「ネットワークエンジニアはやめとけ、と言われるのはなぜ?」
「ネットワークエンジニアの魅力やメリットを知りたい」
ネットワークエンジニアに興味を持って調べていると、「やめとけ」「オワコン」といったキーワードを目にすることもあったのではないでしょうか。
実際Googleで「ネットワークエンジニア」と入力すると、予測検索ワードとして「やめとけ」「オワコン」といったワードが上の方に表示されます。
では、なぜネットワークエンジニアはやめとけという意見があるのでしょうか?
そんな疑問に答えるため、この記事では、ネットワークエンジニアに対して「やめとけ」「オワコン」という意見がある理由について解説していきます。
併せて、ネットワークエンジニアとして働くメリットや魅力、向いている人の特徴についても紹介しているので、是非参考にしてください。
「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる理由8選
「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる主な理由については、以下の8つとなります。
- トラブル対応が大変
- 勤務時間が不規則になりがち
- ルーチンワークが多い
- スキルが身に付きづらい
- 責任が重い
- 給料が上がりにくい
- リモートワークが難しい
- 人間関係で苦労する可能性がある
トラブル対応が大変
ネットワークの保守・運用には、トラブルが付き物です。
ネットワーク関連のトラブルが発生すると、サービスを利用している多くのユーザーに迷惑をかけることになってしまうため、迅速な対応が求められます。
深夜であろうと休日であろうと関係なく対応する必要がある上、可能な限り早く解決しなければなりませんし、基本的には解決するまで帰ることもできません。
また、当然ながらトラブルの発生時期は予測できないため、「いつ呼び出されるかわからない」というストレスに常に晒され続けるという辛さもあります。
こうした状況に耐えられない人もいるため、「やめとけ」という声があるのでしょう。
勤務時間が不規則になりがち
ネットワークを安定させるための保守・運用作業は、昼夜関係なく24時間行われています。
したがって、ネットワークエンジニアは夜勤を求められることもあるため、勤務時間が変則的になってしまう可能性があります。
また、前述のトラブル対応についてもこなす必要があることから、他のエンジニアに比べると不規則な生活となるケースが多いでしょう。
長期的に不規則な生活を送ると、疲労が抜けなかったり自律神経が乱れてしまったりして、体調を崩すリスクが高まります。
こうした健康リスクの高さも、ネットワークエンジニアの懸念点の一つと言えます。
ルーチンワークが多い
保守や運用といった仕事は、基本的にルーチンワークが多いものです。
ネットワークエンジニアの場合、保守・運用がメイン業務となることも少なくないため、「ルーチンワークばかりで仕事に飽きてしまうからやめとけ」と言われることがあります。
また保守や運用ではなく、新規のネットワーク構築業務であっても、上流工程であればクリエイティブな要素も多く含まれますが、下流工程になると指示書に沿って各種ネットワーク機器を設置していくだけ、というケースも存在します。
「変化のない仕事の方が気楽」「決められたことを淡々とやるのが好き」という人もいるので、ルーチンワークのような創造性のない作業が苦にならないタイプならば問題ありませんが、エンジニアとしてやりがいや刺激のある仕事をしたいという場合にはやや物足りなく感じてしまうかもしれません。
スキルが身に付きづらい
ネットワーク関連に限りませんが、保守・運用作業というのはスキルが身に付きづらいというデメリットがあります。
ネットワークエンジニアの場合も、身に付くのは「その会社のネットワーク環境でしか通用しないスキルばかり」となりがちです。
こうした持ち運びできないアンポータブルスキルは価値が低く、もし転職が必要になった時にはあまり役に立ちません。
「ならば就業時間外に勉強して、どんな環境でも使えるスキルを習得しよう」と考えても、不規則な勤務時間がネックとなり、思うように学習時間を確保できないこともあるでしょう。
責任が重い
ネットワークに不具合が生じると、会社の業務が遂行不能になったり、展開しているサービスがすべて止まってしまい多くのユーザーに迷惑をかけたりすることになってしまいます。
それだけ責任が重く、プレッシャーのかかる仕事です。
特に、サービスが止まってしまうことは、企業にとって大ダメージとなります。
売り上げが減るだけでなく、サービスへの信頼も揺らいでしまうため、できる限り早く復旧できるように尽力し、復旧後は二度と同じような不具合が起きないように対処する必要もあります。
下手をすると、企業の存続に影響を及ぼすほどの責任を背負うことになるため、ネットワークエンジニアという職種に対して「やめとけ」と主張する人もいらっしゃるようです。
給料が上がりにくい
責任が重く、何かあれば深夜でも駆り出されるネットワークエンジニアですが、それに見合うほどの給料がもらえないケースも多いです。
保守・運用をメインとするネットワークエンジニアの場合、キャリアアップすることが難しく、必然的に給料も上がりにくくなってしまうのです。
また、他のエンジニアと比べて、売り上げに貢献しているイメージを持たれにくいという点も、給料が上がりにくい要因の一つでしょう。
例えばWebエンジニアならば、Webサービスやアプリを開発し、それらがヒットすれば、売り上げという形で目に見える成果を示すことができます。
しかしネットワークエンジニアは、縁の下の力持ち的な存在であるため、派手な成果を会社側に見せることができません。
上流工程を担当するようになれば給料アップも充分にあり得ますが、保守・運用を続ける限りは難しいでしょう。
こうした点も、ネットワークエンジニアに対してネガティブな意見がある一因かもしれません。
リモートワークが難しい
同じインフラ関連でも、クラウドエンジニアならば自宅での作業も可能なため、リモートワークを許可されることもあるでしょう。
しかしオンプレミスな環境で働くネットワークエンジニアの場合は、物理的にネットワーク機器に触れなければいけない機会もあるため、出社する必要があります。
したがって、他のエンジニアのようにリモートワークに切り替えるということが難しいのです。
自由な働き方ができるというのもエンジニアのメリットの一つですが、そのメリットが活かせないということをストレスに感じる方もいるのではないでしょうか。
人間関係で苦労する可能性がある
ネットワークエンジニアは、クライアント先へ常駐することが多いことから、人間関係の面において苦労する可能性があります。
客先であるため、常に周囲の人たちには気を使うことになるでしょう。
また、もし常駐先が変わるようなことがあれば、またゼロからクライアント先の社員たちとの関係を築いていかなければなりません。
「いろいろな人と知り合うのが好き」というタイプならば問題ないでしょうが、そうでなければストレスの元となってしまうことでしょう。
このように、ネットワークエンジニアには人間関係で苦労するかもしれないという側面があります。
ネットワークエンジニアのやりがい・魅力・メリット
ここまで、ネットワークエンジニアのネガティブな部分についてお伝えしてきましたが、当然、魅力やメリットも存在します。
ネットワークエンジニアとして働く魅力ややりがいについては、以下の通りです。
- システムの根幹を支える役割
- ハードウェアに詳しくなる
- 人員整理の対象になりにくい
- 未経験でも採用されやすい
- 通常業務はあまり忙しくない
- 欠かせないインフラなので無くなる可能性が低い
システムの根幹を支える役割
今やほとんどの企業において、ネットワークシステムの存在は大変重要です。
社内業務システムも運営するサービスも、ネットワークが正しく構築され、正しく運用されていなければまともに機能しません。
このように、システムの根幹とも言える部分を支えているのが、ネットワークエンジニアなのです。
地味な役割ゆえ、普段はあまり目立たないかもしれませんが、その存在価値を把握している人も少なくないでしょうし、仮にネットワーク障害が発生した際には、ほとんどのシステムがストップして右往左往している社員たちを救うエンジニアとなるので、存在感をアピールできるでしょう。
また上流工程を担当するようになれば、どのようなネットワーク機器を使い、どう構成するかといった設計作業をするようになり、「これぞエンジニア」というやりがいのあるクリエイティブな仕事ができます。
ネットワーク構築の規模が大きい場合、数か月から1年といった長期に渡ってネットワーク環境の設計・構築を行うため、ネットワークエンジニアとして磨いてきたスキルを存分に発揮する場となります。
ハードウェアに詳しくなる
ネットワークエンジニアは、他のエンジニアと違い、基本的にプログラミングをすることはありません。
クラウドやサーバーにも対応するネットワークエンジニアの場合はプログラミングスキルも必要となりますが、オンプレミス環境でのネットワーク構築に限るのならば、プログラミングは必要ないからです。
プログラミングをしない分、ネットワークに関する機器については詳しくなる必要があるため、自然とハードウェアに強くなることができます。
例えば、以下のようなハードウェアです。
- ルーター
- スイッチ
- ハブ
- ブリッジ
ハードウェアに触れることが好きな方にはたまらない仕事ではないでしょうか。
人員整理の対象になりにくい
ネットワークエンジニアは、システムの根幹を支える存在であるため、経営状態の悪化などの理由で人を減らさざるを得なくなっても、簡単に削ることができません。
下手にネットワークエンジニアを減らしてしまうと、いざトラブルが起こった時に大問題となってしまう可能性があるからです。
「やめとけ」と言われる理由の中に「給料が上がりづらい」というものがありましたが、給料アップが難しい代わりに、人員整理の対象になりにくいことで収入に安定性がある、というメリットがあると言えます。
未経験でも採用されやすい
ネットワークエンジニアは、基本的にプログラミングスキルが必要ないため、保守・運用業務ならば未経験でも応募しやすいという特徴があります。
未経験であっても、「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」のような初心者でも比較的合格しやすい資格を取得しておけば、かなり採用されやすいです。
ただし、オンプレミスだけでなくクラウドやサーバー周りの知識まで求められたり、ネットワーク設計も行ったりする場合には、未経験での応募は難しいでしょう。
通常業務はあまり忙しくない
保守や運用がメインのネットワークエンジニアの場合、通常業務はルーチンワークばかりで、あまり忙しくないというメリットがあります。
決められた作業を淡々とこなせばOKなので、残業も発生しにくいです。
ただし、何かトラブルが発生した時には大変で、大きな不具合の場合には解決するまでにかなり時間がかかることもあります。
その場合、問題を解消するまでは帰宅することができず、長時間勤務となることもあり得ます。
そういったトラブルがない限りはマイペースで仕事ができることが多いので、日常の業務を安穏と行いたいような人には居心地のいい職場となるでしょう。
欠かせないインフラなので無くなる可能性が低い
生活における欠かせないインフラとして「電気」「ガス」「水道」が有名ですが、ネットワークもそれらに次ぐほど欠かせないインフラとなっています。
したがって、今後も仕事がなくなる可能性は非常に低く、一定の需要は維持されることでしょう。
IT化によって時代遅れになり、消えていく職種が多い今の世の中ですから、今後もなくならないであろうスキルを身に付けることにはメリットがあるのではないでしょうか。
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴
ネットワークエンジニアを目指す方の中には、「自分に適性があるのか?」とお悩みの方もいるかと思います。
以下のような特徴を持つ方は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。
- 臨機応変に対応できる
- 責任感が強い
- コミュニケーション能力が高い
- ハードウェア好き
臨機応変に対応できる
- 仕事が終わった直後
- 休日なので寝ていた
- プライベートな予定を入れていた
こんな状況であっても、仕事優先でサッと動ける人は、ネットワークエンジニア向けと言えます。
すでに何度もお伝えしていますが、ネットワークエンジニアは、ネットワークに関する不具合が発生したら、いつでもすぐに対応にあたらなければなりません。
不特定多数の一般ユーザーを対象としたサービスを提供している場合は特に当てはまります。
ネットワーク障害が解消されない限り、ユーザーはサービスを一切利用できない状態になるため、売り上げが落ちるだけでなく、ユーザーからの信頼も失ってしまうことになります。
よって、どんな状況でも臨機応変に対応する必要があるため、いつ連絡がきてもすぐに動ける人はネットワークエンジニアとして重宝されます。
逆に、プライベートを重視する人にはあまり向かないかもしれません。
責任感が強い
ネットワークはシステムの根幹となるため、大変責任の重い役割を担うことになります。
日々のルーチンワークも、地味なわりには「ネットワークの状態を健全に保つ」という大切な作業ですし、もし何かトラブルが起きれば迅速に解決しなければいけないという重責も背負っています。
したがって、責任感の強い人でなければネットワークエンジニアは務まりません。
有事の際には自分の都合よりも仕事を優先し、「人に迷惑をかけない」という意識を強く持っている人は、ネットワークエンジニアに向いています。
コミュニケーション能力が高い
ネットワークエンジニアは、クランアント先の企業に常駐して仕事をすることも多いです。
その際に、高いコミュニケーション能力を持っていれば、クライアント企業の社員たちと良好な関係を築きながら、円滑に仕事を進めていくことができるでしょう。
また、規模の大きい保守案件の場合、一人ではなくチームで業務にあたることも多いため、メンバーたちと適切なコミュニケーションを取りながら仕事をしていかなければなりません。
こういった点を考慮すると、ネットワークエンジニアにはコミュニケーション能力が必須となってきます。
ハードウェア好き
ネットワークエンジニアは、他のエンジニアと違ってプログラミングスキルを必要としない分、ネットワークに関するハードウェア機器の知識が非常に重要となります。
ネットワーク関連のハードウェアは、どんどん新しいものが登場するため、最新のトレンドを追いながら、どの機器を採用すればいいかについて把握しておかなければなりません。
ソフトウェアよりもハードウェアに興味があるという人も、ネットワークエンジニア向きでしょう。
まとめ
以上、「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる理由や、ネットワークエンジニアの魅力・メリット、向いている人の特徴について解説してきました。
ネガティブな意見もあるネットワークエンジニアですが、ネットワーク環境は今や欠かせないインフラです。
需要がなくなる可能性は限りなく低いため、将来性に問題はないと言えるでしょう。
とはいえ、下流工程だけをこなすネットワークエンジニアでは限界がくるかと思われますので、スキルを高め、上流工程もこなせるようになっておくことをおすすめします。
- ネットワークエンジニアは、「トラブル対応が大変」「ルーチンワークばかりでスキルが伸びない」「責任が重い」といった理由から「やめとけ」と言われることもある
- ネットワークエンジニアならではのメリットや魅力も多い
- 責任感の強さや臨機応変さを持っている人はネットワークエンジニア向き
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