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CREとは何か?役割・仕事内容・将来性やSREとの違いについて解説

「最近よく耳にするCREという職種に興味があるけど、具体的にどんな職種なのだろう?」

キャリアチェンジを考えるエンジニアの中には、こういった疑問をお持ちの方もいるでしょう。

最近生まれた職種のためまだまだ知名度は低いものの、CREの需要は確実に高まってきています。

そこでこの記事では、CREに関する以下のような疑問について解説していきます。

  • CREとは何か?
  • CREの役割や仕事内容
  • CREとSREの違い
  • CREの将来性

CREとは

CRE

CREとは、「Customer Reliability Engineering」の略称で、日本語にすると「顧客信頼性エンジニアリング」となります。
2016年に、Googleによって提唱された専門職です。

最近生まれた職種ということで認知度は低いですが、Saasサービスが拡大しているIT業界の現状を考慮すると、今後はどんどん需要が高まっていくことが予想されます。

役割

CREの役割は、顧客が抱く自社サービスへの技術的な不安や不満を解消してカスタマーサクセスを実現し、自社への信頼を保つことです。

広義のカスタマーサポートとも言えますが、その中でも特にテクニカルサポートに特化しているという部分が特徴的です。
技術面の知識が必要となるため、CREを担当するチームはエンジニアで構成されることが通常です。

また、CREはエンジニアとしての専門的な知識を持っているため、顧客から寄せられた質問を開発担当のエンジニアにフィードバックしてサービス改善に繋げることもできます。
これも、CREの重要な役割の一つとなります。

存在意義

サービスの使用方法といった一般的な質問ならば、通常のカスタマーサポートでも事足りますが、より専門的・技術的な質問となってしまうと、カスタマーサポートでは不十分な場合もあります。
十分な対応ができないと顧客からの信頼を失ってしまう可能性があり、後々悪影響を及ぼすということも考えられます。

そういった事態を防ぐことができるのが、CREの存在意義です。

例えば、SaaSとしてクラウドで利用できるスプレッドシートアプリを提供している会社があり、その会社のカスタマーサポートに「利用方法がよくわからない」といった質問が顧客から寄せられたとします。

こういった一般的な質問の場合ならば、自社サービスについての知見をある程度持っているサポート担当者がいるだけで、顧客が満足する回答を提供することができるでしょう。

しかし、「誤った操作をしてしまいデータが消えてしまったが、復旧する方法はあるか?」といった技術的かつ偶発的な質問に対しては、エンジニアの知識を持たない人が対応するのは困難であることも多いです。

こういった事態に備えて、自社サービスへの知見だけでなくエンジニアの知識も持つCREチームを設置しておけば、特殊な質問に対しても顧客の満足いく回答を提供することが可能となり、顧客からの信頼は増していくことになります。

長期的にビジネスを成立させるには、顧客からの信頼は必要不可欠ですので、CREの存在意義は非常に高いものと言えるでしょう。

具体的な仕事内容

CREの具体的な仕事内容は、以下のようなものとなります。

  • 自社サービス導入支援や活用支援
  • 包括的なテクニカルサポート
  • 顧客の声から得た改善点を開発チームへフィードバック
  • 顧客への技術的なプロダクト説明
  • エンジニアとしての知識が必要となる特殊な質問への回答

上記のような仕事をこなすため、CREになるためには以下のような知識や経験を求められることが多いです。

  • エンジニアとしての開発経験
  • サーバー運用経験
  • サーバーモニタニングに関する知識
  • AWSやAzureといったクラウド製品の使用経験
  • テクニカルサポート経験
  • 各種ミドルウェアやOSSの使用経験
  • BtoB製品やSaaS製品のプリセールス経験

企業がCREチームを設置するメリット

CRE設置のメリット

企業がCREチームを立ち上げることには、2つの大きなメリットが存在します。

企業やサービスへの信頼度が増す

ビジネスを継続・発展させていく上で、顧客からの信頼というのは欠かせません。

しかし、顧客対応を一つ間違うことで、その大事な信頼というものが大きく損なわれてしまう可能性があります。

それは、BtoBでもBtoCでも同じことです。

BtoBならば、一度の対応ミスで大きな取引先を失うことが考えられます。
BtoCでも、今はSNSが発達していますから、拙い顧客対応が一気に拡散してしまうということも決して珍しい例ではありません。

顧客からの質問や要求は、通り一遍のものばかりではなく、エンジニアレベルの知識とスキルがなければ対応できないこともあります。

従って、エンジニア出身の人間を集めて専門のチームとし、顧客の悩みや不満の解消だけに特化することで、信頼喪失というリスクを大幅に軽減させつつ、顧客からの信頼を保つことに大いに役立ちます。

開発担当のエンジニアの負担を軽減できる

自社製品について、カスタマーサポートでは対応しきれない専門的な質問が顧客から寄せられた場合は、エンジニアが対応するしかありません。

しかしエンジニアが突発的なサポート業務まで兼務することになると、抱えている開発スケジュールに影響が出てしまいます。

また、自社製品の販売は営業の人間が担当するものですが、エンジニアレベルの知識を持った営業担当者というのは非常に稀です。

そのため、顧客に対して技術的な説明を要する際にはエンジニアが帯同し、自社製品の導入促進を図ることになります。

当然こういったケースも、開発の遅れに繋がります。

サポートや営業促進も重要ですが、それによって開発作業が遅延してしまうのも考えものです。

こういったジレンマを解消するのがCREです。
CREチームを設置することで、エンジニアはサポート業務や営業補助業務から解放され、開発だけに従事することができるようになるため、効率的な開発を行うことができるようになります。

CREとSREの違い

CREとSREの違い

CREと混同されがちな職種として、SREというものがあります。
両者はよく似た特徴を持ちますが、違いも存在します。

SREとは

SREとは、「Site Reliability Engineering」の略称で、日本語にすると「サイト信頼性エンジニアリング」となります。
サイトという言葉を用いていますが、実際にはWebサービス全般のことを指します。

CREが「Customer Reliability Engineering」の略称で、「顧客信頼性エンジニアリング」という意味ですので、「顧客」が「サイト」に変わっただけで、字面的にはほぼ同じであることがわかると思います。

実際に役割としても非常によく似ており、SREはエンジニアの知識を持ったチームが「サービスの信頼性」を保つために従事します。

類似点

  • CREもSREもGoogleによって提唱された職種
  • ともに「企業の信頼性」を保つ役割を担う
  • エンジニアで構成される

エンジニアの知識とスキルを持つ人たちが、企業の信頼性を保つために活躍する職種という点では、役割や存在意義はほぼ同じだと解釈して問題ありません。

信頼を保つ対象が「顧客」か「サービス」かという違いはあるものの、サービスの信頼を保つことで自然と顧客からの信頼を保つことにも繋がりますし、その逆も成立するため、突き詰めてしまえば企業にとっては同等の存在です。

相違点

CREとSREの違いは、大きく分けると3つあります。

向き合う対象

CREは顧客からの信頼を保つのが仕事のため顧客と直接向き合ってやりとりしますが、SREはサービス自体の信頼を保つのが仕事なので、自社サービスと向き合います。

とはいえ、SREはCREが得た顧客の声をフィードバックしてサービスに反映するため、間接的には顧客と向き合っているとも言えます。

仕事内容

CREは、持っているITスキルや知識を活かして顧客とコミュニケーションを図り、カスタマーサクセスを実現するというのが仕事ですが、SREは自社サービスを通じてカスタマーサクセスを図ります。

そのためSREは、サービス改善のために実際にコードを書くことも多く、CREよりもエンジニア色が強いという特徴があります。

仕事内容がコミュニケーション寄りかエンジニア寄りか、という点がCREとSREの大きな違いでしょう。

環境依存の度合い

SaaSの場合、自社サービスがどのような環境で利用されているかは顧客によってバラバラです。
従ってCREは、顧客の環境に合わせ、ケースバイケースで適切な回答や対処が求められるため、自社サービスに対する知見やITスキルはもちろん、環境面に関する幅広い知識も要求される職種となります。

逆にSREは、自社のインフラ環境に特化できるため、環境依存に悩まされることはあまりありません。
ただしその分、自社の環境と自社サービスについて深く精通する必要があります。

CREになるには

CREになるには

2パターンあります。

エンジニアとして入社したのちにコミュニケーション能力やヒアリング能力が高い方がCREになるパターン。

元々カスタマーサクセス経験がある人がプログラミングスキルや商品知識を身につけて、キャリアアップとして技術領域もわかるCREとなるパターン。

ちなみに私たちのプログラミングスクールRUNTEQでは、カスタマーサクセスからCREへ転職された方がいらっしゃいます。

元々IT企業でCSとして働かれていましたが、RUNTEQでRuby on Railsでの開発を学びCREへキャリアアップされました。以下の記事でインタビュー記事を公開しておりますのでぜひお読みください。

shimane
IT企業のCSからCREへキャリアチェンジ!開発職の新しい道SaaSベンダーのCS職からスキルアップを目指しRUNTEQ(ランテック)で学習、より開発に近いポジションCRE(Customer Reliability Engineer)への転職に成功したゆうぞーさん(@Yengine_Up1st)。転職活動ではスクールで磨いた質問力、前職での分析力、揺るがない軸が評価に繋がった様子。自分がエンジニアに向いていないと不安を抱える方へのアドバイスもあわせて参考になります。【修了生インタビューvol.31】※RUNTEQ学習期間は20年12月-2021年5月の6ヶ月間...

CREの将来性

CREの将来性

CREチームは、大手サービスを展開する企業にて続々と立ち上げられています。
例えば、以下のような企業です。

  • はてな
  • メルカリ
  • ランサーズ
  • ミクシィ

そして今後も、CREの重要性を認知して担当チームを設置するという企業は続々と現れることが予想されます。

顧客からの信頼がなければビジネスは成立しません。
つまりCREは、ビジネスの根幹を支える職種であるとも言えますので、需要が低下するということは考えにくく、将来性については非常に明るいと言えるでしょう。

まとめ

まとめ

以上、CREという職種について解説しました。

まだ認知度の低い職種ですが、顧客の信頼を保つという欠かせない役割を担う仕事ですので、キャリアチェンジを考えるエンジニアにとっては有力な選択肢の一つとなり得るはずです。

エンジニアとしてのスキルに加え、コミュニケーションにも自信がある方は、是非目指してみてはいかがでしょうか。

今回の記事のまとめ
  • CREとは、顧客のカスタマーサクセスを実現する職種
  • CREを目指すにはエンジニアとしてのスキルが必要不可欠
  • CREチームを立ち上げる企業が続々と現れているため、将来性は高い