これから実務未経験でエンジニア転職をしようとした時、どのくらい勉強したらいいのか、どのくらいの技術力が必要か気になりますよね。
このような疑問にお答えしていきます。
プログラミングスクールRUNTEQ運営です。
弊社ではWebエンジニア転職に向けたプログラミングスクールRUNTEQを運営しつつ、Web系のアプリ開発をメインの事業としています。
Web業界はスキルの移り変わりの変化が激しいです。
また、未経験の転職市場も年々求められるスキルが変化していきます。
本記事ではRUNTEQを運営していることで培われた最新の採用市場の動向を解説しております。
本記事の内容は動画でも解説しておりますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
未経験者がWeb系のエンジニア転職をしたときの前提
昨今はエンジニアの経験者採用が非常に難しくなってきています。
多くのエンジニアはリファラル採用で転職を決めるため、どんどんエンジニア経験者が転職市場に出回らなくなってしまいました。
そのため、これまでは未経験者の採用に消極的だった企業がプログラミングスクール卒業生のような駆け出しエンジニアの採用に力を入れ始めています。
とはいえ、求められるスキルレベルも決して低くはありません。
以前よりも駆け出しエンジニアに求められるスキルのレベル感は高くなってきています。
数年前と違い、徐々に開発現場で使用される技術に変化が出てきております。
ここ数年でDockerを用いた開発環境が当たり前になり、モダンJSのフレームワークReactでの開発が増えてきました。
したがって、未経験からWebエンジニア転職をすることはハードルは決して低くはないが、可能であることをお伝えさせていただきます。
- エンジニアの業務経験者の採用は非常に難しい
- 業務未経験者に目をむける企業は増えている
- 求められるスキルのハードルは低くない
エンジニア未経験者に求められる技術力とは
「一人で仕事ができるレベルの技術力」とは言いましたが、実際具体的にどういうことができればいいのでしょうか?
この辺りを具体的に解説していきます。
環境構築ができること
現場に出て開発タスクを行うためには、まず開発環境を整える「環境構築」を行う必要があります。
環境構築は先輩や上司が手取り足取り教えてくれるものではないので、用意されているドキュメント(READMEなど)を読んで自力で構築していく力が必要です。
このように適切なバージョンを把握して、適切な開発環境を自力で作れるようにしましょう。
テキストで適切に質問することができる
未経験エンジニアですから業務でもわからないところは必ず出るでしょう。その時にテキストで先輩にわかりやすい質問ができるようになっておきましょう。
コロナが流行しリモートワークが当たり前の会社も増えて、先輩エンジニアに対面で直接教わったり質問したりする機会も減っています。
よってテキストコミュニケーションができるように、勉強段階から質問の仕方には気をつけておきましょう。
私たちが運営しているプログラミングスクールRUNTEQでは、学習段階から以下のようなフォーマットで質問する訓練をしてもらっています。
質問内容・実現したいこと
ここに質問の内容を詳しく書いてください。
現状発生している問題・エラーメッセージ
“`
エラーメッセージを貼り付けてください。
“`
どの処理までうまく動いているのか
例
createアクション自体は動いています。
その中の`@user = login(param[:email], params[:password])`でエラーが発生しています。
該当のソースコード
“`
今回のエラーに関係ありそうなソースコードを全て貼り付けてください。
“`
エラーから考えられる原因
間違っていてもいいので自分なりの考えを書いてください。
試したこと
問題に対して`どんな仮説を持って試したのか`を記載してください。
参考にしたURL
URLを一覧で記載してください。
今後学習を進める上で質問をする機会は必ずあると思います。そのときに上記のフォーマットを利用して質問をするようにしてみてください。
すでにあるコードを読んでバグ修正することができる
未経験からエンジニア転職をした場合は、最初はバグ修正のタスクを担当することが多いです。他人が書いたコードを読み、理解して、バグ修正をしていきます。
その際、元々書かれているコードを読み、修正箇所(原因となっている箇所)がどこにあるのかを読み取る力の有無も重要です。
試行錯誤しながら修正し、それらの実装を行って先輩や上司にレビューをお願いするところまで進める力が求められます。
つまり、任されたタスクを一人で進められるかが重要になるといえるでしょう。
エンジニアの自走力の身に付け方
未経験とはいえ、エンジニア転職をする際には、自身で仕事を進めることができる「自走力」が求められます。
自走力とは、文字通り「自分の力で走ることができる力」のことです。
実務未経験者がこの自走力を身に付けるにはどうしたら良いのか。ここでは、その方法について紹介します。
基本的な知識を手に入れる
プログラミング言語の基本的な知識はもちろん、Webの世界の技術やデータベースの基本知識を身につけておきましょう。
以下の知識がWeb系エンジニア転職で最低限必要な知識です。
- Web技術の基本
- データベースに関する基本知識
- HTML
- CSS
- JavaScript
- Ruby
- Ruby on Rails
- Dockerの環境構築
用語や仕組みを理解することで、後続の技術力の習得の際に効率が良くなることはもちろん、エンジニア転職してからも非常に役立つのです。
先輩や上司が話していることは一般的な用語なのか、それとも会社独自の用語なのか理解するためには基本的な知識がなければ判断することができません。
後者であれば教えてもらわなければ理解することができませんが、一般的な用語について質問してしまえば「不勉強」のレッテルを貼られてしまうことでしょう。
こうしたリスクを回避するためにも、知識を身に付けることはとても重要なのです。
Webエンジニア転職で必要な知識としてRubyとRailsを設定しているのは、RubyとRailsがWeb系スタートアップ企業で最もよく使われている言語だからです。
素早くサービスを立ち上げるのにRuby on Railsは非常に向いていて、Web系転職で最も求人が多い言語とフレームワークになっています。
Javaは求人自体は多いもののSI業界やSESで使われることが多いです。
エラーメッセージを読んだりググる癖をつける
実際に手を動かしてみると、思わぬエラーや不具合が発生します。その際に表示されるエラーメッセージも理解するように勤めましょう。
エラーメッセージが出るとがっかりしてしまいますが、現役のエンジニアでもエラーが出るのは当たり前です。エラーメッセージは決して敵ではなくどこがうまくいかなかったかを教えてくれるガイド役です。
最初はエラーが出た時にわずらわしく感じるでしょうが、決して意地悪でエラーメッセージが出ているわけではありません。
例えば以下のようなエラーメッセージが出たとします。
このエラーメッセージを見るだけで、どこでどんなエラーがあったかがわかります。
もちろん、今回の場合は「NoMethodError」エラー文を見てもわからないことがあるので、その時はエラー文で検索してみましょう。
上の例だと「NoMethodError 意味」のようにGoogle検索をかけてみましょう。そうすると、関数を定義できていないことがわかります。
バグや不具合の修正対応を任されることが多い未経験者にとって、非常に役立つスキルなので疎かにしないようにしましょう。
自力でポートフォリオを作ってみる
スクールの課題で出されたサービスや、既存サービスのクローンではなく、1から自分で機能を考えてアプリを作っていきます。
自力で調べながら機能を追加していくことが、書籍や動画講座をそのまま写すよりも成長が早いです。
また、ここで作ったアプリは転職活動の時の実力の証明として、書類選考で添付することができます。
ただしポートフォリオでやってはいけないのは以下のような特徴のポートフォリオです。
✔ ○○クローンのポートフォリオで転職活動をしている
✔ よく理解しない技術ばかりを詰め込んでいる
✔ 誰にもサービスを使ってもらっていない
上記のようなポートフォリオを制作しても、あなたのパーソナリティがわからず転職では使えません。以下のような特徴を含むポートフォリオを意識すると面接時にも高評価になります。
✔ パーソナリティが伝わる企画である
✔ 新しい技術にも挑戦している
✔ 実際のユーザーに使ってもらい改善している
このようなポートフォリオの詳しい作り方は「未経験Webエンジニア向けポートフォリオの作り方【転職で役立つ】」でまとめましたので詳しく知りたい方はこちらをお読みください。
先にもお伝えしたように、転職後も基本的な技術については自分で調べなければならないので、自分で調べる力は自走力を身に付けるうえで必須であるといえるでしょう。
- 知識を習得する
- 身に付けた知識をもとに実際に開発する
- 開発時発生したエラーメッセージについて理解できるようにする
- 分からないことを自分で調べて解決できるようにする
まとめ
この記事では、実務未経験者がエンジニア転職をする際に会社から求められる技術力について解説しました。
求められる技術力については「どの言語を習得したら良いのか」ではなく「どの程度のレベルに達している必要があるのか」を理解することが重要です。
最低限、達する必要があるレベルを理解していることで、言語をはじめとする身に付けるべき知識やスキルが自ずと見えてくるからです。
「自走力」はエンジニア転職をする際だけではなく、その後も現場で活躍できるエンジニアになるために必要な力なので、意識して転職の事前準備を行っていきましょう。
この記事で紹介した内容は以下の動画でも解説しているので、興味のある人はぜひチェックしてみてください。