「サーバーエンジニアに将来性はある?」
「サーバーエンジニアはきついと言われるけどなぜ?」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
変化の激しいIT業界の中で、サーバーエンジニアに求められるものも変わってきています。
そのため、サーバーエンジニアの将来性や今後必要となるスキルなどを把握することが大事になるでしょう。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- サーバーエンジニアの将来性
- サーバーエンジニアの仕事内容
- サーバーエンジニアが「きつい」と言われる原因
- サーバーエンジニアの求人動向
Web系の開発会社を運営しながら、Web系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、サーバーエンジニアの将来性から今後の需要まで詳しく解説していきます。
サーバーエンジニアは未経験者におすすめな仕事
サーバーエンジニアの主な仕事は、サーバーの設計・構築・保守運用がメインとなります。
他のエンジニアと違い、サーバー機器の接続や固定といった物理的な作業が発生することがある、という点が特徴です。
その通りです。
サーバーに関する知識を深めたり資格を取得したりすることで、未経験者でも対応しやすい職種でしょう。
- アシスタント役としてチームに加われるケースもある
- 未経験からの採用枠が存在する
- プログラミングスキルがあまり必要ない
特に、「プログラミングスキルが必要ない現場も多い」という点が、未経験者向けと言えるでしょう。
現場によっては、OSを操作するためのスクリプト言語である「シェルスクリプト」などが必要となることもありますが、他のエンジニアと比べるとプログラミングの機会は圧倒的に少ないです。
とはいえ、サーバーに関する深い知識が必要となる専門性の高い職種ですので、誰でも簡単になれる、というわけではありません。
未経験から目指す場合は、資格取得などを通して知識やスキルをしっかり身に付けておくようにしましょう。
サーバーエンジニアの将来性
この項目では、サーバーエンジニアの現状や将来性について詳しく紹介していきます。
サーバーエンジニアの需要は増え続けている
全体で見れば、サーバーエンジニアの仕事の需要は増え続けていると言えます。
全てとは言えません。
サーバーエンジニアでも、どのサーバーを担当しているかで大きく変わってきます。
- OSのオペレーションだけを扱えるエンジニア
- OSのオペレーションに加えてサーバーの負荷分散や仮想化技術も持つエンジニア
両者を比べると、後者の方が市場価値の高いエンジニアとなります。
さまざまなスキルを持ち合わせているエンジニアの需要は、今後も増えていくでしょう。
サーバーに関する情報も増え続け、日々進化しているため、最新のトレンドに対応できるようにしておかなければいけません。
日頃からスキルアップに励みながら、市場価値の高いエンジニアになる努力を積み重ねましょう。
仕事内容が変化し続けている
2000年代にサーバーエンジニアに求められるスキルは、以下の2つでした。
- 企業向けの商品のサポートと専門的なサーバー構築をする
- 大量のサーバーを購入してミドルウェアを組み合わて構築する
しかし、2010年代にはクラウドサービスが流行したことによりSaaSやPaaSとして提供する企業が増えました。
これにより、仕事内容も大きく変化していくのではないかと言われています。
需要はなくならないためサーバーエンジニアの将来性はある
サーバーをネットワーク経由で運用するクラウド化を取り入れる企業が増えてきていることから、サーバーエンジニアの需要が下がるのではないかと考えている方もいるでしょう。
■オンプレミス : 自社でサーバーを構築して運用する
■クラウド : ネットワーク経由で運用する
昨今では後者のクラウドを選ぶ企業も多く、結果的にサーバーエンジニアの需要が減るという声もあります。
しかし、すべての企業がクラウド化するというのは考えづらいですし、クラウド化には「カスタマイズしづらい」「ベンダーに依存する」といったデメリットもあるため、意図的に避けている企業も少なくありません。
こうした事情から、従来のオンプレミス環境も残り続けるため、サーバーエンジニアの需要がなくなることはないでしょう。
サーバーエンジニアの年収と求人の動向
具体的な年収や求人内容がわかるとイメージが湧きやすいですよね。
ここでは、サーバーエンジニアの年収や求人の動向について解説していきます。
サーバーエンジニアの年収の動向
サーバーエンジニアの想定年収は400万円〜500万円ほどになります。
(引用:マイナビAGENT)
年収水準で言えば、他の職種と比べて平均的な位置にあります。
しかし求人内容を見ると、経験者を求めているケースもあるので注意してください。
- 新規サーバー立ち上げなどの求人は少ない
- 欠員補充など人手不足で募集する
- サーバーに精通した人材を募集している
このようなケースであれば、即戦力のようなスキルを求められます。
また、サーバーのシステム管理はチーム体制で取り組むことが多いので、チームを管理できるマネジメント力があれば、管理職となってさらなる給料アップを狙うこともできるでしょう。
サーバーエンジニアの求人の動向
サーバーエンジニアの求人は安定的に存在する状態だと言えます。
- 設計・構築はエンジニアの手で行う必要がある
- 自社サーバーを持っている企業が多い
オンプレミス(自社運用)の企業もあるため、完全にサーバーエンジニアの仕事がなくなることは無いでしょう。
また求人内容としては、正社員の割合が多いです。
サーバーエンジニアの仕事柄、24時間365日安定的に稼働させるために迅速な対応ができる人材が求められているからです。
一定の需要は保たれるため、今後も大幅に求人数が低下するような可能性は少ないと言えます。
サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーエンジニアの仕事内容は、構築や保守作業がメインになります。
ITインフラを支えるために必要不可欠になるサーバーエンジニアの仕事内容について、1つずつ解説していきます。
- 構築業務
- 保守業務
構築業務
サーバーエンジニアの仕事の1つに、サーバーの設置やシステムの安定的な稼働を目的とした構築業務があります。
- サーバーの設計
- サーバー機器の設置や配線
- サーバーを動かすOSの設定やアプリケーションの導入
OSなどシステムの設定作業から機器を配置する物理的作業まで幅広く担当します。
保守業務
構築業務が終わった後は、サーバーを安定的に稼働させるための保守業務を行います。
- サーバーの設定変更
- サーバーの監視やトラブル対応
- バックアップやセキュリティ対策
構築したあとは、サーバーにトラブルがないか確認しつつ安定的に稼働させる仕事がメインになります。
システムは24時間365日動作させる必要があるため、トラブルが発生してもすぐに対応することが求められます。
サーバーエンジニアが「きつい」と言われる原因
業務内容から考えると、どうしても不規則になることが多いです。
- 24時間監視する必要があるので夜勤が発生する
- 何時だろうとトラブルが発生したら対応しなければならない
- 不定休で生活リズムを掴みづらい
サーバーを安定的に稼働することが1番大事になるため、障害の復旧が第一優先になります。
そのため、仕事や休日のバランスが掴みづらくなることもあります。
逆に言えば、不規則な勤務時間になっても抵抗がない方は、サーバーエンジニアの仕事が苦にならないでしょう。
サーバーエンジニアが将来のために習得すべき4つのスキル
時代の変化に合わせたサーバーエンジニアになるためには、以下の4つのスキルを持っておいた方がいいでしょう。
- コンテナ
- 仮想化技術
- クラウド
- Infrastructure As Code
コンテナ
仮想化技術の1つとして登場したコンテナの技術は、仮想化環境を構築する時に必要になります。
- 1つのOS上で複数のプログラム稼働環境を構築できる
- 軽量かつ高速な動作になる
- 構築作業が簡単になる
のちほど解説する仮想化の技術を、より便利にしてくれるようなものです。
代表的なもので言えば、Dockerが挙げられます。
環境によってDockerの導入を求められる場合もあるため、知識があると重宝されるでしょう。
仮想化技術
仮想化技術は今までも必要とされていましたが、今後さらに必要になってくるでしょう。
なぜなら、時代の変化により仮想化技術は基礎的なスキルとなるからです。
- テレワークにより需要が増加
- クラウドとの相性がいい
- コンテナ技術の発展により必要になる
新型コロナウイルスの影響により、テレワークなど場所を選ばない働き方も主流になってきました。そうなると、クラウドや仮想化の技術も一般的になってくるでしょう。
クラウド
サーバーを環境構築する際に選択肢の1つになるクラウドに関する知識は、しっかりとつけておきましょう。
クラウドは今後も利用する企業が増えるため、さらに普及していきます。
具体的にやるべきことは以下の通りです。
- AWSやAzureなどクラウドサービスごとの比較検討をできるようにしておく
- オンプレミス環境とクラウドの違いを把握しておく
Amazonが提供しているAWSなどのクラウドベンダーがやっている認定資格の取得により、客観的なスキルの証明もできます。
今後普及していくクラウドの知識は、資格取得や独学などでしっかり身につけておきましょう。
Infrastructure as Code(IaC)
Infrastructure as Code(IaC)とは、ITインフラの構成をコード化して管理しようとする考え方のことです。
IaCを導入することで以下のようなメリットがあります。
- 簡単にサーバーの構築ができる
- 手作業で行わないためミスが減る
- 特定の人しか構築できないなどの課題が解決する
作業効率が上がるIaCの考え方は、サーバー構築の一部の現場で取り入れられています。
今後需要が上がった時のために、IaCへの理解を深めておきましょう。
サーバーエンジニアにおすすめの資格
クラウドベンダーが行なっている認定資格の取得をしておくと知識を深められます。
現場でも活かせる内容になっているので、積極的に取っておくといいでしょう。
サーバーエンジニアにおすすめの資格は以下の通りです。
- LinuC(Linux技術者認定資格)
- MCP(マイクロソフト認定資格)
- ITIL®認定資格
LinuC(Linux技術者認定資格)
LinuCはサーバーOS大手のLinuxが行う認定資格で、サーバーやネットワーク構築の基礎スキルなどを問われます。
2020年には仮想化やコンテナ技術のテーマを出題範囲に入れたりと、クラウド関連の知識にも対応しています。
レベル1:物理・仮想環境のLinuxサーバーの構築・運用
レベル2:仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設計・構築
レベル3:最高レベルの技術力を持つ専門家レベル
Linuxのシステム構築や運用にかぎらず、クラウドや各種アプリ開発に携わる人にとってもおすすめの資格です。
マイクロソフト認定資格(MCP)
Microsoft社が行うマイクロソフト認定資格は、サーバーエンジニアが持っておくと役立つ資格もあります。
資格を取得しておけば、学習意欲の高さやスキルの証明にもつながります。
- MCSA
- MCSE
- MCSD
有名なのは上記の資格です。
MCSAであれば、アソシエイトレベルの技術者向けの資格のため、初学者にとっては挑みやすいでしょう。
またエキスパートレベルのMCSE・MCSDは、世界的に認められている資格になります。
企業側も重視している資格の1つになるため、取得するために努力する価値はあります。
ITIL®認定資格
ITIL®認定資格は、ITサービスマネジメントの成功事例をまとめた「ITIL®」という書籍をベースにした認定資格になります。
- ITILファンデーション
- ITILスペシャリスト
- ITILストラテジスト
- ITILリーダー
- ITIL マスター
ITサービスマネジメントの世界的標準として認知されているため、理解度を示すためには有効な資格になります。
これらの認定資格を取得すれば、今後のITサービスの品質向上に大きく役立つでしょう。
サーバーエンジニアのキャリアパス
大きく分けて、3つのキャリアパスに分かれます。
- プロジェクト成功を目指すマネージャー
- 技術力を高めるスペシャリスト
- IT技術を駆使して企業課題を解決するITコンサルタント
そのほかにも、サーバーエンジニアとしての経験を生かしながらWebエンジニアへ転職するといった道もあります。
サーバーエンジニアは専門性の高い職業ですが、裏側でシステムを動かすバックエンドエンジニアとは近い部分があります。
もちろんWebエンジニアへ転向するのは大変ですが、実現すれば、インフラの知識を持ったWebエンジニアとして「フルスタックエンジニア」になることもできます。
弊社プログラミングスクール「RUNTEQ」でも、インフラエンジニアからWeb系エンジニアへの転職を成功させた方もいます。
インフラエンジニアからWeb系エンジニアへの転職を検討している方は、ぜひこちらの動画も参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、サーバーエンジニアの将来性について解説しました。
サーバーエンジニアの仕事自体は、オンプレミスを取り入れている企業がある限りなくなりません。
しかし、今後も時代の変化により取得すべきスキルは変化していくでしょう。
サーバーエンジニアに関心があれば、クラウド化や仮想化技術など最先端のサーバーに関する技術の理解や資格取得なども意識しておくのがおすすめです。
- サーバーエンジニアの仕事自体はなくならない
- クラウドや仮想化技術など最新のサーバーに関する知識が求められる
- 将来性のあるエンジニアになるには資格取得など最新のIT知識を身につけよう
なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に強いスクールで、特にWebエンジニアの育成に力を入れています。
未経験から学習を始めた多くの卒業生が、Web系開発企業へのエンジニア転職を成功させています。
今でも需要の高いWebエンジニアですが、今後はさらに需要が高まっていくと言われていますので、これからWebエンジニアを目指したいという方は、是非一度無料キャリア相談会へお越しください。