「駆け出しエンジニアが実務で挫折してしまう理由にはどんなものがある?」
「挫折した後に待っている末路は・・・?」
「エンジニアとして挫折しないための対処法はある?」
駆け出しエンジニアの中には、開発現場での大変な実務を前に、今まさに挫折しそうになっていて「どうしていいかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
エンジニアは高年収が期待できる分、続けていくのも簡単ではない職業です。
途中で挫折しないためには、適切な対処をしていかなければなりません。
そこでこの記事では、駆け出しエンジニアが挫折しやすい原因や、挫折してしまった際の末路、挫折しないための適切な対処法について解説していきます。
駆け出しエンジニアの定義とは?
「駆け出しエンジニア」という言葉は、Twitterのハッシュタグでも頻繁に見かけるほどメジャーな言葉ではありますが、実はその定義がはっきり決まっておらず、人によって解釈が分かれます。
- プログラミングの勉強を始めた直後
- ある程度学習して基礎を身に付けた段階
- エンジニアとして採用され働き始めた直後
- エンジニアとして半年~1年ほど働いた状態
いろいろな解釈がありますが、本記事では「プログラミング学習を終え、就職・転職に成功し、実務に入った直後の状態」のことを駆け出しエンジニアと定義させていただきます。
駆け出しエンジニアが挫折してしまう9つの理由
駆け出しエンジニアが挫折してしまう主な理由は、以下のようなものが多いです。
- 学習と実務では内容が違いすぎた
- 質問しづらい現場環境にある
- 思っていたより仕事が辛くモチベーションが続かない
- もともとプログラミングが好きではない
- エラーが解決できない
- 最新のスキルについていけない
- 人間関係
- 企業の体質がブラックだった
- 成長できない環境に失望した
学習と実務では内容が違いすぎた
学習を目的としたプログラミングと、実務として現場で使うプログラミングとでは、大きな違いがあります。
実務レベルに近い、もしくは実務とほぼ同等とも言えるようなカリキュラムを用意しているプログラミングスクールを卒業している場合は別ですが、独学や、実務レベルを意識していないスクールを卒業してエンジニアになった場合には、あまりのレベルの違いに驚くことでしょう。
想定していた業務とは程遠く、何をどうしていいのかわからない状態が続くことで、次第に心が折れていき、最終的に挫折してしまうという駆け出しエンジニアも少なくありません。
質問しづらい現場環境にある
駆け出しエンジニアとはいえ、就職した企業によっては新人扱いされず、即戦力として扱われることがあります。
特に、少数精鋭で開発を行っているベンチャーやスタートアップ企業は、新人を教育している余裕がありません。
新人でも即戦力と見なし、自走力を持って業務にあたってほしいと考えています。
したがって、何かわからないことがあっても、おいそれと質問しづらいという環境になっていることもあります。
自走力が育っていないために、自己解決もできなければ質問もできないという状況に追い込まれる駆け出しエンジニアも一定数いることでしょう。
思っていたより仕事が辛くモチベーションが続かない
エンジニアの仕事はそれなりにハードだ、ということは、学習段階である程度覚悟できている人も多いでしょう。
しかし、思っていた以上にハードで、日々辛いという気持ちが募っていくと、段々と仕事へのモチベーションも下がってしまいます。
そして、モチベーション低下に対してなんの対策も取らずにいると、最終的に挫折へと繋がってしまうことになります。
もともとプログラミングが好きではない
「エンジニアは年収が高いらしい」
「将来性も高いから食いはぐれがないらしい」
このような話を耳にし、特に好きでもないのにプログラミング学習をはじめ、エンジニアになってしまったという人は、挫折しやすいです。
確かに、エンジニアは他の職種と比べると年収は高めですし、将来性も高いです。
しかしそれは「良い側面だけを捉えれば」という話であり、どんな仕事でもそうですがエンジニアにも辛い側面は多々あります。
特に他の仕事と大きく違うのは、「日々勉強を怠ってはいけない」という点です。
エンジニアとして生き残っていくためには、業務時間外でスキルアップのための学習を自発的に行わなければなりません。
しかしもともとプログラミングが好きではない人にとって、遊ぶ時間を削ってまで勉強するというのは大きな苦痛が伴うでしょう。
これが、挫折に繋がってしまうのです。
エラーが解決できない
「エラーを解決できないことが続き、自信を失くす」というのも、挫折原因として非常に多いと考えられます。
プログラミングはエラーとの戦いです。
すぐに解決できるエラーもあれば、丸一日考えてもどうしていいかわからないというエラーもあるため、駆け出しエンジニアにとっては心が削られる作業になってしまいます。
ある程度経験を積んだエンジニアであっても、エラー解決には手こずることも珍しくないのですから、駆け出しエンジニアともなれば尚更です。
先輩や仲間のエンジニアに助言を求める程度のことはできても、じっくりソースコードを見てもらい、一緒に原因を追究してもらうところまで手伝ってくれるということはほとんどないでしょう。
先輩や仲間たちも自分の仕事があり、そこまで面倒を見ている余裕がないからです。
エラー解消の難しさや、自分一人で解決できなかった時の不甲斐なさなどで自信を失くし、挫折してしまうケースは多く存在するはずです。
最新のスキルについていけない
IT業界のスキルの移り変わりは非常に早いです。
そのため、常に最新の情報をキャッチアップし、今の業務に活きるスキルがあれば習得のために学習する、という行動がエンジニアには求められます。
学習は、もちろん業務時間外に行う必要があるため、世間の人たちの多くが休んでいる土日であろうと勉強しなければなりません。
しかし、誰もがこのような行動を取れるわけではなく、土日はいつもしっかり遊んでしまい、その結果勉強が疎かになり、今の現場で必要とされている技術レベルについていけなくなってしまうエンジニアもいます。
勉強が足りていないエンジニアは、スキルの低さや仕事の遅さから、現場での居心地が悪くなりがちです。
特に、駆け出しのうちから勉強を怠っていると、周囲から白い目で見られてしまうでしょう。
そうした環境に耐えられず、現場を去る人もいます。
コミュニケーション不足
エンジニアも、他の業種同様に上司や同僚たちとのコミュニケーションをうまくとっていく必要があります。
中にはクセのある上司もいるでしょうし、相性の悪い同僚もいることでしょう。
そうした人たちとうまくやることができず、メンタルを消耗してしまう人もいます。
エンジニアを含めたすべての社会人に言えることですが、スキルさえあればそれでいいというわけではありません。
最低限のコミュ力も持っていないと、人間関係の悩みからは解放されないのです。
企業の体質がブラックだった
就職した企業がブラックだったという場合は、もうどうしようもありません。
個人で対処してどうにかなることではありませんので、少しでも早く転職を考えるべきでしょう。
ブラック企業に消耗させられた結果、挫折してエンジニアを諦めてしまうというのは大変もったいないです。
特に、何もわからない駆け出しエンジニアの時にブラックな会社にあたってしまったことによる転職であれば、それを正直に伝えれば、問題なく転職活動を行える可能性も高くなるでしょう。
なおその際は、「本当にその会社がブラックである」ということが客観的に伝わるように、しっかりとした説明や証拠提示をすることが重要です。
説明の仕方を間違うと、「甘えているだけ」「根性がないだけ」といった誤解が生まれてしまう恐れがありますので注意しましょう。
成長できない環境に失望した
これはSES企業へ就職した場合にあるパターンです。
SES企業とは、開発現場へエンジニアを派遣する会社のことです。
派遣されたエンジニアは客先に常駐し、そこで与えられた仕事をこなします。
どんな仕事が与えられるかは派遣された現場によってバラバラで、高いスキルを必要とするチーム開発案件もあれば、ほとんどスキルが身に付かないテスターやヘルプデスクといった仕事の場合もあります。
前者ならばよいですが、運悪く後者の「ほとんどスキルが身に付かない仕事」に当たってしまうと、成長できない環境に絶望し、やる気を失くしてしまうという駆け出しエンジニアが出てきてしまいます。
これが、SES企業が「案件ガチャ」と揶揄されてしまう理由です。
ただし、SESの中にも優良な企業はたくさんあり、前述のようなスキルアップができないような現場へエンジニアを派遣しないというSESもあるので、SESへの就職を検討している場合にはしっかりと企業研究をするようにしましょう。
駆け出しエンジニアが挫折した時に待っている辛い末路
ここまで、駆け出しエンジニアが挫折してしまう主な理由について紹介してきました。
では、挫折した駆け出しエンジニアには、どのような末路が待っているのでしょうか。
この項目では、挫折してしまった時に待っている辛い末路について解説していきます。
厳しい内容にはなりますが、辛い末路を迎えないための対処法についても後述しますので、是非そちらもご覧ください。
他業種へ移ったことで年収が下がる
エンジニアは、他の職種と比べて高めの年収が期待できます。
そんなエンジニアの道から挫折して他の職種へ移るとなると、年収ダウンの可能性はかなり高くなってしまうでしょう。
さらに、異業種へ移ったことで、それまで時間をかけて身に付けたプログラミングスキルが活かせなくなってしまうことも大変もったいないです。
精神的に病んでしまう
- ほとんど休まず仕事と勉強だけに打ち込む日々に疲れた
- どんなに頑張っても現場のレベルについていけない
- 休みの日も勉強しないといけないのが辛い
駆け出しエンジニアとして努力はしてみたものの、上記のような理由で精神のバランスを崩し、うつ病や適応障害、パニック障害といったメンタル的な病を抱えてしまうという末路を辿ることもあります。
仕事も勉強も重要ですが、何事も「適度に」が大事です。
精神を病んでは元も子もないので、そうなる前に早めに対処すべきでしょう。
駆け出しエンジニアが挫折しないための対処法
希望に満ち溢れたエンジニア生活を夢見たものの、駆け出しの頃は何度も挫折しそうになってしまうものです。
そこでこの項目では、エンジニアとして挫折しないための対処法について解説していきます。
自分を追い込みすぎない
「エンジニアになったのだから、毎日勉強しないと!」
最初からこのように意気込んでしまい、平日の就業後や土日をすべて勉強時間にあててしまっている人もいるかもしれません。
そうなると精神的・体力的な消耗が激しく、挫折してしまう要因となってしまいます。
確かに、エンジニアにとって日々の勉強は重要ですが、バランスも大事です。
エンジニアだからといって、必ず毎日勉強しなければならないわけでもありません。
適度な息抜きも必要ですので、たまには友人や仕事仲間と飲みに行ったり、一人で自由に出かけたり、ゆっくりゲームや読書をして過ごしたり、という時間も作ってみるのがおすすめです。
上司や同僚に相談する
- 現場の仕事についていけない
- 仕事へのモチベーションが下がっている
- 勉強する意欲が湧かない
- メンタルに異常をきたし始めている
こんな苦悩があっても、誰にも相談せず一人で抱え込んでしまう駆け出しエンジニアも少なくありません。
「忙しく働いている上司や同僚の邪魔をしてしまうのではないか」
「ただ弱音を吐いていると思われるだけじゃないか」
そんな思いから、ただひたすら一人で耐えてしまうのです。
しかし、人はそんなに薄情ではありません。
職場でよほどの問題行動でも起こしていない限り、誰一人自分の相談に乗ってくれない、などということはあり得ないでしょう。
むしろ、「相談なんかしたら邪魔になってしまうかも」といった気遣いができるような人が発したSOSなのですから、周囲も真剣に対応してくれる可能性が高いです。
勇気が必要かもしれませんが、一度思い切って上司や同僚に本音を打ち明けてみてはいかがでしょうか。
勉強仲間を作る
「世間では遊んでいる人が多い土曜日なのに、自分だけ家で勉強か・・・」
このように、休日の昼や夜に一人でスキルアップのための勉強をしていると、孤独になる瞬間もあるでしょう。
そんな時におすすめなのが、「勉強仲間を作る」という方法です。
プログラミングに関する勉強会やコミュニティというのはたくさん存在するので、Twitterやネット検索でそういった集まりを探し、積極的に参加することで、互いに切磋琢磨し合える仲間と出会うことができます。
学習へのモチベーションも上がりますし、時には人脈作りに繋がることもあるかもしれません。
また、プログラミングスクールに通っていたのなら、スクール時代の仲間に声をかけて、一緒に勉強しないか誘ってみるのもよいでしょう。
プログラミングの勉強仲間を作る方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非参考にしてください。
休暇を取る
まだ駆け出しという新人の身で、いきなりまとまった期間の休暇を申請するのは一般的ではないかもしれませんが、あまりにも精神的に追い込まれている時は、勇気を出して休暇の取得を申し出てみることも検討しましょう。
実際、仕事に慣れてきた2年目や3年目のエンジニアよりも、エンジニアとして働き出したばかりの人の方がいろいろと無理をしてしまい、心身にダメージを蓄積しやすいです。
それでも無理を続け、最終的に動けなくなってしまい、辞めるしかなくなる、という状態が一番よくないので、早めに対処するようにしてください。
場合によっては、病院で診断書をもらうというのもよいでしょう。
せっかくエンジニアになれたのに、たった数か月や1年ほどで辞めてしまうのは非常にもったいないです。
つらい時期を乗り越えれば、その後には明るい未来があるかもしれません。
転職する
労働環境がブラックな会社ならば、迷うことなくすぐさま転職を考えるべきですが、そうではなく、自分の問題で挫折しそうになっている場合には、転職は最後の手段と考えるべきです。
- 職場の人間と合わない
- 業務内容が難しい
- 誰も自分を育ててくれようとしない
このようなことは、どの会社に就職しても起こることです。
どの会社にもウマが合わない人などいるでしょうし、エンジニアの業務で簡単なものもありません。
あったとしても、成長の期待できない業務でしょう。
そして、「育ててもらえない」という考えもあまりよろしくありません。
エンジニアには、できる限り自己解決できる自走力が求められるので、誰かに育ててもらおうという考えは捨てた方がよいでしょう。
会社側の問題ではなく、自分の問題で挫折しそうになっている時は、なるべく転職以外の方法で解決の道を見つけるべきです。
それでも、いくら努力しても改善することができなかった、もう無理だ、という時には、転職して別の会社でエンジニアとして働くという選択肢を選ぶのもやむを得ないでしょう。
まとめ
以上、駆け出しエンジニアが実務で挫折してしまう理由や、挫折した末に待ち受ける末路、挫折しないための対処法について詳しく解説しました。
エンジニアは、大変ではあるものの、やりがいがあり年収も高くなりやすく、将来性も高い職業です。
あっさりと諦めてしまうのはもったいないので、本記事を参考に、うまく仕事と付き合っていく方法を模索してください。
- 駆け出しのエンジニアは、様々な理由から挫折してしまう人が多い
- 何も対処せずに挫折してしまうと、悲惨な末路が待っている
- 「休む」「勉強仲間を作る」「周囲に相談する」など、挫折しないための対処法はいろいろあるので、早めに行動に移すべき
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