアップから大手企業まで様々な企業が利用しているため、就職先の選択肢は広いでしょう。
未経験からの転職では難しいかもしれませんが、経験を積めば大手企業に就職できる可能性もあるため、目指す価値は高いと言えます。
年収が高い
「求人ボックス 給料ナビ」によると、AWSエンジニアの平均年収は596万円となっています。
これは、日本の平均年収約443万円と比較しても高いですし、一般的なインフラエンジニアの平均年収525万円よりも70万円ほど高い年収となります。
なぜ、他のエンジニアよりも年収が高くなっているか?というと、以下の2つの理由が挙げられます。
- AWSは将来性が高く、多くの企業で導入されている
- 需要に対して人手不足である
企業は優秀なAWSエンジニアを求めているため、単価や年収を高く設定する傾向にあります。
未経験からAWSエンジニアになるのは容易ではありませんが、スキルを高めて経験を積むことができれば、年収1,000万円以上を目指すこともできるでしょう。
次々に新しい技術が登場する
AWSは、次々に新しいツールやサービスをリリースしているため、継続的に学習することができれば、自身のスキルセットを向上させることが可能です。
保守的な案件の場合、プロジェクトの要件や技術スタックが固定化され、最新の技術やツールへのアップデートが滞る傾向にあります。
しかし、AWSは常に進化し続けており、現在では200種類以上ものサービスが作られています。
最近では、機械学習や人工知能に関するサービスも提供しているため、最新技術が好きな方や好奇心の強い方に向いていると考えられます。
需要・将来性が高い
AWSエンジニアは需要と将来性が高い職種なので、現時点では、仕事がなくなる心配はほとんどないと考えられます。
indeedによると、AWSエンジニアの求人数は131,850件となっています。
似たような職種にインフラエンジニアがありますが、求人数は117,490件となっているため、AWSエンジニアの方が需要があると考えられます。
「クラウドエンジニアはなくなる」「AWSエンジニアはやめとけ」という声もありますが、今後はより多くの企業でITインフラのクラウド化が進んでいくと予想されます。
将来的に安定した職につきたいという方は、AWSエンジニアを検討してみてもよいでしょう。
リモートワークが可能
AWSエンジニアの主な仕事である、システムやサービスの構築・管理は遠隔からでも行えるため、リモートワークが可能です。
オンプレミスでITインフラを構築する他のインフラエンジニアのように、ハードウェアを扱うとなると、出社しなければなりません。
しかし、AWSエンジニアの場合はハードウェアを扱うことがないため、自宅でもカフェでも自由に仕事をすることができます。
注意すべきは、一人で膨大な量のタスクを管理しながら、効率よく進めなければならないということです。
AWSエンジニアは、ITエンジニアの中でも専門性の高い職種ですので、以下の特徴に当てはまる方に向いています。
- 自己管理能力が高い
- コミュニケーションスキルが高い
- 技術力が高い
- 柔軟性が高い
- セキュリティ意識が高い
AWSエンジニアにおすすめの資格
AWSエンジニアにおすすめの資格は以下の通りです。
- AWS認定資格
- 情報処理技術者試験
- Google Cloud認定資格
- ネットワークスペシャリスト試験
- Microsoft Azure認定資格
- Linux技術者認定試験(LinuC)
- CCSP認定試験
- CompTIA認定資格
これらの資格は、AWSエンジニアが特定の領域で深いスキルを持っていることを示すものであり、キャリアアップや仕事の機会を広げるために有効です。
資格を有していることが応募条件となっている求人もあるため、本格的に転職しようと考えている方は、資格取得を目指してみるべきでしょう。
まとめ
今回は、AWSエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由を中心に解説しました。
AWSエンジニアの仕事は、ITエンジニアの中でもハードワークを求められることが多いので、「やめとけ」「きつい」という声が上がっています。
しかし、クラウド業界においては需要も将来性も高く、多くの企業で必要とされています。
他のエンジニアよりも年収が高かったり、リモートワークが可能だったりと、未経験からでも目指す価値はありますが、それだけに多くの知識とスキルや豊富な経験が必要となるため、目指すにはそれなりの努力が必要になるでしょう。
- AWSエンジニアの仕事は、急な対応が必要なケースや長期案件が多いだけでなく、求められるスキルや担当領域も幅広いため、きついと感じる人が多い
- 需要や将来性が高く、人手不足の状態のため、未経験からでも目指す価値は高い
- 「AWSエンジニアにおすすめの資格」で紹介したものは、応募条件に含まれることがあるため、転職活動の際に有効である
なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に強いスクールとなっています。
特にWebエンジニアの育成に力を入れていますので、Web業界に興味がある方は是非お気軽にご相談ください。