「受託開発企業と自社開発企業の違いって何だろう?」
「自分にとってマッチした企業はどうやって選べばいいですか?」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
「就職するなら自社開発企業に勤めるべき」と言った意見が多かったり、反対に受託開発企業の情報も多かったりと、どちらを選べばいいか悩んでいる人も多いでしょう。
そこで今回は、下記の内容を解説していきます。
- 自社開発企業と受託開発企業の違いについて
- 自社開発企業と受託開発企業のメリットデメリット
- 自社開発か受託開発かよりも重要なこと
本記事を書いている株式会社スタートアップテクノロジーは、元々Web系の受託開発企業として設立され、その後自社サービスのRUNTEQでサービスの自社開発をしています。
2つの事業を運営している知見から、受託開発企業と自社開発企業のメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読めば、自社開発企業と受託開発企業のどちらを選べばいいか具体的にイメージできるようになるでしょう。
ぜひ本記事を最後まで読み進めてみてくださいね。動画バージョンでも解説しております。
自社開発企業と受託開発企業の違いについて
まずは自社開発と受託開発の違いについて把握しておきましょう。ざっくり分けると以下のようになります。
- 自社開発:自社でサービスを開発している企業
- 受託開発:クライアントの企業に成果物を納品する企業
自社開発企業はそれぞれのジャンルに分かれていますが、多くの人が名前を知っている大手企業も多いです。具体的には以下のような企業になります。
- Yahoo!
- メルカリ
- サイバーエージェント
- LINE
- 楽天
これらの企業は、自社で運用するオリジナルのサービスを持っています。
反対に受託開発企業は、クライアントから受注したシステムの開発案件に携わる会社になります。そのため、納期と金額を決めてその日までに納品する契約で開発を行います。
自社で完結するサービスを運用しているのが自社開発企業で、外部から依頼されたサービスを開発して納品するのが受託開発と覚えておきましょう。
大まかな違いを理解したうえで、続いては自社開発と受託開発のメリット・デメリットについて詳しく解説していこうと思います。
自社開発企業のメリット
自社開発企業のメリットは以下の通りになります。
- 積極的に動くことでサービスをよくできる
- 開発以外にもサービスをよくするマーケティング視点が身に付く
- 納期がゆるく設定されている
1つずつ順番に解説していきます。
積極的に動くことでサービスをよくできる
自社開発では長期的に自社サービスの運用に携わるのが基本的な形になります。そのため、自社サービスをよりよいものにするための総合的なスキルが身に付きます。たとえば、自社サービスに携わることで以下のようなメリットもあります。
- 自社開発ならではの技術が身に付く
- 自社のプロダクトに熱量があるほどやりがいも増える
- 1つの言語に絞って深く学べる
1つのプロダクトに集中して取り組むため、自社サービスに対しての知識や技術が高まり総合的なスキルが身に付きます。
開発以外にもサービスをよくするマーケティング視点が身に付く
自社開発企業ではプログラミング以外にもマーケティング能力が身に付きます。受託開発と比べると、自社のプロダクトをよくするために考えることが多いからです。
- サービスをよりよくする方法を考える
- サービスが使われる理由を考える
自社サービス1本で価値を提供するため、つねにユーザー目線で考え続ける必要があります。そうするには、サービスをより使ってもらうためのマーケティングを考える必要も出てくるでしょう。
エンジニア以外の業務が増えて大変ですが、自社開発企業だからこそのメリットとも言えます。プログラミングだけでなくマーケティングの知識もつけたい方には自社開発企業が向いているでしょう。
開発内容が決まっていてキャリアをコントロールしやすい
自社開発企業では、扱う技術や開発の内容が決まっています。
キャリアを形成する上で、どのような開発経験を積みたいかを自分でコントロールすることができます。
- 未経験からはRuby on Railsでサーバーサイドエンジニアとしての経験を積みたい
- その後社内で出世してフロントエンドをReactで経験してみたい
自社開発企業の場合扱う技術があらかじめ決まっていて大きく逸れません。
自社開発企業のデメリット
つづいて自社開発企業のデメリットは以下の通りになります。
- プログラミング以外の業務をすることもある
- サービス志向が求められる
- 扱える言語の幅が狭い
1つずつ順番に解説していきます。
プログラミング以外の業務をすることもある
自社開発企業の場合は、プログラミング以外の業務を担当する可能性もあります。ベンチャー企業などでは役割分担がされていないケースもあり、全ての仕事を1人でやる必要が出てくるケースもあるでしょう。
具体的には以下のようなことを担当します。
- プログラミング
- 他部門とのコミュニケーション
- マーケティングなど
あらゆることを任せられるケースもあるため、Webエンジニアの仕事だけに集中したい方には辛く感じてしまうかもしれません。
Webエンジニアの仕事をしながら、幅広い業務に対して積極的に取り組める姿勢を持ち、他部門と積極的に関われるタイプが向いています。
開発業務だけに集中したい職人タイプの方はこの点を踏まえて考えてみましょう。
サービス志向が求められる
自社開発企業ではサービス全体のことを考える「サービス志向」といった考え方が求められます。
自社開発企業のエンジニアには必要なスキルと言われており、担当領域に限らずさまざまなことを考える必要が出てくるでしょう。
- ソフトの実装だけでなくユーザーの使いやすさまで考える
- 経営者目線を持って事業に取り組む
たとえばエンジニアの場合であれば、ソフトの設計や実装だけでなく、ユーザーがどう使うかまでを考える姿勢を持たないといけません。自社開発企業のエンジニアはプログラムを書くだけではありません。
自分が書いたプログラムにより、サービス全体の価値が上がるのかを常に考える姿勢を持ちましょう。
扱える言語の幅が狭い
自社開発企業では自社のサービスのみを開発するため、開発方法や扱う言語などは限られてきます。そのため、扱える言語の幅が狭くなってしまうこともあります。
- 自社サービスがRubyで開発されていたらRubyのみで書く
- 自社サービスがPythonで開発されていたらPythonのみで書く
企業により開発言語は変わりますが、上記のように決まっている場合はその言語を書き続けることになるでしょう。1つの言語を深く使いこなせる反面、その他に扱える言語の幅は狭くなってしまいます。
さまざまな言語を習得したいと考えている人には、自社開発企業の方針にはマッチしないかもしれません。
受託開発企業のメリット
受託開発企業のメリットは以下の通りになります。
- さまざまな案件に携わり経験を積める
- フリーランスに求められる力が身に付く
1つずつ解説していきますね。
さまざまな案件に携わり経験を積める
受託開発企業はクライアント企業が求める成果物を納品します。クライアントごとに案件の内容も変わるため、システム開発の経験を多く身につけられるでしょう。例えば以下の2点です。
- 会社ごとのシステム開発の手法を学べる
- さまざまなサービスの開発経験を積める
- さまざまな技術に触れる機会がある
- エンジニアとして総合力が身に付く
関わる企業の数だけ案件の種類も豊富になるため、Webエンジニアに必要な知識も自然と吸収できるでしょう。多くの案件に触れるほどクライアント企業ごとの開発方法を知れてスキルアップにもつながります。
たくさんのプログラミング言語に触れたい方や、エンジニアとして総合的な能力を上げたい方には受託開発企業がおすすめです。
フリーランスに求められる力が身に付く
受託開発企業で働く際には見積もりや折衝などの仕事もあるため、フリーランスとして独立したい人には必要な力が身に付くと言えるでしょう。
- クライアントに対して金額の見積もり
- クライアントの要望への調整や対処
上記の仕事は、見積りの仕方を間違えればエンジニアの負担が増えてしまいます。クライアントの要望を見定め、断るときに断らないと納期に間に合わずトラブルになる可能性もあるでしょう。
大変な仕事に感じますが将来的に独立したい方であれば、自ずとやらなければいけません。そのため、受託開発企業で働けば業務を通じて独立後の仕事のイメージが掴めるでしょう。
将来的にフリーランスや独立を目指している方には、受託開発の業務は活かせます。
受託開発企業のデメリット
受託開発企業のデメリットは以下の通りになります。
- 納期がタイトであることも多い
- 顧客のやり方に縛られる
1つずつ順番に解説していきます。
納期がタイトであることも多い
受託開発企業で働く際に大切になるのが、クライアント企業の納期を厳守することです。
受注したシステムをその日に間に合わせるために、徹夜で作業をするケースもまれにあります。そのため、納期に追われやすくスケジュールの管理が難しくなることがあるでしょう。
- 納期の厳守
- 作業の遅延やトラブルへの対応
- クライアントの要望や重大なバグへの対処
納期に間に合わせるためにスケジュールの余裕を持っていても、上記のようなケースがあればギリギリになるケースも出てくるでしょう。納期に追われる可能性が高いのが受託開発企業のデメリットの1つです。
顧客のやり方に縛られる
受託開発企業はクライアント企業から仕事を受注します。そのため、顧客のやり方だけに縛られて「やりづらい」と感じることもあるでしょう。たとえば以下の2点は受託開発企業ではよくあることでしょう。
- クライアントの状況で予定を決められる
- 実現が困難なスケジュールを立てられる
クライアント企業が中心になりスケジュールが決まるので、突然の予定変更などでストレスがかかる場合もあるでしょう。
また受託開発企業が契約しているクライアントとの契約が厳しくなれば会社の売上が落ちたり、受注数が増えれば多忙になったりと状況の変化も大きいです。
基本的にクライアントのペースが優先になるため、どこか不自由さを感じることはデメリットの1つになります。
自社開発か受託開発かよりも重要なこと
ここまで自社開発と受託開発のメリット・デメリットについて解説しました。そのなかでも1番重要なことは、何を大事にしてどのような開発経験を積みたいかを明確にすることでしょう。
なぜなら、二者択一で考えてもはっきりとした適性がわからないからです。そのため、現状や目標に応じてどちらを選ぶべきかを考えることが大事になります。
- 未経験なので多くの企業で経験を積める受託開発企業を目指す
- 技術力がある程度ついているから自社開発企業を目指す
- サービスに携わりたいから未経験からでも自社開発企業を目指す
- さまざまな言語を習得したりフリーランスを目指したいから受託開発企業を目指す
- 1つのサービスに絞ってオールラウンドに活躍したいから自社開発を目指す
- マーケティングにも携わってみたいので自社開発企業を目指す
自社開発企業でも受託開発企業もどちらがいいかとは一概には言えません。なぜなら、上記のように自分の目標に合わせた答えがそれぞれ異なるからです。
ある人にとっては自社開発企業が正解になっても、ある人にとっては受託開発企業がベストな可能性もあるでしょう。
入社後にミスマッチが起きないよう、自社開発か受託開発かを決める前に、どのような開発経験を積みたいかをハッキリさせておきましょう。
おわりに
今回の記事では、自社開発企業か受託開発企業を比べて、どちらで働くべきかのメリット・デメリットを解説しました。
- サービス中心の考え方を持ち能動的に業務に携わりたい人は自社開発
- 開発経験を積みたい人や独立志向があるなら受託開発
- 何を大事にしてどのような開発経験を積みたいかを考えよう
誰しも「自社開発企業は成長できて魅力的だから行きたい」「受託開発企業は納期に追われるから大変そう」といったイメージで考えてしまいがちです。
しかし、自分がなりたいWebエンジニアのキャリアを描いたときに1番の近道はそれぞれ違うでしょう。
そのため、二者択一で考えすぎずに将来的なゴールから逆算することが大事です。この記事を読んで少しでも自社開発企業と受託開発企業への理解が深まれば嬉しいです。
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