「サーバーサイド言語の種類を知りたい」
「サーバーサイド言語のシェアを知りたい」
「サーバーサイド言語の選び方を教えて欲しい」
「初心者が学びやすいサーバーサイド言語を教えて欲しい」
サーバーサイド言語を勉強しはじめたものの、今の言語でいいのか不安に思っている方も多いと思います。
この記事では未経験からWebエンジニアを目指す人向けに、2022年最新のサーバーサイド言語のシェア、選び方とおすすめの言語を紹介します。
未経験者にはRubyがおすすめです。初心者にもわかりやすい文法で、2022年下半期以降もバックエンド求人が増加中です。
プログラミングスクールRUNTEQを運営し、Web系受託開発も行っている現役Webエンジニアが丁寧に解説します。
サーバーサイド言語とは
サーバーサイド言語とはWebアプリケーションにおいて、サーバー側で動作する処理を実装する言語です。サーバーサイド処理を担当するエンジニアを、サーバーサイドエンジニアまたはバックエンドエンジニアと呼びます。
この記事では、サーバーサイド開発で最も使われているPHP、Java、Python、Go、Rubyの5言語について解説します。
バックエンドエンジニアの詳しい解説は、下記の記事をご覧ください。
サーバーサイド言語のシェア【2022年最新】
Googleトレンドでの人気比較
はじめに、サーバーサイド言語の人気・シェアを比較してみましょう。Googleトレンドでの2021年9月~2022年9月の人気動向は以下の通りです。
一番人気はPython(黄)です。2位以降のJava(赤)、PHP(青)、Ruby(紫)、Go(緑)と大きく差を広げています。
Pythonの人気の秘密は、その汎用性の高さにあります。メインのAI・機械学習分野だけでなく、Webアプリケーションの開発でも使用されています。幅広い分野で使用されていることが検索数の多さにつながっています。
上位1,000万Webサイトでのシェア
続いて、世界のWebサイト全体でのサーバーサイド言語のシェアをご紹介します。こちらはWebテクノロジーサーベイズが発表した世界上位 1,000 万の Web サイトでのサーバーサイド言語のシェアです。
PHPが77.4%(774万サイト)とダントツ一位となっています。これはPHPで開発されたWordPress(CMS)の存在が関係しています。WordPressは世界中の全Webサイトの43%(430万サイト)で使用されているため、サーバーサイド言語のシェアにもダイレクトに影響しています。
二位以降はRuby(5.7%)、Java(4.5%)、Python(1.2%)、Go(0.1%)と続いています。
サーバーサイド言語の特徴【学習コスト・年収・求人】
人気の動向の次は、各言語の特徴とWebエンジニア転職で重要な3つのポイントをご紹介します。
- 特徴
- 学びやすさ
- 平均年収(2022年4月最新 HR forecaster調べ)
- 求人数(2022年9月最新 レバテックキャリアより)
PHP
特徴
PHPはカナダ人エンジニア、ラスマス・ラードフ氏が1995年にリリースした言語です。インタプリタ言語で、コンパイルせずに実行できます。Web系の開発に特化しているのが特徴で、HTMLの中に組み込むことができます。
また、前述のWordPressの開発言語としても有名で、Web制作現場で高い需要があります。
学びやすさ
文法が簡単で、初心者が学びやすい言語です。ネット上の情報も多く、参考になる情報が簡単に手に入ります。
平均年収
546万円
求人数
1,645件
Java
特徴
Javaはカナダ人エンジニア、ジェームズ・アーサー・ゴスリン氏を中心に開発され、1996年にリリースされた言語です。コンパイル言語で、処理速度の速さはトップクラスです。様々なOS上で動作させることができ、大規模システムで多く使用されているのが特徴です。
学びやすさ
他の言語と比べると難易度は高めです。文法やルールが多く、オブジェクト指向の概念を理解するのにも少し時間が掛かります。
平均年収
573万円
求人数
2,991件
Python
特徴
オランダ人エンジニア、グイド・ヴァン・ロッサム氏により1991年にリリースされました。インタプリタ言語で、サーバーサイド開発よりもAIやIoT開発で大きな需要があります。
学びやすさ
初心者も学びやすいシンプルなコード記述が特徴です。インデントをそろえないとエラーになるなど可読性を重視しており、誰が書いてもわかりやすいコードになります。
平均年収
590万円
求人数
1,854件
Go
特徴
Google社のロブ・パイク氏、ケン・トンプソン氏らにより開発され、2009年にリリースされた言語です。コンパイル言語であり、Java同様非常に高速で、様々な環境で動作します。並行処理に強いのが特徴で、Webアプリ開発でも人気があります。
学びやすさ
元々、「複雑化してしまったコードをシンプルに」「開発効率を上げる」ことを主眼に開発されたため、初心者にもわかりやすく扱いやすい言語です。
平均年収
627万円
求人数
808件
Ruby
特徴
日本人エンジニアまつもとゆきひろ氏が1995年にリリースしたインタプリタ言語です。Webアプリケーション開発で人気があり、多くのスタートアップ案件で採用されています。フレームワーク「Ruby on Rails」の登場を機に急速に広まりました。
学びやすさ
初心者でも直観的に理解できるシンプルなコードで、書きやすさと読みやすさを兼ね備えています。
平均年収
581万円
求人数
1,086件
サーバーサイド言語の選び方
以上、サーバーサイド言語のシェアと概要を説明しました。ここからは、これからバックエンドエンジニアを目指す人に向けて、「サーバーサイド言語の選び方」を解説します。
「未経験からのWebエンジニア転職」の実績豊富な、現役Webエンジニアおすすめの選び方です。是非参考にしてください。
年収やシェアだけで選ぶのはキケン!
冒頭で触れた通り、PHPのシェアが多い要因はWordPressの存在にあります。求人数も同様で、WordPressカスタマイズを得意とするWeb制作会社のものが多く含まれています。
Web制作とWeb開発の違いについては「Web制作かWeb開発どっちを選ぶべき?」で詳しく解説しています。
また、JavaとPythonは汎用性の高さからWeb系以外の求人が目立ちます。Goは高年収ですが、求人のほとんどは経験者向けで、未経験の求人はかなり少ないのが現状です。
このように、見かけの数字だけで言語を選ぶと後々ミスマッチが起きかねません。バックエンドエンジニアとして働きたい方は注意してください。
バックエンドエンジニアとしてモダンなWeb企業へ就職するためには、以下2つのポイントで言語を選ぶと良いでしょう。
- バックエンド求人の数
- 学びやすさ
選ぶポイント1:バックエンド求人の数
学習の前に、「バックエンド開発の求人の数」をきちんと確認しましょう。前述のとおり、サーバーサイド言語はWeb系バックエンド開発以外でも使用されます。
バックエンド求人かどうかは、言語と職種だけでなく「開発環境」も含めて検索すれば見分けがつきます。
Web系の開発環境は、使用されている「フレームワーク」が判断の目安になります。フレームワークとは開発の「ひな型」で、開発効率を上げるために欠かせないものです。各言語のフレームワークには以下のようなものがあります。
言語名 | フレームワーク |
PHP | Laravel、CakePHP、Symfonyほか |
---|---|
Java | Spring Framework、Play Framework、Apache Wicketほか |
Python | Django、bottle、Flask、Tornadoほか |
Go | Gin、Revel、Echoほか |
Ruby | Ruby on Rails |
まだ自分で判断できない方は、Web系開発に詳しい人に相談しましょう。オンラインスクールなどでは、無料で進路相談会を開催しているところもあります。一人で悩まず、プロに相談すると的確なアドバイスがもらえます。
選ぶポイント2:学びやすさ
未経験・初心者にとって一番大事なのは挫折しないことです。「難しそう」と感じる言語は避け、わかりやすい言語を選択してください。
そして、壁にぶつかったときにサポートが得られることも大事です。ネット上の資料に加え、気軽に質問できる上級者が近くにいると安心です。
また、プログラミング初心者同士がつながれるコミュニティがあると、良い学習法を共有でき、モチベーションも高まります。
初心者におすすめのサーバーサイド言語は『Ruby』
最後に、プログラミングスクールRUNTEQを運営し、Web系受託開発もやっている現役Webエンジニアおすすめのサーバーサイド言語をご紹介します。
未経験・初心者におすすめなのは『Ruby』です。理由は大きく2つです。
- 学びやすさ
- バックエンド求人の多さ
学びやすさ
Rubyの文法はとにかくシンプルです。簡単なコードで様々な機能を実装できます。また、開発のひな型である「Ruby on Rails」を使用して、高機能なWebサービスを簡単・スピーディーに実装できます。
他のサーバーサイド言語ではフレームワークが複数存在しますが、RubyはRailsほぼ一強です。ひとつのフレームワークを習得すれば良いので、学習コストも掛かりません。
以下のようにコミュニティも豊富ですので、様々な情報交換ができます。
バックエンド求人の多さ
Web系バックエンド開発求人で最も多いのは、Rubyとそのフレームワーク「Ruby on Rails」の求人です。
「Rails」は、PHPの人気No.1フレームワーク「Laravel」に比べ約1.6倍の求人があります。
2022年9月最新の求人数(wantedly)
このように、「学びやすさ」「バックエンド求人の数」の2点で、初心者には『Ruby』の学習が最善です。
Railsエンジニアの年収も知りたい方は、「Ruby on RailsとLaravelを比較!」をご覧ください。
まとめ
今回はサーバーサイド言語のシェアと選び方について解説しました。
- サーバーサイド言語5種類について解説
- シェアや年収だけで選ばないように注意しよう
- 未経験・初心者には『Ruby』がおすすめ
Webエンジニア養成プログラミングスクールRUNTEQでは、無料キャリア相談会を開催しています。学習方法や、Webエンジニア転職をする上でのお悩みをお伺いしています。お気軽にご相談ください。