「Webエンジニアを目指してプログラミングの勉強を始めたけど、自分はこのまま勉強を続けても大丈夫だろうか・・・? Webエンジニアに向いてなかったらどうしよう・・・?」
勉強を始めた直後や、勉強の段階が進んでいくにつれて、こんな不安に囚われてしまうことがあると思います。
確かに、何をやるにも「適性があるかどうか」は非常に大事な要素です。
それは、Webエンジニアの世界も同様です。
Web系エンジニアの適性を開発会社とプログラミングスクールを運営している弊社の経験からお答えしていきます。
そこでこの記事では、Webエンジニアに向いている人と向いていない人の特徴について詳しく紹介していきます。
Webエンジニアとは
Webエンジニアとは、ITの中でもWebに特化したエンジニアのことで、WebサイトやECサイトで使われるシステムやアプリケーションの設計・開発・運用・保守を行います。
代表的なWebシステム・Webアプリには、以下のようなものがあります。
- YouTube
- Amazon
- 食べログ
- クックパッド
ここで列挙したものはあくまでほんの一部であり、Web上には数えきれないくらいのWebサービスが構築され、リリースされています。
これらを作り上げるのがWebエンジニアなのです。
IT業界、特にWeb業界は技術の入れ替わりが非常に激しいため、流れについていくために時間を惜しんで勉強しなければなりません。
高い志がなければなかなか継続することができない職種であるため、Webエンジニアは常に人材不足の状態となっています。
その分、日々努力して成果を出し続けられる人ならば、他の職種に比べて高い収入を得やすいため、夢のある仕事でもあります。
特にスタートアップ系企業ならば、実力次第で短期間での大きな年収アップも充分に可能です。
Webエンジニアに向いている人の特徴
Webエンジニアは、以下のようなタイプの人に適性があると言えます。
学ぶことが好き
エンジニアの中でも、Webエンジニアは特に日々の勉強が必須の職種です。
Webの世界は目まぐるしく技術が移り変わっていきます。
そんな流れについていくため、終業後や土日を使って、新たなスキルを習得するための勉強を続ける必要があります。
仕事が終わった後に飲みに行ったり、休日に友人と遊びに行ったり、といった時間を削り、勉強に充てなければならないのです。
このように、プライベートな時間を削ってでも自分のスキルを高めていくために学びたい、という意識を持っていることが、Webエンジニアに求められる最も重要な適性です。
新しいものが好き
何事においても、「新しいものが好き」という人も、向いているタイプと言えます。
例えば家電でも、最新技術を駆使したような製品が登場したらすぐに購入したくなるような人などです。
特にWebエンジニアは、最新技術に積極的に触れていくというアクションが必須となります。
いつまでも既存の技術にしがみついていては、エンジニアとしての未来はありません。
JavaScriptのライブラリとして一時期隆盛を極めたjQueryも、今は徐々に衰退しています。
その代わりに、コーディングコストを抑えることができ、開発規模が大きくなっても管理しやすいといった特徴を持つ、Googleがリリースした「React」の人気が高まっています。
こうした流行を敏感に察知し、進んで新しい技術に触れにいきたくなってしまうような人は、Webエンジニアとして大きな強みを持っていると言えます。
好奇心が旺盛
開発の際、常にマニュアルに沿って淡々と作業を進めるのではなく、
「この場面で、先日リリースされたあの技術を使ってみたら、より一層処理が早くなるんじゃないだろうか」
というように、誰に言われるでもなく自らいろいろ試してみたくなるような好奇心を持っている人は、Webエンジニア向きと言えます。
コミュニケーション能力がある
Webエンジニアとは、主に以下の2種類のエンジニアのことを指します。
- フロントエンドエンジニア(ユーザーが実際に触れる画面系を担当)
- バックエンドエンジニア(サーバー側の処理を担当)
例えばフロントエンドエンジニアとして開発業務に取り組む際は、バックエンドエンジニアやWebデザイナーと、密に連携を取りながら仕事を進めていくことになります。
ただ一人、黙々と作業を進めていればいいだけではないのです。
プロジェクトに関わる他のエンジニアたちと円滑なコミュニケーションが取れることで、開発工程における齟齬も生まれにくくなり、スピーディな開発が実現します。
良い意味で怠慢
「怠慢」と聞くと、悪い意味で使われることがほとんどですが、ここでの怠慢の意味は、以下のような「良い意味での怠慢」です。
- 開発をいかに楽に進められるか
- 保守の手間をいかに減らせるか
言い換えれば、「効率を重視できるか」ということになります。
どのようにして手間暇のかからない開発や保守を実現できるか、という点についてこだわれる人は、Webエンジニア向きと言えるでしょう。
具体的な例として、「DRY原則」というものがあります。
一言で言うと「不必要な重複は無くす」という原則のことです。
例えば、ソースの中に同じような動作をするコードを何度も書いてしまったりせず、関数化して呼び出すようにする、といった処理は、DRY原則に沿っています。
こうしたことを意識することで、開発スピードが上がり、保守も楽になり、バグも出にくくなるわけです。
俯瞰ができる
自分が抱えているプログラミングだけのことを考えるのではなく、要件定義や設計といった上流工程もできる限り把握し、開発プロジェクト全体を俯瞰で見れるようになることも大事です。
エンジニアは、プログラミング以上に設計に関わる仕事をこなすことも多いです。
プログラミングだけしかできないエンジニアに明るい未来はないので、先を見据えて、上流工程にも積極的に関わっていく姿勢で取り組むべきです。
ゲームが好き
意外かもしれませんが、ゲームが好きで、小さい頃からずっとやっている、というような人もWebエンジニアに向いています。
昔のゲームは、説明書がない、もしくはほとんど読まない状態で自分でルールを探して、そのルールに沿った形で攻略していくということが多かったはずです。
こういった経験を繰り返すことで、自然とロジカルシンキングが鍛えられているのです。
開発作業の際に出たエラーを解決するために黙々と作業するというのは、ゲームを攻略する感覚に近いものがあります。
難解なエラーを見つけ出すため、何時間も集中してパソコンの前で作業する、ということも珍しくありません。
ゲームも同様で、難しい場面をクリアするために、寝食を忘れて長時間ゲームをしていた、というような経験がある人も多いのではないでしょうか。
こういった人は、Webエンジニアの適性があると言えます。
実際、エンジニアにはゲーム好きが多いという印象です。
「ゲーム好きがWebエンジニアに向いている」という根拠についての詳細は、以下の動画をご覧いただければ、よりわかりやすく伝わるかと思われます。
Webエンジニアに向いていない人の特徴
基本的には、上記の「Webエンジニアに向いている人の特徴」の逆が、「向いていない人の特徴」になってしまいます。
ここでは、「その中でも特にここが欠けているとまずい」という部分について紹介します。
何事にも好奇心が持てない
Webエンジニアの仕事は、好奇心がなければ継続していくことが難しいです。
プログラミングの勉強も、現場での開発業務も、「面白そうだから試してみよう」という好奇心こそが大いに役立ってくれるのです。
好奇心がなければ成長は見込めませんし、成長しないエンジニアは生き残れません。
終業後や土日は絶対に遊びたい
技術革新のスピードが速いWeb業界についていくためには、業務時間外の自発的な勉強が欠かせません。
終業後や休日に遊びたいのは皆同じですが、その欲望に打ち勝ち、将来のために学ぶ時間を優先するというマインドを持てなければ、Webエンジニアとしてやっていくのは厳しいでしょう。
何事も大雑把
「なんだかソースが汚いけど、とりあえず動いたし、これでいいか」
こういった考え方をしてしまう人は、Webエンジニア向きではないでしょう。
汚いソースは、プログラム改修の必要が出てきた時に非常に厄介であり、周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。
「まあいいや」でいい加減な仕事ばかりしていると、そのうち居場所などなくなってしまうことでしょう。
Webエンジニアには非常に細かな作業が要求されるため、細かいところに気が回る性格の方が有利です。
大雑把な性格というのは、エンジニアにとってマイナスにしかなりません。
完全な文系気質
大学が文系だったか理系だったかはあまり関係ありませんが、気質自体が完全に文系である場合は、Webエンジニアとしてやっていくには少々厳しいと言わざるを得ません。
最新の電化製品や先鋭的なWebサービスなどにまったく興味がなく、読書や映画鑑賞や絵画が大好き、という文系気質の場合、プログラミングの勉強自体長続きしない可能性が高いですし、仮にエンジニアになれたとしても、辛い思いをすることが多いと思われます。
従って、
- 手に職をつけたい
- 高給なイメージがある
- なんとなく格好いいから
こういった曖昧な志望理由で、Webにもテクノロジーにもまったく惹かれない人がエンジニアを目指しても大成するのは難しいでしょう。
画期的なテクノロジーを目の当たりにした時に思わず興奮してしまうような理系気質タイプと比べて、どうしても不利になってしまいます。
向いていない場合はプログラミングをやめるべき?
「Webエンジニアに向いていない要素が一つでもあったら、エンジニアを目指すのは諦めた方がいいんだよね?」
ここまでお読みいただいた方の中で、こんな疑問を抱くかもいると思われますが、一概にそうとも言い切れません。
これまで紹介してきた適性は、あくまで一般論に基づいたものですので、例外も当然あります。
例えば、異常なまでに意志が強い人ならば、多少適性的に不利であっても跳ね返してしまうでしょう。
このように、向いている・向いていないは一つの目安程度に考えるべきであり、最終的には、覚悟や意志の力が物を言います。
さらに、まだ二十代前半や中盤といった若い人ならば、気質の変化にも期待できます。
「今までまったくWebやテクノロジーに興味を持てなかったけれど、勉強を始めてみたらすごく楽しいと感じられるようになった」といったように。
従って、これまで紹介してきた「Webエンジニアに向いているか向いていないかの特徴」はあくまで参考程度にとどめ、今行っているプログラミングの勉強が楽しかったり、やりがいを感じていたりするのならば、そのままWebエンジニアを目指すのがよいでしょう。
Webエンジニアの中でもエンジニアになって初めてプログラミングが楽しくなってきたという人はたくさんいます。
以下の記事で未経験からWeb系エンジニアへ転職をするためのロードマップを作成しました。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
以上、Webエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴を中心に紹介してきました。
せっかくプログラミングの勉強を始めたのに、向いていない人の特徴に当てはまってしまうと気持ちが落ち込むかもしれませんが、前項で解説した通り、必要以上に気にすることはありません。
むしろ、「向いていない特徴に当てはまったけど、それでも自分はどうしてもWebエンジニアになりたい!」と思えるくらい強い気持ちがあるのならば、諦めずに勉強を続けるべきだと思います。
- Webエンジニアを目指すには「好奇心」・「学び続けるというマインド」・「Webやテクノロジーへの興味」などが必要
- 「向いていない人の特徴」に当てはまっても、即エンジニアを諦めるべきということではない
- 最終的には、絶対にWebエンジニアになるのだという強い覚悟と意志が物を言う