「SQLってどういう言語なの?」
「SQLを学習したら何ができるようになりますか?」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
データベース言語のSQLについて知っている方は少なくないでしょう。しかし、SQLでは何ができるのか、そして具体的な活用方法までを知っている方は多くないはずです。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- プログラミング言語とは違うSQLの特徴とは?
- SQLでできること
- SQLを効率的に学習する方法
今回の記事では、Web系の開発会社を運営しつつもWeb系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、SQLの特徴から言語を使ってできることまで解説していきます。
この記事を最後まで読めば、SQLでできることの理解が深まり、ビジネスシーンで活用する方法まで知ることができるでしょう。
SQLについて理解を深めたい方はもちろん、仕事でデータベースに触れる機会がある方は知って損のない情報を情報をまとめていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
プログラミング言語とは違うSQLの特徴とは?
SQLはデータベースを操作したり、テーブルの定義づけや追加、削除や検索などができるデータベース言語です。そもそもデータベースが何かというと、さまざまなデータに対してユーザーが検索したり利用しやすいように整理された情報のことを言います。
例えば、企業が持っている顧客リストや商品に関する情報など、ビジネスの場面で登場するものが多いです。
読み方 | エスキューエル、シークェル |
分類 | データベース言語 |
誕生 | 1970年代 |
用途 | データベースの操作・構造の定義・追加・更新・削除・検索などを行うためのデータベース言語 |
データベース言語とプログラミング言語の大きな違いは、命令を出す先がデータベースになっている点でしょう。
プログラミング言語では、ソフトの開発に使ったりインフラ環境を整えたりと幅広い選択肢があります。反対にデータベース言語では、データベースに命令を出すための言語のため、覚えることも少なくシンプルな構成になっています。
また、プログラミング言語ではつらつらとフォーマットの通りに記述する「手続き型」と呼ばれる方法ですが、データベース言語では命令文ごとに結果を引き出す「対話型」と呼ばれています。
言語 | プログラミング言語 | データベース言語 |
記述方法 | 種類が多く複雑 | シンプルであるが独特 |
命令方法 | 手続き型 | 対話型 |
同じ言語でも、このような違いがあるため覚えておきましょう。
SQLでできること
データの検索・更新・削除が簡単
データの検索・更新・削除が簡単にできるのはSQLの強みです。データ管理はGoogleのスプレッドシートやExcelなどでもできますがSQLはより簡単にできます。
とくにデータ更新はスピーディにできるため、データが膨大になっても管理がしやすいメリットがあります。
データベースのための言語であるからこそ、データに関する検索や更新が簡単にできます。
データの中から欲しい情報をすぐさま取り出せる
SQLでは、データベースの中から欲しい情報のみを検索してすぐに取り出すことができます。イメージとしては、エクセルのようなテーブルで情報を管理している状態です。テーブル内に記載されている情報であれば、条件に当てはまる部分だけ素早く取り出すことができます。
例えば、勤務先の従業員リストがあったとして「性別」「氏名」「入社日」などがあったときに「◯月◯日に入社した従業員を検索」など特定の条件で探せます。
SQLには大まかに3つの種類がある
データ操作言語(DML)
データ操作言語とは、SQLのなかでもデータの取得・登録・更新・削除の操作をするための言語です。それぞれに文法が決まっていて以下のようになっています。
- SELECT文:データを取得
- INSERT文:データを挿入
- UPDATE文:データを更新
- DELETE文:データを削除
それぞれの命令文を書くことで条件指定の検索や更新ができます。
データ定義言語(DDL)
データ定義言語では、データベースやテーブルそのものを定義できます。Excelで言えば、作業するシートがありその中に表を作ってセルに情報を書いていきます。データベースで言えば、その作業するシートと表を作るイメージになります。
Excelの操作の場合 | データベース言語の場合 |
シート | データベース |
表 | テーブル |
それぞれデータベースを作成するための命令文やテーブル同士を結合する命令文などがあります。
- CREATE文:データベース・テーブルの新規作成
- ALTER文:データベース・テーブル定義変更
- DROP文:データベース・テーブルの削除
- TRUNCATE文:すべてのデータを削除する
- JOIN文:テーブルとテーブルを結合する
データ制御言語(DCL)
最後はデータベース操作の権限に関するデータ制御言語です。データベースの更新ができる人を限定させたり、アカウントごとに操作できる権限を変えることができます。
誰でも操作ができる状態であれば、間違った操作によりデータが壊れたり、流出するなどのセキュリティ面のミスが起きる可能性があるからです。それぞれに適切な権限を付与すれば、そのようなミスを防ぐことができます。
具体的には以下のような命令を出します。
- BEGIN文:トランザクションを開始する
- COMMIT文:トランザクションを確定する
- ROLLBACK文:トランザクションを取消する
- GRANT文:権限を付与する
- REVOKE文:権限を剥奪する
トランザクションというのは、どこからどこまでの範囲に対して権限を与えるかを決めるものです。例えば、Aさんは全部の情報に対してアクセス権限を与えるけど、Bさんにはデータの検索だけ可能で変更は不可にするといった操作ができます。
SQLを使った具体的な事例
Excelとの連携やデータ分析
SQLはExcelと連携することもできるため、うまく活用すればデータ分析に幅が広がります。このように各種ソフトウェアと連携することでデータベース単体ではできない分析ができて、マーケティングに活かすこともできるでしょう。
顧客情報の呼び出しと活用
ビジネスの場面でもSQLを活用すれば、利益をさらに拡大することができるでしょう。例えば、企業が管理する顧客のデータベースから特定の条件で個人情報や過去の購買履歴を呼び出すこともできます。
これはデータベースのSQLだからこそ簡単にできることです。この方法により、一定期間購買がない客層だけ抽出してメールを送ることができます。顧客の状況に合わせた最適なアプローチを行えば、ビジネスにも大きく活用できることでしょう。
元のデータは変更せずに部署ごとに表示データを作成
SQLを使えば管理をする側のデータは変えずに、見せたいデータだけ表示することもできます。例えば、会社で部署ごとに管理データがあるとしましょう。
部署ごとに特定のIDが割り振られているデータであれば、部署内の人には便利ですが会社全体では分かりづらくなってしまいます。
このような時は、SQLで部署コードは共有せずに部署名だけ表示することもできます。このように、状況に応じての表示データを作成することができるのです。
SQLはどのような人が使うのか
Webアプリ開発
アプリ開発でもデータベースを操作することがあるため、SQLを使えるようになる必要があります。たとえば、アプリ内ではユーザーが画面に入力した情報はデータベースに登録されます。その際には、データベース内の登録や更新、削除などをするためには必要なスキルになってきます。
とはいっても、Ruby on Railsなどのフレームワークでは、直接生のSQLをActive Recordでデータベースを操作することになり、直接データベースを操作することはほとんどなくなります。
しかし、Webアプリ開発者でもSQLは必要なスキルになるので、自分には関係ないと思わず学習しておくといいでしょう。
データベースエンジニア
読んで字の如くデータベースエンジニアは、データベースに関する設計・構築・運用を行う職種です。当たり前ですが、データベースを扱うには以下のような主要データベースを操作できないといけません。
- Oracle Database
- Microsoft SQL Server
- PostgreSQL
- MySQL
SQLをはじめ、扱えるデータベースの種類が増えれば、求人募集の幅が広がったり人材としての付加価値にもつながります。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビッグデータを通してクライアントの問題解決をする仕事です。膨大なデータの中から仮説を立てて検証をしたり、データを通して顧客に対して提案をしたりと、SQLを使ってデータ操作をする必要があります。
データ収集や分析などをする場面でも、SQLの知識は必要不可欠になるでしょう。
SQLを実行するための3つの手順
①環境構築をする
SQLでもプログラミング言語のようにまずは動作する環境を構築しないといけません。SQLを実行するには以下の方法があります。
- Webサービスを利用する
- パソコンに環境を作る
パソコンにSQLが動作する環境を自ら作るのが一般的ですが、初めてSQLを使う場合はWebサービスを通して簡単に環境を作ることもできます。
どちらかの方法でSQLが動くための環境構築をしましょう。
②テーブルを作成する
環境構築ができれば、さっそくテーブルを作成していきます。テーブルはエクセルのような表のことで、顧客情報を作成するとしたら「ID」「会員名」「性別」「購買記録」などを命令文を通して作成していきます。
テーブルを作成するためには、さきほど解説してデータ定義言語の「CREATE文」を使います。作成したい項目と言語の型をセットで定義することでテーブルを作成していきましょう。
③データを挿入する
テーブルが完成した後は、その中にデータを挿入していく必要があります。そのためにはデータを挿入したり結果を確認する「INSERT文」やデータを取得する「SELECT文」を使いましょう。
それぞれの場面でSQLの命令文を適切に使えば、簡単にデータを挿入することができます。
SQLを効率的に学習する方法
学習サイトで学ぶ
最近ではWeb上のサービスでプログラミングを学ぶことができます。具体的には以下のようなサイトを利用して学習を進めていきましょう。
- Progate
- ドットインストール
- Paizaラーニング
サービスごとに無料で学べるものから一部優良なものもありますが、比較的安く月額数千円程度で学べるため気軽にSQLを習得したい人には向いている方法です。
書籍を通して学ぶ
SQLに関する書籍も出版されているため、自分のレベルや用途に合わせて最適な参考書を購入して実際に手を動かすといいでしょう。初心者の場合であれば、分かりやすい解説と問題を繰り返し解くことができるドリル形式のものがおすすめです。
初心者向けのものもあれば中級者向けのものもあり、最適なレベルの書籍を使えばSQLに関する知識やスキルも身につきやすいでしょう。
スッキリわかるSQL入門 第2版 ドリル222問付き! スッキリわかる入門シリーズ
資格取得を目標に学ぶ
学習を進めるときに資格取得を目標にすれば、高いモチベーションで取り組むことができるかもしれません。SQLに関する資格は以下のものです。
- オラクルマスター
- OSS-OB技術者認定
- IPAデータスペシャリスト試験
資格取得を目標にすることで、客観的にSQLのスキルを証明することができますし、現場に立つ前に基礎的な知識を理解しているため周りに差をつけることもできます。
おわりに
今回の記事では、SQLの特徴からできることまで幅広く解説しました。
- SQLはデータベース専用の言語である
- SQLによってデータベースの操作・定義・制御ができる
- SQLは顧客情報の管理から購買情報の条件検索などビジネスシーンでも役立つ
データベース周りに特化した言語であるSQLの特徴は上記の通りです。プログラミング言語と比べて、ニッチな言語でもあるため知らなかった方も多いでしょう。しかし、ビジネスで活用することもできるため、使いこなせば仕事の幅が広がることもお分かりいただけたと思います。
SQLについて学びたいと思っている方や、いまの仕事に関連性がある場合は、ぜひ学んでみてください。
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