「新卒エンジニアとしてベンチャー企業へ就職するメリットやデメリットを知りたい」
「ベンチャー企業へ就職する時に意識すべきポイントは?」
ベンチャー企業への就職について、このような疑問や悩みを持っている新卒の方も多いと思います。
ベンチャー企業では、新しい挑戦や自己成長できる機会が多く魅力的に思えますが、同時に、倒産リスクや不安定さがあることに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、ベンチャー企業への就職におけるメリット・デメリットから、ベンチャー企業への就職で意識すべきポイントまでお伝えします。
新卒でエンジニアになろうとしている方は、ぜひ本記事を、ベンチャー企業へ就職するかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、既存のビジネスモデルを基準にしながら、変化や工夫を加えることで、新しいサービスを生み出す企業のことを言います。
立ち上げて間もない企業であることが多く、大企業が模倣できないような最新の技術やビジネスモデルを駆使することで、差別化しながら世の中に新しい価値提供を生み出そうとしているのが特徴です。
ベンチャー企業とスタートアップの大きな違いは、創業年数とIPOを目指すスピード感の違いにあると言われます。
IPO(Initial Public Offering)とは、新規株式公開とも呼ばれており、会社の株式を一般の投資家に売り出すために、初めて株式市場に株式を公開することをいいます。
スタートアップでは、3〜7年でIPOを目指すこと目標にしていることが多いため、スピード感を持って短期的な成長を目指します。
そのため、仮説検証を何度も繰り返しつつリスクを取りながらも、急成長するための動き方がメインになります。
一方でベンチャー企業では、5〜10年以内のIPOを目指すことが多いため、スタートアップよりも比較的安定性を大事にしながらビジネスを進めていきます。
新卒エンジニアとしてベンチャーやスタートアップに就職する7つのメリット
新卒エンジニアが、ベンチャー企業やスタートアップに就職すると、多くのメリットを得ることができます。
具体的なメリットとしては、以下の7つが挙げられるでしょう。
就職する7つのメリット
- 成長できる環境で働ける
- 開発工程全体を見ることができる
- 上流工程に参加できる
- 早い段階で裁量権が与えられる
- 自分の意見が反映されやすい
- 努力次第で給与が大きく増える
- 働き方や服装が自由
成果主義ではあるものの、大きな昇給や裁量権が与えられるなどのリターンも目立ちます。
能力を上げて成長したい方には、最適な環境が整っていると言えるでしょう。
具体的に1つずつ解説していきます。
成長できる環境で働ける
ベンチャー企業やスタートアップでは、即戦力が求められるため、早く一人前にならなければなりません。
実際にベンチャー企業は、少数精鋭で新しいことに取り組むことが多いため、なるべく多くの業務を掛け持ちしながら取り組む必要があります。
そのような環境で働くことは、多忙で大変な面はあるものの、様々なスキルを磨くことができるチャンスとも言えます。
自主的に行動しないといけない環境で鍛えられることで、成長の機会を得られることでしょう。
開発工程全体を見ることができる
大手企業では、開発工程の一部にしか関われず、全体を見ることができません。
しかしベンチャー企業は、要件定義から設計、開発、テスト、納品までの流れを身近で見れることが多いです。
そのため、若いうちから様々な仕事に携われる機会も多く、あらゆる経験を積むことができるでしょう。
上流工程に参加できる
ベンチャー企業では、新人エンジニアでも、早い段階から上流工程に参加することができます。
なぜなら、ベンチャーという特性上、従業員が少ないことで、1人あたりの役割や責任が大きくなるからです。
そのため、システム開発前の要件定義や、開発スケジュールの調整など、普段は関われないような上流工程での経験を積むことができます。
一方、大手企業では、新人エンジニアは長い間下流工程のみを担当することが多いため、このような経験を積むには時間がかかるケースがほとんどです。
ベンチャー企業やスタートアップで働くと、早めに上流工程に参加できる可能性があるため、新卒のエンジニアでも工程全体を俯瞰できるようになります。
早い段階で裁量権が与えられる
ベンチャー企業に就職する際のメリットとして、早い段階で裁量権が与えられることが挙げられます。
社員も忙しいことが多く、自分で考えて動くといった行動が基本になるため、それに見合った裁量権を与えられることが多いです。
そのため、若いうちからたくさんの仕事に挑戦したい方や、幅広くスキルを身につけたい方におすすめです。
自分の意見が反映されやすい
新人の意見でも、内容次第で積極的に採用されることが多いため、仕事にやりがいを感じられるでしょう。
意見が通りやすい理由の1つとしては、ベンチャー企業には、フラットに意思決定できる文化が浸透している傾向が強いからです。
具体的な場面で言えば、アイデアを形にする時でも、1つの意見よりも、あらゆる意見や提案を取り入れようと意識してくれることがあります。
そのため、意見によっては積極的に採用されることもあるため、エンジニアとして成長するための機会も多く、スキルアップにつながりやすいです。
努力次第で給与が大きく増える
ベンチャー企業やスタートアップでは、自分の努力次第で、給与が大きく増える可能性があります。
大手企業では、どんなに頑張っても昇給は微々たるものですが、ベンチャー企業では、自分が努力して会社に貢献し、会社の売り上げが上がれば、給与に反映されやすいという特徴があります。
入社数年で給与を大幅に増やせる可能性もあるため、その点でも新卒エンジニアにとって魅力的だと言えます。
働き方や服装が自由
ベンチャー企業では、働き方や服装に特に指定がなく、自由に決めることができるケースもあります。
結果を重視しているため、仕事をしっかりこなし成果を上げている場合は、その他の要素に関しては自由度が高くなる傾向があるからです。
そのため、働き方や服装が自由であることが多いです。
もちろん、すべてのベンチャー企業に当てはまるわけではないですが、仕事に影響を与えない範囲内であれば、認めてもらえる可能性が高いでしょう。
ベンチャー企業で働く3つのデメリット
ベンチャー企業で働く際には、メリットばかりではありません。
ここでは、ベンチャー企業で働く際に押さえておくべき3つのデメリットについて確認しましょう。
- 倒産リスクが比較的高い
- 教育体制が整っていない
- 職場環境がブラックな場合がある
倒産リスクが比較的高い
ベンチャー企業には倒産リスクが大企業に比べて高いというデメリットがあります。
立ち上げたばかりの企業であるため、不安定な面も多く、資金調達がうまくいかないことや、競合他社に負けた場合などは、経営が破綻する可能性が高くなります。
そのため、ベンチャー企業に就職する際には、倒産リスクを頭の中に入れておく必要があるでしょう。
もちろん、倒産リスクを一個人がコントロールすることは難しいです。
ただ、自分自身がスキルや知識を磨き、市場価値の高いエンジニアとなることで、他の機会でも活躍できる可能性を高めることはできます。
このように、常にリスクヘッジができるような意識を持って行動することが大切です。
教育体制が整っていない
ベンチャー企業は、大手企業と比較すると、研修制度やマニュアルが整備されていないことが多く、新人エンジニアが自己流で仕事を覚えなければならない場合があります。
しかし、その分自分で動くしかないため、1人でやり遂げる自走力を鍛えることができます。
職場環境がブラックな場合がある
ベンチャー企業に就職する場合、職場環境がブラックな場合もあります。
理由としては、大手企業に比べて資本力が弱く、人手も不足しがちなため、1人あたりの仕事量が増えてしまう傾向にあるからです。
そのため、ベンチャー企業を選ぶ場合は、事前に職場環境について調べ、ブラックな環境になっていないかを確認することが大切です。
ベンチャーやスタートアップに向いている人の特徴
ベンチャー企業やスタートアップに向いている人の特徴には、以下のような要素があります。
- 上昇志向の強い人
- 若い頃には多少苦労してもいいと思う人
- 将来高い年収を得たい人
- 自分の力で事業を伸ばしたい人
- 一生エンジニアとして仕事をしたい人
これらの特徴がある方は、変化が激しく成長を常に求められるベンチャー企業でも、継続的に働ける素質があるでしょう。
より具体的に、1つずつ解説していきます。
上昇志向の強い人
上昇志向の強い人は、ベンチャー企業やスタートアップに向いていると言えます。
なぜなら、ベンチャー企業では常に成長が期待される環境であり、個人の成果が企業の成功にも直結する可能性が高いからです。
上昇志向の強い人は自己成長に積極的であり、新たなチャレンジや責任を負うことに対して耐性があるため、過酷な環境でも乗り越えられるでしょう。
自身のキャリアを磨くための努力を惜しまない方であれば、ベンチャー企業やスタートアップでも活躍できるでしょう。
若い頃には多少苦労してもいいと思う人
若い頃には多少苦労してもいいと思える人は、ベンチャー企業やスタートアップと相性がいいです。
ベンチャー企業は成功すれば大きな見返りがある反面、ハードワークが求められる時期もあります。
しかし、これらの苦労がスキルを磨くことにつながり、将来的に役立つといったイメージを持って取り組めるかが重要です。
実際に、長時間の労働やプレッシャーに耐えながらも、目標に向かって取り組む姿勢を持ち続けられる人が、ベンチャー企業やスタートアップで活躍しています。
そのため、下積みのようなハードワークに対しても、やり切る精神を持っている方が向いています。
将来高い年収を得たい人
将来高い年収を得たいと考えている人にも、スタートアップはおすすめです。
なぜなら、成功したベンチャー企業やスタートアップは、急速な成長を遂げることがあり、その成果は個人の報酬に反映されることが多いからです。
その際に得られるメリットは、企業によりけりですが、以下のようなものがあります。
- 給与が上昇する
- 福利厚生が見直される可能性がある
- ストックオプションによる恩恵が増える
若いうちにスタートアップに参加し、その企業が成功を収めれば、従業員はこれらの報酬を得られる可能性があります。
そのため、将来的に高い年収を得たい人にとって、ベンチャー企業やスタートアップは魅力的に映るでしょう。
自分の力で事業を伸ばしたい人
大手企業に比べて、1人の活躍が会社に与えるインパクトが非常に大きいです。
大手企業のビジネスは規模が大きい分、一人一人の力で事業を伸ばしづらいです。一方で、小さい会社だと一人一人の成長で会社の売り上げが倍になることだってあります。
学歴が高くて優秀な人ほどベンチャー企業やスタートアップ企業で働き実力を発揮できるでしょう。
一生エンジニアとして仕事をしたい人
一生エンジニアとして仕事をしたいと考えている人にも、ベンチャー企業やスタートアップは向いています。
ベンチャー企業では、成長する上で新しい技術やアイデアを取り入れることが課題になっており、そのために勤勉な姿勢が求められます。
そのため、エンジニアとしての能力が高く、最新技術を学びながら、アイデアを取り入れたいという人にとって、ベンチャー企業やスタートアップは魅力的な環境になるでしょう。
また、ベンチャー企業のような鍛えられる環境で仕事をするため、一生価値のあるエンジニアとしてやっていけるだけのスキルやマインドも習得しやすいです。
新卒エンジニアがベンチャー企業を選ぶ時のコツ
ベンチャー企業やスタートアップと言っても、様々な企業があります。
新卒エンジニアがベンチャー企業を選ぶ際には、以下の2つを意識するといいでしょう。
- 需要の高い言語で開発している会社を選ぶ
- ベンチャー企業のステージを意識する
需要の高い言語で開発している会社を選ぶ
ベンチャー企業を選ぶ際には、なるべく需要の高い言語で開発している会社を選ぶことです。
そのため、需要が低い言語や、企業独自の言語を使用している会社は、なるべく避けるのが無難です。
なぜなら、最新技術に追いつくことが難しくなり、個人のスキルや成長の機会も失われる可能性があるからです。
例えば、JavaScriptやPython、Rubyなどは需要が高く、幅広いプロジェクトで使用することができます。
将来のキャリアやエンジニアとしての市場価値を考えても、需要の高い言語で開発している会社を選ぶことが大切です。
ベンチャー企業のステージを意識する
ベンチャー企業の成長段階によって、倒産リスクや職場環境は異なるため、企業のステージを意識するようにしましょう。
例えば、アーリーステージのベンチャー企業は倒産リスクが高く、ブラックな労働環境になりやすい傾向があります。
理由としては、そのタイミングで必要となる資金が多くなり、資金調達が間に合わない可能性が出てくるからです。
逆に、その先のミドルステージやレイターステージのベンチャー企業は、より安定した組織で、働きやすい環境を提供することが多いです。
このように、ベンチャー企業といっても、成長段階によって状況が大きく変わるため、将来歩みたいキャリアやスキルに応じて選択することが重要です。
まとめ
今回の記事では、新卒エンジニアがベンチャー企業へ就職するメリット・デメリットについて紹介しました。
以下が本記事のまとめになります。
- ベンチャー企業では、自身のアイデアや意見が重視されやすい傾向があるため、新卒エンジニアでもやりがいを持って仕事に取り組める
- ベンチャー企業には倒産リスクや経営の不確実性があるが、他では得られない経験を積むことができ、のちのキャリアに役立てることができる
- ベンチャー企業は成長段階によって職場環境などが変わるため、習得したいスキルや経験をベースに慎重に検討しよう
ベンチャー企業への就職は、経験を積むためには最適な環境です。
若いうちに貴重な経験を積み、自己成長を追求することで、将来のキャリアに大きな影響を与えることができるでしょう。
新卒エンジニアにとって、スキルを磨く上ではおすすめの選択肢なので、ぜひ本記事を参考にベンチャー企業への就職を検討してみてください。
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