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フルスタックエンジニアの平均年収は?年収アップの方法も解説

「フルスタックエンジニアの平均年収を知りたい」
「フルスタックエンジニアとして年収を上げるにはどうすればいい?」

2010年代の半ば頃から使われ出した言葉である「フルスタックエンジニア」ですが、平均年収がどれくらいなのか気になっている方も多いことでしょう。
そもそも、どのような業務内容なのか知りたいという方も少なくないはずです。

そこでこの記事では、フルスタックエンジニアの平均年収や業務内容、年収を上げるための方法などについて具体的に解説していきます。

フルスタックエンジニアに興味のある方は、是非参考にしてください。

フルスタックエンジニアとは何か?

フルスタックエンジニアとは何か?

もそも、フルスタックエンジニアがどんな存在なのかはっきりとわからないという方もいらっしゃると思います。

この項目では、フルスタックエンジニアの定義や仕事内容、キャリアパスなどについて解説していきます。

明確な定義はない

実は「フルスタックエンジニア」という言葉に、明確な定義はありません。
どういったスキルを持ち、どこまでを担当するエンジニアなのかについては、各個人や企業によって解釈が異なるのです。

フルスタックエンジニアの解釈例

■複数の分野におけるスキルを持っている
■開発工程のどの部分も担当することができる
■一人ですべての開発工程をこなせることはもちろん、ハード面のスキルもある

このように、人によってフルスタックエンジニアのイメージはバラバラです。
もともとは、Web開発においてフロントエンドもバックエンドも担当できるエンジニアのことを指していた言葉でしたが、徐々に解釈が拡大・分岐していきました。

そのため、企業がフルスタックエンジニアを募集している場合には注意が必要です。
企業によって求めている人材が違うため、応募する際はミスマッチがないか慎重に吟味しなければなりません。

仕事内容

前述の通り、企業によってフルスタックエンジニアの定義が異なるため、仕事内容も一概には言えませんが、WebサービスやWebアプリの開発について幅広く担当するケースが多いです。

具体的には、フロントエンドやバックエンドはもちろん、ネットワークやサーバー、データベースといった分野も任されることがあります。

しかし企業によっては、便利屋のような存在として、開発作業に加えてヘルプデスクも担当する社内SEのような業務が加わることもある上、「フルスタックエンジニアだから何でもできるだろう」と、パソコンのメモリ増設や修理といったハードウェアに関する業務を任される可能性も否定できません。

フルスタックエンジニアとして面接に臨む際は、業務範囲についてあらかじめ明確にしておくことが重要です。

キャリアパス

フルスタックエンジニアは、持っているスキルが多いことから、キャリアパスが広がりやすいという強みがあります。

例えば、以下のようなキャリアパスを歩むことが可能です。

  • テックリード(チームの技術的リーダー)
  • プロジェクトマネージャー(開発プロジェクトのトップ)
  • VPoE(技術部門のマネジメントにおけるトップ)
  • CTO(最高技術責任者)

その他、他の分野へ移動するという道もあります。
数学や統計の知識・スキルもあるようならば、AIエンジニアやデータサイエンティストを目指すことも可能でしょう。

「フルスタックエンジニアはいらない・中途半端」という声もある

多数のスキルを持ち、キャリアパスの選択肢も多いフルスタックエンジニアですが、一部では「いらない」「中途半端」「器用貧乏」といった否定的な意見もあります。

エンジニアは専門職であるため、「多くのことに対応できる = 専門知識がない」と捉え、中途半端なスキルを多く持っているだけと考えている方もいるようです。

高いレベルで各分野に対応できるというフルスタックエンジニアもいますが、そうでないケースもあるため、評価が分かれてしまうのは仕方のないことでしょう。

フルスタックエンジニアの平均年収

フルスタックエンジニアの平均年収

フルスタックエンジニアの平均年収については、調査機関や求人サイトごとに異なりますが、大手求人サイトである「求人ボックス」によると、正社員の平均年収が649万円(※)とのことでした。
※参照:フルスタックエンジニアの平均年収(求人ボックス)

また、同じく大手求人サイト「Indeed (インディード)」の調査では、2022年5月時点のデータとして、フルスタックエンジニアの求人で提示されている年収の分布は以下のようになっています。

提示されている年収
求人数
300万円台
4,370件
500万円台
3,594件
600万円台
1,866件
700万円台
1,216件
900万円台
879件

※参照 : 【フルスタックエンジニアになるには】仕事内容と年収 | Indeed (インディード)

上記の表ですと年収300万円台の求人数が多くなっていますが、300万円台の求人のほとんどが「将来的にフルスタックエンジニアを目指せる」という形の求人ですので、最初からフルスタックエンジニアとして採用される場合は、「最低でも500万円台」と考えて問題ないでしょう。

年収600万円以上の求人も非常に多いため、エンジニアの中でも比較的高い年収が期待できると言えます。

フルスタックエンジニアとしての年収を上げる方法

フルスタックエンジニアとしての年収を上げる方法

フルスタックエンジニアとして年収を上げていくには、主に以下のような方法があります。

  • 高年収を提示している企業へ就職する
  • スキルアップに励む
  • 副業で稼ぐ
  • マネジメントを学ぶ

高年収を提示している企業へ就職する

フルスタックエンジニアに任される業務範囲は、各企業によってまったく異なるため、単純に年収にこだわるのならば「多くの業務を振られる分、高い年収を提示している」という求人に応募して就職するのがおすすめです。

当然、年収に応じて業務の内容や範囲は大幅に変わるはずなので、800万円台や900万円台といった求人の場合は仕事が大変になることでしょう。

しかし、その見返りとして高年収を得られるわけですから、その点に納得できるのならば是非高い年収を提示している求人へ応募してみてはいかがでしょうか。

スキルアップに励む

年収を上げるための最もシンプルな方法は、今以上にフルスタックなエンジニアとなるため、既存スキルを磨いたり、新たなスキル習得に励んだりすることです。

エンジニアは、能力に応じて年収が上がっていく傾向にあります。
旧態依然とした年功序列の会社と違い、会社に貢献して成果を出すほど評価されるため、若くともスキル次第で年収を上げることが可能です。

またスキルアップに関しては、フルスタックエンジニアとしてスキルを増やすという選択肢もありますが、あえて何らかのスキルに絞って専門的に学ぶという方法もあります。
幅広い知識を持つエンジニアよりも、何らかの分野に特化したエンジニアを求める企業も多いからです。

この点については個人の価値観ですので、自分の進みたい方向や興味を考慮した上で、どの道を進むのかを決めるとよいでしょう。

副業で稼ぐ

フルスタックエンジニアは、多様なスキルを持っている分、数多くの案件に対応できるという強みがあります。
その強みを活かし、クラウドソーシングサイトで高単価案件を探して副業を行う、という方法も、年収アップに役立つでしょう。

企業に直接営業をかけたり、知人経由で案件を探したりするのはなかなか大変かもしれませんが、ランサーズやクラウドワークスといった大手クラウドソーシングサイトならば、常にプログラミング関連の案件が多数掲載されています。

案件の中には、数十万単位のものはもちろん、100万円を超える案件も珍しくないため、スキルに自信のある方は是非チャレンジしてみてください。

マネジメントを学ぶ

組織の中で出世していくことを目指す場合、1プレイヤーのままでは難しいです。
そのため、マネジメントスキルを習得し、管理職を任されるようになる必要があります。

開発メンバーたちを統率できる立場になり、プロジェクトを成功に導けるようなエンジニアになることで、ゆくゆくは技術職のトップであるCTOを目指すことも可能となります。

技術の習得に偏りやすいのがフルスタックエンジニアの特徴ですが、先々を考えるとマネジメントスキルも身に付けておいた方がよいので、書籍を読んだりセミナーに参加したりして学んでおくことをおすすめします。

フルスタックエンジニアに必要なスキル

フルスタックエンジニアに必要なスキル

フルスタックエンジニアとして活躍するためには、以下のようなスキルを身に付ける必要があります。

  • 要件定義・設計
  • プログラミングスキル
  • インフラ
  • セキュリティ

要件定義・設計

フルスタックエンジニアを名乗る以上、ただプログラミングができるというだけではなく、上流工程である要件定義や設計についてのスキルも持っておくべきです。

下流工程であるコーディング作業と、上流工程である要件定義・設計はまったく別物です。

  • クライアントの要望を満たしているか
  • 設計に無駄がないか
  • プログラマーたちがコーディングしやすいか

こういったことを考慮しながら、俯瞰的に仕事をこなしていかなければなりません。

大変高度なスキルが必要となるため、ただ勉強するだけでなく、現場で経験を積んでいくことも意識するようにしてください。
上流工程に関われる機会があれば、積極的に参加するべきです。

プログラミングスキル

フルスタックエンジニアの本分は、プログラミングに関する知識やスキルをいかに豊富に持っているか、という点です。
したがって、プログラミングスキルを磨くことは必須と言えるでしょう。

各種プログラミング言語やフレームワーク、ライブラリなど、幅広く網羅し、実務に活かしたりメンバーたちに助言したりできる存在となり、技術面に関して周囲から頼られるようになってこそフルスタックエンジニアです。

もともとフルスタックエンジニアは、いろいろな技術に興味があるような人が自然となるパターンが多いため、技術の習得に関してストレスを感じることはないでしょう。

逆に、新技術の習得に対して抵抗を感じるようなタイプの人は、フルスタックエンジニア向きではありません。

インフラ

フルスタックエンジニアは、上流工程やプログラミングだけでなく、インフラ関連の知識についても求められることが少なくありません。
「開発工程のどの部分でも担当できるのがフルスタックエンジニア」という認識の人も少なくないため、インフラについても抑えておくべきでしょう。

  • ネットワーク
  • クラウド
  • サーバー
  • データベース

こういった知識については一通り学んでおかなければ、「フルスタックエンジニアを名乗っているのにわかっていない」という評価を下されてしまうかもしれません。

セキュリティ

Webサービスやアプリ、業務システムなど、エンジニアが開発するものに関しては、セキュリティの確保も重要です。

どんなシステムにも、セキュリティホールがある可能性はあります。
そういったリスクをいかに潰し、安全なサービスやシステムを構築するかというのもフルスタックエンジニアの腕の見せ所です。

フルスタックエンジニアに資格は必要?

フルスタックエンジニアに資格は必要?

「フルスタックエンジニアを名乗るためには、何らかの資格が必要なのか?」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、多種多様なスキルを幅広く身に付けている、というのがフルスタックエンジニアの強みなので、「この分野に強い」ということを証明するような資格を取得する必要はありません。

とはいえ、「フルスタックな中でもこの分野には特に強い」と伝えたい場合には、資格を取得する意味もあるでしょう。

なお、資格を持っていればプラスに働くことは間違いありません。
資格の種類にもよりますが、ある程度の難易度がある資格試験ならば、取得したという事実があるだけで「目標に向けて努力できる」「この分野での一定の知識がある」と評価されます。

結論としては、フルスタックエンジニアの場合必ずしも資格を取得する必要はありませんが、特に強い分野があり、その点をアピールしたいということであれば、関連した難易度の高い資格を取得することでメリットが生まれることでしょう。

まとめ

まとめ

以上、フルスタックエンジニアの平均年収や、年収を上げるための方法、フルスタックエンジニアに資格が必要かどうかなどについて解説してきました。

「フルスタックエンジニアは中途半端だからいらない」といったネガティブな意見も一部ではあるものの、いまだに需要は高く、求める企業も多いため、その存在価値は決して低くありません。

様々なスキルを習得したいという好奇心旺盛な方は、気付けばフルスタックなエンジニアになっていることもあるでしょうから、まずはフルスタックエンジニアとして活動しつつ、じっくりとキャリアパスを選んでいくとよいでしょう。

今回の記事のまとめ
  • フルスタックエンジニアの定義は明確に決まっていない
  • フルスタックエンジニアの平均年収は600万円台
  • フルスタックエンジニアが資格を取得する必要はないが、資格取得によって恩恵が得られる場合もある

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