「Webエンジニアに資格が必要ないって本当?」
「もし取っておくべき資格があれば教えてください!」
Webエンジニアへの転職を考えている方にとって、資格を取得すべきかどうかは気になる点ですよね。
Webエンジニアを目指す上で、少しでも選考を有利に進める方法を知りたい方は多いでしょう。この記事では、以下の点について詳しく解説します。
- Webエンジニアに資格は必要か?
- 資格取得が有利になるケースはある?
- Webエンジニアにおすすめの資格3選
- 転職で資格以上に重要なこと
Web系開発会社であり、プログラミングスクールも運営する弊社が、Webエンジニアと資格の関係について解説します。
この記事を読めば、Webエンジニアに資格が必要かどうかに加え、必要なスキルや転職成功のコツもわかります。
Webエンジニアへの転職を検討している方は、ぜひ最後まで読んでくださいね!(動画でも視聴できます)
Webエンジニアに資格は必要ないのか?

結論から言うと、Webエンジニアになるために必須の資格はありません。
ただし、資格取得が全く無意味というわけではありません。それでも不要とされる主な理由は以下の3つです。
- 必須の採用基準ではないから
- 実務経験やスキルが重視されるから
- 業務独占資格ではないから
一つずつ見ていきましょう。
1.必須の採用基準ではないから
Webエンジニアの採用選考において、資格の有無が直接合否に影響することはほとんどありません。資格が採用で有利に働かないのであれば、取得は必須ではないと言えます。
採用面接では多角的な評価が行われますが、特に重視されるのは以下の3点です。
- 技術力:業務に必要なスキルレベルを満たしているか
- カルチャーフィット:会社の文化やチームに合うか
- 学習意欲・知的好奇心:新しいことを学び続ける姿勢があるか
これらの基準は変化することもありますが、近年はこの3点が重視される傾向にあります。
技術力
1つ目は技術力、つまりどの程度のスキルを持っているかです。例えば、Web開発エンジニアを目指す場合、自身で開発したポートフォリオ(Webアプリケーションなど)の完成度が技術力を示す重要な指標となります。(ポートフォリオについては後ほど詳しく解説します)
カルチャーフィット
2つ目はカルチャーフィット、つまり会社の文化やチームの雰囲気に合うかどうかです。特にSIerなど他のIT業界からWeb業界へ転職する場合、このカルチャーフィットが課題となることがあります。技術力が高くても、チームで円滑に協力し、会社の文化に馴染めなければ活躍が難しいため、カルチャーフィットも重要な選考基準となります。
学習意欲・知的好奇心
3つ目は学習意欲・知的好奇心、つまり新しい技術や知識を積極的に学び続ける意欲があるかです。IT業界は変化が激しく、常に新しい技術が登場するため、自律的に学び続ける姿勢が不可欠です。変化の速いWeb業界では、新しい技術への探求心や、継続的な学習意欲がないと、長期的に活躍するのは難しいでしょう。
2.実務経験やスキルが重視されるから
Webエンジニアの採用では、資格よりも実務経験が重視される傾向にあります。特に即戦力が求められる現場では、「具体的に何ができて、どのレベルの業務をこなせるか」といった実践的なスキルが評価されます。
未経験の場合:ポートフォリオ(自作アプリなど)の質やそこから見えるポテンシャル経験者の場合:前職での具体的な業務経験やスキルレベル
もちろん、資格取得のために努力した学習意欲や継続性はアピールポイントになります。しかし、それが直接採用に結びつくとは限りません。採用においては、資格よりも実務経験やポートフォリオで示される具体的な能力の方が、より大きなアピールポイントとなります。
3.業務独占資格ではないから
初めての方だと必須な資格があるのかなと思いますよね。
弁護士や医師などとは異なり、Webエンジニアとして働くために法律上必須となる資格はありません。
- 弁護士
- 税理士
- 医師
- 薬剤師
これらの職業とは違い、特定の資格がなければ業務を行えない「業務独占資格」はWebエンジニアにはありません。そのため、極端な話、「今日から私はWebエンジニアだ」と名乗れば誰でもなれてしまう、という側面もあります。この点が、資格取得が必須ではないとされる理由の一つです。
Webエンジニアでも資格を取った方がいいケースはある?

そうですね!採用に大きく影響しないとはいえ、取得がプラスに働く可能性もあります。
例えば、学歴や職歴に自信がない方や、未経験からの転職で年齢が気になる方などは、資格を取得することで学習意欲をアピールし、他の候補者との差別化を図ることができます。
また、資格取得には面接対策以外にも以下のようなメリットがあります。
- 体系的な知識を習得できる:特定の技術や知識分野について、体系的に学ぶ良い機会となります。
- 学習のモチベーション維持につながる:資格合格という明確な目標設定は、学習のモチベーション維持に役立ちます。
資格取得自体が直接採用に有利に働くことは少ないですが、資格の勉強を通じて得た知識は、実務でのスキルアップや問題解決に役立つことがあります。
Webエンジニアの現場では技術力が重視されるため、「何ができるか」が問われます。重要なのは、資格取得をゴールとせず、そこで得た知識を実践的なスキルとして定着させることです。
Webエンジニアにおすすめの資格3選

もしWebエンジニアが資格取得を目指すなら、以下の3つがおすすめです。これらは、ITの基礎知識や特定のプログラミング言語スキルを証明するのに役立ちます。
- 基本情報技術者試験
- Ruby技術者認定試験 Silver
- Ruby技術者認定試験 Gold
順番に解説します。
1.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門ともいわれる国家資格です。この資格の学習を通じて、IT全般に関する幅広い基礎知識(コンピュータ科学、ネットワーク、データベース、セキュリティ、マネジメントなど)を体系的に学ぶことができます。難易度は決して低くありませんが、その分、学習内容には価値があり、Webエンジニアとしての土台となる知識を固めるのに役立ちます。
- コンピュータシステムの仕組み
- ネットワーク技術の基礎
- データベースの基礎
- 情報セキュリティの基礎知識
- システム開発の工程
- プロジェクトマネジメントやIT戦略に関する知識
2.Ruby技術者認定試験 Silver
Ruby技術者認定試験 Silverは、Ruby Associationが認定する資格で、SilverはRubyの基本的な文法、クラス、オブジェクト指向、組み込みライブラリなどに関する知識を問われます。
- 文法
- オブジェクト指向
- 組み込みライブラリ
- 実行環境など
Ruby on Railsなど、Rubyを主要言語として使用する開発現場を目指す場合、基礎的なスキルを証明するのに役立ちます。
3.Ruby技術者認定試験 Gold
Ruby技術者認定試験 Goldでは、Silverと比べてさらに要求されるレベルが上がります。Silverよりも応用的な内容となり、標準ライブラリや実行環境など、より深いRubyの知識が問われます。合格すれば、Rubyに関する高度な技術力を持つことの証明となります。
- Ruby実行環境
- 文法
- クラスとモジュール
- 標準ライブラリ
- オブジェクト指向
これらのRuby認定試験は、資格取得という目標を持つことで、Rubyの学習を体系的に進め、実践的なスキルを身につける良い機会となるでしょう。
余談:ITパスポート試験は必要ない?
余談ですが、Webエンジニアを目指す上で、ITパスポート試験の優先度は低いと考えられます。その理由は、ITパスポート試験で問われる知識が、Webエンジニアとして実務を行う上で求められる専門的なスキルレベルとは異なるためです。
ITパスポートは、ITを利用するすべての人を対象とした入門的な内容であり、IT業界で働く上で最低限知っておくべき基礎知識を確認するものです。Webエンジニアにとっては、取得していても技術的なアピールには繋がりにくいのが実情です。
もし資格取得を考えるのであれば、より専門性の高い基本情報技術者試験や、扱う言語の認定資格(例:Ruby技術者認定試験)を目指す方が、スキルアップやアピールに繋がりやすいでしょう。
Webエンジニアに転職する上で資格より重要なこと

Webエンジニアへの転職、特に未経験からの転職においては、資格取得以上に以下の2点が重要になります。
- ポートフォリオ(制作実績)
- カルチャーフィット
この2つをしっかり準備することが、転職成功の鍵となります。順番に解説します。
ポートフォリオ
ポートフォリオ(制作実績)の準備は、Webエンジニア転職において非常に重要です。
- 技術スキルを具体的に証明できる
- 学習意欲や熱意をアピールできる
- 入社後のミスマッチを防ぎやすい
特に未経験者の場合、ポートフォリオは実務経験の代わりとなり、自身の技術力を具体的に示すための最も効果的な手段です。自ら企画・設計・開発したオリジナルのWebアプリケーションなどを提示することで、学習意欲や現時点でのスキルレベルをアピールできます。
スキルを重視する企業にとっては、ポートフォリオを通じて応募者のスキルレベルを判断しやすく、入社後のミスマッチを防ぐ助けにもなります。質の高いポートフォリオは、他の応募者との差別化を図り、選考を有利に進めるための強力な武器となります。
ポートフォリオの作り方に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

カルチャーフィット
カルチャーフィットも、転職活動において見過ごせない要素です。これは、応募者の価値観や働き方が、企業の文化やチームの雰囲気と合っているかどうかを意味します。
- チームワークの向上
- 早期の離職防止
- 社員のエンゲージメント向上
企業側は、スキルだけでなく、チームの一員として円滑にコミュニケーションを取り、協力して目標に向かえるかどうかを見ています。応募する企業の文化や価値観を事前にリサーチし、自分の考え方や働き方と合っているかを考えることが大切です。
特にWeb業界では、チーム開発が中心となるため、カルチャーフィットを重視する企業が多い傾向にあります。
おわりに
この記事では、Webエンジニアにとって資格は必須なのか、そして転職において本当に重要なことは何かについて解説しました。
- Webエンジニアに必須の資格はない
- 資格取得が採用の合否に直接影響することは少ない
- スキルを証明するポートフォリオ作成とカルチャーフィットが重要
結論として、Webエンジニアに必須の資格はなく、資格取得が直接採用の合否を左右することは稀です。しかし、資格取得の過程で得た知識を実践的なスキルとして昇華させ、ポートフォリオ作成などを通じてアウトプットすることは非常に重要です。
現在のWebエンジニア採用では、具体的なスキルを示すポートフォリオと、企業の文化に合うか(カルチャーフィット)が特に重視される傾向にあります。
そのため、資格取得を目指す場合も、それをゴールとせず、スキル習得と実践へのステップとして捉えることが大切です。
Webエンジニアへ転職するためのロードマップを作成しましたので、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
