「リスキリングの補助金は個人でも利用できるもの?」
「そもそも補助金・助成金・給付金は何が違うの?」
このように、リスキリングを行うにあたり、補助金や助成金を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
補助金や助成金、給付金はそれぞれ役割や仕組みが異なるため、違いについて把握するとともに、適切に利用する必要があります。
そこで今回は、以下の内容について解説していきます。
- 補助金・助成金・給付金の違い
- リスキリングの補助金は個人でも利用できるのか?
- リスキリングの際に個人が活用できる補助金・助成金・給付金
開発会社とWebエンジニア向けのプログラミングスクールを運営する弊社が、個人で利用できる補助金・助成金・給付金について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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そもそもリスキリングとは?
リスキリングとは、技術革新や働き方の変化に対応するために、新しい知識やスキルを学び直すことです。
今リスキリングが注目されている理由は、主に以下の4つです。
- デジタル技術の導入が広まっている
- デジタル技術を用いた産業が拡大している
- 転職に必要なスキル獲得の必要性が高まっている
- デジタル格差を緩和する必要がある
現代のビジネス環境は急速に変化しているため、その変化に対応するためのスキルの習得は急務と言えるでしょう。
リスキリングで身につけておきたいスキルは、以下の通りです。
- デジタルスキル
- コミュニケーションスキル
- マーケティングスキル
- データ分析
- マネジメント
これらのスキルは、現代の労働市場で特に汎用性が高いものなので、取得することでキャリアアップや差別化に繋がります。
参考記事:

補助金・助成金・給付金の違い
ここでは、補助金・助成金・給付金の違いについて解説していきます。
「呼び方が違うだけで同じものだと思っていた」という方は、ここでそれぞれの役割について把握しておきましょう。
補助金とは
補助金とは、事業者の取り組みをサポートするために、国や地方自治体から支給されるお金のことです。
代表的な補助金としては、「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」などが挙げられます。
公募期間内に所定の書類を揃えて申請し、採択されれば給付を受けられるという仕組みですが、採択件数や金額があらかじめ決まっていることが多いので、誰でも申請すれば貰えるというわけではありません。
多くの場合、採択件数よりも応募件数が上回るため、審査で落ちてしまうこともあります。
給付を受けるには、以下の3つが重要となります。
- 企業や個人事業主として申請すること
- 申請内容を吟味すること
- 公募期間内に申請すること
助成金とは
助成金とは、特定の活動や事業を支援するために、国や地方自治体から支給されるお金のことです。
代表的な助成金としては、以下のようなものがあります。
- 雇用調整助成金
- 業務改善助成金
- 人材確保等支援助成金
- 働き方改革推進支援助成金
- 産業保健関係助成金
補助金との違いは、一定の要件を満たしていれば給付が受けられるという点です。
補助金のように採択件数や金額が決められていないため、審査に通るためのハードルは低いと言えます。
なお、支給を受けるには、以下の3つの要件を満たしている必要があります。
- 雇用保険適用事業所の事業主(雇用保険に加入していること)
- 審査に協力する
- 適正な労務管理を行う
給付金とは
給付金とは、条件を満たしていれば、申請をすることで個人でも受け取ることができるお金のことです。
代表的な給付金としては、「特別定額給付金」「持続化給付金」「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」などが挙げられます。
補助金や助成金は、用途や目的がはっきりしている必要がありますが、給付金は「何に使ってもよい」「申請要件に当てはまれば誰でも貰える」というように制限が緩いのが特徴です。
なお、給付を受けるための要件は給付金の種類によって異なりますので、それぞれ確認する必要があります。
リスキリングの補助金は個人でも利用できる?

結論からお伝えすると、リスキリングの補助金は個人でも利用可能です。
ただし、「補助金」と「助成金」は事業主に対して支給されるものですので、個人が主体となって利用するのは難しいと言えます。
個人で補助金や助成金を利用する場合は、法人として申し込み、その法人に属している個人が間接的に利用するといったイメージです。
個人向けとして一般的なのは「給付金」ですので、◯◯給付金と書かれたものが直接利用可能なものになります。
リスキリングの際に個人が活用できる補助金・助成金・給付金

リスキリングの際に個人が活用できる補助金・助成金・給付金は、以下の6つです。
なお、所属する法人を通して利用できるものも含まれています。
- 教育訓練給付制度
- 求職者支援制度
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金
- 人材開発支援助成金
- 母子(父子)家庭自立支援給付金
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、条件を満たす人に対して、支払った費用の一部を支給する制度のことです。
なお、教育訓練給付制度は、以下の3種類に分けられます。
- 一般教育訓練給付金
- 特定一般教育訓練給付金
- 専門実践教育訓練給付金
対象者や給付割合などが異なるため、それぞれ確認しておきましょう。
一般教育訓練給付金
一般教育訓練給付金とは、一定の条件を満たした方が厚生労働大臣の指定する講座を受講し修了した場合、支払った学費のうち20%(最大10万円)が支給される給付金です。
一般教育訓練給付金は、労働者の長期的な雇用や再就職の促進などを図るものですので、キャリアアップやスキル向上を目指している方に当てはまります。
対象となる講座や資格は、主に「簿記検定」「調理師」「保育士」「介護福祉士」などです。
また、大学院に通う場合も該当します。
特定一般教育訓練給付金
特定一般教育訓練給付金は、「速やかな再就職」「早期のキャリア形成」を目的とし、2019年に新設された制度で、当初は支払った学費のうち40%(最大20万円)が支給されるというものでした。
しかし、2024年10月以降に受講した場合は、50%(最大25万円)まで受け取れるように変更となっています。
特定一般教育訓練給付金は、介護職やIT系スキルなどキャリア形成効果が高い講座を対象としています。。
専門実践教育訓練給付金
専門実践教育訓練給付金は、中長期的なキャリア形成を支援するために作られた制度で、他の教育訓練給付金よりも給付率が高くなっています。
以前までは、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)に加え、資格取得や就職した場合に教育訓練経費として20%(年間上限16万円)、つまり最大70%の給付を受けることができました。
しかし、特定一般教育訓練給付金と同様に、2024年10月以降から受講する場合は、教育訓練経費を追加で10%(最大8万円)受け取ることができ、最大80%の給付率となっています。
専門実践教育訓練給付金は、業務独占資格(弁護士や税理士など)や名称独占資格(美容師や保育士など)、IT関連のスキルを取得し、長期的に働くことを目標に実施されています。
なお、専門実践教育訓練給付金を受給するための受給対象条件等は、ご自身で最寄りのハローワークにてご確認ください。
参照:
厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」
厚生労働省リーフレット
専門実践教育訓練給付金についてより詳しく知りたい方や、教育訓練給付金が使えるスクールを知りたい方は以下の記事からご確認ください。
専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説!おすすめスクールも紹介
求職者支援制度
求職者支援制度とは、再就職や転職、スキルアップを目指す人の生活を支援するために、月10万円の給付金が支給されるという制度です。
「今すぐに転職しなければならない」というわけではなく、働きながらスキルアップしたいという方も対象となっているので、将来的な転職を考えている人も活用できます。
ただし、収入や資産の内容によっては受け取れないこともあるので要注意です。
例えば、「月8万円を超える収入がある」「世帯全体で300万円を超える金融資産がある」といった場合は、給付対象から外れてしまいます。
なお、給付対象から外れていても、無料の職業訓練や就職サポートを受けることは可能ですので、受けたい訓練がある場合は積極的に参加してみるのもよいでしょう。
受講できる訓練としては、主に以下のようなものがあります。(訓練期間は2~6ヶ月)
- ビジネスパソコン科
- OA経理事務科
- 調剤事務科
- WEBデザイナー科
- 3次元CAD活用科
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金は、キャリアアップを目的として、新たなスキルを身につける方を応援する制度です。
具体的には、下記の3つのサービスを受け、一定の要件をクリアすることで、最大で受講料の70%(56万円)の給付を受けられます。
- キャリア相談:これまでのキャリアの棚卸しやキャリアゴールの設定、スキルの棚卸し、一人一人に適したリスキリング講座の検討のサポートなどが含まれる
- リスキリング講座:キャリア相談の結果を踏まえて、リスキリング講座を受講する
- 転職支援:キャリア相談とリスキリング講座の受講を踏まえた上での転職支援を受ける
こちらも、法人で利用した際に得られる補助金ですので、個人としては間接的に恩恵を受ける形となります。
なお、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金の対象要件は、以下の通りです。
- 正社員・契約社員・派遣社員・パートやアルバイトなど、企業と雇用契約を締結している在職者
- 雇用主の変更を伴う転職を目指している方
年齢制限はないですが、経営者や個人事業主といった雇用契約を結んでいない方や、リスキリング講座の受講のみが目的の方は対象外となります。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金とは、労働者のキャリア形成を行う企業のサポートをする助成金制度です。
事業主が正規雇用者に対して、仕事内容に関連した専門知識やスキルを習得させるために、職業訓練や人材育成を行った際に、費用負担の一部が支給されるものとなります。
法人で利用した際に得られる助成金ですので、個人で直接申請することはできませんが、間接的に恩恵を受けることは可能です。
なお、人材開発支援助成金を受けるためのコースは以下の7つとなります。
コース | 助成条件 |
---|---|
人材育成支援コース | ①雇用する労働者に対して職務に関連する知識やスキルを習得させるための訓練 ②厚生労働大臣の認定を受けたOJT付きの訓練 ③非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練 上記訓練を実施した場合に費用の一部が助成される |
教育訓練休暇付与コース | 有給教育訓練等の制度を導入した上で、労働者が教育訓練休暇を取得し訓練を受けた場合 ※令和8年度までの期間限定助成 |
人への投資促進コース | ①デジタル人材・高度人材を育成する訓練 ②労働者が能力開発に向けて自発的に行う訓練 ③定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス) 上記訓練を実施した場合に費用の一部が助成される ※令和8年度までの期間限定助成 |
事業展開等リスキリング支援コース | 新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い必要となる新たな知識やスキルを習得させるための訓練を実施した場合 ※令和8年度までの期間限定助成 |
建設労働者認定訓練コース | ①認定職業訓練または指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合 ②建設労働者に有休で認定訓練を受講させた場合 上記訓練を実施した場合に助成される |
建設労働者技能実習コース | 雇用する建設労働者にスキル向上を目的として実習を有給で受講させた場合に費用の一部が助成される |
障害者職業能力開発コース | 障害者に対して職業に必要な能力を開発・向上させるために一定の教育訓練を継続的に実施した場合に費用の一部が助成される |
また、受給要件は以下の通りです。
- 雇用保険の適用事業所である
- 支給審査へ協力する
- 期間内に申請する
研修終了後(2ヶ月以内)に支給申請を行うため、研修を行ったとしても必ず支給されるとは限りません。
また、対象の訓練でなければもちろん支給はされないので、コースごとに要件の詳細を確認しておく必要があります。
母子(父子)家庭自立支援給付金
母子(父子)家庭自立支援給付金は、母子家庭や父子家庭の経済的な自立を支援することを目的に、自治体と協力してシングルマザー・シングルファーザーの就職を後押ししてくれる制度です。
なお、母子(父子)家庭自立支援給付金は「自立支援教育訓練給付金」と「高等職業訓練促進給付金等事業」の2つに分かれます。
自立支援教育訓練給付金
自立支援教育訓練給付金は、シングルマザーやシングルファーザーの能力を開発するため、対象となる教育訓練を受講して修了した場合に、かかった経費の60%を支給するという制度です。
下限は12,001円、上限は最大20万円です。
受給額や対象者については細かい規定がありますので、詳細はこども家庭庁の公式HPをご確認ください。
対象となる講座は以下の通りです。
- 雇用保険制度の教育訓練給付の指定教育訓練講座
- 都道府県等の長が地域の実情に応じて対象とする講座
高等職業訓練促進給付金等事業
高等職業訓練促進給付金は、母子家庭や父子家庭の親が、就職に有利となる資格取得を目指して教育機関で勉強する期間を支援するという制度です。
対象者については規定がありますので、こども家庭庁による高等職業訓練促進給付金についての案内をご確認ください。
支援内容としては、訓練期間中に月額10万円が支給されるほか、訓練修了後には5万円が支給されます。
なお、訓練を受けている最後の1年間は4万円増額されます。
訓練の対象となる資格は、「保育士」「看護師」「理学療法士」といった就職の際に有利になる資格です。
各自治体が実施している個人向けの補助金・助成金・給付金
個人向けの補助金・助成金・給付金は、国が実施しているものだけではありません。
自治体が独自に取り組んでいるものもあります。
例えば、以下のような取り組みです。
- 【東京】短期集中型資格取得支援訓練
- 【大阪】大阪府スキルアップ支援金
- 【広島】広島県未来チャレンジ資金
- 【岐阜】ものづくりDX人材育成リスキリング事業
- 【石川】金沢市大学連携リスキリング促進助成金
【東京】短期集中型資格取得支援訓練
短期集中型資格取得支援訓練は、東京都独自の取り組みで、「短期間で成長産業分野に就職できるような資格を取得できること」を目的としています。
主に求職中の人が対象で、「eラーニング」と「宿泊を伴う試験直前の講習」を組み合わせた訓練が行われます。
受講料や宿泊費は無料ですが、資格試験料や宿泊中の食事代などは自己負担なのでご注意ください。
なお、短期集中型資格取得支援訓練で受験可能な資格は以下の通りです。
- ウェブデザイン技能検定3級
- ITパスポート試験
- 宅地建物取引士資格試験
- 3級ファイナンシャル・プランニング技能検定
- 国内旅行業務取扱管理者試験
- 医療事務技能審査試験〔医科〕
参考:短期集中型資格取得支援訓練 | TOKYOはたらくネット
【大阪】大阪府スキルアップ支援金
大阪府が独自で行っている「大阪府スキルアップ支援金」は、物価高騰に苦しんでいる求職者や在職者を支援するための取り組みです。
能力開発や向上のための訓練を受ける際、かかった費用の50%~75%が給付されます。
なお、大阪府スキルアップ支援金をもらうには、国の教育訓練給付金をもらっていないことが条件となります。
【広島】広島県未来チャレンジ資金
広島県では、「将来広島県内の企業で働きたい」と考えている方を対象に、大学院などでの専門的な学習を行う人に対しての資金貸付を行っています。
それが「広島県未来チャレンジ資金」です。
「給付」ではなく「貸付」なので、返済しなければならないのですが、無利子となっているので借りやすいでしょう。
さらに、学習を終えた9年間のうち、広島県内の企業などで8年間働けば貸付金が全額免除となるので、広島で働くと決めている人にとっては大変有意義な支援金となります。
参考:広島県未来チャレンジ資金
【岐阜】ものづくりDX人材育成リスキリング事業
ものづくりDX人材育成リスキリング事業は、岐阜県が「デジタル技術を活用して企業のDXを推進する人材を育成・確保する」ことを目的としたものです。
対象は、県内企業の従業員や、県内企業へ就職しようとしている人となっています。
プログラミングやデジタル技術を駆使した業務効率化などを無料で学べるため、求職者はもちろん、現在仕事があるという人でも、「より自社で活躍できる人材になりたい」という場合には受講を検討してみる価値があるでしょう。
【石川】金沢市大学連携リスキリング促進助成金
金沢市大学連携リスキリング促進助成金は、「金沢市内に住んでいる」「金沢市内の事業所で働いている」という人を対象に、大学などでの学び直しを支援するための取り組みです。
特定の大学が実施する社会人向け講座や科目を受講する費用について、最大50%(上限2万円)まで助成してくれます。
なお、「受講を通じて得たスキルを仕事や地域に活かす見込みがある」「受講した講座を修了する」という2点が助成金の交付要件となっていますので注意が必要です。
まとめ
今回は、個人が利用できるリスキリングの補助金・助成金・給付金について解説しました。
- 基本的に、補助金と助成金は「事業者向け」、給付金は「個人向け」として、国や地方自治体から支援されるお金である
- リスキリングの補助金は個人でも利用可能だが、直接的に利用可能なのは「給付金」となる
- リスキリングの際に個人が活用できるものは、「教育訓練給付制度」「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」がメイン
リスキリングでITスキルを身につけたいと思っても、独学ではハードルが高くて自信がないという方も多いかと思われます。
補助金等を活用しようと思っても、個人で使えるものがよくわからない、というケースも多いでしょう。
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