「ITエンジニアが不足すると言われているけど本当?」
「エンジニアの中でも、将来性のある職種は?」
「ITエンジニアが不足している」というフレーズを耳にしたことがあるかもしれません。
不足している存在の需要が高くなるのは自然なことですが、具体的にどのような背景でエンジニア不足が起きているのかを理解したい方も多いと思います。
そのような疑問を解消すべく、本記事では、ITエンジニアがなぜ不足しているのか、また、その背景にあるのは何なのか、といった点について具体的に解説します。
さらに、未来のIT産業で活躍が期待されるエンジニアのスキルセットについても、詳しく紹介します。
エンジニア志望の方や現役のITエンジニア、そしてIT業界についての理解を深めたい方にとって、知っておいて損のない情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
IT人材不足が心配されているのは嘘ではなく本当
IT人材が不足するという話がたびたび取り上げられていますが、これは決して誇張された話ではありません。
なぜなら、社会が直面している少子高齢化の問題とデジタル化の推進が、この問題を引き起こしているからです。
日本の労働力人口は年々減少し、その結果、多くの業界で人材不足を生む結果となっています。
特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの普及といった技術革新の波に、既存の人材供給が追いついていないのが現状です。
その他にも、具体的な内容として、以下の問題があります。
- 経済産業省の調査によると最大79万人のIT人材が不足するというデータがある
- 希少なスキルを持ったエンジニアの需要はますます不足する
上記の2つについて、より深掘りしながら説明していきたいと思います。
経済産業省の調査によると最大79万人のIT人材が不足する
結論から言うと、IT人材の需要は今後も増え続け、その波は高まる一方です。
その結果、エンジニアの供給がその需要に対して追いついていないのが現状です。
経済産業省のIT人材需給に関する調査によれば、2030年までに最大で79万人のIT人材不足が発生する可能性が指摘されています。
このように、多くのIT人材が求められる未来はすぐそこに来ており、一刻も早く課題に対処する必要があります。
今後もこの流れは、DXなどのITの需要が高まるたびに、より深刻化すると予想されています。
特に足りなくなるのは希少なスキルを持ったエンジニア
IT人材不足という問題の中でも、特に深刻なのは、希少なスキルを持ったエンジニアの不足です。
例えば、技術の進化が速いWeb業界で働くWebエンジニアや、最先端技術を必要とするAIエンジニアなどが、現状でも十分に確保できていません。
さらに、この状況は今後さらに深刻化すると予想されます。
具体的に「IT人材需給に関する調査」によると、AIツールの開発者や企画者を「AI人材」とした場合、2030年には最大で約12.4万人ものAI人材が不足するとの試算が出ています。
以上の結果から、これからの社会をより進歩させる先端IT人材の育成が必要であることを、改めて認識する必要があります。
IT人材が不足している理由
IT人材不足が進行している理由は、以下の5つです。
- DX化に取り組む企業が増えている
- 高スキルを持ったエンジニアは少ない
- 「IT業界はブラック」という印象を持つ人がいる
- IT人材の高齢化が進んでいる
- IT業界は変化が早い
それぞれの理由がもたらす影響について、1つずつ丁寧に解説していきます。
DX化に取り組む企業が増えている
あらゆる業界でDX化が進行しているため、それに伴いIT人材の需要が増えています。
DX化とは、AIによるビッグデータ分析や、モノとインターネットを繋げるIoTなど、ITの先端技術を使うことで業務のプロセスを改善することや、新しいビジネスを生み出すことを言います。
この流れは、将来的な労働人口の減少のために、デジタル技術を使って人手不足を補うといった前向きな変化と言えます。
しかし製造業から金融、医療、物流、小売りまで、業種を問わず、企業のビジネスモデルそのものがデジタル化するということは、AIやビッグデータ分析など、高度なITスキルを扱えるエンジニアが必須となることも確かです。
また、企業内の業務効率化や生産性向上のために、ITを活用した自動化の取り組みなども進められています。
これらの理由から、DX推進によるIT人材の不足が問題になっており、専門性の高いエンジニアを輩出するようなIT教育や育成が求められています。
高スキルを持ったエンジニアは少ない
IT人材不足は深刻化していますが、特に需要に対して足りていないのが、高いスキルを持ったエンジニアです。
プログラミングを教養で学ぶことはできても、専門的なスキルまで習得するようになるまでは、時間と実践的な経験が必要になります。
具体的には、AIやビッグデータ分析など、人工知能を使うようなITスキルは、数学的な知識がないと身に付けることが難しいと言われています。
また、AI技術の活用が求められる現場では、プログラミングスキルの習得だけでなく、AIが何をもたらすのかを理解し、それをビジネスに組み込む視点なども必要になるでしょう。
このようなスキルは、一朝一夕には身につけられないからこそ、企業間で奪い合いになるほど不足していると言う現状があります。
「IT業界はブラック」という印象を持つ人がいる
現在、IT人材不足が深刻化している一方で「IT業界はブラック」という印象を持つ人がいます。
その理由として「エンジニア35歳限界説」のように、年齢とともに体力が持たなくなるといったイメージが蔓延しているからです。
というのもIT業界は、知識労働でありながらも、長時間労働が常態化している現場もあり、健康的な労働環境を求める人々から敬遠される傾向があります。
具体例としては、ITの多重下請け構造を挙げると理解しやすいでしょう。
この構造で言うと、下請けになるほど労働環境が過酷になる可能性が高くなり、適切に労働力が評価されないケースもあります。
このような結果から、IT業界はブラックだというイメージが染みついてしまい、人材不足を一層深刻化させている一因となっています。
IT人材の高齢化が進んでいる
IT人材不足の原因として、IT人材の高齢化が進んでいることも事実です。
この現象の背後には、日本の少子高齢化により、労働人口が全体的に減少していることがあります。
さらに、IT業界のエンジニアは専門的な技術力を必要とするため、新たな労働者が業界に参入するまでには時間がかかります。
たとえば、AIエンジニアとして、ビッグデータの分析に用いるデータベース設計や構築、運用のスキルなどを学ぶのにもかなりの時間が必要です。
クラウドエンジニアであれば、Google Cloud Platform(GCP)、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureなどの各種クラウドサービスを活用する技術も求められます。
これらのスキルを身につけるまでには時間がかかるため、新しい人材の供給が追いつかず、既存の高齢のエンジニアが多くを担っているのです。
これが、IT人材不足と高齢化の進行に繋がってしまうのです。
IT業界は変化が早い
IT業界は常にめまぐるしく変化しているため、必要なスキルも頻繁に更新されています。
新たな技術の習得には時間と労力が必要で、これが人材不足を生む一因となっています。
その理由は、企業が求める新しいスキルを持つ人材の確保が難しいためです。
AIや機械学習などの先端技術がビジネスにおける重要性を増していますが、これらのスキルを持つ人材はまだまだ少ない状況です。
具体的な例で言えば、ある中小企業がビッグデータを活用するプロジェクトを始めたとします。
そうはいっても、その企業のエンジニアが、ビッグデータを扱うための新たな技術がわからないということもあり得ます。
結果として、新たなプロジェクトを進行するためには新しいスキルを持つ人材が必要となり、人材確保の問題が生じます。
これが、IT業界における人材不足の一例と言えるでしょう。
これから特に求められるエンジニア
これから特に需要が高まると予想されるエンジニアは、以下の4種類です。
- Webエンジニア
- AIエンジニア
- クラウドエンジニア
- フルスタックエンジニア
これらのエンジニアは、デジタル技術の急速な進化と、それに伴う社会の変化に対応できるスキルや柔軟性を持っているところが共通点です。
それぞれが担う役割について、1つずつ確認していきましょう。
Webエンジニア
IT人材不足が深刻な問題となっている中で、Webエンジニアの需要もさらに上がっていくと予測されています。
この背景には、Web業界がIT業界全体の中でも特に技術革新が激しく、そのスピードに対応できる人材が求められているからです。
Webエンジニアは、サーバーサイドからフロントエンドまで、WebサイトやWebアプリの開発におけるあらゆる工程を担当します。
この領域では、新しいフレームワークやライブラリが次々と登場し、また既存の技術も日々進化しています。
このような急速な変化に対応し、新たなスキルを習得し続けられるWebエンジニアは、企業からの需要が非常に高いです。
またDXの推進により、ビジネスがますますデジタル化されていく中で、Webエンジニアの役割は一層重要性を増しています。
なぜなら企業のデジタル化は、多くの場合、Webシステムが深く関与するものであり、オンラインサービスの提供や内部システムの効率化など、幅広い分野でWebエンジニアのスキルが求められるからです。
そのため、Webエンジニアの需要は、今後もますます高まると予想されます。
AIエンジニア
AI技術は近年、様々な分野で大きな進展を遂げており、その進化は加速しています。
例えば、ビッグデータを活用しながら企業のマーケティングや分析業務に活かすなど、積極的にビジネスに活用されています。
企業間だけではなく、生活の一部としてもAIは取り入れられることが増えているため、AI技術の開発や、AIを活用するエンジニアの需要は高まっていると言えるでしょう。
しかしAIエンジニアは、AI技術の専門知識と実践的なスキルが必要になり、さらには統計学などの高度な数学的知識も必要になります。
AIエンジニアを目指すためには、高度なスキル習得が必要なため難易度は高いですが、AI技術進化とともに、AIエンジニアの需要は急速に増加していると言えます。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアの需要が高まる理由は、クラウド化の普及です。
クラウドエンジニアは、AWSやAzure、GCPなどのクラウドプラットフォームの専門知識を持って、設計と管理を担当します。
昨今の企業では、従来のオンプレミス環境からクラウド環境に移行し、コストカットや外部への管理の委託などを行うことも多いため、需要も増すと予想されます。
以上の理由から、クラウドエンジニアになることで、IT人材不足の需要増加の波に乗れるでしょう。
フルスタックエンジニア
IT人材不足の背景の中で、フルスタックエンジニアの需要も高まると言われています。
その理由としては、あらゆるスキルを掛け合わせた市場価値の高いエンジニアであるからこそ、1人で多くの業務を担当することができるからです。
例えばフルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンド、データベースまで幅広い技術領域に精通しているため、効率的にシステムを開発することができます。
このような柔軟性と幅広いスキルを持ったエンジニアがいることで、プロジェクトの要件変更や、求められる技術の変化に対しても、迅速に対応可能です。
さらに、フルスタックエンジニアの存在により、企業は複数のエンジニアを雇う必要がなくなるため、人件費を削減できるといったメリットもあります。
以上のように、フルスタックエンジニアは効率的な開発、柔軟性、コスト削減といった利点があるため、あらゆるスキルを掛け合わせた市場価値の高いエンジニアとして、IT人材不足の背景の中で需要が高まっています。
初心者が企業から必要とされるエンジニアになるには
企業が求めるエンジニアになるには、まずはそのレベルのスキルを身につけることが重要です。
なぜなら、エンジニアは専門職ゆえ、未経験からでも確かなスキルを持っていれば、採用の可能性は十分にあるからです。
具体的な学習方法としては、独学やスクールに通うなど様々ですが、自分1人でスキルを習得するのは難しい場合が多いです。
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まとめ
今回の記事では、ITエンジニアが不足している理由と、これから求められるエンジニアのスキルについて詳しく解説しました。
- ITエンジニアの不足は技術の急速な進化と需要の拡大によるもの
- 新たな技術への対応が求められ、絶えず学び続けるエンジニアが求められている
- 未来のIT業界で求められるエンジニアになるためには、多様なスキルと柔軟性を持つことが必要
現在のIT業界が直面している人材不足の課題については、どの業界でも言えることです。
しかし、将来的に必要となるエンジニアのスキルについて理解することで、より明確なキャリアパスを描くことが可能になります。
未経験からでも、スキルをアピールすることができればエンジニアとして活躍することも可能であるため、IT人材不足の波に乗りたいと考えている方は、ぜひエンジニア転職を検討してみてください。
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