「インフラエンジニアの将来性ってどう?需要は高い?」
「インフラエンジニアからのキャリアパスや転職事情も知りたい」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
インフラエンジニアと聞くと「夜勤が多い」「トラブルへの対応をしないといけない」など、他のエンジニアと比べて大変な印象を持っている人もいるでしょう。
最近ではクラウドが出てきたので、むしろ理想的な働き方のように思って目指している方もいるでしょう。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- インフラエンジニアの仕事内容や働き方を解説
- インフラエンジニアの将来性は?
- インフラエンジニアがキャリアアップするために必要な4つのスキル
今回の記事では、Web系の開発会社を運営しつつもWeb系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、インフラエンジニアの今後の需要や将来性について解説していきます。
この記事を最後まで読めば、インフラエンジニアとして活躍する方法がわかり、将来のキャリアパスを考えるキッカケになります。
インフラエンジニアを検討している方は、ぜひ最後まで読んでくださいね!
インフラエンジニアの仕事内容

わかりました!インフラエンジニアの仕事内容として大きく分類すると設計・構築・運用の3段階に分かれます。
- 設計:作りたいサービスにかけるお金の予算やどのレベルのインフラを用意するのか決める
- 構築:設計書をもとにサーバーやネットワークの設定を行う
- 運用:出来上がったインフラに異常がでていないか監視・対応する
いずれの仕事も下流工程(運用・保守・監視)と上流工程(要件定義・設計・構築)に分かれており、最初は下流工程で経験を積んだ後に、上流工程に上がっていくのがインフラエンジニアの一般的な流れになるでしょう。
また、インフラエンジニアは担当するものや業務内容によって、下記のように種類が分かれます。
- サーバーエンジニア:サーバーの構築・運用・保守や他の機器とケーブルをつなぐ物理的な作業も行う
- ネットワークエンジニア:安全かつ安定したネットワークシステムの設計・構築・運用・保守を行う
- セキュリティエンジニア:情報セキュリティに特化しており外部のIT攻撃などの対策を行う
- クラウドエンジニア:AWS(Amazon Web Service)やGCP(Google Cloud Platform)などのクラウド環境下における情報システムの開発・運用管理・保守を専門に行う
- データベースエンジニア:大量のデータ処理に耐えられるように設計やチューニングを行う
その中でもインフラ構築の方法として、以下の2つに分かれるので押さえておきましょう。
- 大企業などで採用されやすいオンプレミス
- スタートアップで採用されやすいクラウド
種類が多くてわかりづらいですが、1つずつ覚えれば大丈夫です。
順番に解説していきますね。
大企業などで採用されやすいオンプレミス
オンプレミスとはサーバーやソフトウェアを1から自社で組み上げていく構築方法で、いわゆる自社運用といった形になります。
- 自社で構築するためシステムをカスタマイズしやすい
- 自社システムと連携がしやすい
- 第三者が入りづらく安全性が高い
- 自社で全て用意するため初期コストが高い
- 構築に時間がかかる
- トラブルが起きたときは自社で対応しないといけない
自社運用のためカスタマイズ性が高い反面、コスト面やトラブルが起きた時も全て自社で対応しないといけないデメリットがあります。
スタートアップで採用されやすいクラウド
近年は自社で運用するオンプレミスより普及しているのがクラウドです。コストが低く導入のための準備が少ないため、スタートアップでは採用されやすいです。
クラウドで構築するメリットやデメリットは以下の通りです。
- コストを抑えられる
- 時間や場所を問わずに利用できる
- データの共有や容量の拡張ができる
- 自社システムとの連携がうまくいかない場合がある
- 自社運用のオンプレミスと比べてカスタマイズ性が低い
クラウド環境下における情報システムの開発・運用管理などはクラウドエンジニアが行います。他のインフラエンジニアと違う点としては、クラウドの特徴として仮想化技術や専門知識が必要になることでしょう。
インフラエンジニアの働き方について解説

次にインフラエンジニアの働き方について解説していきます。
今回紹介する内容としては以下の2つです。
- 監視の仕事は三交代制で夜勤がある
- インフラエンジニアの具体的なスケジュール
1つずつ順番に解説していきますね。
監視の仕事は三交代制で夜勤がある
インフラエンジニアの業務内容は幅広いですが、最初に配属されることが多いのが運用監視の仕事になります。この仕事内容としては以下の2つ。
- トラブルがあったら管理者に報告する
- 簡単なトラブルは自分で対処する
つねに何かしらの仕事をするというよりは、トラブルが起きないか見張っておく業務になるため、三交代制での夜勤業務になることが多いでしょう。
三交代制でシフトが決まっていることが多いため、仕事とプライベートがかっちり分けたいような人にはオススメです。
クラウドエンジニアは、自宅からインフラへアクセスできるので、Web系エンジニアのようなリモートワークが可能です。
インフラエンジニアの具体的なスケジュール
運用・保守と設計担当のエンジニアによって、働き方は変わります。
具体的なイメージを持ってもらうためにインフラエンジニアの1日を紹介します。
- 年中無休で稼働するネットワークの運用や保守作業をする
- 三交代制を複数人で組むため残業はなくきっちり終わることが多い
- シフト以外の業務は時間外勤務として別途手当が支給
- クライアントの要望に合った全体層の設計をする
- 定時で帰れることが多い
- 企業により柔軟な勤務形態を採用している場合もある
インフラエンジニアとして働き方の違いが少しありますが、残業が少ないイメージですね。
インフラエンジニアの将来性は?

結論から言うと、インフラエンジニアの将来性はあります。
その理由としては以下の4つです。
- 一定以上の求人が募集されており需要も高い
- クラウド化が普及するため必要なスキルは変化する
- オンプレミスやIT全般の知識が必要
- ITインフラの構築や保守運用などの仕事は無くならない
時代の変化により求められるスキルなども変わりますが、根本としてインフラエンジニアの需要は高いままでしょう。
その理由について1つずつ詳しく解説していきます。
1.一定以上の求人が募集されており需要も高い
インフラエンジニアの需要は高まっており一定数の求人が募集されています。
あらゆる企業でネットワークを使う仕事が当たり前になっているため、企業のサーバーに対して環境構築・運営・保守する仕事はずっとなくなりません。
さらには、企業がIT化やDX化の推進を図っているため、全体的にIT人材の需要は高まっています。実際に「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では2030年にはIT人材が約59万人も不足するという結果もあります。
インフラエンジニアもIT人材として需要が求められるため、「レバテックキャリア インフラエンジニアの求人」を見ると1379件もあります。
このように一定数求人の募集がされているため、インフラエンジニアの需要は高いと言えるでしょう。
2.クラウド化が普及するため必要なスキルは変化する
インフラエンジニアは需要の高さから将来性のある仕事ですが、求められるスキルは変化していく可能性が高いです。なぜなら、近年ではオンプレミス(自社運用システム)に変わり構築スピードの速い「クラウド」が普及しているからです。
- コストが削減できる
- 運用管理の負担を削減できる
- 時間や場所を選ばず利用できる
- 導入後すぐに始められる
たとえば、AmazonのAWSやMicrosoftのAzureなどパブリッククラウドを導入する企業も増えています。そのため、今後はクラウドに関する知識も必要になってくるでしょう。
もちろん、オンプレミスの企業もたくさん残っていますが、市場の流れに乗りクラウド化へ対応できるスキルがあると、市場価値の高いエンジニアになれます。
時代の流れに合わせて求められるスキルが変化していくことを覚えておきましょう。
3.オンプレミスやIT全般の知識が必要
クラウド化が普及しているとはいえ、オンプレミスやIT知識は必要になってきます。理由としては、オンプレミスの企業に対して対応できたり仕事の品質を高められるからです。
- オンプレミスの知識
- ネットワークやセキュリティの知識
- LinuxなどのOSの知識
- サーバー機器や回線の選定
クラウドでは自社システムとの連携が難しいといったデメリットもあるため、クラウドが普及していてもオンプレミスで構築するケースはあります。
そのため、上記の知識を身につけておく必要が出てくるでしょう。最終的には、オンプレミスもクラウド化も対応できる知識があるのがベストです。
4.ITインフラの構築や保守運用などの仕事は無くならない
クラウドが普及することにより、インフラエンジニアに求められるスキルは大きく変わりました。しかし、ITインフラの構築や保守運用などは少なくなるにしても無くなりません。
いまだに24時間稼働しているシステムやネットワークの監視業務は必要とされているからです。
DX化やIT化が進んでも、IT技術そのものがなくならない限りはインフラエンジニアの需要は減らないと考えていいでしょう。
インフラエンジニアがキャリアアップするために必要な4つのスキル

普及しているクラウドの知識から、情報セキュリティに関する技術まで幅広い知識が求められるでしょう。
具体的には以下の通りです。
- クラウドサービスの活用スキル
- 仮想化技術
- 情報セキュリティに関する技術
- マネジメントスキル
インフラエンジニアとして年収やキャリアをアップするには、どれも必要なスキルです。
具体的に1つずつ解説していきます。
1.クラウドサービスの活用スキル
クラウドサービスに対応できるスキルがあるといいでしょう。そのため、以下の各種クラウドサービスの利用経験があるとベストです。
- AWS(Amazon)
- GCP(Google)
- Azure(Microsoft)
目安としては、各種クラウドサービスのメリットやデメリットの比較ができるレベルを目指しましょう。
クラウドサービスに対応できるためには、自身が実務経験やスキルを身につけておく必要があります。
2.仮想化技術
クラウドサービスを使うには仮想化技術が必要になります。仮想化とはサーバーなどの物理的な制限にとらわれずに、ソフトウェアを統合・分割できるようにする技術のこと。
アプリケーションごとにサーバーが必要な状態から、1台のサーバー上に集約させて複数環境を稼働させることができます。
- VMWare
- Virtual Box
- Docker
インフラ関係で注目されているDockerなどのコンテナ型仮想化の技術があれば、より簡単に環境構築ができてスピーディに開発することができます。
ITインフラを構築する際に活用する仮想化技術を身につけるのもおすすめです。
3.情報セキュリティに関する技術
ITインフラの設計では情報セキュリティに関する知識も求められています。なぜならIT技術が進歩するほどサイバー攻撃などの危険性も高まっているからです。
たとえば、クラウドサービスを利用するケースでは、基本的にはサービス提供側の企業がセキュリティ対策を取っています。
しかし、任せきりではなく利用者側の企業でも「このセキュリティ対策の基準で大丈夫かどうか」を判断する必要も出てくるのです。
インフラエンジニアだけでなく、セキュリティに関して精通している人材は必要とされるでしょう。
4.マネジメントスキル
インフラエンジニアとして開発するスキルにくわえて、事業やプロジェクトのマネジメントスキルを身につけておくといいでしょう。
開発現場で使えるスキルとかけ合わせれば、現場以外でも広く活躍できるエンジニアになれるでしょう。
具体的には以下のようなスキルを身につけておくといいです。
- コミュニケーション力
- メンバーを管理する能力
- 提案力
市場価値の高いエンジニアを目指している方は、既存のスキルとマネジメントスキルをかけ合わせられるよう業務に取り組んでみましょう。
インフラエンジニアのキャリアパスについて

ざっと挙げると以下のキャリアパスがあります。
- プロジェクトマネージャー(PM)
- スペシャリスト
- ITコンサルタント
- アーキテクト
Webエンジニアと比べると選択肢は狭まりますが、上記のようなキャリアパスがあります。順番に解説していきます。
プロジェクトマネージャー(PM)
開発メンバーとして現場に立つのではなく、プロジェクト全体の管理職としてプロジェクトマネージャーになる道もあります。
上流工程がある大手企業で勤めてる人であれば、経験を積んで2−3年後にPMになり活躍する人もいるでしょう。
- プロジェクト全体を管理する能力
- メンバーと信頼関係を築きチームを管理する能力
- ITに対する広い知識や実務経験
自分1人だけでなくチームをまとめる能力が必要なため、責任感は大きいですがやりがいもある仕事内容となっています。
スペシャリスト
スペシャリストとは、1つの専門分野を突き詰めた人材のことを言います。
そのため、プロジェクトマネージャーと違い技術力を高める必要が出てくるでしょう。
インフラエンジニアの場合だと、一般的に求められる仮想化技術よりもさらに最先端の技術が必要になってくるでしょう。そのため、技術を磨きながら最新技術の情報収集などもしないといけません。
ITコンサルタント
企業の問題解決を提案をするコンサルタントもインフラエンジニアのキャリアパスの1つになるでしょう。
そのためには、以下のような準備をしておく必要があります。
- IT関連の知識
- 経済情勢や経営などビジネス面の知識
- 課題解決力や提案力
- 論理的説明力
顧客のニーズや課題に合わせて経営戦略をアドバイスするには、技術力だけでなく提案力などのコミュニケーションスキルも必須になります。
企業の経営陣に対して提案することもあるため、論理的に説明する能力なども必要です。
アーキテクト
経営戦略をもとにインフラの設計・構築を行うアーキテクトは、インフラエンジニアと共通する部分もあり、キャリアチェンジしやすい職種と言われています。
- 企業の経営戦略に合わせたWebシステムの設計図を作る
- 運用しやすい最適なシステム基盤を設計する
- システム全体の方向性や仕組みから運用・保守要件まで提示する
IT化やDX化が進んでいるなか、ITアーキテクトのように高度なスキルを持った人材がますます必要なってくるでしょう。
インフラエンジニアからWebエンジニア(開発系)に転職するのはあり?

インフラエンジニアからWebエンジニアに転職するのはありです。なぜなら、Webエンジニアになればキャリアの幅も大きく広がるからです。
- ITアーキテクト
- ITスペシャリスト
- テックリード
- フルスタックエンジニア
- CTO
- フロントエンドエンジニア
- サーバサイドエンジニア
- プロジェクトマネージャー
- VPoE
- Webディレクター
このようにWeb系の開発エンジニアになると幅広いキャリアパスを持つことができます。
もちろん、インフラエンジニアの仕事は安定的に長くできます。シフトも決まっているので、残業が少なくプライベートの時間も取れるでしょう。
しかし、インフラエンジニアの場合だと課長などに昇給してもやる仕事は基本的に同じ作業だという話もあります。
そのため、将来的なキャリアの選択肢を広げたいのであれば、Webエンジニアの転職を考えるのも一つの手でしょう。インフラエンジニアとしての経験が無駄になることもありません。
- バックエンドエンジニアとの共通点が多く知識を応用できる
- ITインフラの技術とプログラミングを学べば希少価値の高い人材になる
- インフラの知識を持つフルスタックエンジニアになれる
インフラエンジニアの経験がマイナスになることはありません。
インフラエンジニアは専門性が高いため、転職をしてWebエンジニアの知識と組み合わせると希少な人材になれるでしょう。
また、IT人材が不足している中で人よりも多くの工程を担当できる「フルスタックエンジニア」の需要も高まっています。転職後もスキルを身につければ、そのようなキャリアも目指せるのです。
しかし、インフラエンジニアからWeb系の開発エンジニアへの転職は異業種への転職扱いになります。
私たちが運営しているプログラミングスクールRUNTEQでも、元インフラエンジニアの方がRuby on Railsでの開発を学習されて、Web系自社開発企業への転職を成功されました。

このように、インフラエンジニアから開発エンジニアへ転職する場合は、未経験の方と同様に開発を学んでから転職する必要があります。
インフラエンジニアとWebエンジニアの違いに関しては以下の記事でも解説しましたので、ぜひこちらをご覧ください。
おわりに
今回の記事では、インフラエンジニアの将来性やキャリアパスまで幅広く解説していきました。
- インフラエンジニアはシフトが決まっていて夜勤がある
- クラウド化により必要なスキルも変化するが需要はまだ減らない
- インフラエンジニアからWebエンジニアに転職することも可能
インフラエンジニアの中には三交代制の夜勤業務もあったりして、Web系エンジニアほどの人気はありません。
しかし、今後もインフラの需要は減らないためなくなる可能性が少ない職業でしょう。
また、インフラエンジニアの知識を活かしてWebエンジニアに転職すれば、スキルのかけ合わせにより市場価値の高いエンジニアになることも可能です。
弊社では、開発現場が求めるエンジニアになるためのプログラミングスクール「RUNTEQ」を運営しております。この記事を読んで少しでもWebエンジニアに興味を持った方は、ぜひ無料のキャリア相談会へ足を運んでくださいね。