公務員は、働き方や収入が安定していることから根強い人気がある職業ですが、
- 長く働いていても市場価値が高まらない
- 副業禁止
- ジェネラリスト志向で仕事が深まらない
などの悩みを抱えている人も少なくありません。
このような悩みから、将来性や需要が高いエンジニア転職を考えている人は大勢いるものです。
しかし、「これまでの職歴からエンジニアに転職できるのか」と不安を感じている人もいることでしょう。
結論から言うと、公務員からでもエンジニア転職は「可能」です。
実際に、弊社プログラミングスクールからも公務員からエンジニア転職に成功された方が複数名います。
この記事では、公務員からエンジニア転職をしようとしている人に向け、メリット・デメリットをはじめ、その方法まで解説をしていきます。
転職を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。
公務員からエンジニア転職は可能?
冒頭で、公務員からエンジニア転職することが可能であることについて触れましたが、「なぜ可能なのか」疑問を感じている人もいることでしょう。
ここでは、そのような疑問を解決すべく、公務員からエンジニア転職が可能である理由について解説をしていきます。
公務員経験はエンジニア転職に不利になる?
エンジニア転職をする際、公務員経験によって必ずしも不利になるとは限りません。
専門的な知識やスキルが必要となるエンジニアという職業ですが、公務員に限らず異業種から転職をする人は非常に多いです。
目指すエンジニアの種類や開発するサービスによっても異なりますが、官公庁をクライアントとしている企業も数多く存在することから、公務員としての経験を活かすことも可能であるといえるでしょう。
公務員はエンジニアに向いていない?
公務員に限らず、エンジニアを目指す人のなかには異業種でIT未経験者である人も大勢います。
エンジニアという職種はIT技術が日々進歩していることから、常に勉強するする必要があります。
公務員経験者は試験を突破して就いていることが多いことから、「勉強をする」という面でエンジニアに向いているといえるでしょう。
公務員からエンジニア転職に年齢制限はある?
30歳以上でもエンジニア転職している人はいますが、その上限は35歳ほどであることが多いのも実情です。
その理由は、年齢とともに以下の3点が転職に影響を与えるからです。
- 新しい技術の吸収力が低下
- 体力が低下
- 年齢的に上流工程の設計やマネジメントが求められる
もちろん40歳以上でもエンジニアとして活躍している人もいますが、月単価が高くなることから若手よりも成果が求められるので、未経験者では転職が厳しくなるのが現実です。
ただ30代だからと引け目に感じる必要はありません。30代でも公務員からエンジニア転職を成功させている方はいらっしゃいます。
私たちが運営しているプログラミングスクールのRUNTEQでも、元公務員で30代からエンジニア転職を成功された方がいらっしゃいます。
- 公務員経歴はエンジニア転職で不利になるわけではない
- 勉強が得意な人は向いている
- エンジニア転職は公務員に限らず、35歳が上限であることが多い
公務員からエンジニア転職するメリット
ここまで、公務員からエンジニア転職することが可能であるとお伝えしてきましたが、公務員からエンジニアに転職することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、公務員からエンジニアへ転職する3つのメリットを解説していきます。
働いて経験を積むと市場価値が高まる
公務員は、働き方や仕事内容が安定している職業であるものの、定常業務が多いことから市場価値が高まりにくいという一面もあります。
一方のエンジニアは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進により、さまざまな分野でIT化が進んでいることから将来性や需要が高い職業です。
またエンジニアのスキルは専門性が高く、1つの企業での経験が他の企業でも評価されます。
実務経験を積むと自身の市場価値を高めることができます。
給料が上がりやすい
公務員の収入は年齢(年数)に応じて上がっていくことが多いですが、エンジニアはスキルや実績など実力が評価される職業です。
そのため、スキル習得によってできる領域を広げたり、成果を出すことで給料アップにつなげやすいのです。
また、働き方が多様化したことで、副業やフリーランス向けのエンジニア案件も増えてきています。
スキルや実務経験があれば、こうした案件を獲得することもできるので、複数の収入源を作ることで安定した基盤を作ることも可能です。
現在、公務員として働いているものの、どれだけ仕事をこなしても給料が上がらないことに不満を感じている人にとっては非常に大きなメリットであるといえるでしょう。
会社に依存しないスキルが身に付く
エンジニアが身に付けるスキルとして、代表的なものは「プログラミング言語」です。
プログラミング言語は世界共通であるため、習得すると会社に依存せずに働くことができる力を身に付けることができます。
公務員からエンジニア転職のデメリット
多くのメリットがあるエンジニア転職ですが、その一方でデメリットも存在します。
ここでは公務員からエンジニア転職することで多くの人が感じるデメリットについて紹介していきます。
転職を検討している人は、必ずチェックするようにしましょう。
常に勉強をし続ける必要がある
先にも触れたように、IT技術は日々進化しており、次々と新しい技術が登場するので、仕事で扱うスキルもそれに合わせてアップデートしていかなければなりません。
そのため、新しい技術をキャッチするアンテナを持ち、常に勉強し続けていく必要があるのです。
仕事をしながら勉強することは決してラクなことではないので、これらを苦に感じる人にとってはデメリットに感じる可能性が高いといえるでしょう。
忙しさに波がある
定常業務が多い公務員とは異なり、エンジニアは時期に関係なく、クライアントの都合や納期の関係から急激に忙しくなことが多々あります。
また、システムに不具合や障害が発生した際には、緊急対応を求められることもあります。
公務員よりも厳密に定時があるわけではありません。
このようにエンジニアは忙しさに波があるので、「毎日同じ時間に帰りたい」「ルーティン業務をしたい」と考えている人は、転職前によく考えることが必要です。
公務員からエンジニア転職をする上での注意点
公務員からエンジニア転職することは可能ですが、未経験者の場合には注意しなければならないことがあります。
ここでは、具体的にどのような注意点があるのか解説をしていきます。
一時的に年収が下がることがある
エンジニアは、スキルや実務経験が評価されやすい職業であるため、これらを身に付けていれば年収を上げやすい職業です。
しかし、言い換えればスキルや実務経験がない未経験者の場合には、現職よりも一時的に収入が下がる可能性があるともいえます。
特に、公務員として働いている年齢が高めの人は、その可能性が高いので注意が必要です。
また、目指すエンジニアの種類によっても平均年収は異なるので、転職前に必ずチェックするようにしましょう。
技術職なので転職前に長期間勉強が必要
エンジニアは技術職であるため、未経験者であっても事前に学習する必要があります。
学習内容は、ITに関する基礎知識はもちろん、業務を遂行するためのスキルの習得が挙げられます。
学習に要する時間は当然人によって異なりますが、1000時間ほどかかると言われているので、転職のタイミングから逆算して計画的に学習を進めておきましょう。
業界で難易度も市場価値も異なる
ひとえにエンジニアといっても、種類や難易度、需要の高さなどから市場価値が異なります。
例えば、Web系は「実際に手を動かすプログラマーの価値が高い」「自社開発が多い」「これから事業拡大するサービス」、SI系は「実際に手を動かすプログラマーの価値は低い」「受託開発が多い」「完成度の高い大規模サービス」などの違いが見られます。
もちろん市場価値がすべてではなく、エンジニアになって「作りたいものがある」「携わりたいサービスがある」などに重きを置くことも大切です。
しかし、これらを理解せずに転職してしまうと後悔することがあるので、事前のチェックを怠らないようにしましょう。以下の記事で業界知識を徹底解説しています。こちらをご確認ください。
公務員からエンジニア転職を成功させるための流れ
公務員からエンジニアに転職することは可能であり、そのメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
しかし「結局なにをしたら良いの?」「どう進めるべき?」と疑問に感じている人もいることでしょう。
ここでは、公務員からエンジニア転職するための流れについて解説していきます。
自身の現状と照らし合わせながら実践していきましょう。
1000時間ほどの学習で最低限の技術力を身につける
前段の注意点でも触れたように、エンジニアになるための事前学習には1000時間ほど要するといわれています。
事前学習の目標は「最低限の技術力」を身につけることであり、具体的には任された業務を一人で一通り進められるレベルを指します。
具体的な内容は以下の内容です。
- 環境構築をドキュメントを見ながらできる
- テキストで適切に質問することができる
- すでにあるコードを読んでバグ修正することができる
この最低限の技術力については、以下の記事で詳細を解説しているので、興味のある人はぜひチェックしてみてください。
面接に添付するポートフォリオの作成
エンジニア転職の際には、履歴書や職務経歴書だけではなく、採用選考の場でポートフォリオを提示する機会も多々あります。
一般的にポートフォリオとは、自身が開発に携わったサービスの集約のことですが、未経験者の転職活動の場合には、個人開発したシステムやサービスそのものを指します。
このポートフォリオを提出するか否かで選考の通過率は大きく異なるので、積極的に作成するようにしましょう。
作成することで、開発に必要な知識やスキルも一連の流れを通して身につけることができるのでおすすめです。
カルチャーフィットした企業に応募する
エンジニア転職をする際には、転職後のキャリアマップやカルチャーフィットを意識して応募することが重要です。
たとえば、未経験歓迎の企業の多くは、実際にプログラミングをする機会が得られず、雑務のような業務を任されることが多々あります。
このような企業に転職してしまうと、その後のキャリアマップを描きにくくなり、年収がいつまで経っても上がらなかったり、やりたい仕事に携われない可能性が高まります。
また、公務員とエンジニアでは働き方が異なる部分が多いことから、こうした文化の違いについても理解を深めておくことが重要です。
こうした事態に陥らないためにも、目指すエンジニアの種類や応募する企業がどのような文化を持っているか入念にチェックをするようにしましょう。
企業選びの詳細については次の記事で解説しているので、興味がある人は確認しておきましょう。
- 未経験歓迎の企業では実務経験が積みにくい可能性が高い
- 公務員とエンジニアの働き方の違いについて理解しておく
- 自身とカルチャーフィットしている企業を選ぶことが重要
おわりに
公務員からエンジニアに転職することは可能であり、これまでの経歴が転職活動で不利に働くことはありません。
しかし、エンジニアは専門性の高い職業であることから、転職前の事前準備が非常に重要でもあり、「未経験歓迎」という甘い言葉に誘われてしまうと、転職後に後悔する可能性があるので注意が必要です。
これからエンジニア転職を目指す人は、この記事で紹介したメリット・デメリットへの理解、実際に目指すための方法を実践していくようにしましょう。
私たちが運営するプログラミングスクールのRUNTEQでは、公務員から未経験でエンジニア転職を成功させた方にインタビューをしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
未経験からWeb系エンジニアへ就職したい人むけにロードマップを作成しました。以下の記事を参考にしてみてください。
公務員は「安定」して働けるところが魅力的ですが、エンジニアは会社に依存しない「多様」かつ「柔軟」な働き方ができるところが魅力的です。