「席替えメーカー」はRUNTEQ卒業生の寺井さんが作成した「席替えの条件を入れるだけで簡単に席替えの原案を提案してくれるサービス」です。元教師の経験をいかし忙しい教師の業務を少しでも減らすために本アプリを発案。生徒同士の複雑な条件をWebアプリ上で再現するためにロジックにこだわって開発しました。実用的な部分が高い評価につながり実際の教育現場にも導入、月間6,000人もの方に使っていただけたそう。気持ちの乗った個性豊かなポートフォリオ作成のヒントになる内容です。【卒業生ポートフォリオ紹介vol.20】
元教師発案!席替えプランを提案するサービス
では早速「席替えメーカー」についてお伺いしていきます。
寺井さん、「席替えメーカー」はどのようなサービスですか?
(サービスへ GitHubリポジトリへ)
元教員の寺井さん曰く、席替えは一見簡単なように見えて、実は教員にとって悩みのタネなんだそうです。
たとえば、この生徒とこの生徒は近づけたい、逆に離したい……などなど。
すべて運だよりのくじ引きでは、複雑な事情をすべて考慮することは難しいです。
しかし「席替えメーカー」なら、教員が席替えをするときに考慮しがちな条件を指定できるので、より現場で使いやすいサービスです。
「席替えメーカー」の使い方はとっても簡単!
まずは画面左の座席表に、生徒の名前を入力していきます。男女の色はワンクリックで変えることも!
座席表の入力が終わったら、条件を指定して「席替え」ボタンをクリックで完了です。
特徴的な機能が、「生徒同士を近づける」と「生徒同士を離す」です。
プルダウンから選択した生徒同士を、何席分近づける・離すかを指定することができます。
実際に教員の方々にも使われている「席替えメーカー」は、個人情報を入力することを考慮してブラウザのみで完結する処理にしているのだそうです。
類似サービスを調べた上で勝負
席替えといえば生徒がくじを引いて一喜一憂しながら行うイメージでしたが、先生が考える場合もあるのですね。
寺井さんはなぜ席替えの自動化をしたいと思ったのでしょうか?
僕は大学でプログラミングを学んでいたので、この領域はコンピューターに任せた方がよいという感覚を持っていたため、サービスとして開発をしようと思いました。
すでにサービスとしてありそうなイメージですが、類似サービスはありましたか?
類似サービスはありました。
ただ、演出は凝っているけど単純にシャッフルするだけだったので教員が使うことを考慮されたサービスではなかったですね。
類似サービスを全て調べた上で、自分のサービスでなら教師に向けて価値提供ができると確信していました。
「席替えメーカー」は、実際に教師が席替えの案を考えるときに盛り込んでいる条件を指定できるなど、実用性を重視して開発を行ったのだそうです。
他にも教員向けのアイデアはありましたか?
確かにどちらも一見手軽に見えて、複雑そうな業務ですね。
では、なぜ席替えのアイデアを採用なさったのでしょうか?
条件判定のロジックに苦労
「席替えメーカー」は、元教員ならではの視点で考えられた熱意ある企画でしたね!
実装で苦労したところはありますか?
例えばAさんとBさんを離すという機能と、AさんとCさんを近づけるという機能があった場合、それぞれを実装することはあまり難しいことではありません。
しかし、ただ単純に実装するだけでは「AさんとBさんを離すかつAさんとCさんを近づける」という動きをしてくれなかったのです。
さまざまな条件がある中で、全ての条件を同時に満たすように実行する部分がかなり難易度の高い実装だったそうです。
実際にはどのように実現させたのですか?
例えば、制約が強い条件から先に考えていったり、うまくいかなかったときにどこまで戻って考え直すかなどです。
寺井さんは、面接でも一番工夫した部分や困ったところを聞かれた際には、条件判定のロジックについてお話ししていたそうです。
お話ししたときには、面接官の皆様も「難しそうな実装だね」とおっしゃっていたとか。
ひと月で6,000人が利用、その訳とは?
教員の方が本当に求めている機能を盛り込んだ「席替えメーカー」ですが、どのくらいの方に使っていただけましたか?
ひとつきで、6,000人!
それほどまでに大きな反響をうけて、寺井さんいかがでしたか?
類似サービスの調査を徹底し、「席替えメーカー」だからこその価値が提供できると確信を持って開発なさったからこれだけの方に使っていただけたのでしょうね!
「席替えメーカー」を使う際の、生徒の個人情報の取り扱いについてご意見をいただいたとのことでしたが……
寺井さんは入力したデータがサーバー上に残らないよう配慮した結果、カリキュラムで学習したRailsを使わずにブラウザで完結させるように開発なさいました。
そして寺井さんのすごいところは、「席替えメーカー」のマーケティングにかなり力を入れていらっしゃったところです!
地道な行動の積み重ねの結果、メディアや講演会、書籍での露出にまで繋がりました。
また、寺井さんは、実際に教員の方が使う様子をモニタリングし「席替えメーカー」の使いにくい部分や操作に時間のかかる部分をチェックなさいました。
この経験から席替えメーカーのチュートリアルを導入したのだそうですが、この改善への行動量の多さは面接でも評価されたとおっしゃっていました。
答えのないアプローチを楽しみたい
寺井さん、「席替えメーカー」も含め、今後の展望があればぜひ教えてください!
個人的に今一番作りたいと思っているのは、将棋の定跡を学べるProgateのようなサービスです
いろいろなアイデアをお持ちの寺井さんですが、寺井さんにとってプログラミングの楽しさはどのあたりなのでしょうか?
なるほど、しかし大学時代の寺井さんはプログラミングに苦手意識があり嫌いだったともお聞きしました。
なぜ嫌いとすら思っていたプログラミングが楽しいと思えるようになったのでしょうか?
卒業研究では初めて答えのないものにアプローチしていくことになったのですが、それがたまたまうまくいって楽しいと感じるようになりました。
僕はそのタイミングが4年目に来たので、まだプログラミングが楽しいと感じられていない人は不安になりすぎなくても良いのかなと思っています。
実務に入って壁を乗り越えられてからプログラミングにはまる人もきっといると思います。
目的を達成するための過程として、学習すること自体もとても楽しめています!
素敵な考え方ですね、今後のご活躍も応援しております!
お忙しいなかところ本当にありがとうございました!
編集後記
いかがでしたでしょうか?
寺井さんの制作した「席替えメーカー」は、ご自身の経験から発案されたおかげでアイデンティティがしっかり反映されたポートフォリオになっていましたね。
ポートフォリオは就活のため、学んだ技術のために作る方も多いかと思います。
しかし寺井さんのように就活で熱意が評価される作品にするには、ぜひ「気持ちが乗るサービスであるか?」「語れる思いがあるか?」という点も大事にしていただきたいです。
RUNTEQでは、アイデアの段階からあなただけのポートフォリオ制作を応援します。
RUNTEQに少しでもご興味のある方、未経験からWebエンジニアを目指そうとお考えの方は、まずは一度無料キャリア相談会へお越しください!
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