「AIエンジニアに将来性はある?」
「AIエンジニアはやめとけ、と言われるのはなぜ?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
自動運転や音声認識やお掃除ロボットなど、すでに私たちの生活の中でも、AIを活用した商品やサービスが多く登場しています。
こうした様々な分野で活躍するAIシステムの開発に携わるAIエンジニアですが、未知の領域でもあり、今後の動向や将来性について不安を感じている方も多いと思います。
そこでこの記事では、下記の内容を解説していきます。
- AIエンジニアの現状や将来性
- なぜ「AIエンジニアはやめとけ」という意見が多いのか
- AIエンジニアの年収や仕事内容
Web系の開発会社を運営しつつ、Web系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、AIエンジニアの将来性について詳しく解説していきます。
AIエンジニアの現状
確かに、将来性の前にAIエンジニアの現状も気になりますよね。
そこで、まずは以下の2つの内容について深掘りしていきます。
- AI市場は拡大している
- AIエンジニアの待遇は好条件
AI市場は拡大している
企業側が、AIを用いて新製品を開発したりビジネスに活かしたりすることで、AIの市場規模は現在拡大しています。
- 企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)推進
- テレワークなどの効率化
- 大量のデータ処理が可能になった
実際にAIの主要6つの技術(画像認識/音声認識/音声合成/言語解析/検索・探索/翻訳)における市場は、2018年では199億円でしたが、2023年までには640億円に達するとも言われています。
(引用:ITR Market View:AI市場2019)
特に伸びているのは、画像認識に関する分野です。
顔認証や自動運転、コロナウイルス感染症対策の検温システムなどもAIシステムで作られています。
時代の移り変わりによって、今後もAI市場はますます拡大していくことでしょう。
AIエンジニアの待遇は好条件
様々な産業でデジタル化が急速に進む中、高度なIT技術を持ったAIエンジニアの確保に力を入れる企業も増えています。
- NEC
- NTTドコモ
- ソニー
- DeNA
上記に挙げた企業は、AIエンジニアの採用に力を入れているため、AIやデータサイエンスの素養がある新卒の初任給を引き上げています。
企業規模が大きい上、専門性の高い職業のため上記のような会社に採用されるのは難しいですが、他にもAIエンジニアを求めている企業は数多く存在します。
そうした企業も、高い年収を提示していることが珍しくありません。
AIエンジニアの将来性
結論から言うと、AIエンジニアの将来性はかなり高いと言えます。
その理由としては、主に以下の3つになります。
- AIエンジニアの需要は高まっている
- AI人材の不足が心配されている
- あらゆる産業でAIの活用が期待されている
- レベルの高いスキルや経験が求められる
- スキルによっては世界で活躍できることもある
AIエンジニアの需要は高まっている
AIエンジニアは世界的に必要とされるほど需要が高まっています。
必要とされる理由は、様々な製品に組み合わせることができる可能性が高いからです。
- 画像認識
- 音声認識
- 音声合成
- 言語解析
- 検索・探索
- 翻訳
例えば、Amazonが出しているAlexaは、音声認識によって電気をつけたり音楽を再生したりしてくれます。
自動車とAIを組み合わせれば、自動運転技術も実現できます。
このように、AIによる技術を製品に組みこめば、商品としての価値をさらに上げることが可能です。
新たなニーズを生み出せるAIを開発できるエンジニアの需要は高いため、多くのAIエンジニアが必要とされているのです。
AI人材の不足が心配されている
AI開発を始める企業も増えているため、ますますAIエンジニアは必要になってくるでしょう。
経済産業省のIT人材需要に関する調査でも、2030年には約45万人ものIT人材が不足するといわれ、その中でもAI人材は最大14.5万人不足する試算がされています。
AIを使いこなしてDX化を推進させる人材は希少なため、今度もAI人材へのニーズは高まっていくでしょう。
あらゆる産業でAIの活用が期待されている
昔はIT分野を中心にAIシステムが導入されていましたが、今ではITとかけ離れている産業でも需要が増えています。
- 医療や介護
- 製造業
- 農業や漁業
- 物流
例えば、製造業では工場内のカメラが読み取った情報をAIに判断させる技術が使われています。
この技術によって、人の手で行うよりも厳しい品質管理をする際に役立ちます。
アナログなイメージのある農業・漁業でもAIは活用されています。
農業では、ハウス栽培を効率化するために最適な温度管理をするサポートとして使用したり、漁業では養殖場でのデータ分析を通して効率的な飼育システムを編み出したりすることで役立っているのです。
このように、AIが得意としている画像認識やデータ分析は、あらゆる産業と組み合わせることができて需要を生み出しています。
レベルの高いスキルや経験が求められる
AIエンジニアの将来性は高いですが、その代わりに高いスキルや経験を求められることは覚えておきましょう。
AI人材が不足している背景から、即戦力が求められているため、入社時点で高いハードルを設けている企業もあります。
- PythonやJavaなどを使えるプログラミングスキル
- 機械学習やディープラーニングの知識
- 統計学や線形代数など数学的知識
AIの知識を理解するには数学的知識が必要になってくるため、大学で情報科学を専攻する必要もあります。
スキルによっては世界で活躍できることもある
世界中で需要の高いAIエンジニアは、知識やスキルの高さによって、日本に限らず世界でも活躍できるエンジニアになれる可能性があります。
海外ではAIに関する研究に力を入れているため、経験豊富なAI人材の需要は非常に高いと言えるでしょう。
日本で経験を積んで海外でも認められるほどの実力をつければ、世界を股にかけて活躍できるAIエンジニアになることも夢ではありません。
「AIエンジニアはやめとけ」と言われる理由
AIエンジニアについて調べている時に、「仕事がなくなる」「AIエンジニアはやめとけ」といった記事を目にすることがあるかもしれません。
こう言われる理由は、主に以下の3つになります。
- 志望者のレベルが高く競争が激しい
- 技術の習得ラインが高く未経験者には厳しい
- 技術の進化が早いため日々の勉強が必要
志望者のレベルが高く競争が激しくなる
AIエンジニアに求められる知識やスキルは非常に専門性が高く、競争率も激しいため、そう簡単に企業から採用されることがないことから「やめとけ」と言う人もいます。
- 線形代数や統計学を専攻する必要がある
- 機械学習を学んでおく必要がある
- 大学卒・大学院卒レベルの学歴がいる
上記のように、AIエンジニアに求められるレベルはかなり高いです。
実際に、大学で数学やデータサイエンスを専攻している人材を積極的に採る企業も増えています。
いくらAIエンジニアが足りないとはいえ、中途半端に知識を持ち合わせただけの状態では、企業の求めるレベルに到達せず採用されるまでには至らないということが多いでしょう。
このように、志望者のレベルが高く競争が激しくなることから「やめとけ」と言われてしまうことがあるのだと思われます。
技術の習得ラインが高く未経験者には厳しい
AIエンジニアは需要が高いと言われる職業ですが、その分求められる技術力も高いです。
AIに対する知識はもちろん、統計学や線形代数など数学の知識も必要不可欠になってきます。
そのため、AIエンジニアになる道のりは険しく、「やめとけ」と言われるのです。
需要が高く高待遇な職業ではありますが、誰もが簡単に目指すことはできないという現実もあります。
「プログラミングスキルがある」「数学に強い」などの強みがない、まったくの未経験からAIエンジニアを目指すのは、かなり難しいでしょう。
技術の進化が早いため日々の勉強が必要
技術の進化に伴ってAIエンジニアの需要も高まりますが、その分最新のIT知識を得るために日々の勉強が必要不可欠になります。
時代の流れは加速する一方ですので、知的好奇心を持って日々学ぶ姿勢を持てない人には、AIエンジニアは務まらないでしょう。
この点も、「やめとけ」と言われてしまう理由の一つです。
AIエンジニアだけでなく、Webエンジニアなど専門職全体に対して言えることですが、常に向上心を持って取り組む姿勢は必要になります。
AIエンジニアの年収相場
結論から言うと、AIエンジニアの年収は400万円〜1300万円ほどが相場と言われています。
年収に大きな開きがある理由としては、AIエンジニアの役割や業種、エンジニア自身のスキルレベルによって差が出てしまうからです。
AIエンジニアの年収を決める要素は様々ですが、代表的なものですと以下の3つとなります。
- 日本か海外か
- 企業の規模
- スキルレベル
たとえば、AI技術が発展している海外では年収3,000万円〜5,000万円ほどの高待遇も存在するほどです。
対して日本企業では、年収400万円〜1,300万円が年収の相場になっています。
AI技術に力を入れている海外と日本の違いで、年収幅はかなり大きく変わるのです。
また、日本でも企業ごとにAIエンジニアの待遇は変わります。
- ソニー株式会社:年収500万円〜899万円
- ヤフージャパン株式会社:年収300万円〜1,000万円
- 株式会社マイナビ:年収410万円〜620万円
AIエンジニアを募集している企業によって年収も違うため、求人サイトで会社ごとに比較しておくといいでしょう。
AIエンジニアの仕事内容は?
AIエンジニアが担当する仕事は多岐にわたります。
- AI技術のリサーチ
- AIのシステム開発
- データ解析
- AIの運用・保守
AIエンジニアの仕事内容は、AIシステムの開発から、人工知能そのものの教育まで多岐にわたります。
なぜなら、最初からAIとして機能するわけではないからです。
様々なデータを渡して処理をさせることで学習能力を身につける「機械学習」を行わなければ、AIとして役に立たないのです。
また、AIはビッグデータの分析にも長けていると言われているため、AIを使ったデータ解析も行います。
AIエンジニア転職する方法
現時点で言うと、以下のようなことを意識するとよいでしょう。
- 大学や大学院で情報科学を専攻する
- 最低限のプログラミングスキルを習得する
- 統計学や線形代数など機械学習の理解を深める
- まずはバックエンドエンジニアを目指す
AIエンジニアは、プログラミングができることよりも統計学や線形代数、機械学習を理解していることが重要です。
とはいえ、プログラミングスキルとしてはPythonが使えるとプラスに働きます。
AI(人工知能)の開発に使われることが多く、機械学習に利用するライブラリも充実しているからです。
しかし、PythonができればAIエンジニアになれるわけではないので注意してください。
Pythonの特徴についてはこちらの記事で解説しているため、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
なお、AIエンジニアになるには、まずはWeb系エンジニアであるバックエンドエンジニアを目指すことをおすすめします。
AIに機械学習させるには、データを大量に収集して学習させる必要があるため、AIエンジニアにもバックエンドの知識が必要になります。
したがって、バックエンドの知識を持った人が機械学習を学んでAIエンジニアになる、という方法が一番の近道なのです。
Web系のバックエンドエンジニアからAIエンジニアを目指すルートもある、ということは是非覚えておいてください。
まとめ
今回の記事では、AIエンジニアの将来性について解説しました。
AIエンジニア自体の将来性はかなり高いと言えます。
しかし、専門性の高い職業であるため、求められるスキルや経験のハードルが上がることも把握しておいてください。
- あらゆる業界でDX化の推進やAI開発が増加していて需要は高まっている
- AIエンジニアは不足しているため企業側も高待遇で募集している
- 数学やプログラミング知識が必要で完全未経験にはおすすめできない
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