「Web業界でエンジニアとして学ぶ言語として、PHPを学びたい!」
「PHPを勉強してスタートアップ企業に転職したい!」
と考える人は多いと思います。
PHPはWeb開発の現場で多用されている言語であり、スタートアップ系企業の多くが採用しているという特徴もあります。
しかし、PHPについてあまり詳しくないため、「PHPの特徴やメリットを知らない」「PHPを使った代表的なWeb開発事例を知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、PHPについて下記内容をお伝えしていきます。
- PHPの特徴
- 国内・海外のPHP開発事例
- PHPと他のWeb系言語の違い
- PHPの勉強方法
PHPについてしっかりと理解し、世界でどのようなWebアプリケーション・Webサイトに利用されているのかを知っておきましょう。
PHPについて知識を身につけておくことで、実際にPHPを用いた開発をする際に役立ちます。
数多くのWeb系エンジニアを輩出してきたプログラミングスクールRUNTEQで培ったノウハウをもとに解説していきます。
PHPとは
PHPは正式名称が「PHP:Hypertext Preprocessor」となっており、動的なWebサイトやWebアプリケーションの作成に活用されているプログラミング言語です。
基本的な構文が分かりやすく、コードの内容を視覚的に確認しやすい言語で、HTMLと組み合わせて使用することができます。
PHPの歴史
PHPは1994年にカナダ人のラスマス・ラードフという方が開発した言語で、C言語がベースとなっています。
元々は「Personal Home Page Tools」と名付けられており、Web上の経歴書情報を調べるために使われていたプログラミング言語です。
そこから「PHP Tools」と呼ばれるようになり、WebサイトやWebアプリケーションへの活用が期待され、ラスマス氏によって機能が追加されていきました。
それにより、現代のように動的なWebサイトやWebアプリケーションが作成できるようになったのです。
また、世界でPHPが使われるようになったことから、様々なフレームワークも開発されていきました。
現代において、PHPは様々な現場で必要とされるプログラミング言語となっています。
PHPの特徴
PHPの特徴は下記2点です。
- 動的なコンテンツを作成できること
- HTMLと組み合わせて利用できること
PHPで作成したWebサイトやWebアプリケーションは、利用者に応じて表示される内容やページを変えることができます。
Facebookのおすすめの友達欄やタイムラインなどは、PHPを用いた動的コンテンツの代表例です。
また、PHPはHTMLと組み合わせて使用することができるため、デザイン性と機能性を兼ね備えたWebサイトやWebアプリケーションを作成することができます。
HTMLは動的なコンテンツを作成することはできませんが、PHPと組み合わせることで、利用者に対応する動的なコンテンツにすることが可能です。
PHPではできないこと
PHPではできないことは下記2点です。
- デスクトップアプリやスマホアプリの作成
- Webページのデザイン
PHPはWeb系の言語であるため、Windowsなどのデスクトップアプリやスマホアプリの作成をすることはできません。
同様の理由で、AIやIoTなどの最先端のシステム開発などにも使うことはできないため、注意が必要です。
また、PHPはあくまでサーバーサイド側の言語であるため、Webページのデザインを作成することはできません。
そのため、動的かつデザイン性の高いWebコンテンツを作成するためには、HTMLと組み合わせて使用する必要があります。
PHPを学ぶメリット
PHPを学ぶメリットは、学習するための情報が豊富にあることです。
PHPは長くいろいろな場所で利用されているプログラミング言語であるため、学習教材や書籍、ノウハウがたくさん公開されています。
また、Web系開発言語として今もなお需要が高いため、PHPの案件は非常に多いです。
そのため、PHPができるようになることで、仕事を獲得しやすくなり、自分の市場価値を高めることもできます。
MySQLなどのデータベースとの連携も他の言語に比べて得意としているため、情報の取り扱いがしやすい言語でもあります。
データを取り扱う必要のあるWebサイトやWebアプリケーションの開発に向いているプログラミング言語となっています。
有名なフレームワークは「Laravel」
PHPで最も有名なフレームワークは「Laravel」です。
2011年に登場したPHPのフレームワークで、PHP初心者でも簡単にコードを書くことができるのが特徴です。
市場でもLaravelを使ったWeb系開発のニーズは高いため、Laravelを扱えるようになると仕事の獲得が容易になるでしょう。
PHPは初心者におすすめ
PHPは初心者におすすめのプログラミング言語です。
理由として下記2点が挙げられます。
- PHPの構文はシンプル
- PHPで作ったコードはWeb上で動かして確認することができる
PHPは構文がシンプルで、他のプログラミング言語に比べて学習をしやすい言語となっています。
また、PHPはHTMLと組み合わせて学習することで、作成したコードによりどのようにWebサイトやWebアプリケーションが動くのか確認することができます。
初心者はプログラムの結果を可視化することでプログラミング言語を楽しんで覚えることができるため、PHPは初心者向けの言語となっています。
環境構築が簡単で、すぐに学習を始められることもあり、PHPはプログラミング初心者が最初に学ぶのにとても良いプログラミング言語です。
PHPを使った国内開発事例5選
PHPを使った国内開発事例を5つ紹介します。
- ぐるなび
- CAMPFIRE
- ココナラ
- 一休.com
- Retty
ぐるなび
日本で美味しい料理や目的の食べ物を出してくれるお店を探すときに利用されるサイト「ぐるなび」は、PHPを使ったWebサイトです。
ぐるなびはPHPのフレームワーク「Laravel」を使用したWebサイトとなっており、ユーザーの属性や検索内容に応じて様々なページを表示することができます。
Laravelについてのノウハウは多く、開発者がLaravelについて学習をしやすいため、エンジニアとして成長しやすい、というメリットがあります。
ぐるなびが見やすく使いやすいWebサイトになっているのも、LaravelというPHPのフレームワークを使用していることが大きな理由です。
エリアや食べ物の種類を選択することで、自分好みのお店を見つけることができる、とても使いやすいWebサイトとなっています。
CAMPFIRE
クラウドファンディングサービスを提供する「CAMPFIRE」も、元はPHPを使って開発されたWebサイトです。
日本最大級のクラウドファンディングサイトであり、様々なプロジェクトをCAMPFIRE上で探したり、プロジェクトの支援を行うことができます。
PHPを使った動的なWebコンテンツとなっており、カテゴリーや地域、人気順など、プロジェクトの検索機能が備わっています。
元々はPHPを使って開発されたWebサイトですが、現在は多くの部分がRuby on Railsに切り替わっています。
ココナラ
「ココナラ」は、自分の得意なスキルを使って仕事を探すことができるクラウドソーシングサイトで、PHPを使って開発されています。
日本では最大級のクラウドソーシングサイトとなっており、プログラミングやWebデザイン、営業代行など、様々な案件を探すことが可能です。
ココナラのWebサイトでは、PHPのフレームワーク「CakePHP」が使われています。
検索機能や動的なWebページの表示ができ、デザイン性も優れたWebサイトとなっています。
一休.com
旅行予約サイト「一休.com」はPHPを使ったWebサイトです。
一休.comはユーザー数が1000万人を超える旅行予約サイトで、ホテルや旅館の登録施設も1200カ所以上に及びます。
一休.comはPHPを使った検索機能を持つ予約サイトです。
検索内容に沿って、膨大な検索内容の中から予約可能な旅館やプランを表示することができ、ユーザーが使いやすいWebサイトとなっています。。
Retty
ぐるなびと同じ料理店を探すことができるWebサイト「Retty」もPHPで作られています。
Rettyは決められた登録情報を登録したユーザーのみが口コミを登録しているため、他のグルメサイトに比べて評価や口コミ内容の信頼性が高いサイトです。
Google検索でユーザーが検索したグルメ情報の内容に合わせて、URLを検索結果に表示しています。
また、URLがクリックされると、データベースに対してSQL文を即座に投げ、必要なWebページをユーザーに表示することができます。
PHPを使った海外開発事例5選
PHPを使った海外開発事例を5つ紹介します。
- Wikipedia
- Slack
- WordPress
- Hootsuite
SNSとして全世界に多くのユーザーを持つ「Facebook」は、PHPで開発されたサービスです。
PHPを用いることで動的なサービスとなり、検索結果や表示の切り替えがユーザーの属性により変化するようになっています。
元々PHPで開発されたFacebookですが、今はHackに置き換わっています。
Wikipedia
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/
インターネット百科事典として誰もが利用したことのある「Wikipedia」は、PHPを使って作られたWebサイトです。
検索された言葉や人物、事柄の内容などがまとめられたWebサイトで、世界中の多くの人が活用しています。
世界的に使われるWebサイトである分、ユーザーの期待を満たすためには、スピード感を持った検索結果の画面表示が必要です。
PHPを使うことで動的なWebページの作成を容易に実現し、世界のニーズに応えているWebサイトとなっています。
Slack
出典:https://slack.com/intl/ja-jp/productivity-tts
ビジネスチャットツールとして多くの企業で取り入れられている「Slack」の開発にもPHPが使われています。
Slackは企業などのコミュニケーションツールとして多くの企業で取り入れられており、2019年には世界における日間アクティブユーザー数が1,000万人を突破しました。
グループチャットやチャンネル機能を持っており、ユーザーによって表示される画面が大きく異なるサービスです。
そのため、PHPを使って開発され、動的なWebサービスとして多くの企業に使われています。
WordPress
コンテンツマネジメントシステム(CMS)として有名な「WordPress」も、PHPを使って開発されています。
WordPressは、Webサイトやブログの運営などで多くの人に使われています。
WordPressを使えば、プログラミング言語などを知らなくても簡単にWebサイトやブログを作成することが可能です。
Hootsuite
出典:https://www.hootsuite.com/en-GB
SNS統合管理サービスである「Hootsuite」はPHPを用いて開発されました。
複数のSNSを管理する際に役立つWebサービスで、SNSを管理することはもちろん、投稿の作成や解析を行うことも可能です。
複数のSNSの情報が必要となり、それぞれ表示される画面が異なるため、PHPを使って動的なWebサービスとして開発されました。
PHPと他のWeb開発言語との違い
PHPは初心者も扱いやすい簡単な構文やルールで成り立つプログラミング言語であり、少し適当なコードでもWebサイトやWebアプリケーションの開発ができてしまいます。
これに比べ、Rubyなどの他のWeb開発系のプログラミング言語はコーディングのルールが明確であることが多いです。
また、PHPは変数の型の宣言が必要ないのに対し、プログラミング言語として有名なJavaには変数の型の宣言が必要です。
PHPと他のプログラミング言語では、コードを書く際に様々な違いがあるため、勉強して知っておくと良いでしょう。
PHPの学習方法
PHPを学習するためには、実際に手を動かしてコードを書いてみることが重要です。
PHPは初心者向けのプログラミング言語であり、多くのWebサイトやWebアプリケーションでも使用されているため、学習サイトや教材は豊富に存在します。
PHPの基本的な知識を本やWebサイトで学びつつ、自分の手を使ってパソコンでPHPのコードを書いていくことで、PHPについて理解が深まっていくでしょう。
今はProgateなどの無料のプログラミング学習サイトもあるため、PHPの学習はしやすくなっています。
まとめ
今回の記事では、PHPの特徴や国内・海外の開発事例、またPHPの学習方法について解説しました。
- PHPは動的なWebサイト・Webアプリケーション開発に使われるプログラミング言語
- PHPはプログラミング言語学習初心者におすすめ
- 実際にコードを書いてPHPを覚えていく
PHPは動的なWebサイトやWebアプリケーションの開発によく使われるプログラミング言語です。
PHPを使いこなせるようになることで、スタートアップ企業のWeb系開発など、様々な案件に取り組むことができるようになります。
プログラミング初心者にも学習しやすいプログラミング言語となっているため、ぜひ一度学習してみてください。