「Voice component」は「ユーザーの声の成分を分析してどの有名人とどのくらいマッチしているかを判定してくれる」サービスです。未経験エンジニアながら現在累計10万PV、2.6万UUを記録している驚異的な本ポートフォリオは、自分の声が嫌いというユニークな発想からAPIによる音声分析機能を実装し「声を好きになるアプリ」を実現させました。作りたい気持ちを大事に開発に取り組んだ結果、就活でも高評価をいただけた過程は参考になります。【卒業生ポートフォリオ紹介vol.27】
RUNTEQでは定期的に卒業生のポートフォリオをご紹介しております。
今回はユーザーの声を分析して、有名人とどのくらいマッチしているかを判定するサービス「Voice component」について紹介します!
「Voice component」を制作したRUNTEQ卒業生の佐山さんにお越し頂き、ユニークなアイデアを思いつくにいたった経緯や、苦労したAPI実装など詳しくお伺いしましたよ!
音声系のサービス開発を検討されている方、必見です!
声の成分を分析し有名人とのマッチ度を計測するサービス
佐山さん本日はどうぞよろしくお願いします!
早速ですが「Voice component」はどのようなサービスですか?
リリース直後から、かなり大きな反響があった「Voice component」の使いかたはこちらです。
まずはマイクの許可をONにしてアプリにアクセス、ご自身の声を5秒間録音します。
5秒間だけ録音すれば、なんとすぐに診断結果が確認できちゃうんです!
「分析結果を確認する」ボタンをタップ!
すると、録音された声が分析され、あなた自身の声と同じ声の成分を持っている有名人が円グラフで表示されます…!
分析結果はTwitterへの投稿もできます。友人同士で試してみても面白そうですね!
自分の声を「嫌い」から「好き」にポジティブ変換する驚きのアイディア
自分の声の成分が、どの有名人の声の成分と似ているか分かるのであれば、ちょっと気になるので「Voice component」を試してみたくなりまよね。
なぜこのようなサービスを作ろうと思われたのですか?
「自分の声があまり好きではない」
という部分に着目してみたのがきっかけです
佐山さんはポートフォリオのテーマを決める際に「ご自身の声」からサービス作成へのヒントを見つけられたとのこと。
そして「ご自身の声があまり好きではない」という着眼点を、ご自身のTimesに投げたところわりと良い反応があったそうです。
実際どのように企画を進められていきましたか?
声に関する既存のアプリでは、声の高低から性格診断をしたり、気分や体調を判定できるサービスなどがあったようです。
市場調査をされるなか、当時流行っていたエンジニアチェッカーというアプリからインスピレーションを得たとのこと。
「自分の声が好きではない」という部分から、そこまで構想を膨らませていかれたのですね。
着眼点もすごいなと思いますが、想像力も素晴らしいですね。
何らかの問題点を解決するというスタンスでのサービス制作はきっとニーズも生まれますよね。
ところで、「Voice component」以外にも何か案はありましたか?
例えば、自分が酔いつぶれたところを地図上に記録しておくとか…
ご自身がお酒好きということもあり、最初はお酒がらみのサービス制作も考えられていたという佐山さん。
しかし、お酒に特化したサービスは様々な内容のものが既存で存在していることに加え、コロナ渦という状況もあり、リリースしてもあまり使用してもらえないのでは?と考えられたそうです。
市場の状態や、現在の状況もしっかり見極められていたのですね。
粘り強い取り組みでAPIによる音声分析機能を実装
状況も見据えながら、声の成分の比較させる新たなサービスを思いつかれた佐山さんですが、「Voice component」の制作にはどのくらいの期間がかかりましたか?
声を分析する音声認識APIは当時2つしか無かったそうですが、どちらも一長一短あり、まずは両方を実際に使用してみることから始められたそうです。
一つはMicrosoftの「Speaker Recognition」という話者識別APIだったそうですが、こちらがドキュメント通りに動かないという問題があったようです。
もう一方のAPIもレスポンスがきちんと返って来なかったので、開発企業に問い合わせてみたそうです。
幸い不具合を改善してもらえたものの、API利用にかかる費用が高額だったため、個人で運用するには残念ながら現実的に厳しい状況だったとのこと。
迷った末、最終的にMicrosoftのAPIの採用を決めたとお話して下さいました。
API選定にはかなり紆余曲折があったのですね
他には技術面で工夫した部分などはありましたか?
APIの音声分析のためには推奨される音声データの長さがあったそうですが、そこをあえて短い「5秒」という時間に設定したそうです。
精度を低くすることで、使用するユーザーのちょっとした声の変化により、検出される有名人の声の成分データが変わってくるそうです。
あえて精度を低くすることで、ユーザー体験をより楽しいものへ繋げるという工夫は、ほんとうに素晴らしいですね。
ところでこのユーザーの声と有名人の声とを分析するロジックの部分はどうなっているのですか?
そこから声の成分を分析する作業はAPI側で行ってくれるので、その部分はノータッチなんです。
声のデータも結構多く組み込まれているようですね?いろいろな有名人が検出されるようで面白いです。
他にもサービス面の部分などで、こだわったところはありましたか?
あとは気軽に使ってもらうためにログイン機能も省きました。
操作に手間がかかるとユーザーに利用されないので、アプリにアクセスしたらすぐに録音でき、一瞬で結果が出るように、素早いレスポンスとシンプルな作りにこだわって設計されたそうです。
PVは増えても、ログイン機能があるとユーザーが増えにくいという傾向はありますよね。
佐山さんの判断が功を奏したこともあり、たくさんのユーザーに使ってもらえるサービスが出来上がったようですが、サービスの実装段階で苦労した部分はありましたか?
APIの選択肢がたった2つしか無い中、どちらのAPIも利用できなければサービスそのものの制作を諦めざるを得ないとの思いから、ずっと不安があったそうです。
そんな不安の中、諦めずに難解な英文ドキュメントを読み込んだ甲斐もあり、無事にサービスリリースまでこぎつけた佐山さん。
「実現できてよかった」と嬉しそうな表情を見せてくれました。
リリース直後から大反響!現在の時点で累計10万PV 2.6万UUを記録
思い描いたサービスを見事に形にした「Voice component」ですが、リリース後の反響はいかがでしたか?
リリース直後から爆発的な反響があったものの、API側が無料で利用できるトランザクションの縛りがあり、その範囲を超えてしまったため一時サービスを止めたという経緯もあったそうです。
現在は26,000ユーザーからの利用があり、100,000PVを記録しているそうです!
途中でサービスを止めざるを得なかったという状況があったものの、それだけのユーザーから利用していただいた中で嬉しい声などはありましたか?
すぐに改善される、その姿勢がすばらしいですね。
その他には、検出された有名人が知らない人だったという声もいくつか上がってきたそうで、その要望にどのように対応していくか検討中だそうです。
就職活動においてはこちらのサービスはどのように評価されましたか?
「作りたい!」と思ったサービスを最後まで作り上げた喜び
しっかりとユーザーがついている「Voice component」のサービスは、今後どのようにしていこうと考えていらっしゃいますか?
今後、新たなサービスを作る際は、その点を課題感として持った上での設計が必要だと語ってくださいました。
とても楽しみですよね。
最後に、今回ポートフォリオの制作を通して企画から開発・運用まで行ってみて、何か学びや感想などはありましたでしょうか?
これからサービスを作ろうとされている方に向けて「作りたいと思ったものを、作ってください!」とエールの言葉を送ってくださいました。
編集後記
いかがでしたでしょうか?
佐山さんは「自分の声があまり好きではない」というポイントに注目し、ユーザーの声を有名人の声の成分と比較する「Voice component」のサービスを完成させました。
有名人の声の成分と比較するというエンタメ要素を加え、自分自身の声を「好き」になるきっかけになればとの想いを込められたそうです。
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