「すいませんチェッカー」はRUNTEQ(ランテック)卒業生の大橋さんが制作した「飲食店などで”すいません”と呼ぶ声が店員さんに届くかどうかをチェックできるサービス」です。自身の悩みからアイデアを得たものの音声認識に関する技術・知見が一切ない状態からの開発は難航。録音音声を環境音と合成させ文字起こしする方法でユーザーも楽しめるサービスを実現させた高い技術力でコンテストでは技術賞を受賞、面接でも採用担当者に高い評価を受けました。実務で活かせる総合的な内容を学べたという本作品の開発過程に迫ります。【卒業生ポートフォリオ紹介vol.28】
あなたの声は店員さんに届く?声を検証できる「すいませんチェッカー」
大橋さん、本日はどうぞよろしくお願いします。
早速ですが「すいませんチェッカー」はどのようなサービスですか?
大橋さんは、呼び鈴のない飲食店で「すいません」という声が店員さんに届かないという悩みを持たれていたそうです。
声を計測して、練習して、改善していくためのサービスです。
「すいませんチェッカー」はかなりニッチな部分に着目して、機能にうまく落とし込んで作られています。
結果、ポートフォリオコンテストであるBATTLE OF RUNTEQにおいては技術賞を受賞するほどの評価を得たサービスとなりました。
それでは早速、気になる「すいませんチェッカー」の使い方を見ていきましょう。
「さっそくはじめる」ボタンから入っていきます。
難易度ごとに分かれたステージをセレクトします。
マイクボタンを押して、飲食店で店員さんを呼ぶシチュエーションを想像して「すいませーん!」と声を発してみましょう。
わずか数秒で解析が完了し「結果を見る」ボタンから入ると解析結果が表示されます。
ご自身の「すいません」の声が飲食店などでどのように聞こえるのかを確認し、あなたの声が通るかどうかの結果が表示されます。
声が通らないと計測されてしまった場合でも、声出しの参考になるYou Tube動画を紹介してくれるので、練習のために視聴するのもいいかもしれませんね。
見逃しそうな「小さな悩み」に着目
「すいません」の声が通らないという悩みを持つ方は、もしかすると割と多いのかもしれませんよね?
そのような「小さな悩み」を見逃さず、そこに着目されたのがすごいですね。
サービスを作ろうと思い至るまでには、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
大橋さんはポートフォリオの案を出すのが苦手だったとおっしゃっていました。
色々と案を出してメモをしていったものの、ご自身が面白いと思えるものが無かったそうです。
飲食店で店員さんを呼ぶ「すいません」の声に気づいてもらえなくて、恥ずかしい気持ちになったりすることがあるなと。
確かに、そのお気持ち分かりますね。
普通であれば「恥ずかしかったな」という気持ちでそのまま終わりそうなところを、「サービスにできるかも?」という気付きに変換されたのですね。
大橋さんは、そのアイディアをどのようにサービスとして作り上げていくのかを見出すことができず、最初は別のアプリ作成に取り掛かろうとしていたと教えてくださいました。
複数の案のどれにするのかを決めかねていたところ、キャリアトレーナーとの面談が大橋さんにとってのターニングポイントとなったようです。
「すいませんチェッカーについてお話しているときが一番表情が輝いていますね!」
と言っていただいたんです。
キャリアトレーナーからそう言われ、ご自身でも「そうなのか…!」と胸にストンと落ちたようです。
ちなみに他にはどのようなアイディアがありましたか?
色々と考えていく中で、大橋さんが本当に作ってみたいと思ったのが「すいませんチェッカー」だったのですね。
あきらめずに何度も壁を乗り越えサービスを完成
キャリアトレーナーの言葉に背中を押され「すいませんチェッカー」へ取り組むことを決意された大橋さんでしたが、道のりはかなり険しいものだったようです。
アイディアを実現させるまでの部分は難しかったと思いますが、どのように詰めていかれましたか?
音声をどのようにすれば解析できるかを知るために、QiitaやJavaScriptのAPI公式ドキュメントなどで情報収集を行い、どのように着手していくかの方針を固めていかれたとのこと。
一番最初は、よく通る声の基準レベルを80デシベルとして、その基準を超えればOKという方法で解決しようとされたそうです。
しかし、ユーザーの接続するデバイスや使用する端末によって差が出てしまうため、違う方法を考える必要があったとのこと。
論文や、ネット記事などを見ていくと、3000Hz付近の音が聞き取りやすいと記述されていたそうです。
そこで「すいません」が発する周波数をグラフ化したものを分析し、条件分岐などで判定させる方法に舵を切り直したと教えてくださいました。
困り果て、実装においての解決策を見いだせないまま2週間ほど悩み続けた先に、ふっとアイディアが降りてきたそうです!
その発想に至ってからは思い描いたとおりに実装まで漕ぎ着け、さらに見た目を整え、機能を充実させ、ユーザー体験を良くできるような部分にまで注力されたそうです。
なんと、その間わずか1週間だったとのこと。
トータルでの制作期間はどのくらいかかりましたか?
最初の構想段階で1ヶ月ほどかかりましたし、その後も実装方法で紆余曲折あったため全体で見ると時間がかかってしまいました。
トータルで見ると2ヶ月ですが、音声についての時術に関して事前にすごくたくさん調べられたことも功を奏して、突破口を見つけられてからはとても早い完成でしたね。
サービス面に関してこだわったポイントはありましたか?
普通のwebシステムではなく、Vueのシングルページアプリケーションの技術を用いて、ユーザー体験を向上させるように工夫されたそうです。
リリースまでに、そんなにもの切磋琢磨があったのですね。
だからこそ、とてもユニークかつ高い評価を得られるサービスを作ることに成功されたのでしょうね。
BATTLE OF RUNTEQで技術賞を受賞
思い描く形での機能実装に成功した「すいませんチェッカー」ですが、リリース後の反響はいかがでしたか?
「アイディアが面白い!」とか
「同じ悩みがあったので共感できる!」
などと言っていただき嬉しかったです。
大橋さんはBATTLE OF RUNTEQで発表する際に「すいませんチェッカー」の使用方法説明を、録画ではなく実際に現場で操作しながら説明するという工夫もされていました。
その発表方法もとても好評だったようです。
リリース直後では1300PVを記録したとのことでした。
開発段階のポートフォリオ進捗発表会などでは良い反応をもらえていたものの、リリース後には、ご自身が想像されていたよりも高い評価をしていただけたことに驚かれたそうです。
これまではサービスを1から作り上げたことが無かった大橋さんですが、RUNTEQでサービスを作り上げ、それに対して高評価をいただけたことが、ご自身の自信にも繋がったと語ってくださいました。
逆にユーザーさんからの厳しいフィードバックなどはありましたか?
現在はスマホの対応ができておらずPCでしか使用できないのです。
そこをきちんとしてもう一度リリースしたいと思っています。
スマホ対応ができれば、もっと多くのユーザーさんに使っていただけるかもしれませんね。
実現したらぜひ教えて下さいね。
では続きまして就職活動中のお話も伺っていきたいと思います。
「すいませんチェッカー」は面接官の方たちがすでに知ってくださったり、実際に利用してくださったりしていたのですよね?
やはりBATTLE OF RUNTEQがきっかけのスカウトでしたので、すでにサービスを知ってくださっていました。
僕の発表も見ていただけていたのでとてもスムーズに面談していただけました。
BATTLE OF RUNTEQへ出場したことにより、大橋さんの雰囲気や、サービスに関しても知っていただき、社員の方もサービスを使ってくださっていたそうです。
とてもありがたかったです。
ポートフォリオの制作を通じて実務に活かせる総合的な知識を身につけた
それでは今後についてもお伺いさせてください。
こちらの「すいませんチェッカー」は今後どのようにしていきたいですか?
そして、今現在はひとつの機能しかないので、周波数解析を通して培った技術を何らかの形で活かすことができないかと考えています。
話している音声を周波数グラフに表示させてトレーニングにつなげたり、他の人の「すいません」の声を共有してみたり、ランキング形式で聞けるなどのいくつかの機能を思い描かれているそうです。
実現できたらとても楽しそうなアイディアばかりですね。
それでは最後に、今回ポートフォリオの制作を通して企画から開発・運用までやってみていかがでしたでしょうか?
ポートフォリオ制作を通じて、その知識を身につけられて良かったです。
実務に入り、サーバーサイドのエンジニアとして採用された時に、そのあたりの知識があるのとないのとでは全く違ってくるため本当にいい経験になった。
と、語ってくださいました。
ポートフォリオの制作を通じてよりパワーアップした大橋さんの今後も応援しております!
編集後記
いかがでしたでしょうか?
大橋さんは、ニッチともいえる部分に着目しサービスを作り上げ、BATTLE OF RUNTEQでは技術賞を獲得。
完成にたどり着くまでの道のりはとても険しいものでしたが、何度も壁にぶつかりながらも、最後まであきらめずに粘り強く取り組まれていました。
試行錯誤を重ねた末に様々な知識を身に着けられた大橋さんは、ご自身が想い描いた形のサービスを完成させリリースまで漕ぎ着けました。
努力が形となって現れた瞬間でした。
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その道のりが険しいものであったとしても、ベテランの現役講師陣がしっかりとサポートさせていただきますのでご安心ください!
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