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プロジェクトマネージャーになるには?向いている人や有効な資格も解説

「プロジェクトマネージャーになるにはどうすればいい?」
「仕事内容や平均年収などについても詳しく知りたい」

現在エンジニアとして働いている場合はもちろん、これからエンジニアを目指そうという段階から「将来はプロジェクトマネージャーになりたい」と考えている人も少なくないでしょう。

開発プロジェクトを取り仕切るトップであり、会社の経営層入りも狙える立場ですので、意識の高い人にとっては憧れの役職ではないでしょうか。

そこでこの記事では、以下のようなことについて解説してきます。

プロジェクトマネージャー(PM)とは?

プロジェクトマネージャー(PM)とは?

まずは、プロジェクトマネージャー(PM)がどんな存在なのかについて、詳しく紹介していきます。

仕事内容

プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの責任者として、プロジェクトに関するあらゆる仕事をこなす必要があります。

プロジェクトマネージャーの主な仕事内容

■クライアントからのヒアリング
■要件定義
■開発スケジュールの策定
■予算の決定
■開発規模に合わせたメンバー確保
■開発メンバーたちのマネジメント業務
■仕様変更などがあった際のクライアントとの交渉 …など

このように、プロジェクトマネージャーの仕事は多岐に渡る上、どれも高いヒューマンスキルや管理能力が必要となります。

もちろん、仕事はこれだけではありません。
例えば、開発に遅れが出ている時は自らもプログラミング作業を行う、といったケースもあります。

上流工程から下流工程まで把握し、プロジェクト全体を適切に管理しながら納品までの責任や義務を負うプロジェクトマネージャーは、非常に希少価値の高いIT人材だと言えます。

必要なスキル

プロジェクトマネージャーになるには、以下のようなスキルが必須となります。

  • コミュニケーション
  • マネジメント
  • スケジューリング
  • 交渉力や提案力

多くが、ビジネス書籍を読んだりセミナーに参加したりするだけで身に付くものではなく、仕事を通して経験を積むことで習得可能なスキルばかりです。

将来プロジェクトマネージャーを目指しているのならば、一人の開発メンバーとしてチームに参加している段階からプロジェクトマネージャーの動きを常に注意深く観察し、コミュニケーションの取り方やマネジメントの方法を学ぶようにしましょう。

また上記のほかにも、「プログラミングスキル」や「最新の技術動向の知見」も必要となります。

プロジェクトマネージャーが直接プログラミングをする機会は少ないものの、チームのメンバーを指導したり支えたりするためには必要ですし、前述の通り状況によってはプログラミング作業に加わることもあります。

最新の技術動向についての知見も重要です。
開発に用いる言語やフレームワークなどを決定するには、今現在の技術動向を把握していなければなりませんし、業務効率化ツールの導入について検討しなければならないこともあります。

このようにプロジェクトマネージャーには、多くのスキルについて高いレベルで要求されます。

キャリアパス

プロジェクトマネージャーからのキャリアパスには、以下のようなものがあります。

  • CIO(最高情報責任者)
  • CDO(最高デジタル責任者)
  • CTO(最高技術責任者)
  • エンジニアリングマネージャー
  • ITコンサルタント

プロジェクトマネージャーにまでなれれば、CIOやCTOといった企業の経営層入りも現実的になります。
「最高」という名の通り、それぞれ企業の各部門のトップであり、サラリーマンエンジニアとしては頂点といってもよいほどの地位と言えるでしょう。

その他、エンジニアのマネジメント(人材採用・教育・管理)をするエンジニアリングマネージャーや、高度なIT関連の知見からクライアントの課題を解決するITコンサルタントといったキャリアパスもあります。

年収

プロジェクトマネージャーの年収については、調査媒体によってばらつきがあるため一概には言えませんが、経済産業省の調査によると「891.5万円」となっています。

IT関連産業の給与等に関する実態調査結果※参考:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

上記画像の、左から二番目がプロジェクトマネージャーの平均年収となります。
2017年のデータのためやや古いですが、官公庁がまとめたデータなので信頼度は高いでしょう。

平均で900万円近いという年収は、エンジニアの中でもかなり高い部類に属します。
「仕事のやりがいだけでなく年収にもこだわりたい」という方は、是非プロジェクトマネージャーを目指してみてはいかがでしょうか。

プロジェクトマネージャー(PM)に向いている人の特徴

プロジェクトマネージャー(PM)に向いている人の特徴

プロジェクトマネージャーは、以下のようなタイプの人に向いています。

  • リーダーシップがある
  • 責任感がある
  • ストレスに強い
  • 人とコミュニケーションを取るのが好き
  • 組織の中で出世したいと考えている

リーダーシップがある

プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトのトップであり、メンバーたちを引っ張っていく立場にあるため、部下たちにしっかりと付いてきてもらえるようなリーダーシップがなければいけません。

下の人間の面倒を見ることを面倒に感じたり、グループをまとめることに興味がなかったりするような人は、プロジェクトマネージャーには向いていないでしょう。

逆に、学生時代に生徒会長や部活の部長をやっていたような人は適性があります。

もちろんそういった経験がなくとも、マネジメントを学ぶことでリーダーシップを身に付けることはできますので、プロジェクトマネージャーを目指す場合は書籍や現場でしっかり学ぶようにしてください。

責任感がある

一度始まったプロジェクトは、クライアント都合でもない限り必ず最後まで終わらせなければなりません。
何があろうと、クライアントの求める要件をすべて満たしたシステムを納品するのだという強い責任感がなくては、プロジェクトマネージャーは務まらないのです。

引き受けたことは何が何でも終わらせる、約束は必ず守る、といった責任感の強い人は、プロジェクトマネージャー向きの性質と言えるでしょう。

ストレスに強い

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト完遂に関して全責任を負っているため、そのプレッシャーは半端ではありません。
もし自分のせいでプロジェクトが失敗すれば、クライアントにも自社にも多大な迷惑をかけてしまいます。

そんなストレスにさらされながら日々仕事をするため、ストレス耐性がなければプロジェクトマネージャーとしてやっていくのは難しいでしょう。

もともとストレスに強いか、ストレスと上手く付き合う方法を身に付けているような人ならば、プレッシャーに負けずプロジェクトマネージャーの仕事をやり通せるはずです。

人とコミュニケーションを取るのが好き

プロジェクトマネージャーは、クライアント側の担当者や、開発チームのメンバー、会社の経営層など、いろいろな人と接する機会が多いため、人とコミュニケーションを取ることが好きという人には向いている職種です。

もちろん、ただ適当に会話するだけでなく、以下のような正しいコミュニケーションを取ることが重要です。

  • クライアントの要望を正確に汲み取る
  • メンバーからの悩み相談に対して快く応じる
  • 相手の意見に対して否定から入らない

こうした適切なコミュニケーション能力は、プロジェクトマネージャーとして必須のスキルとなります。

組織の中で出世したいと考えている

プロジェクトマネージャーを任されている時点で、一定のマネジメントスキルを持っていることが多いのですが、日々プロジェクトマネージャーとして働くことでマネジメントに関する能力はさらに磨かれていき、より上位の管理職も目指すことができます。

会社は常に、高いレベルでマネジメントができる人材を求めているため、会社組織で出世していきたいという上昇志向を強く持っている人にも向いていると言えるでしょう。

プロジェクトマネージャー(PM)になるには?

プロジェクトマネージャー(PM)になるには?

プロジェクトマネージャーになるには、以下のような流れを意識するようにしてください。

エンジニアとしての開発経験を積む

プロジェクトマネージャーを目指すには、まず一人のエンジニアとして開発メンバーに加わり、開発業務に従事してプログラミングスキルを磨いていくところから始まります。

下流工程である開発業務を知っておかなければ、将来自分がプロジェクトマネージャーになった際に、下流工程ではどんな問題が起きやすいのか、下流工程をこなす部下たちがどんなことで悩みやすいのか、といったことがわかりません。

また上流工程をこなす時も、下流を知っていることで工数を想定しやすくなり、スケジューリングの精度が高まります。

このような理由から、まずはエンジニアとしての開発スキルを高めていくことが、プロジェクトマネージャーになるための第一歩となります。

マネジメントスキルを学ぶ

開発チームのメンバー管理もプロジェクトマネージャーの大事な仕事のため、マネジメントスキルは必須となります。
したがって、開発業務をこなしつつも、日々書籍を読んだりプロジェクトマネージャーの仕事ぶりを観察したりしながら、マネジメントとはどういうものなのかについて強く意識すべきです。

もちろん、マネジメントスキルは簡単に身に付くものではないため、業務を通して少しずつステップアップしながら、プロジェクトリーダーになった時のための下地を作っておきましょう。

プロジェクトリーダーとしての経験を積む

プロジェクトリーダーとは、チームメンバーたちの進捗状況を管理し、問題なくプロジェクトを進行させる役割を担う存在です。
開発プロジェクトにおける実質的なNO.2であり、プロジェクトマネージャーになるにはこのポジションを経由するのが一般的です。

大規模なプロジェクトの場合、いくつかの開発チームが協力してシステムを作り上げていきますが、各チームにプロジェクトリーダーが存在し、それを統括するのがプロジェクトマネージャーとなります。

プロジェクトリーダーになれば、リーダーとしてのマネジメントスキルを磨きつつ、プロジェクトマネージャーと接する機会も増えるので仕事内容も掴みやすくなります。
プロジェクトリーダーを何年か経験しながら、プロジェクトマネージャーを目指して実績を積み重ねていきましょう。

プロジェクトマネージャー(PM)として働く上で有効な資格

プロジェクトマネージャー(PM)として働く上で有効な資格

プロジェクトマネージャーとして働く際に、取得しておくと評価が高まる可能性のある資格を紹介していきます。

どれも難しい資格であるため、基本的にはプロジェクトマネージャーとしての実務経験がないと取得は難しいです。
これからプロジェクトマネージャーを目指すという方の場合は、「将来的にこのような資格取得を考えればいいのか」といった程度に捉えておいてください。

プロジェクトマネージャ試験

資格名称 プロジェクトマネージャ試験
資格認定団体 情報処理推進機構 (IPA)
試験方法 PBT(筆記試験)方式
試験内容 ・プロジェクトマネジメント業務の分担
・プロジェクト計画の作成
・プロジェクトチームの編成と管理
・ステークホルダーとのコミュニケーション
・プロジェクトの評価と改善
試験難易度 上級レベル

プロジェクトマネージャ試験とは、プロジェクト管理責任者としての能力があるかを問われる国家試験で、年に一度実施されています。
合格率は例年約15%ほどとなっているため、難易度は高いと言えるでしょう。

試験内容としては、ITの基礎知識やマネジメント関連はもちろん、ネットワークやデータベース、セキュリティといった幅広い分野から出題されます。
中には、実務経験がないと答えるのが難しい問題もあるため、上流工程未経験の状態で合格を目指すにはかなりの事前対策が必要となるでしょう。

まだIT関連の資格を持っていない場合は、まず基本情報技術者試験や応用情報技術者といった資格を取得してから挑むのがおすすめです。

ITストラテジスト試験

資格名称 ITストラテジスト
資格認定団体 情報処理推進機構(IPA)
試験方法 午前は選択式、午後は記述および論述
試験内容 ・セキュリティ
・システム戦略
・システム企画
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ビジネスインダストリ
・企業活動
・法務など
試験難易度 上級レベル

ITストラテジスト試験とは、ITを活用した事業戦略の立案や、具体的なシステム化について提案できるほど高度なIT人材であるかどうかが問われる国家試験です。
なお、ストラテジストとは「戦略を考える人」のことです。

事業戦略は、開発工程で言えば「超上流工程」にあたります。
ITストラテジストは、企業の最高幹部たちとともに事業を成功に導くための計画を立てていくのが主な役割であり、高いレベルでのIT戦略知識やコンサルティング能力、経営者視点などが求められます。

プロジェクトマネージャーからさらに上を目指す際に役立つ資格となるでしょう。

PMP

資格名称 PMP(Project Management Professional)
資格認定団体 PMI(Project Management Institute)
試験方法 180問の選択式
試験内容 ・人(42%の割合で出題)
・プロセス(50%の割合で出題)
・ビジネス環境(8%の割合で出題)
※上記にて、予測型プロジェクトマネジメント・アプローチについて約50%、
アジャイル型・ハイブリッド型アプローチについて約50%が出題
試験難易度 上級レベル

PMPとは、「プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル」の略で、アメリカにある世界最大のプロジェクトマネジメント団体「PMI」が認定する資格です。
ITに限らず、建築業界・自動車業界・サービス業界など、各業界のプロジェクトマネジメントに通用する汎用性のある資格となっています。

受験資格が非常に厳しいことが特徴で、一定期間のマネジメント経験が必須となる上、35時間の公式研修への参加も義務付けられます。
したがって、マネジメント未経験者が受験することはできません。

合格率は公表されていませんが、厳しい受験資格を得た人のみが受けることや、受験資格を得てから1年以内ならば3回まで受験できることから、合格率は6割以上と言われています。

まとめ

ポイント

以上、プロジェクトマネージャーになるにはどうすればいいかについてや、プロジェクトマネージャーの仕事内容・平均年収・キャリアパス、向いている人の特徴などについて解説してきました。

開発プロジェクトのトップとして、クライアントとのやりとりから開発チームの管理など、内外に気を配らなければいけない大変な役職ですが、その分希少価値は非常に高く、多くの会社が優秀なプロジェクトマネージャーを確保しようと動いています。

将来性は非常に高い仕事ですので、興味のある方は是非目指してみてください。

今回の記事のまとめ
  • プロジェクトマネージャーの仕事は非常に高度で多岐に渡る
  • リーダーシップがある人や責任感が強い人はプロジェクトマネージャー向き
  • プロジェクトマネージャーになるには、まずはプロジェクトリーダーを目指すことから始まる

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