「エンジニアになるには理系が有利って聞くけど本当?」
「文系ではエンジニアになれない?」
大学での学部が理系だったのか文系だったのかよって、エンジニアになれる可能性が変わるのではないかと心配している方が多いようです。
そこでこの記事では、以下のようなことについて詳しく解説していきます。
- エンジニアになるには理系の方が有利なのか
- 文系ではエンジニアになるのはきつい?
- 理系エンジニアと文系エンジニアの年収比較
- 理系・文系、それぞれのエンジニアとしての有利な点
- エンジニアに向いていない人の特徴
文系ではエンジニアになるのが難しいのでは?と気になっている方や、理系のメリットについて知りたい方は、是非最後までご覧ください。
「エンジニアは理系が有利?」「文系だときつい?」に対する結論
まずは結論からお伝えしますと、理系であろうと文系であろうとエンジニアにはなれますし、どちらかが大幅に有利になったり不利になったりすることはありません。
「理系の方がエンジニア向き」と考えている方も一定数いらっしゃるようですが、実はそうでもなく、文系出身のエンジニアも数多く存在します。
会社によっては、割合的に半々だったり、文系出身の方が多かったりというケースもあるくらいです。
そもそも、理系だからといって誰もがプログラミングを経験しているわけではありません。
むしろ、科目としてプログラミングを専攻して学習している理系学生はごく一部であり、ほとんどの理系学生がプログラミング未経験なのです。
理系科目の方が論理的思考が養われやすいという傾向があることから、「やはり理系の方が有利だ」と主張する方もいるかもしれません。
しかし文系であっても、プログラミング学習を進めていく中で自然と論理的思考は身に付きますので、この点も特に問題にはならないでしょう。
繰り返しにはなりますが、エンジニアを目指す場合に理系であろうと文系であろうとこだわる必要は特にありませんので、エンジニアになりたいと思ったのならばできるだけ早く行動に移すべきです。
なお、エンジニアを目指す際に何より大事なのは、「絶対にエンジニアになる」「エンジニアとして働き続けたい」という気持ちや覚悟ですので、この点についてはしっかり意識しておいてください。
通常の理系文系でエンジニアの有利不利はありません。しかし、情報系の学部出身の人の方が就活で有利になるのは否めません。
理系と文系のエンジニアの年収比較
理系でも文系でも、エンジニアになるための差は特に存在しないということはすでにお伝えしましたが、「そうは言っても年収に違いが出てくるのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
そこでこの項目では、理系出身エンジニアと文系出身エンジニアの年収について比較していきます。
そもそも理系と文系ではどちらの年収が高いか
まずはエンジニアに限定せず、「全職種で見た場合に理系と文系ではどちらが年収が高いか」について触れてみます。
理系出身か文系出身かによる年収差については、経済学者でもあり、大阪大学の教授でもある松繁寿和氏の調査結果が大変有名です。
20年ほど前の古い本なのですが、2003年出版の『理系白書 この国を静かに支える人たち』という本の中で、松繁氏の調査結果として、「生涯賃金において、文系の学生の方が理系の学生より約5,000万円高い」という衝撃的な内容が掲載されました。
しかし一方で、2011年には「独立行政法人経済産業研究所」からまったく逆の分析結果が報告されます。
調査の結果、男性の場合、文系出身者の平均値が559.02万円(平均年齢46歳)で、理系出身者は600.99万円(平均年齢46歳)となっており、理系出身者の方が高くなっていることが示された。
要約すると、理系の方が所得の上昇率が大きいため結果的に文系を抜く、という内容です。
どちらの調査や分析も権威あるものですので、どちらが正しいのかという判断は難しいものがありますが、「年収においては、理系出身か文系出身かはあまり関係なく、結局は個人の資質や努力によるところが大きい」というのが真実ではないでしょうか。
理系エンジニアと文系エンジニアの年収差は?
上記は、エンジニアに限らず全職種が対象となった調査結果ですが、「エンジニアの年収に限定するとどうなる?」と気になる方も多いでしょう。
やや古い情報ですが、理系エンジニアと文系エンジニアの年収比較については、リクナビNEXTの調査結果が参考になります。
※単位は「万円」
参照:“理系vs文系”出身学部で比較!ホントの給与格差|【Tech総研】
ご覧の通り、多くの分野で理系の方が高い年収となっています。
ただし、この調査は「文系の方が生涯年収が高い」という見解に対する反証的な意味合いで出されたものであり、必ずもこの通りの結果になるとは限りません。
したがって、エンジニアの年収においても、理系・文系にかからわず本人次第、ということが言えるでしょう。
初任給は理系の方がやや有利
生涯賃金ベースで考えると、理系と文系のどちらが高くなるか決めるのは難しいですが、初任給に関しては、理系学生の方がやや有利になりそうです。
理系出身者の初任給が21.04万円なのに対して、文系出身者は19.98万円。最初は約1万円の差があるものの、理系の昇給金額が1万~3万5000円なのに対して、文系は1万5000~3万5000円とボーダーラインがやや高め。働き始めて3年目にして、理系と文系の給料の足並みがそろうといった感じなのだろう。
とはいえ、上記にもある通り、給料に差が付くのは序盤だけで、3年程度で足並みが揃う、とあります。
そして3年目以降は、個人の実力次第でどう伸びていくかが変わる、といったところでしょう。
エンジニアとして理系・文系が有利な点
理系でも文系でもエンジニアにはなれますし、年収についても特に大きな差はありません。
しかし、エンジニアとして働く際に、理系・文系それぞれ有利な点というのも存在します。
理系の方が有利な点
理系学生の方が、プログラミングに必要となる「論理的思考」が身に付いている可能性が高いと言えます。
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、読んで字のごとく「物事を論理的に考えられる能力」のことです。
例えば何らかの問題が発生した時に、「おそらくこういう原因で問題が発生したと考えられるので、こう対処すれば解決する可能性が高い」といったように論理的に筋道を立てて物事を考えられる力となります。
こういった論理的思考能力は、理系学生の方が身に付けやすい環境にあります。
なぜならば、理系の科目には論理的思考が求められる問題が多いため、それらを解いてきた理系学生の方が自然とロジカルに物事を考える習慣が染みついていることが多いからです。
もちろん、文系の学生であっても、すでに論理的思考が身に付いていたり素養があったりするケースも珍しくありませんが、この点については理系学生の方にアドバンテージがあることの方が多いでしょう。
文系の方が有利な点
エンジニアは、大別すると「システムエンジニア(SE)」と「プログラマー」に分かれます。
開発の上流工程を担当する。
主な仕事は、要件定義・設計・仕様書作成など。
開発の下流工程を担当する。
主な仕事は、コーディング・テスト・デバッグなど。
クライアントとしっかりコミュニケーションを取りながら要件を定義し、開発するシステムの設計を行いつつ、それらをもとにした仕様書を作成するという作業は、文系の方が向いていることが多いとされています。
したがって、システムエンジニアには文系出身の人材も非常に多いです。
【理系・文系共通】エンジニアに向かない人の特徴
これまで紹介してきた通り、理系であろうと文系であろうと、エンジニアを目指すことは可能ですし、どちらかが大幅に有利になるようなこともありません。
しかし、理系・文系関係なく、以下のようなタイプはエンジニアに向かないと言えるでしょう。
- 論理的思考が苦手
- コミュニケーション能力がない
- 勉強が好きではない
- 何事もマニュアル通りにやりたい
- 失敗が嫌い
論理的思考が苦手
プログラミングには、論理的思考能力が必須となります。
実現すべき処理を実装するために、どのようなコーディングをすればよいのか、という目的を達成するためには、物事を論理的に考える力が欠かせません。
通常は、プログラミング学習を進めていく中で自然と育っていく能力ではありますが、中には、「論理的に考える」ということをなかなか理解できない人もいるでしょう。
ある程度の期間に渡って勉強し続けても、課題解決のためのアルゴリズムが全然思い浮かばないという状態が続くようならば、残念ながらあまりエンジニアとしての素養はないかもしれません。
コミュニケーション能力がない
エンジニアは、パソコンの前に座ってプログラミングだけしていればいいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
プログラマーならば、他のメンバーたちと連携を取りながら開発を進めていかなければなりませんし、システムエンジニアならば、クライアントと柔軟なコミュニケーションを取りながらヒアリングする必要があります。
管理職を目指すのならば、メンバーたちをまとめるためにコミュニケーション能力は必須となります。
このように、エンジニアとして働く以上コミュニケーションは欠かせませんので、あまり人と喋りたくない・接したくないという人には向きません。
勉強が好きではない
IT業界は、目まぐるしい勢いで技術の入れ替えが行われます。
その流れについていくために、エンジニアは日々学習していくことが大変重要となります。
したがって勉強が嫌いな場合、エンジニアという仕事が苦痛に思えてしまうかもしれません。
平日の就業後や休日に、自らの意志で学習時間を確保して成長するためには、「今後もエンジニアとしてキャリアップしていきたい」という強い気持ちが必要となるでしょう。
誰しも「休日くらい遊びたい」「仕事終わりはゆっくりしたい」と考えるものですが、そんな状況でも進んで勉強への意欲を持てるようでなければ、エンジニアとして成長し続けるのは難しいです。
何事もマニュアル通りにやりたい
自分で考えることなく、あらかじめ用意されたマニュアル通りの仕事をするのが好き、というタイプの人も、エンジニアには向きません。
エンジニアたるもの、仕事をする際には、常に「もっと効率が良い方法はないのか?」と探求する姿勢が重要です。
定型の仕事を退屈に感じるくらいでなければ、エンジニアとして生き残っていくのは難しいでしょう。
失敗が嫌い
どんな仕事でもそうですが、より良い仕事をするためにはトライ&エラーが付き物です。
もちろんエンジニアの仕事においても、挑戦と失敗は避けて通れません。
「失敗するかもしれないけど、業務効率化のためにこの前習得した新技術を使ってみよう」といったチャレンジ精神が重要なのです。
その結果失敗しようと、それは失敗ではありません。
「この技術をここで用いるべきではなかった」ということを知ることができたのですから、ある意味成功なのです。
このように、失敗を恐れずいろいろなことを試すという行動は、エンジニアにとって大変重要です。
こうした考えがなく、ただ保守的に既存スキルだけに頼っているエンジニアは、先細りしてしまう可能性があるでしょう。
まとめ
以上、理系と文系のどちらがエンジニアとして有利なのかについてや、理系出身・文系出身のエンジニアの年収比較、エンジニアに向かないタイプなどについて解説してきました。
エンジニアの適性は、大学が理系だったのか文系だったのか、ということに左右されることはありません。
本人がどれだけエンジニアになりたいという気持ちを持っているか、どれだけ努力できるか、ということの方が圧倒的に重要ですので、どうしてもエンジニアになりたいと考えている方は、自分が何系なのかなど気にせずに目指してみてください。
- 理系でも文系でも、エンジニアを目指す際に有利・不利はない
- 年収においても、理系であろうと文系であろうと大差はなく、結局は個人の資質や努力によるものが大きい
- 理系・文系関係なく、勉強意欲がなかったりコミュニケーションが苦手だったりする人はエンジニアに向かない
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