「Webエンジニアって、実際にどういう働き方をしてるの?」
「具体的な仕事内容や年収は?」
このように、Webエンジニアという呼び名は知っていても、その実態を詳しく知らないという方も少なくないと思われます。
そこでこの記事では、Webエンジニアが実際どのような働き方をしているのかといった点を中心に、Web業界の成り立ちや、Webエンジニアの年収・将来性などについて詳しく解説していきます。
Webエンジニアとは
Webエンジニアとは、Webを使って提供されるサービスやアプリを開発する、Web業界で働く技術者の総称です。
ITの中でもWebに特化したエンジニアであり、Webサイトで使われるシステムやアプリケーションの設計・開発・運用・保守を行います。
Webエンジニアの種類
Webエンジニアは、主に「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」の2種類に大別されます。
フロントエンドエンジニアは、Webサイトの見た目全体や入力画面といった、ユーザーが直接目にしたり触れたりする部分を担当するエンジニアです。
「HTML」・「CSS」・「JavaScript」・「WordPressなどのCMS」といったスキルが求められます。
バックエンドエンジニアは、サーバーとして使用するハードウェアの選定やデータベース構築、サーバー内のシステム構築、実際にサービスが稼働した時の運用や保守、といった仕事を担当するエンジニアです。
「PHP」・「Ruby」・「Python」・「各言語のフレームワーク」といったスキルが必要となってきます。
Webエンジニアによって生み出されるサービス
Webエンジニアによって生み出された代表的なWebサービス・Webアプリには、以下のようなものがあります。
- YouTube
- Amazon
- 楽天
- 食べログ
- クックパッド
これらはあくまで一部であり、Web上にはWebエンジニアによって作られたサービスが数えきれないほど存在します。
Webエンジニアに向いている人
IT業界の中でも、Web業界は特に技術の入れ替わりが非常に激しい業界です。
その流れについていくためには、時間を惜しんで日々勉強しなければなりません。
従って、「何が何でもWebエンジニアになりたい」という強い気持ちと覚悟を持ち、学習期間を乗り越え、晴れてWebエンジニアになってからも勉強を続けていけるような人が望ましいです。
これが、Webエンジニアはつらい・きついと言われる理由です。
しかしその分、成果をきっちりと出せる人間に対しては、年齢など関係なく成果に応じた高い収入を得ることが可能なため、頑張ろうという気持ちが湧いてくる人も多いでしょう。
年功序列が理想な人には向きませんが、「努力して結果を出せば出すほど報われる」という働き方が好きな人には、Webエンジニアは天職と言えるでしょう。
Webエンジニアは常に人材不足
Webエンジニアは、高い志がなければなかなか継続することができない職種であるため、企業側が安定的に働き手を確保するのが難しく、常に人材不足の状態となっています。
自分を高めるために努力することが苦でない方は、是非目指してみてはいかがでしょうか。
特にスタートアップ系企業ならば、上司もほとんどいません。実力次第で短期間での大幅な年収アップも充分に可能ですので、非常に夢のある仕事でもあります。
Web系企業の歴史
Web業界・Web系企業と言われても、いまいちピンと来ないという方も多いでしょう。
それもそのはず、Web系と呼ばれるようになったのはここ10年弱のことで、まだまだ歴史が浅いのです。
また、人によってもWeb系の定義が曖昧であり、何をもってWeb系企業とするのかは定まっていません。
Web系企業の歴史は「インターネットの歴史」と言っても過言ではなく、インターネットの変化に沿うように変遷してきました。
まず1990年代後半には、この頃から始まったインターネットブームに乗って、以下のような企業が台頭してきます。
- Yahoo!
- GMO
- 楽天
- サイバーエージェント
そして2000年代に入ると、今では「メガベンチャー」とまで呼ばれるようになった以下のような企業たちが登場します。
- DeNA
- GREE
- クックパッド
- LINE
2010年代には、メルカリやマネーフォワード、ビズリーチといった、時流に乗って急成長を遂げるような企業がどんどん増えていった結果、こうしたWebサービスに特化した企業たちが「Web系企業」とくくられるようになっていったのです。
Web系企業の見分け方
「Web系企業で働きたい!」と思って就職したものの、いざ入社してみたら思っていたような会社ではなく古い体質に縛られた会社だった、ということも少なくありません。
また、Web系企業に対してはほとんどの方が「自由で大らかなイメージ」をお持ちかと思われますが、具体的にどういった社風であるかまでは意外と知らない方も多いでしょう。
そこでこの項目では、Web系企業の特色や、Web系企業かどうかの見分け方について説明します。
YouTubeの動画でも解説しております。
Web系企業のカルチャー
すべてに当てはまるわけではありませんが、Web系企業の多くは以下のような特色を持っています。
遅刻に寛容
「仕事に遅刻は厳禁」という認識はごく当たり前のものではありますが、Web業界には当てはまりません。
Web業界はフレック制を導入している企業が多く、遅刻という概念が存在しないことも多いです。
ですので、仕事の途中で子供の送り迎えのために抜けることもできますし、用事がある日の仕事時間を別の日で埋め合わせることも可能です。
服装が完全に自由
一般的な企業であれば、「カジュアルOK」と言われたとしても、スマートカジュアルと呼ばれるような全体的にきちんとした印象を与える服装が求められることが多いです。
当然、ジーンズやハーフパンツはNGとなります。
しかしWeb系企業の場合は本当に完全フリーとなっており、ジーンズだろうがハーフパンツだろうが問題ありませんし、履物についても「サンダルで出社する」という人もいます。
副業はむしろ推奨
安易に賃金を上げられない経済状態である昨今、副業OKとする会社が増えてきています。
しかし、「副業推奨」という企業はなかなかありません。
そんな中Web系企業は、積極的に副業を勧める会社も多いです。
副業を推奨する最も大きな理由は、社員たちが副業を通じてWebエンジニアとしての知見を高めることで、社員の成長に繋がるからです。
社員の成長は、当然会社にとっても大きなメリットとなります。
Web系企業の見分け方
こちらも100%完璧に見抜けるわけではありませんが、以下の4つの特徴に当てはまるほど、自由なWeb系企業である可能性が高まります。
- 社名を出してTwitterをやっている従業員がいる
- ほとんどの人が私服で働いている
- WindowsではなくMacを使っている人が多い
- 上司を呼ぶ時に役職名はつけず「さん」付けで呼ぶ
一番わかりやすいのが「①」で、Twitterで検索をかけるだけですぐに判別できます。
不祥事や情報漏洩を過度に恐れて保守的になりがちな一般企業と違い、何をするにも自由度が高いのがWeb系企業の特色なので、社名を出してTwitterをやっている社員が多いようならば、自由なWeb系企業である可能性が非常に高くなります。
社内を見学できる機会があるようならば、働いている人たちの服装や使っているパソコン、そして上司の呼び方にも注目してみてください。
Webエンジニアの働き方
ここまでの記事で、Web系企業の職場の雰囲気や社風については伝わったかと思われます。
以下では、実際にWebエンジニアがどのような仕事をするのか、どのようにして仕事を進めていくのかといった働き方について紹介します。
仕事内容
Webエンジニアの主な仕事は、Webサイトの制作やWebアプリの開発となっています。
システムエンジニアやWebディレクターからの指示書に従ってコーディングを進め、サービスを作り上げていきます。
同じWebエンジニアでも、フロントエンドエンジニアかバックエンドエンジニアかによって仕事内容が異なります。
Webデザイナーやバックエンドエンジニアと連携し、Webサイトやアプリの画面上でユーザーと直接データのやりとりをするための処理などを設計・実装していく。
時には、SEOやWebデザインのスキルも求められる。
サーバーの選定やデータベース構築、Webサイトやアプリの入力画面から入力されたデータの処理などを設計・実装していく。
開発だけでなく、納品後の保守についても重要な仕事となる。
職域が異なるため、スキルやこなす仕事内容はかなり変わってはきますが、互いに連携を取って開発を進めていく必要があるので、フロントエンドエンジニアでもバックエンドについてある程度知っておくべきですし、バックエンドエンジニアもフロントエンドについて理解しておくべきです。
年収
Webエンジニアの年収は、大体以下のような形となります。(2022年7月現在)
参考:求人ボックス
正社員なら平均年収約564万円で、派遣社員の平均時給が2,197円、アルバイト・パートの平均時給が997円となっています。
日本の平均年収が約440万円、中央値が約400万円であることから、かなり高い年収となっていることがわかります。
しかも、この数値はあくまで平均や中央値ですので、努力次第では大きく上回ることも可能となっています。
年収を上げるのが難しい今の世の中にあって、Webエンジニアは実力次第で高い年収を達成できる夢のある職種と言えます。
リモートワーク
コロナ渦をきっかけに推奨されるようになったリモートワークという働き方ですが、Web業界ほどリモートワークが浸透している業界は少ないでしょう。
もはやWeb業界では、完全フルリモートという会社の方が当たり前という世界です。
報告・連絡・相談はチャットワークやSlack、コミュニケーションはZOOMやGoogle Meet、といった形で充分成立するため、わざわざ会社へ出勤するという意味があまりありません。
むしろ出勤するための移動時間がロスとなります。
合理的で効率を重視するWeb業界にとって、「出社しない」という働き方はごく自然に受け入れられて当然な形です。
将来性
成長を続けているIT業界ですが、その中でも特にWeb業界は花形です。
現時点でもWebエンジニアは不足している上、今後もIT人材は足りない状態が続くという予測が立てられています。
上記の資料の通り、2030年には少なくとも約16万人、最大で約79万人もの人材不足の状態に陥るという予測データが発表されています。
しかもこれはIT業界全体の予測ですので、難易度の高いWebエンジニアはさらに需要が高まると予想されます。
需要が高いということは、それだけ将来性もあるということが言えるでしょう。
Webエンジニアはつらい?
ネットを見ていると、
「Webエンジニアは仕事がきつい」
「Webエンジニアなんて、つらいだけだからやめとけ」
こういったネガティブな声も多く見かけます。
確かに、まったくの嘘ではありません。
Webエンジニアは、高収入が狙える分人並み以上の努力が求められる職業なので、つらい部分もあるでしょう。
仕事が終わった後や、皆が休んだり遊んだりしている休日を使ってでも、スキルを高めるための勉強に勤しまないといけないこともあります。
しかし、こういった行動には「自分自身の成長」「将来の安定」といった大きなメリットへと繋がります。
従って、以下のようなWebエンジニアの素養を持った人にとっては、「つらい」「きつい」といった感情が湧くことなく、やりがいを持って取り組めるはずです。
- 学ぶことが好き
- 新しいものが好き
- 好奇心が旺盛
- コミュニケーション能力が高い
- 合理的/効率重視
こういった適性に当てはまる方にとっては天職になると思われるので、是非Webエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、Webエンジニアの働き方を中心に、Web系企業の特徴やその歴史、Webエンジニアの実態などについて解説してきました。
働き方としては、他の企業ではあり得ないような自由があるため、実力で勝負したいという人にとっては最高の業界と言えるでしょう。
つらい・きついと言われることが多いWebエンジニアですが、努力・実力次第では高収入も見込めますし、服装や働き方に対しても非常に大らかです。
年功序列重視の企業での勤務が肌に合わない方は、是非目指してみてはいかがでしょうか。
未経験からWeb系エンジニア転職をするための方法を「エンジニア転職ロードマップ」で解説しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 入社後に後悔しないよう、本当に自分が望むようなWeb系企業なのかを正しく見抜く
- Web系企業での働き方は圧倒的に自由
- Webエンジニアはきつい職業ではあるが、その分高年収が狙える上、適性がある人間にとっては天職