「Webエンジニアを目指したいけど、将来性について不安視するような意見も多いから迷う・・・」
未経験の状態からWebエンジニアに興味を持ったものの、ネット上で「Webエンジニア やめとけ」「Webエンジニア きつい」などのキーワードを見て、尻込みしてしまっている方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、本当にWebエンジニアには将来性がないのか、どんなWebエンジニアの市場価値が高いのかなどについて解説していきます。
これからWebエンジニアを目指したいと考えている方は、是非参考にしてください。
Webエンジニアには将来性がないと言われる理由
「Webエンジニアに将来性なんてない」
「今更Webエンジニアになるのはやめとけ」
Web上では、こんな意見が散見されます。
では、なぜこのような意見があるのでしょうか?
それは、以下のような理由が考えられます。
AIやIoTの発達
AIやIoT関連の技術が進歩していくことによって、将来的にWebエンジニアも必要なくなるのではないか、と心配している方も一定数いらっしゃるようです。
しかし、その心配は不要です。
なぜならば、AIやIoTはエンジニアがいないと機能しないからです。
まず、AIやIoTについての説明をさせていただきます。
■AI
「人工知能」のこと。
人間の知能のような学習能力を持ったコンピューターのことを指す。
■IoT
「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」の意味。
スマートフォンなどの電子機器や、家電や自動車などの「モノ」をインターネットに接続する技術のこと。
このシステムを人間の身体で例えると、AIは人工知能なので「脳」の部分。
そして、IoTは脳の信号を受け取るための役割を担うので「目や口」など身体の一部とイメージしていただくとわかりやすいと思います。
「脳」や「目や口」などが単体で存在しても、それぞれを繋ぐ神経がないと、人間として完全に機能することは難しくなります。
システムの場合も同じで、それぞれが単体で存在しても役に立たず、AIやIoTを繋ぐ技術を持った人間がいなければ機能しません。
従って、AIやIoTをシステムに組み込めるエンジニアの存在は今後も必要不可欠となる可能性が非常に高いと考えられます。
スキルの流行や入れ替わりが激しい
Webの世界は、スキルの流行や入れ替わりが異常なほどに早いです。
下手すると、1年前に通用した技術がもはや「古い」と言われてしまうケースもあるくらいなのです。
例えば、Webサイトやアプリの画面系を担当するWebエンジニアである「フロントエンドエンジニア」の場合、次々に流行が入れ替わるデザインや機能に対応していく必要があるため、扱う言語やフレームワークもどんどん新しくなっていきます。
当然、そういった流れに対応するために新しい言語の習得やフレームワークの勉強を日々行っていかなければなりません。
また、言語やフレームワークを入れ替えたことによる互換性維持にも多大な労力を要します。
こうした技術の入れ替わりは今後もハイスピードで進んでいく可能性が高く、「そんなスピードについていけるのは一部のWebエンジニアだけだから将来性などない、やめとけ」といった意見があるようです。
しかしこれは、自分を高めるための勉強がもともと好きではなかったり、Webの世界にもあまり興味がないという人が、なんとなくWebエンジニアになってしまった時の話です。
Webエンジニアを目指す人は、好奇心が旺盛であり、勉強して新たなスキルを習得できることを楽しいと感じるような人が多いです。
- 「斬新なアプリをどんどん世の中に送り出したい!」というような志がある
- 次々に出てくる最新技術を習得することに喜びを感じる
こういったタイプの人は、Webエンジニアとしての素養を充分に持ち合わせていますので、将来性は非常に高いでしょう。
ただコーディングできるだけのエンジニアは大勢いる
Webエンジニアには、以下のような能力が求められます。
- 他のエンジニアと円滑なコミュニケーションを図れる
- 他のエンジニアの職域も把握している
- いろいろなスキルを持ち合わせている
こういった能力を兼ね備えた「需要の高いWebエンジニア」というのは、かなり人材が不足している状態です。
逆に、仕様書に沿ってのコーディングだけならできるというWebエンジニアはどんどん増えており、安い単価での仕事の奪い合いが起こっています。
もう少し詳しく解説していきます。
まず、Webエンジニアは「フロントエンドエンジニア」・「バックエンドエンジニア」・「Webデザイナー」の3種類に大別されます。
それぞれのエンジニアが協力することで、アプリやWebサイトを開発することができるのです。
従って、他のエンジニアとしっかりコミュニケーションを図れるかどうかは非常に重要な能力です。
一人黙々と作業しているだけでは、他のエンジニアとの連携が取れず、効率的な開発を行うことができません。
また、円滑なコミュニケーションをとるためには、他のエンジニアがどういう仕事をしているのかをしっかり把握しておく必要もあります。
加えて、スキルの広さも重要になってきます。
例えばフロントエンドエンジニアの場合は画面系を作るのが主な仕事ですが、それがWebサイトならば、SEOの知識やサイトのデザイン力もあった方がさらにクオリティの高い仕事ができます。
「Webエンジニアは慢性的な人材不足の状態」と言われるのは、こうしたスキルをしっかり持ち合わせているようなエンジニアが足りない、という意味であり、ただ仕様書に沿ってコーディングだけをするWebエンジニアならばむしろ余っているのです。
仕様書通りにコーディングだけを行う低スキルのエンジニアの場合、代わりはいくらでもいます。
クラウドソーシングにて安い単価で仕事を引き受けるエンジニアも多い状態であり、こうしたWebエンジニアの場合には、あまり将来性はないでしょう。
生き残るためには、スキルを高めていき、できる仕事を増やしていく必要があります。
WebエンジニアよりAIエンジニアの方が良い?
AIによってWebエンジニアが駆逐される可能性は低い、ということはすでにお伝えしましたが、それでもAIの需要が今後も高まっていくことは事実です。
となると、WebエンジニアよりもAIエンジニアを目指す方がよいのではないかと考える方も多いでしょう。
そこでこの項目では、AIエンジニアの実態について解説していきます。
AIエンジニアの需要は拡大している
AIエンジニアの需要は、今後もますます増加していく傾向があります。
日本国内だけではなく、世界的にもAI開発を始める企業が増えているからです。
AIによって、以下のような作業が簡略化されるのがメリットとなります。
- 家電製品がAIとつながる
- ニュースを自動で読み上げるAIが開発される
- 自動運転技術などの発展
- 人工知能搭載のヒト型ロボット
- スマートフォンの音声認識
共通点としては、人間がすべき業務をシステムが遂行してくれる点です。
手間が減り効率化が進むなら、導入したいと考える企業が多く出てくるのは当然の流れでしょう。
AI市場が拡大し続けている状況で、エンジニアの供給が追いついてないため、AIエンジニアの需要はますます上がっていくと予想されています。
AIエンジニアを目指すには高い専門性や学歴が必要
AIエンジニアになる人の大半は、情報科学を履修した修士や修士号取得者です。
なぜなら、企業側も即戦力としてAI技術を使える人材を欲しているからです。
AIエンジニアを目指すには、具体的には以下のような条件を満たさなければなりません。
- データサイエンスや人工知能などの学問を収める
- 大学で情報科学を履修し修士号取得者が中心
- 機械学習やアルゴリズムの知識
- データベースの運用知識
- 確率・統計学・微積分などの数学的な知識
AIエンジニアになるには、AIの高度な専門性が必要になってきます。
またAIエンジニアは、情報科学系の大学卒業という肩書の人が多いので、学歴も必要になるでしょう。
AI技術は、実用化しているものや実用化に向けて研究が進められているものが多いため、スピード感を意識して即戦力で使える人材が必要になっているのです。
こちらの情報に関して、詳しくは以下の記事で解説しています。
従って、AIエンジニアになりたいからといって、誰もが簡単に目指せるわけではないのです。
Webエンジニアの需要は今後も伸びる可能性大
- AIに取って代わられるのではないか
- Webエンジニアの数が増えているので仕事にあぶれるのではないか
こういった不安から、Webエンジニアの将来性についてネガティブな考えを持つ人がいますが、Webエンジニアの需要は今後も伸びていく可能性が高いと考えて問題ありません。
こちらは経済産業省が公表しているデータですが、2030年に不足するIT人材の人数として、低く見積もっても約16万人、高く見積もった場合は約79万人も不足するという結果となっています。
この中には当然Webエンジニアも含まれます。
特にIT業界の中でも、Web業界は今も急成長を遂げているため、人材不足は顕著になることでしょう。
さらにWebエンジニアの良いところは、未経験からでも目指せるという点です。
前述のAIエンジニアは、一定以上の学歴や高度な専門知識を持っていなければ、目指すことが難しいです。
しかしWebエンジニアの場合は、努力次第で完全な未経験の状態からでも目指すことが可能です。
実際に弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ」でも、未経験から学び始めた多くの人たちをエンジニアとして送り出しました。
今後の将来性に高い期待が持てるWebエンジニアは、経験者はもちろん、未経験者にとってもおすすめできる職種です。
Webエンジニアが市場価値を高める方法
今後も需要が伸びていく可能性の高いWebエンジニアですが、先ほどもお伝えした通り、コーディングしかできないWebエンジニアに将来性はありません。
生き残るためには、以下のような方法で自分の市場価値を高めていく必要があります。
他のエンジニアの職域も理解する
例えばバックエンドエンジニアの場合、必要なスキルはサーバーサイドメインとなりますが、画面系を担当するフロントエンドエンジニアとの連携が不可欠なため、フロントエンド周りについても理解しておくと開発がスムーズに進みます。
このように、Web開発に絡む他のエンジニアの職域についても学んでおくことで、「ただ自分が担当する部分をこなすだけでなく、開発全体に関与できる貴重な人材」と認識される可能性が高くなります。
他のWebエンジニアとの差別化を図るためにも、Web開発に関するスキルについてはできるだけ多く身に付けておきましょう。
フルスタックエンジニアを目指す
フルスタックエンジニアとは、明確な定義があるわけではなく解釈は分かれるものの、概ね「開発フェーズにおいてなんでもこなせるエンジニア」のことです。
職種ではなく、要はマルチにいろいろなスキルを持っているエンジニアのことを指します。
極端に言えば、開発工程のすべてをこなせるフルスタックエンジニアがいれば、最初から最後まで一人でプロジェクトを完遂できてしまうわけです。
そこまでとは言わなくとも、本来の職域に加え、インフラ周りのスキルも持ち合わせていれば、ネットワークエンジニアに頼ることなく問題を解決することができます。
コストカットと開発効率アップの両方を実現できるため、会社からはかなり重宝されることになります。
マネジメントを学ぶ
若い頃ならばよいですが、年齢を重ねるたびに一開発要員として存在し続けるのは難しくなってしまいます。
開発力を持った若い人材はどんどん入ってくるため、そういった人材に取って代わられてしまうのです。
フルスタックエンジニアのように卓越した開発力やスキルを持っていれば別ですが、そうでない場合は次のキャリアを目指すべきでしょう。
そうなりますと、やはりマネジメントを学ぶ必要が出てきます。
実際にコーディングすることはほとんどなく、開発チームのメンバーを統括してプロジェクト全体を管理するという能力です。
現場での開発にこだわる人ほどマネジメントを避ける傾向にありますが、エンジニアとしての市場価値を高めるためにはマネジメント力というのは非常に有効ですので、将来を考えるならば是非とも身に付けておくべきスキルと言えます。
エンジニアがマネジメント力を身に付けるには、以下のような部分を意識するのがよいでしょう。
- メンバーとの円滑なコミュニケーションスキル
- マネジメントを意識してプロジェクト全体を俯瞰する
- 問題を迅速に解決する問題解決能力
- 他の職域のエンジニアとも多く絡む
こうしたことを意識することで、マネジメント力も養われていくことでしょう。
あとは、実際にプロジェクトマネージャーの動きを観察するというのも有効な方法です。
まとめ
以上、Webエンジニアの将来性についての考察記事でした。
結論としましては、ただ仕様書に沿ってコーディングするだけのWebエンジニアならば将来的に厳しくなってしまうでしょうが、コミュニケーション力や他のエンジニアとの連携が図れるようなWebエンジニアならば今後も高い需要があるでしょう。
さらに、マネジメント力を身に付けてプロジェクトマネージャーへとキャリアアップできるようならば、今後のIT人材の不足を考慮すると、多くの企業から必要とされる可能性が非常に高いです。
- 基本的にはWebエンジニアの将来性は明るい
- ただコーディングだけしているWebエンジニアは、他の強みも身に付けるべき
- マネジメント力を学ぶなど、エンジニアとしての市場価値を日々高めることが重要
なお、未経験からWeb系エンジニア転職のためのロードマップを作成しましたので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
弊社ではWeb系開発会社を運営しつつ、現役のエンジニアが講師を務めるプログラミングスクール「RUNTEQ」を運営しております。
- 現場で採用されるための最低レベルである1,000時間のカリキュラム
- 就職時に必要なポートフォリオのサポート
- RUNTEQコミュニティでの交流
Web系スタートアップ企業へのエンジニア転職をゴールとしているため、Webエンジニアに興味を持った方は、ぜひ無料のキャリア相談会へ足を運んでください。