「スタートアップ企業への転職はやめておいた方がいいのか知りたい」
「スタートアップ企業へ転職するとどういった部分がきついのか知りたい」
スタートアップ企業と聞くと、成長しやすい環境にあったり、自由度が高くやりがいがあったりというイメージを持つ方もいるでしょう。
しかしその反面、「業務がきついのでは?」と不安に感じる方も多いと思います。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- スタートアップとは?
- スタートアップ企業がきついと言われる7つの理由
- スタートアップ企業へ転職する8つのメリット
- スタートアップ企業へ転職すると後悔する?
- スタートアップ企業の実情を詳しく知る方法
今回の記事では、Web系の開発会社を運営しつつもWeb系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、スタートアップ企業がきついと言われる理由から、スタートアップ企業へ転職するメリットなどについて解説していきます。
スタートアップやベンチャーなど、設立されてすぐの成長段階の企業への転職を考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
スタートアップとは
スタートアップという言葉の由来は、IT企業が密集しているアメリカのシリコンバレーにあり、新しく設立された会社という意味があります。
日本でも明確な定義はありませんが、まだ世の中に出ていないようなサービス・商品を開発している企業で、設立から2~3年の成長過程である会社のことを指します。
また、経済産業省中国経済産業局の資料内では、スタートアップの特徴について、このように記載されています。
- 成長スピードが速い
- ビジネスに斬新性がありイノベーションや社会貢献を意識している
- 出口戦略(イグジット)を意識している
世間では知られていない革新的なアイデアやサービスを開発しながらも、将来的には世界に名を轟かせるような大企業になるチャンスを秘めている企業とも言えるでしょう。
スタートアップ企業がきついと言われる7つの理由
スタートアップ企業は、少人数であらゆる業務を担当するため、多忙できついと言われることもあります。
ここではスタートアップ企業がきついと言われる7つの理由を紹介します。
- 研修制度が整っていない
- 成果が求められることへのプレッシャー
- 開発以外の仕事も発生する
- ベンチャー企業なので資金力に乏しい
- 経験不足のままマネジメントを任される
- 倒産するリスクが高い
- 福利厚生が充実していない
研修制度が整っていない
必ずしもそうとは限りませんが、スタートアップ企業では研修制度が整っていないことを前提として考える必要があります。
なぜなら、設立してあまり年数が経っていないことが多いため、新人教育のためのシステムがない状況も珍しくないからです。
また、スタートアップ企業が即戦力を求めているということも、研修制度が存在しにくい要因の一つです。
そのため、何事も自分で解決して乗り越えないと厳しい環境だと言えるでしょう。
上司や先輩から教えてもらえることを当たり前だと思うのではなく、自分の頭で考えて動くといった自走力が求められます。
成果が求められることへのプレッシャー
スタートアップは成果主義の傾向が強いため、結果を出すことを強く期待されることがあります。
なぜそうなるかというと、社員数が少ないことが多いため、一人ひとりの裁量権が大きくなることが要因です。
そのため、大企業と比べて業務への責任やプレッシャーは大きくなるため、ストレス耐性が少ない方であれば、仕事にマイナスな感情を抱いてしまうかもしれません。
このように、スタートアップでは過程よりも結果を求められることが多いのです。
開発以外の仕事も発生する
スタートアップは、慢性的に人が足りていないことで、開発以外の仕事もやる必要が出てくるため、本業に専念できないことがあります。
たとえば開発業務が担当だったとしても、人手不足により事務や雑務をこなしたり、場合によっては採用面接をすることもあります。
ただでさえ忙しいなかで、あらゆる仕事を兼任して同時進行させないといけないことが「きつい」と感じる理由の一つでしょう。
ベンチャー企業なので資金力に乏しい
設立して間もないスタートアップ・ベンチャー企業は、信用力が低く資金調達に苦労しやすいです。
- 薄給になりやすい
- 交通費が出ない
- ボーナスがない
とくに成長過程にある場合、まずは新規事業を成功させるための投資を優先する企業も多いです。
結果的に、社員に還元されることが後回しになっているため、給料面では見合わないと感じることもあるでしょう。
しかし後述しますが、リリース後にサービスがヒットすれば、大きく給料が上がるといったケースも珍しくありません。
成長段階においては資金力が乏しく、満足いく給料が出ない期間もあるかもしれない、という点もスタートアップがきついと言われる理由です。
経験不足のままマネジメントを任される
経験不足の状態でマネジメント業務を任されることも、スタートアップでは珍しくありません。
スタートアップ企業は人材が少ない上に、人の出入りも激しいため、マネジメントができるような人材をじっくりと育てる余裕がないことが多いのです。
例えば、未経験からWebエンジニアとして入社した人でも1年以内にマネジメント職に就くこともあります。
経験がなくてもあらゆる業務を任せられることに対して、環境の変化によるストレスを感じる方もいます。
倒産するリスクが高い
どんな会社でも倒産リスクはありますが、特にスタートアップは資金力に乏しく、冒険的であるため潰れやすいです。
状況によっては、魅力的な会社であれば成長過程で丸ごと買収されて、次の日には親会社から来た社長に変わるといったこともあります。
とくに設立まもない頃はスピード感が早いため、あらゆる環境の変化に柔軟に対応していく必要があるでしょう。
福利厚生が充実していない
短期間での急成長を目標にしているスタートアップにとっては、充分な福利厚生を用意することもままならないケースもあります。
起業当初は資金が少ないため、社員への還元よりも新規事業への投資が優先されるからです。
ベンチャー企業が求めることは、少しでも早くサービスを軌道に乗せることなので、まずは時間やお金の行き先は事業に充てられます。
大企業のように充実した福利厚生を求めている方は、大きなギャップを感じるかもしれません。
最近ではスタートアップ企業への投資も盛んになってきております。
よってスタートアップ界隈でも給与水準が上がり、大企業に匹敵するまたはそれ以上の給与水準が出ることも増えています。
スタートアップ企業へ転職する8つのメリット
スタートアップ企業の大変な面やつらい部分は、捉え方を変えるとスキルアップや成長に繋がるといったように、長期的に見ると多くのメリットがあります。
- 企画段階から開発に参加できる
- 年功序列ではなく成果主義
- 大幅な年収アップの可能性がある
- スキルアップしやすい環境
- 上司との距離が近い
- 早い段階でマネジメント経験を積める
- ベンチャー企業が成長していく流れを間近で見れる
- 自分の力で会社を変えられる
スタートアップ企業に就職するやりがいはたくさんあるため、上記の内容を深掘りして解説していきます。
企画段階から開発に参加できる
スタートアップ企業で開発するときには、人手不足という部分が良い方向に作用し、企画段階から携わることができます。
- どのようなサービスを開発するのか?
- どのような技術を用いるのか?
- ユーザーやクライアントにどんな価値を提供できるのか?
こういった課題に対して、まだ経験の浅いエンジニアであっても意見を出すことができ、開発の上流工程から関われます。
これは大企業では体験できないため、スタートアップやベンチャー企業ならではの魅力でしょう。
年功序列ではなく成果主義
スタートアップでは、大企業のような年功序列制度ではなく、成果主義であることが多いです。
そのため、業務自体の成果によって給与や昇格が決まるため、スキルさえあれば経験年数に関係なく活躍することが可能です。
逆に言えば、年齢や勤続年数は関係ないため、どんなに長く勤めようとも成果を出せなければ評価されないという厳しい面もあります。
しかし成果を上げて成長していきたい方であれば、結果を出せば出すほどリターンが大きい仕組みはモチベーションアップにもつながるでしょう。
大幅な年収アップの可能性がある
スタートアップでは、自社開発のサービスがヒットすれば大きく昇給する可能性があります。
最初は資金力が乏しく、なかなか従業員へ還元することができませんが、1つサービスがヒットすれば大きなリターンが返ってくるでしょう。
例えば、スタートアップとして名もないときに立ち上げた以下の企業は、いまでは知らない人がいないほど有名になっています。
- メルカリ
- サイバーエージェント
- GMO
- スマートニュース
- 楽天
- Yahoo(Zグループ)
これらの企業は日本を代表する企業になり、多くの人が憧れる企業になりました。
スタートアップやベンチャーは、事業が軌道に乗るまでは長い道のりですが、1つでも自社開発サービスがヒットすることで、大きな昇給アップにつながることもあるのです。
スキルアップしやすい環境
スタートアップは慢性的な人手不足であることも多いため、少数精鋭でいろいろな業務を兼任する必要が出てきます。
自分の担当領域以外にも同時に業務を遂行する必要が出てくるため、自然とスキルアップすることができるでしょう。
例えば、スタートアップ企業では以下のような業務を経験できる可能性が高く、さまざまなスキルを習得できます。
- 企画開発
- 営業
- マーケティング
- 経理
- 事務
最初は仕事量が多くて大変と感じることがありますが、幅広い分野の仕事を経験することで、マルチにスキルを磨けます。
担当部署によってやるべきことが決まっている大手企業では得られないベンチャーならではのメリットです。
上司との距離が近い
人数が少なく、強い縦社会でもないため、上司や社長に直接意見を言えたりするのがスタートアップ企業で働く強みです。
大企業では考えにくいかもしれませんが、距離が近いので変に遠慮する必要はなく、誰に対しても言いたいことを言いやすい環境です。
そのため、上下関係ならではのネチネチした人間関係になりにくいのは大きなメリットでしょう。
業務中に対等な立場で関わりたいと思っている方は、上司との距離が近いスタートアップの働き方が向いています。
早い段階でマネジメント経験を積める
スタートアップ企業ならではの「きつい」の部分でも触れたものの、早い段階でマネジメント経験を積めるのは長期的には大きなメリットです。
マネジメント業務は30代・40代から取り組むことが多いなかで、20代からでもいち早く経験できるのはスタートアップだからこそです。
マネジメントスキルは、人や業務を管理するスキルのため最初は大変に感じるでしょう。
しかし若いうちから身につけておけば、将来的にキャリア形成する上で必ず役立ちます。
ベンチャー企業が成長していく流れを間近で見れる
設立したばかりのベンチャー企業に勤めることで、企業自体が成長していく流れを間近で見ることができます。
- シードステージ
- アーリーステージ
- ミドルステージ
- レイターステージ
シードステージでは、会社設立前の状態のため、まずは1から会社を作っていく段階になります。
アーリーステージは収益化をする前のステージで、自己資本で経営する会社であれば、さまざまな業務に対応しながら事業を大きくする段階に入ります。
このように、成長段階企業であるため、業務に関わっていくなかで会社自体のステージが変わり成長し、変化する流れを間近で見ることができます。
自らも会社の成長のなかにいると実感できることは、大きなやりがいにつながるのではないでしょうか。
自分の力で会社を変えられる
大手企業の場合、自分一人では何も変えられないですが、スタートアップならば一人ひとりの力が大きいため、会社のルールや体質さえも変えることができます。
とくにスタートアップ企業の中でも、数人から数十人の会社規模であれば、1人あたりの裁量権も大きく自分の意見も通りやすいです。
役職につきたい場合も、社員が少人数であるほどポストが空いているため、チャンスになります。
このように会社の業績や会社そのものを変えられるため、スケールの大きい仕事にも取り組めるでしょう。
少数精鋭の企業ならではの魅力として、個人の意見が尊重されやすく、事業にも反映されやすい点が特徴です。
スタートアップ企業へ転職すると後悔する?
結論から言うと、スタートアップに入るのはやめた方がいいのかどうかは人それぞれです。
しかし、一つだけ言えることがあります。
これまでスタートアップ企業の大変な面やつらい面を紹介してきましたが、それでもやる気が湧いてくるような人は、是非とも目指すべきです。
そうでなければ、後悔することになる可能性が高いのでやめておくべきでしょう。
なお、以下のような考え方を持つ人は、スタートアップ企業に向いていると言えます。
- 仕事に生きがいを感じたい
- エンジニアとしてスキルアップしたい
- サービス開発の際に企画から関わりたい
- 上司にも遠慮なく意見を言いたい
- 学ぶことが大好き
スタートアップ企業という過酷な環境であっても働き続けられる人は、このような考えを持っている必要があります。
仕事に対してストイックに向き合いたい方や、熱心に学んだりエンジニアとしてスキルアップをしていきたい方には、挑戦できる回数が多いため、スタートアップは最高の環境と言えるでしょう。
スタートアップ企業の実情を詳しく知る方法
ここまで読んで、スタートアップ企業に対してさらに興味が湧いてきた方には、以下のような方法で情報収集することをおすすめします。
- スタートアップ企業で働いている人に話を聞く
- ネットでスタートアップ企業の評判を調べる
- スタートアップ企業に詳しい人の著書を読む
スタートアップ企業で働いている人に話を聞く
スタートアップ企業の実情を知りたいのであれば、実際に働いている人に話を聞くことで生の情報を知ることができます。
人手不足のスタートアップ企業であれば、定期的にイベントを開催していることもあるため、その機会を狙って話を聞くことができるでしょう。
スタートアップ企業が開催しているセミナーやイベントを調べて、積極的に参加してみるといろいろ話を聞けるかもしれません。
企業のHPなどネットから情報を得ることもできますが、実際に働いている社員さんから一次情報を聞き出すことにより、リアルな実情を知ることができるでしょう。
ネットでスタートアップ企業の評判を調べる
ネットでスタートアップ企業の評判を調べるというのも1つの方法です。
今では「企業名+評判」で検索をかければ、現役社員・元社員が投稿した社内の実情や、年収・勤務時間・人間関係などを知ることができます。
しかしネット上には、あることないこと、さまざまな情報が書かれていることも多いので、鵜呑みにするのはよくありません。
実際に社員と会って話すよりも情報の質は下がってしまうため、あくまでも参考程度に考えておきましょう。
スタートアップ企業に詳しい人の著書を読む
周囲にスタートアップ企業で働いている人がいなければ、スタートアップに詳しい人の著書を読むのがベストです。
実際にスタートアップ企業を経験している先人の知恵から学ぶことで、企業とのミスマッチを防ぐこともできます。
スタートアップに関する書籍としては、弊社代表の菊本久寿による「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである(Amazonリンク)がおすすめです。
エンジニアの視点ではあるものの、スタートアップでキャリアを形成するための方法が詳しく書かれています。
いきなりスタートアップへ転職することが怖いと感じている方であれば、こちらの書籍でスタートアップの様子をつかんでみることから始めてみるのがおすすめです。
それだけでも、スタートアップ企業とのミスマッチを事前に防ぐことができます。
「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである(Amazonリンク)まとめ
今回の記事では、スタートアップ企業が「きつい」と言われている理由や、スタートアップ企業に向いている方の特徴などを解説しました。
- スタートアップ企業は、任される仕事がいろいろあったり責任が大きかったりときつい部分もある
- 早い段階からマネジメント経験を積めたり、自社サービスがヒットすれば大きな昇給があったりと、メリットも非常に多い
- 仕事にやりがいを感じたい人は、スタートアップがおすすめ
スタートアップ企業で働く場合、自走力が必要だったり、担当業務以外の仕事も兼任したりとハードな側面もあります。
しかしハードだからこそ、周りと比べて圧倒的に成長できたり、キャリア形成に大きなアドバンテージを得られたりといったメリットも多いです。
上昇志向な方や、ストイックに仕事に向き合いたい方などは、スタートアップの大変さ以上に得られるメリットの方が大きいため、ぜひスタートアップの求人をチェックしてみてください。
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