「システムエンジニアとプログラマーの違いって何?」
「それぞれの仕事内容や年収の違いも知りたい」
システムエンジニアとプログラマー、どちらもよく耳にする言葉かと思われますが、業界についてあまり詳しくない場合はその違いがはっきりとはわからないことでしょう。
どちらも同じ「エンジニア」という括りには入りますが、似て非なるものであり、違いはいくつも存在します。
そこでこの記事では、システムエンジニアとプログラマーの違いを中心に、それぞれの仕事内容や必要なスキル、年収などについて解説していきます。
システムエンジニア(SE)とは
システムエンジニアとは、開発における上流工程を担当するエンジニアで、「SE」とも呼ばれます。
クライアントの要望を理解した上で、要件定義や設計書作成を行うのが主な仕事です。
クライアントが望んでいることをいかに正確に汲み取り設計に反映するか、という部分が大事であるため、高いコミュニケーション能力が必要となります。
このように、本来システムエンジニアは上流工程のみを受け持つため、プログラミングをすることはありません。
しかしSEの定義は曖昧であり、会社によってはSE自らプログラミングを行う場合もあります。
プログラマーとは
プログラマーとは、システムエンジニアが作成した仕様書に従ってプログラミングを行う、という下流工程を担当するエンジニアです。
基本的にクライアントと会うことはなく、仕様書に沿ったプログラミングや、開発したシステムが正しく動作するかどうかのテストやデバッグ作業などが主な仕事となります。
仕様書の内容をもとに、できるだけ早く処理が行われるように工夫したり、誰が見てもわかりやすいソースにしたりできるかどうかが、プログラマーの腕の見せ所です。
システムエンジニア(SE)とプログラマーの違い
システムエンジニアとプログラマーについて、具体的にどういった違いがあるのか解説していきます。
違いとしては、主に以下の4点です。
- 仕事内容
- 年収
- 必要なスキル
- キャリアパス
仕事内容
システムエンジニアとプログラマーの大きな違いは、仕事内容にあります。
システムエンジニアが上流工程を担当するのに対して、プログラマーは下流工程を担当します。
■クライアントからのヒアリング
■要件定義
■基本設計/詳細設計
■仕様書作成
■仕様書に基づいたプログラミング
■開発チームメンバーとの連携
■設計通りに動作するかのテスト
■デバッグ作業
しかし、明確な役割分担があるかどうかは微妙で、会社によってはシステムエンジニアがプログラミングも担当するケースがあります。
また、システムエンジニアがプログラミングをしない場合でも、プログラミングの知識を持つことで下流工程を知ることができるため、開発現場のプログラマーたちが理解しやすい仕様書を作成できるようになるというメリットがあります。
年収
年収面の違いについて結論から入ると、上流工程を担当するシステムエンジニアの方が高年収となる傾向にあります。
上流工程も下流工程も、システム開発には欠かせない大事な工程ではありますが、「上流」と付くだけあり、一般的に難易度は上とされています。
したがって、年収についてもシステムエンジニアの方が高くなりやすいのでしょう。
実際に、求人サイト大手の「求人ボックス」のデータによると、それぞれの平均年収につい以下のようになっています。
【システムエンジニアの平均年収】※参照:システムエンジニアの平均年収
【プログラマーの平均年収】※参照:プログラマーの平均年収
正社員の場合、システムエンジニアの平均年収が約516万円なのに対して、プログラマーは約338万円となっています。
ただ、こちらの年収は全国平均となっているためやや低めの数値ですが、都市部に限定するとどちらも100万円以上は上がってきます。
必要なスキル
システムエンジニアとプログラマーでは、必要になるスキルも違います。
共通するスキルも多いですが、それぞれ特に必要となるのは以下のような能力です。
■コミュニケーション能力
■提案力
■交渉力
■プログラミングスキル
■情報収集力
■デバッグスキル
共通となるスキルとしては、論理的思考力や問題解決能力が挙げられます。
上流工程でも下流工程でも、両方とも欠かせないスキルと言えるでしょう。
キャリアパス
キャリアパスに関しては、あまり大きな違いはありません。
システムエンジニアでもプログラマーでも、進みたい道が見つかればそちらへ進むことができるでしょう。
例えば、プログラマーがマネジメントスキルを身に付ければ、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといった管理職へ昇格し、ゆくゆくは会社のCTOやエンジニアリングマネージャーといった方向へ進むことも可能です。
システムエンジニアの場合も、マネジメント系に進むこともできますし、スペシャリストを目指してWebエンジニアやAIエンジニアといったキャリアを目指すことができます。
どちらの職種であっても、努力次第で好きな道を選択できるので、キャリアパスの違いについてはあまり気にする必要はないでしょう。
システムエンジニア(SE)とプログラマーの将来性
システムエンジニアとプログラマーでは、どちらの方が将来性があるのか気になる方も多いでしょう。
この項目では、双方の将来性について紹介していきます。
システムエンジニア(SE)の将来性
クライアントの要望をまとめ、設計に落とし込み、下流工程を担当するプログラマーたちに伝わりやすいような仕様書を作成するという役割を担うシステムエンジニアの需要は、今後とも高まり続けることでしょう。
世の中のIT化の流れは、今もなお加速するばかりです。
アナログだった業務をデジタル化し、DXを促進しようとしている企業は日々増えています。
このような流れの中で、システムを設計するSEの将来性が低くなってしまう可能性はほぼあり得ませんので、システムエンジニアの将来性は非常に高いと言えます。
プログラマーの将来性
プログラマーの将来性も、システムエンジニア同様に高いことは間違いありません。
なぜならば、SEが作成した仕様書に基づいてプログラミングするエンジニアがいなければ、システム開発が成立しないからです。
特に、高いコーディング力を持つプログラマーは重宝されることでしょう。
仕様書通りにプログラミングすればいいとはいえ、プログラマーのスキルによってソースコードはまったく違ったものになります。
- 処理速度を意識したプログラムになっているか
- 第三者が読んでもわかりやすい作りになっているか
- 適切なコメントが記されているか
こうしたことに対応できるプログラマーの人材価値は大変高いため、転職市場でも需要が高いです。
システムエンジニア(SE)・プログラマーに向いている人
システムエンジニアとプログラマーでは、向いている人の特徴がやや異なります。
「論理的思考が必要」「勉強が苦ではない」といった部分は共通していますが、それぞれ別の特性も必要となります。
システムエンジニア(SE)に向いている人の特徴
システムエンジニアとして働く上で特に重要となるのは、なんといっても「コミュニケーションスキル」です。
設計や仕様書作成といった仕事をするためには、まずクライアントからヒアリングを行い、要件定義を固めなければなりません。
クライアントが望んでいることを正確に理解し、満足してもらえるような要件定義を行うには、高いコミュニケーション能力が必要となります。
したがって、以下のようなタイプの人には、システムエンジニアは向かないと言えるでしょう。
- 人見知り
- 聞きたいことがあっても聞けない
- 相手に強く言われると反論できない
クライアントが相手であろうと、業務に必要なことであれば聞きづらいことでも質問し、言うべきことはしっかり言い、無理なものは無理だと伝えなければならないのです。
とはいえ、それでクライアントとの関係が壊れてしまってはいけませんので、相手が不快にならないような言い回しや雰囲気作りを意識することも欠かせません。
また、相手の要望に対してネガティブな意見を述べる時には、代替案も一緒に伝えるという提案力も大事です。
このようなことを実現できるコミュニケーション能力・交渉力・提案力を持つ人は、システムエンジニア向きだと言えます。
プログラマーに向いている人の特徴
プログラマーに向いている人の特徴をあえて一つだけに絞るとしたら、「とにかくプログラミングが好き」という点に尽きるでしょう。
プログラマーの仕事はプログラミングだけではないとはいえ、大半の時間はコードを書いています。
多くの時間を費やす作業に対して、やりがいや楽しさを感じられないようですと、仕事を続けていくことや、高みを目指して努力することは難しくなってしまうでしょう。
とにかくプログラミングが好きで、休日でも時間があると個人的なサービス開発を行ってしまうようなタイプの人は、プログラマーとして自然と伸びていきやすいです。
その他、以下のような人もプログラマー向きと言えます。
- 好奇心旺盛で、新技術が登場するとすぐに試したくなる
- ものづくりが好き
「プログラミングは楽しくないけど、給料が良さそうだったから」といった消極的な理由の場合、あまり長続きしない可能性が高くなってしまいます。
システムエンジニア(SE)・プログラマーにおすすめの資格
エンジニアにとって資格は必須のものではなく、大事なのはあくまでスキル・経験・実績となりますが、資格取得にも以下のようなメリットがあります。
- 目標に向かって努力できることを示せる
- 一定の知識があることを客観的に証明できる
- 資格手当が出る場合がある
したがって、時間的に余裕があったり、資格取得に興味があったりするようならば、資格試験に向けて勉強してみるとよいでしょう。
以下に、システムエンジニアとプログラマー、それぞれのおすすめ資格をまとめましたので、是非参考にしてください。
システムエンジニア(SE)におすすめの資格5選
資格
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概要
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基本情報技術者試験
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IT人材としての基本的な知識が問われる国家試験。エンジニアの登竜門的な資格であり、「基本」という名前がついているものの難易度は比較的高い。取得することで、ITの基礎知識に関して幅広く網羅できていることをアピールできる。
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応用情報技術者試験
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基本情報技術者試験の上位に位置する国家試験。IT人材として働くための高度な知識が問われ、情報システムやネットワーク、データベース、組込みシステムなどの設計・開発・運用・保守において、自ら技術的な問題を解決できるレベルのスキルが求められる。
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システムアーキテクト試験
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システム開発における上流工程に関する知識が問われるため、SEを目指す者・SEとして働く者が目指すには最適な国家試験。非常に専門性の高い試験であり、難易度もかなり高く、応用情報技術者試験よりもレベルが上となる。
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ITストラテジスト試験
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システムアーキテクト試験と同様の高い難易度となる上級の国家試験。高度なITスキルを用いて、業務効率化のためのシステム策定や、IT戦略の立案などを実践できるレベルの人材であることの証明となる。
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情報セキュリティマネジメント試験
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内部不正や外部からのサイバー攻撃などの脅威に対するセキュリティに関する国家試験。情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルの証明となる。
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プログラマーにおすすめの資格5選
資格
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概要
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Ruby技術者認定試験
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「Rubyアソシエーション」が実施する民間試験。Rubyベースでシステム開発を行う際に必要となる基礎的な知識と応用力があることをアピールできる。「Silver」と「Gold」の2種類が存在。
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PHP技術者認定試験
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「PHP技術者認定機構」が実施する民間試験。PHPにおいて一定以上の技術力があることを証明できるため、数多く存在するPHPエンジニアの中で差別化を図れる。「初級」「上級・準上級」「ウィザード」の3種類が存在。
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Pythonエンジニア認定試験
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「Pythonエンジニア育成推進協会」が実施する民間試験。Pythonのスキルレベルを証明することができる。「基礎」「データ分析」「実践」の3種類が存在。
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Javaプログラミング能力認定試験
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「サーティファイ」が実施する民間試験。Javaに関する基本知識や、オブジェクト指向に基づくJavaプログラミングができることをアピールできる。「3級」「2級」「1級」の3種類が存在。
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C言語プログラミング能力認定試験
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「サーティファイ」が実施する民間試験。C言語を駆使してプログラミングができることをアピールできる。「3級」「2級」「1級」の3種類が存在。
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未経験からシステムエンジニアやプログラマーを目指すなら
必ずしもプログラミングが必要ないシステムエンジニアと、プログラミングスキルが必須となるプログラマーですが、どちらを目指すとしても、未経験からですとかなりの勉強が必要となります。
どちらも身に付けるべきスキルが多いため、独学だと厳しいという場合も多いでしょう。
独学ですと、「そもそも何から学んでいいのかわからない」という方も少なくないはずです。
そんな時に便利なのが、プログラミングスクールの存在です。
スクールならば、体系的に学べるカリキュラムが用意されているため、スタートからゴールまで迷うことなく正しいルートで学習を進められます。
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もちろん、ほとんどの方が未経験からのスタートでした。
本気で未経験からシステムエンジニアやプログラマーを目指す、と決めた方は、是非一度RUNTEQの無料キャリア相談会へお越しいただけますと幸いです。
まとめ
以上、システムエンジニアとプログラマーの違いや、それぞれに向いている人の特徴、おすすめの資格などについて解説してきました。
同じエンジニアでも、仕事内容が大きく異なることが伝わったかと思います。
これから勉強を始めるという方は、自分のやりたいことや向き不向きを考慮しながら、どちらの道へ進むのかを選んでください。
- システムエンジニアとプログラマーでは、仕事内容から年収、必要なスキルなど、違う部分が多い
- システムエンジニアの定義は曖昧で、自らプログラミングをする場合もあれば、まったくプログラミングをしないという場合もある
- 将来性については、システムエンジニア・プログラマーのどちらも高い
なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に強いスクールで、特にWebエンジニアの育成に力を入れています。
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