エンジニアへの転職を目指す人の中には、次のように思っている人もいるかと思います。
- 未経験からエンジニアになりたい!
- けど、IT系の企業ってたくさんあるよなあ…
- どうやって選んだらいいんだろう?
今や相当な数のIT企業が存在します。だからこそ、エンジニアへの転職を目指す際、選ぶ基準やポイントが分からない、という人は少なくないでしょう。
この記事では、未経験からエンジニアへと転職する際の企業の選び方についてご紹介します。また、IT業界が現在、Web業界とSI業界とに二分されつつあるということを確認したうえで、双方の特長についてもお伝えしていきます。
企業選びの軸とは?何を基準に選べばいいの?
それでは、エンジニアへの転職の際、何を基準に企業を選べば良いのでしょうか?
企業を選ぶときには、自分の目的や達成したいことから逆算する!
企業選びの大前提となる軸は、なによりもまず、自分の目的や達成したいことです。
IT業界には、多種多様な業種があります。その分、エンジニアも専門分野によって多種多様です。
WEBエンジニア、システムエンジニア、インフラエンジニア、データベースエンジニア…
ただ単に「なんでもいいからエンジニアになりたい!」という人は収入等から企業を選ぶことになると思いますが、多くの人はそうではなく、
こういうエンジニアになりたい!
こういう技術を使ってみたい!
こういうものを作ってみたい!
といった、自分の目的や達成したいことがあるのではないでしょうか。
例えば、Web開発をやりたいという人はWebエンジニアを目指すことになりますし、ネットワークの構築をしてみたいという人はネットワークエンジニアを目指すことになると思います。
Webエンジニアになりたいから、Web系の有名企業を選ぶ
ネットワーク構築をやりたいから、ネットワーク構築の実績が多い企業を選ぶ
といった考え方が大事なのです。
Web業界?SI業界?
今や、IT業界はWeb業界とSI業界とに二分されつつあります。
基本的に、Web系の企業は「インターネットを用いて自社のビジネスを展開している企業」、SI系の企業は「システム開発をよそから受注し、つくる企業」だと言ってよいでしょう。
企業としての違いのほかに、両社の仕事にはいくつもの違いがあります。
自分がどちらの業界に合いそうか、ということを考えておく必要があるでしょう。
実際に転職してみて、もし合わなかったから別の方にいけばいいんじゃない?
と思う方もいるかもしれません。しかしSIとWeb業界ではカルチャーや文化が全く違います。業界が分断し、業界の行き来が容易でなくなっています。
特にSI→Webへの業界チェンジは未経験からWebエンジニアになるのと変わらないレベルの難易度になっています。
そのため、Web系企業を目指したい方は「まずはSESで経験を積んでから…」とか、「とりあえずSI系に行ってから…」といった考え方で転職するのではなく、まっすぐWeb系を目指すべきなのです。
それではここからWeb系エンジニア、SI系エンジニアの特徴を解説していきます。
Web系エンジニアの特徴
それでは、Web系エンジニアの仕事の特徴について、ご紹介します。
・自由な働き方
まずは働き方です。Web系の場合、私服出勤が多かったり、フレックスタイム制が導入されていたり、リモートワークが可能だったりと、比較的自由な働き方ができると言われています。
また、自社サービスの開発や運用がメインになるため、納期等の変更に柔軟という特徴もあります。その分、休暇等が自由に取りやすい、という大きなメリットもあると言えるでしょう。
・裁量が大きい
SI系の開発モデルが一般にウォーターフォールモデルと言われるのに対し、Web系はアジャイル開発が中心と言われています。短い期間で開発とテストを繰り返し、仕様変更にも柔軟に対応できます。
プロジェクトにかかわる人数もSI業界より少人数になる分、個々人の裁量が大きくなります。よってやりがいのある開発に携わることができます。
・開発言語はRubyやPHP
Web系の企業では、開発言語として主にRuby on RailsやPHPが使われています。
SI業界のエンジニアの特徴
それでは、SI業界のエンジニアの仕事の特徴について、ご紹介します。
・かっちりした働き方
SI系の場合、働き方は比較的かっちりしていると言われています。
具体的には、スーツでの出社がデフォルトだったり、スケジュールがきっちり決まっていたり、セキュリティの関係上リモートワークが難しかったり、といった点です。
また、他企業からシステム開発を受注する形になるため、納期やスケジュールの変更がききにくい、という特徴もあります。
・上流工程では大規模開発も
SI系は、大きくは上流工程のSIer(System Integrator)と、下流工程のSES(System Engineering Service)とに分かれます。
SESは、いわゆる多重下請けとなっており、客先常駐と言ってSI系の企業に派遣のような働き方になります。
上流工程のSIerは、より大規模なシステムの開発に携わる機会もあります。
・開発言語はJavaが主流
SI系の企業では、開発言語として主にJavaが使われます。これはSIerに仕事を依頼する企業が大手金融や流通サービスなどの開発にJavaがよく使われているからです。
・基本的に受託開発
SI業界は受託開発がメインです。SI業界は仕組み大手の金融機関や公共事業から仕事を受託してきて、納品することが仕事です。なので自社開発のSIerは存在しません。
Web業界にも受託開発があります。大手の金融などではなく、Web系の自社サービスを開発する企業から仕事を受託するWeb系企業も存在します。
弊社もWeb系の受託開発をやっています。
開発の業態で企業を絞ってみる!
Web系とSI系の大まかな違いはお分かりいただけたでしょうか?
エンジニアの企業選びにおいて重要なさらなるポイントとして、その会社が「どのような仕方で開発業務を行っているのか」というところを意識する必要があるでしょう。
ここでは三つの開発業態をご紹介します。
1. 自社サービスにおける開発
主に自社サービスの開発や運用を行っています。
自社開発の場合、使用するサービスが決まっているため、その会社で自分がどのような技術を学べるのか、また、どのようなキャリアプランが望めるのか、ということがある程度読みやすいというメリットがあります。
自分の目標から逆算して企業を選ぶ際に、自分がその会社に転職することで、どのようなキャリアがあるのか、ということを事前に把握しておくことは、大きな判断材料になります。
デメリットとしては、自社のサービスを伸ばすことが目的ですので、開発以外のタスクも割り振られることもあるでしょう。
2. 受託開発
受託開発のメリットは、やはり多くの会社やシステムと関われる、という点でしょう。多種多様なシステム開発に関われる分、色々な実績を積み、様々なスキルの習得に役立つ、という大きなメリットがあります。
受託開発のデメリットとしては、納期や予算が決まっており、柔軟な対応が難しいという点があります。
3. SES
先ほどお伝えしたように、SESは基本的にはSI業界の下流工程という立ち位置になります。
SESで働くメリットとしては、未経験でも正社員として採用されやすく、多様な案件の下請けとなります。
対して、SESで働くデメリットとしては、収入が低く不安定だったり、会社によっては十分な開発経験が積めない点が一般に指摘されています。
自分が携わりたい業界×テック企業で絞る
結論として、エンジニアを目指して企業選びをする際のポイントは、「自分がどんな業界を目指したいのか」という要素と「どんな企業があるのか」という要素の二つを掛け合わせて考えるのがよいでしょう。
そして自分が興味があったり、前職で関わった業界の中のテック企業を選びます。このような企業の探し方として、「カオスマップ」を使う方法があります。
カオスマップとは、特定の業界に絞ってサービスや事業者をカテゴライズしたものです。
例えばあなたの前職が教師で教育に興味があるとします。すると教育の問題をエンジニアリングで解決する企業「EdTech」という業界の企業を探してみます。
などとGoogleで検索してみてください。すると教育系のテック企業がカテゴライズされて一覧で見ることができます。
各企業のカテゴリーや関係性等が把握できるため、企業選びの強い武器となります。
他にも〇〇テックは多数あります。
法律 | リーガルテック |
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農業 | アグリテック |
広告 | アドテック |
医療 | メドテック |
金融 | フィンテック |
などがあります。このように自分が興味がある業界の開発企業を選ぶのも手でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、未経験からエンジニアへの転職を目指す際の企業選びの仕方についてご紹介しました。
また、SI系とWeb系というIT業界を二分する二つの業界には、様々な違いがあること、また、企業によって開発業態に違いがあることもお分かりいただけたかと思います。
自由な働き方や裁量の大きさが魅力のWeb系のエンジニアを目指す場合、SI系へと一旦転職してからWeb系を目指す、といった回り道は必要ありません。
スクールの受講などによって、Web系への転職は十分に可能であるということをおさえておく必要があるでしょう。
企業選びは「自分の目標」×「テック企業」この二要素を見逃すことなく、未経験からの転職を成功させましょう!
Web系エンジニアへの転職ロードマップを作成しました。ぜひこちら参考にしてみてください。