「PHPの特徴やPHPを使ってできることなど知りたいです」
「正直なところPHPの今後の需要や将来性ってあるの?」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
多くのプログラミング言語が登場しているなか、PHPの需要や将来性はどうなるのか気になってしまいますよね。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- PHPの4つの特徴について解説
- PHPは将来性があると言える5つの理由
- PHPの将来が「オワコン」と言われる3つの理由とは?
今回の記事では、Web系の開発会社を運営しつつもWeb系エンジニアへの転職を目指す人に向けてのプログラミングスクールを運営している弊社が、PHPの特徴から将来性まで解説していきます。
この記事を最後まで読めば、PHPの特徴が理解できてオワコンじゃない理由もわかります。
PHPを学習するか検討している方はぜひ最後まで読んでくださいね!
PHPの4つの特徴について解説

PHPの大まかな特徴としてはこちらの表にまとめました。
開発者 | ラスマス・ラードフ |
分類 | 動的型付け、オブジェクト指向 |
フレームワーク | Laravel、CakePHPなど |
誕生 | 1994年 |
こちらの表を見てもらえると分かる通り20年以上も前からある歴史のある言語です。
さらに詳しくPHPの特徴を紹介していきます。
- 文法がわかりやすく未経験でも学びやすい
- 歴史の長い言語なのでエンジニアの数が多い
- HTMLとの親和性が高い
- Web開発からWeb制作まで使える
1.文法がわかりやすく未経験でも学びやすい
PHPは他の言語と比べて比較的習得しやすいと言われています。その理由としては、流行りの言語のような難しい構文などがないからです。
コードの記述法も英語を書くような感覚に近いため、プログラミング初心者でも抵抗が少ないと言われています。
【文字の出力】
<?php
echo 'Hello world!';
?>
【計算】
<?php
echo 1 + 7;
?>
【変数を使う場合】
<?php
$greeting = 'Hello world!';
echo $greeting;
?>
出力の仕方はシンプルで、PHPファイルの中に「<?php 〜 ?>」を書いて、その中に命令の文章を書く形になります。
このように、文法がシンプルなためPHPは初心者の方でも理解しやすいでしょう。
2.歴史の長い言語なのでエンジニアの数が多い
PHPは20年以上前からある歴史の長い言語のため、エンジニアの数も非常に多いです。そのためPHPに関する情報も多く学びやすいでしょう。
- 独学でつまづいても検索すれば解決する可能性が高い
- 歴史が長いのでPHPの学習教材も豊富に存在する
- PHPができるエンジニアが多く質問しやすい
このようにPHPの情報が多いメリットもたくさんあります。歴史の長くエンジニアが多いからこその特徴の1つです。
3.HTMLとの親和性が高い
PHPはマークアップ言語のHTMLと親和性が高いと言われています。その理由としては、PHPファイルに直接HTMLを書くことができるからです。
- プログラムであるPHPの部分を記載できる
- ブラウザに出力できるHTMLの部分を記載できる
このように、1つのPHPファイルにプログラム部分とブラウザ出力部分を埋め込めるため、HTMLとPHPを直感的に組み合わせることも可能になります。
HTMLと親和性が高いことで、動的なWebサイトのページ構築もできるでしょう。
4.Web系で主に使われている
PHPはWebアプリの開発に特化したプログラミング言語です。
2022年1月地点でWebサイトの77%にはPHPが使われていると言われるほどの言語です。(出典:W3Techs)
ですので、Web開発からWeb制作まで幅広く使えます。たとえば以下のような機能を実装することができます。
- SNSサイト制作
- ECサイト制作
- WordPressなどのブログ制作
- 予約システムの構築
- お問い合わせフォームの実装
- 検索機能やデータベースとの連携
Web制作でいえば、個人サイトや企業ブログに使用されているWordPressも、PHPを使えば外観の変更や新着記事の投稿ができます。
またWeb系の開発では、FacebookのようなSNSのアプリやWikipediaのような読者が投稿できる大手メディアにもPHPが使われています。
このように、PHPはWeb制作・Web開発どちらも対応できる言語になっています。
Web制作やWeb開発についての詳しい解説や必要なスキルなどは、こちらの記事でも紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
PHPの将来が「オワコン」と言われる3つの理由とは?

PHPがオワコンと言われるのは、ほかの言語と比べて相対的に比べたときに言われることが多いです。その理由として以下の3つが挙げられます。
- 処理速度が遅い
- 他の言語に代用できる
- Web系スタートアップ企業ではRubyやGoが主流
順番に1つずつ解説していきますね。
1.処理速度が遅い
PHPはインタープリタ型言語のため処理速度が遅いと言われています。人が書いたプログラムをパソコンが理解するために変換する作業のことをコンパイルと言います。
- コンパイラ型言語:実行前にコンパイルを完了するので速い
- インタープリタ型言語:実行時にコンパイルを行うので遅い
コンパイラ型と比べると、インタープリタ型はプログラムを実行するときに「変換→実行」の作業があります。PHPはインタープリタ型言語のため処理速度が遅いと言われています。
ただし最近のPHP7系は処理速度が上がったと言われています。
2.他の言語に代用できる
PHPは多くのプログラミング言語の登場により代用できてしまいます。その点から相対的に価値が下がりオワコンじゃないかと言われているのです。
- Ruby
- Python
- Java
- Go
PHP以外にもWeb系の開発に使える言語は多数あります。
しかし、さきほども紹介したようにPHPで作成されたサービスはたくさんあるため、保守案件などの需要も高いです。あくまでも、相対的に見えてPHPの利用率が下がっただけで、いまだに需要は高いと言えるでしょう。
3.Web系モダンな技術を扱う企業ではRubyやGoが採用されている
PHPはWeb系企業で広く使われています。
しかし、モダンな技術を扱うWeb系企業ではRubyとそのフレームワークのRuby on RailsやGoが使われることが多いです。
最近では以下の点からPHPも改善されています。
- PHPのバージョン7が登場して処理速度が大幅に上昇
- PHPのフレームワーク「Laravel」の登場
これらの機能により、PHPのパフォーマンスが向上して使い勝手もよくなったのです。とくに「Laravel」は開発できるシステムやアプリの幅が広いです。そのため、PHPを扱う会社がLaravelを通して効率的に開発を進められたりと非常に重宝されています。
PHPは将来性がある5つの理由

PHPの将来性について不安に思う声がありますが、まだまだ需要が高く将来性のある言語です。その理由としては以下の通りです。
- 他の言語に対して応用が効く
- WordPressに採用されている
- サーバーサイドシェアの大多数を占めている
- 求人数が多い
- PHPのシステム保守案件がある
PHPで求人数が多い理由としては、のちほど紹介する他の理由とも関連性があります。1つずつ順番に解説していきますね。
1.他の言語に対して応用が効く
PHPは他の言語に対して応用が効くため将来性があるといえます。なぜなら、PHPは横展開しやすい言語だからです。
たとえば、PHPで学んだ変数の定義や出力方法などの知識は別言語バージョンでも考えることもできます。
- Pythonの場合だとどうやってやるか?
- Rubyの場合だとどうやってやるか?
1つの言語の基本を身につけてしまえば、別言語の取得もしやすいです。PHPを学んでおけば、いざという時に他の言語の習得にも役立つでしょう。
2.WordPressに採用されている
PHPはWordPressに使われている言語として知られています。WordPressとは、個人のブログやオフィシャルサイトなどを作るソフトのようなものです。(Contents Management System:CMS)
本サイトもWordpressで構築しています。
なんと世界のWebサイトの40%はWordPressを通して作られているとも言われています。そのため、PHPを取得していればWordPress関連の案件に対応することができるでしょう。
3.サーバーサイドシェアの大多数を占めている
PHPはサーバーサイドのプログラミング言語として80%ものシェアがあります。サーバーサイド言語は一言で表すとサーバー内部で動く言語のこと。
世界で動いているWebサイトの大多数がPHPで動いているので、圧倒的なシェア率に勝てる言語はありません。
このシェア率があるからこそ、PHPで作られた既存サービスの保守・運用案件にもつながります。
注目されるプログラミング言語が現れても、高いシェア率を維持し続けるのはPHPだけでしょう。
4.求人数が多い
2021年のPHPの求人件数は、開発言語別で1位を取るほど求人数が多いです。実際に求人数はかなり増えて43,070件となっています。(引用:PHP技術者認定機構)なぜなら、PHPはWeb開発に特化した言語でありサーバーサイドの需要が非常に高いからです。
そのほかにもPHPの求人内容は幅広くさまざまな案件があります。
- Webアプリ開発
- システムの保守案件
- ECサイトの開発
- 自社Webサイト開発
- ホームぺージ制作
5.PHPのシステム保守案件がある
PHPで作成された数多くのシステムがあるため、保守案件の需要が見込めるでしょう。すでにPHPで作られたものは、そのままPHPを使って管理することが多いです。
そのため、PHPで実装されたシステムがなくならない限り求人も無くならないでしょう。
実際に一部の企業は乗り換えることもありますが、以下のようなリスクもあります。
- 多くの時間やお金が必要になる
- トラブルやエラーが起きる
メリットばかりではないため全ての企業が乗り換えるわけではありません。そのため、PHPのまま長く使い続ける企業の保守案件の需要は今後もあるでしょう。
PHPが使われている有名サービス10選

PHPを使って開発されたサービスを一挙紹介していきます。
国内・国外問わずに誰しもが利用したことのあるサービスもあるでしょう。
- Wikipedia
- Slack
- Hootsuite
- Yahoo!
- ぐるなび
- CAMPFIRE
- ココナラ
- WordPress
- SAGOJO
そうなんです。世界最大級のSNS「Facebook」も最初はPHPで開発されていました。いまでは、PHPを改良したHackという言語を使っています。
- ログイン機能
- ユーザーの登録や更新
- チャットなどのメッセージのやり取り
SNSアプリには必須と言われる機能はPHPの得意分野となっています。
その他にも、アメリカに本社を置く「Yahoo!」は誰しもが知る検索エンジンでしょう。昔はPHP開発者の「ラスマス・ラードフ氏」もエンジニアとして勤務していた話は有名です。ラードフ氏を筆頭にPHP開発者が多数在籍しているとも言われています。
またグルメ情報検索サイト「ぐるなび」ではPHPのフレームワーク「Laravel」を利用したり、日本最大級のクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」はPHPのフレームワーク「CakePHP」で作成されています。
このように、みなさんが知っている有名なサービスのいくつかはPHPから作られているのです。おわりに
今回の記事では、PHPの今後の需要や将来性ついて解説しました。
- PHPは有名なWebサイトの開発に使われており初心者でも習得しやすい
- Web制作からWeb開発まで幅広く対応できる言語である
- PHPが「オワコン」と言われる理由は相対的なもので需要は高いまま
20年以上前に開発されたPHPですが、今では便利なフレームワークやバージョンアップによって、より使いやすいプログラミング言語になりました。
これから初心者でPHPを学ぶべきか、それとも他の言語を学ぶべきか迷っている方がいましたら、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。