プログラミング言語

Pythonの特徴をわかりやすく解説!初心者が作れるものも紹介

「Pythonというプログラミング言語にはどんな特徴がある?」
「Python初心者でも作れるものはどんなもの?」

これからプログラミングを学ぼうとしている方の中には、どの言語を学ぶべきか迷っている方も多いことでしょう。
その中で、「Python(パイソン)」に興味を持ち、どんな特徴があるのか知りたいと思っている方も少なくないはずです。

そこでこの記事では、Pythonの主な特徴や、初心者でも作れるもの、Pythonを学ぶメリットなどについて詳しく解説していきます。

Pythonというプログラミング言語にどんな特徴があり、習得することでどんなメリットがあるのか知りたい方は、是非参考にしてください。

Pythonの特徴

Pythonの特徴

Pythonの主な特徴としては、以下のようなものがあります。

  • コード記述がシンプルなので初心者でも習得しやすい
  • チーム開発に向いている
  • インタプリタ型言語なのでデバッグしやすい
  • フレームワークやライブラリが多い
  • 用途が広い

コード記述がシンプルなので初心者でも習得しやすい

Pythonは、コードの記述が非常にシンプルであり、初心者でも習得しやすいプログラミング言語です。

例えば、プログラミング学習の最初の課題となることが多い「Hello World!」についても、Pythonならば大変簡単です。

画面に「Hello World!」と表示するだけの簡単なコードなのですが、JavaやC言語の場合ですと、以下のような記述が必要になります。

【Javaの場合】

public class HelloWorld{
public static void main(String[] args){
System.out.println(“Hello World!!”);
}
}

 

【C言語の場合】

#include <stdio.h>
void main(){
printf(“HelloWorld.¥n”);
}

 

しかしPythonならば、以下の1行で完結します。

print(“Hello, World!”)

 

このように、シンプルでわかりやすい記述のみで動作するというのが、Pythonの大きな特徴です。

チーム開発に向いている

前述の通り、Pythonはコードが簡潔であることから、チーム開発に向いているという特徴もあります。
構文などがわかりやすく、伝わりやすいソースになりやすいため、チーム内で共有しやすいのです。

JavaやC言語といったコンパイラ型言語の場合、同じ命令をコーディングする際でも、エンジニアによって記述方法が違ってくる場合が多いのですが、Pythonならば誰が書いても可読性の高いプログラムになりやすいです。

インタプリタ型言語なのでデバッグしやすい

インタプリタ型言語とは、実行時に1行ずつ機械語に翻訳しながら処理を行う形式の言語のことで、Pythonはインタプリタ型となります。

1行ずつ変換していくので、事前に一括変換するコンパイラ型言語よりも実行速度は遅くなってしまいますが、かわりに「デバッグしやすい」というメリットがあります。

プログラムが実行されるのを目視しながら確認できるため、エラー箇所がわかりやすく、その場ですぐに修正することが可能なのです。

規模の大きい開発の場合、デバッグ作業が大変になってしまうこともありますが、Pythonならば効率的にデバッグを行うことが可能です。

フレームワークやライブラリが多い

Pythonには、開発を効率化するためのフレームワークやライブラリが多く存在します。

フレームワークとは

あらかじめ開発に必要となる機能が用意されている枠組み(ひな形)のこと。
例えば、履歴書を作成する時に、真っ白な紙から作成するのは大変だが、履歴書のひな形を使って作成すると大幅に作業時間が短縮されるのと同様に、フレームワークを利用することで開発効率が上がる。

ライブラリとは

開発においてよく使われる機能をまとめたファイルのこと。
例えば、履歴書に自分の長所を書く際、定型文(テンプレート)を利用すれば効率よく項目を埋められるのと同様に、ライブラリを利用することで開発効率が上がる。

フレームワークやライブラリを用いることで、開発の効率化だけでなく、バグが発生しづらいというメリットもあるため、開発において欠かせないものとなります。

なお、Pythonの代表的なフレームワークやライブラリは以下の通りです。

【Pythonの代表的なフレームワーク】

フレームワーク
特徴
Django(ジャンゴ)
Pythonのフレームワークの中で最も人気がある。多数の機能があらかじめ用意されており、大規模開発に向いている。
Flask(フラスク/フラスコ)
小規模開発向けのマイクロフレームワーク。必要最低限の機能しか実装されていないが、その分軽量でスピード感のある開発に向いている。
Tornado(トルネード)
非同期のフレームワークで、多人数が同時接続するようなサービス開発に向いている。

【Pythonの代表的なライブラリ】

ライブラリ
特徴
randam
乱数を生成できる。
datetime
当日の日付や過去の日時を取得できる。
sys
実行環境に関する処理を行う。

用途が広い

Pythonは、あらゆるジャンルの開発・作業に用いることができるプログラミング言語です。

  • AI開発
  • Webアプリケーション開発
  • スクレイピング

このように汎用性が高いため、習得することでキャリアパスの選択肢が広がります。

Pythonでできることについては、次の項目で詳しく解説します。

Pythonで何ができる?

Pythonで何ができる?

Pythonをマスターすることでどんなことができるようになるのか気になっている方も多いでしょう。

この項目では、Pythonでできることについて紹介しています。

AI開発

今、急速に成長しているAI業界ですが、AI開発においてはPythonを採用する企業が多いです。
世間を騒がせた、あの「ChatGPT」もPythonで開発されています。

PythonがAI開発で重宝される理由は、Pythonのフレームワークやライブラリには、AI開発に適したものが揃っているからです。
フレームワークやライブラリが充実していれば、それだけ効率よく開発を進められるため、AI開発の際はPythonが第一選択肢となることが多い状況です。

また、Pythonの習得難易度の低さも、AI開発に採用されやすい理由の一つでしょう。

AI開発に欠かせない機械学習は、数学や統計を得意とする人に向いているものの、プログラミングスキルを持っていないことも多いです。

こうした人たちが「AI開発が可能なプログラミング言語を習得しよう」と考えた時に、難易度の低いPythonが選ばれやすいため、数学や統計の知識を持ったAIエンジニアの確保を容易にするために、企業側はPythonでの開発を選択するわけです。

IT業界でも最先端をいくAI開発に関わりたい方は、Pythonの習得を目指すとよいでしょう。

ビッグデータの分析

Pythonには、ビッグデータ(膨大な量のデータ)を分析・処理するためのライブラリが豊富です。

例えば、以下のようなライブラリです。

  • Numpy
  • Pandas
  • Matplotlib …など

このように、データ分析に活用できるライブラリが多くあるため、データ分析の専門家であるデータサイエンティストも、Pythonを利用することが多いです。

Webスクレイピング

Webスクレイピングとは、ネット上にある膨大な情報の中から、「見出し」や「画像」といった特定の情報のみを抽出・収集する技術のことです。

情報収集と同時に、不要な情報の削除も自動で行われるため、人力での作業と比べると大幅な時間短縮となります。

そんなWebスクレイピングも、Pythonでできることの一つです。

Webアプリケーション開発

Pythonは、AIやデータ分析といった分野だけでなく、Webアプリケーション開発にも用いられることがあります。
なぜならば、Web開発にも活用できるライブラリが豊富に揃っているからです。

実際に、Pythonを用いて開発されたWebアプリやWebサービスには、以下のような有名なものも多いです。

  • YouTube
  • Instagram
  • Spotify
  • Dropbox …など

シンプルな構文でスピーディに開発できるため、Web開発とも相性がよいことは間違いありません。

Pythonを学ぶメリット

Pythonを学ぶメリット

Pythonを学ぶメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 学習コストが低い
  • キャリアパスが広がる
  • 最先端の開発に関われる
  • 求人数・案件数が多い

学習コストが低い

Pythonは、構文がシンプルであるため、比較的簡単に習得できるプログラミング言語です。
その上、Pythonに関する情報はWeb上にたくさんあるため、情報収集が容易で、何か問題があっても自己解決しやすいという特徴もあります。

こうした理由から、Pythonは学習コストが低いというメリットがあり、初心者から選ばれやすい言語となっています。

キャリアパスが広がる

Pythonは、いろいろな分野で採用されているため、習得することでキャリアパスが広がりやすいという特徴もあります。

まず、Pythonを身に付けることで以下のようなエンジニアを目指すことが可能です。

  • Webエンジニア
  • AIエンジニア
  • データサイエンティスト

いずれも将来性のあるエンジニアであり、現在はもちろん、今後とも高い需要を維持することが予想されます。

そして、上記のようなエンジニアからキャリアをスタートさせた後に、他の分野に興味が移ったとしても、同じPythonを使う現場であれば横移動しやすいでしょう。
例えば、AIエンジニアとして働くうちに、データ分析に対して強い興味を持った場合には、データサイエンティストへキャリアチェンジする、といった形です。

キャリアパスの選択肢を増やせることも、Python習得のメリットとなります。

最先端の開発に関われる

IT業界の中でも、AI開発は最先端の領域です。

そんなAI開発の世界でメインとなっているプログラミング言語がPythonですから、新しい物が好きで、最新技術に触れられることに喜びを感じるタイプの方には、特にPythonの習得をおすすめします。

AI業界は今後も伸び続ける可能性が高いので、将来性についても心配はないでしょう。

求人数・案件数が多い

Pythonは、いろいろな業界で採用されている需要の高い言語であるため、求人数や案件数が豊富です。
就職を考えている場合でも、副業やフリーランスとして活動する場合でも、Pythonをマスターしておけば求人探しや案件探しに困ることはほとんどないでしょう。

もちろん、応募できる数が多くとも、スキルレベルが低ければ採用までには至らない可能性も大いにありますので、需要の多さに慢心せず、しっかりとしたスキルを身に付けることが重要です。

Python初心者でも作れるもの

Python初心者でも作れるもの

Pythonを使うことでどんなサービスが作れるのか?と気になっている方も多いのではないでしょうか。

初心者でも、Pythonを使うことで以下のようなサービスを開発することが可能です。

  • Excelの自動化
  • シンプルなゲーム
  • 画像の処理

Excelの自動化

Pythonには、Excelに対応したライブラリも複数存在します。
これらのライブラリを活用することで、Excelでの処理を自動化するプログラムを組むことが可能となります。

Excelを操作するためのライブラリとして、最もメジャーなものが「openpyxl」です。
PythonでExcelを動かす際の処理が高速ですし、日本語ドキュメントが豊富なので何かわからないことがあっても調べやすいという特徴があります。

「Excelで自動化処理をするなら、マクロやVBAを使えばいいのでは?」

こう感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、Pythonには「OSに依存しない」という特徴があるため、環境を選ばず実行できる上、Pythonを使うことでExcel以外のアプリケーションとも連携できるなどのメリットもあります。

したがって、Pythonを用いてExcelの自動化処理を作成することには意味があると言えるでしょう。

シンプルなゲーム

初心者でも、Pythonを使ってシンプルなパソコン用ゲームを開発することが可能です。

Pythonには、「Pygame」というゲーム開発に特化したライブラリや、「Cocos2d」という2Dゲーム開発用のフレームワークが存在します。

これらを活用することで、初心者がでもゲーム制作が可能ですので、Pythonを使ってどんなことができるのかを体験するにはちょうどよいでしょう。

ただし、Pythonはインタプリタ型言語ということもあり、処理速度が遅めです。
そのため、高い負荷のかかる大規模なゲームや、高速処理が求められるゲームの開発には向いていません。

あくまで、「腕試し程度の簡易的なゲーム制作なら可能である」というように認識しておいてください。

画像の処理

初心者にとってはやや難しくなりますが、画像処理に特化したライブラリを用いることで、線やテキストの画像描画・顔認識・物体の検出といったことが可能となります。

特に有名なのが、「OpenCV」というライブラリです。
こちらはインテル社が公開しているオープンソースで、簡潔なコードのみであらゆる画像処理が実現できます。

他のライブラリを掛け合わせることでさらに高度な画像処理も可能となるので、初心者の域を脱した頃に是非チャレンジしてみてください。

Pythonの将来性

Pythonの将来性

結論からお伝えしますと、Pythonの将来性は今後も非常に高いと言えます。

成長業界であるAI業界で重宝されていることや、あらゆる分野で用いることができる汎用性の高さなどのメリットがあるため、Pythonの需要は今後も伸び続けることでしょう。

また、AI同様に、Webやデータサイエンスといった業界でも必要とされている言語でもあるので、Pythonを習得する価値は大変高いと考えて問題ありません。

まとめ

まとめ

以上、Pythonというプログラミング言語の特徴や、Pythonを習得するメリット、Pythonを使ってできることなどについて解説してきました。

Pythonは非常に将来性の高い言語であるため、これからプログラミングを学ぼうとしている方にはおすすめできる言語です。
特に、AIやデータサイエンスといった業界へ進みたいと考えている場合は、積極的に学習に励むべきでしょう。

伸び盛りであるWeb業界への転身も可能となるため、興味を持ったのならば是非Pythonの習得にチャレンジしてください。

今回の記事のまとめ
  • Pythonは未経験者でも比較的習得しやすいプログラミング言語
  • 「求人数や案件数が多い」「キャリアパスの選択肢が広がる」など、Pythonを身に付けるメリットは多い
  • Pythonが用いられることが多いAI業界やWeb業界の将来性は非常に高い

なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に強いスクールで、特にWebエンジニアの育成に力を入れています。
未経験から学習を始めた多くの卒業生が、Web系開発企業へのエンジニア転職を成功させています。

Webエンジニアの需要は今後も高まっていくと予想されていますので、興味をお持ちの方は、是非一度無料キャリア相談会へお越しください。

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