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技術的失業とは?人工知能やDX化が進む時代になぜリスキリングが必要?

技術的失業 リスキリング

近年、AIDXという言葉をよく耳にするようになりました。これは、コロナによる外出規制が行われ、在宅ワークが主流になった事、人々が直接的な接触を避け非接触となった事に起因します。政府もデジタル化を意識するようになり、印鑑の廃止、電子帳簿保存法の施行、マイナンバーカード普及など電子化を推進しています。

AIに関しても、つい最近チャット型AIが登場した事で、いよいよ私たちの生活の一部に溶け込みつつあります。

それと同時に、技術的失業という言葉を耳にする機会も増えてきました。この言葉は、AIの著しい発展や進化、DXと深い関わりがある言葉です。

技術的失業により、人間は機械にとって代わられ、働く機会を損失してしまう事が予想されています。一方で、新たな雇用を生み出すという分析もあり、必ずしも人間にとって不利益を被るものでは無いとも言えます。ただ、現在自分が従事している職種に関しては、いつ仕事が無くなるか分からない、という不安感がつきまとうのも事実です。

いずれにしろ、従来人間が作業してきた部分が機械にとって代わられる事は間違いないでしょう。

このような流れに対して、従来の雇用、職種ではもはや対応する事ができません。新しい視点を持ち、着実にスキルを磨き、機械ではできないような能力を身につけておく必要があります。つまり、技術的失業のリスク対策として、リスキングが必要になってくるのです。

そこで、今回は技術的失業とはいったい何なのか、なぜこのような言葉が出てきたのか、技術的失業に対する対策、リスキングとは何なのかという点についてRUNTEQで培ったノウハウを元に解説していきます。

技術的失業とは

技術的損失とはいったい何を意味するのでしょうか?技術的失業によって、雇用機会損失はどの程度起こり得るものなのでしょうか?また、技術的損失に対してどのような反応があるのか、その点について解説します。

技術的失業

技術的失業とは、AI、DX化が進む事により、従来人間が行っていた労働が機械に置き換えられ、雇用が失われてしまう事を意味しています。

例えば、執筆活動、台本作成、定型文章作成、新規プログラム作成、プログラムの修正などに関しては早期に置き換えが進んでいくものと想定されています。更に技術が発達してくれば、動画制作、画像処理、音楽活動といった分野もAIに置き換えられると言われています。こうした、人間からAIへの置き換えにより、人間の仕事そのものが無くなっていく事を技術的損失と言います。

技術的損失はAIに限った話ではありません。DXによっても技術的失業が発生する事が想定されています。

例えば、事務処理などの定型作業など従来人間が行っている業務のうち、単純作業でシステムに置き換え可能なものはDXに置き換えられます。結果として、従来仕事をしていた人が失業してしまう事になるのです。

世界経済フォーラム(WEF)の2020年のレポートによると、2025年までに8,500万人の雇用が機械によって置き換えられると報告しています。

このように、技術の更なる発展によって、技術的失業は間違いなく起こると言えるでしょう。

ネオラッダイト運動

この流れに対し、ネオラッダイト運動が起きています。

かつて産業革命が起こった際、当時手作業仕事をしていた人たちが反発し、機械化に反対する運動を起こしました。これがラッダイト運動と呼ばれるものです。

それに対し、AIDXのような最先端のIT技術を使う事に反発する運動の事を過去のラッダイト運動になぞらえて、ネオラッダイト運動と呼びます。それだけ、AIの発達、DX化のテクノロジーの波は時代に大きな変革を与えるものであると言えます。

参照:国土交通白書2017 I部 イノベーションが切り拓く新時代と国土交通行政 第1章 我が国の発展とイノベーション第3節 イノベーションの歴史(コラム)

しかし、いくら声高にITの最新化に反対を叫んだところで時代の変化を変える事はできません。逆に時代の波に乗り遅れ、取り残される結果となるでしょう。

技術革新の雇用への影響は?

ここまで、技術的失業そのものの言葉の内容について解説してきました。それでは、技術的失業に直結する事柄にはそのようなものがあるのでしょうか。

それは、大きく2つに分ける事ができます。1つめはAIによる失業、2つ目はDX化による失業です。

この2点について詳しく解説します。

AIによる失業

近年、AIの進歩は目覚ましいものがあります。

例えば、従来のチャットボットを更に進化させ、人間が与えた質問を理解し、高速で論理的に回答をするチャット、画像判別、データ分析、統計分析など多くの分野でAIが活用されています。

最近ではチャット型のAIのChatGPTなるものが出てきております。本ブログ記事も構成を考えるときにChatGPTを使用しています。

らんてくん
らんてくん
「リスキリング プログラミング」のキーワードでGoogle検索で1位表示できる記事の構成を教えてください!

このように質問を投げかけると一瞬で以下のような記事の構成を作ってくれます。

このような進歩が更に進めば、画像生成処理についてはイラストレーターの仕事が奪われていったり、映像制作者、音楽家、ライターのようなクリエイティブな仕事さえも奪われてしまう可能性が高いでしょう。

更にAIが高度化されるにつれ、既存の仕事がAIにとって変わられる範囲も更に広がってくるものと思われます。

実際、既にAIへの置き換えが進んでいる分野もあります。

AI活用の事例についてはこのような具体例があります。言い換えると、既にAIによって奪われている技術的失業の例になるとも言えます。

  • 検索機能(検索内容の入力とその回答、要約)
  • 翻訳機能
  • 自動運転機能
  • 不良品検知機能(工場での使用)
  • クレジットカードの不正検知機能
  • バーチャルアシスタント機能

現在、複雑な思考に関してはAIも処理しきれない部分があるかもしれません。しかし、機械学習を進めていく中で、複雑な思考、複数の思考の掛け合わせなどに対してAIは十分対応できる事が想定されます。

DXによる業務オートメーション化による失業

一方、DX化に伴う業務のオートメーション化も進んでいます。特にコロナ禍の近年においては、外出規制による在宅ワークが一般的となり、人々が直接接触する機会を避けるようになったため、人が介在する業務のロボットへの置き換えが進んでいます。いわゆる業務のオートメーション化です。

身近な例としては、スーパーのレジ打ちのようなオペレーション、回転ずしチェーン店、レストランの会計システムなどがそれに該当します。

更に、DXの浸透によって生じる技術的失業に関しては以下のような具体例があります。

  • ガス容器交換システム
  • 水道管劣化予測システム
  • 運転中のデータ収集、分析
  • 交通状況、気象情報の収集と情報提供
  • 事務作業の自動化、ペーパーレス化
  • VRとの組み合わせによるバーチャル内覧

こうした業務に関しては、DX化による置き換えが今後更に進んでいく事が予想されます。

実は雇用全体は増える

とはいうものの、技術的失業によって一方的に雇用の機会が失われるかと言えばそうでは無いようです。

実は、先程ご紹介した世界経済フォーラム(WEF)の2020年のレポートでは、失業者に関する言及がある一方で、9,700万人の新たな雇用機会が創設されるとも記載されています。

実際、レポートの中では以下のような記載がされています。

we estimate that by 2025, 85 million jobs may be displaced by a shift in the division of labour between humans and machines, while 97 million new roles may emerge that are more adapted to the new division of labour between humans, machines and algorithms, across the 15 industries and 26 economies covered by the report.

2025 年までに、人間と機械の間の分業の変化によって 8,500 万の仕事が失われる可能性があると推定されています。一方、レポートが対象とする 15 の産業と 26 の経済圏全体で、人間、機械、アルゴリズムの間の新しい分業により適応した 9,700 万の新しい役割が出現する可能性があります。

引用:WEF The Future of Jobs Report 2020 2.2 Emerging and declining jobs 

技術的失業による悲観的な側面ばかりがクローズアップされていますが、実はそうでは無いのです。

技術的失業者が増えるのに、新たな雇用が生まれる」、これはいったいどういう事なのでしょうか?

一見すると矛盾したこの予測を紐解くには、この新たな雇用が一体何なのか、という点に焦点を当てる必要がありそうです。

技術的失業の対策

ここまで、AIの台頭、DX化により雇用の機会が失われるというマイナス面ばかりに着目してきました。

しかし、新たな雇用が生まれる事も予想されています。

らんてくん
らんてくん
AI技術が発展するということは、AIを使える人やAIを開発する仕事は増えるってことなんだな

AIによって技術的失業への対策をするためには、新しい働き方に順応していく必要があります。

つまり、新しい技術やスキルを学び、これまでのキャリアとは違った職種に就いていかなければならないのです。既存の知識、スキルだけではもはや通用せず、新たな教育が必要という事になります。これをリスキングと言います。仮にリスキングをしなければ、9,700万人もの新たな雇用の対象となる事はできないでしょう。

それでは、具体的に私たちはどのような対策を取らねばならないのか、この点について深堀していきたいと思います。

リスキング

リスキリングとは、これまでの仕事とは異なる仕事に就くために、新しい知識やスキルを学習することです。

2021年に作成された経済産業省の資料によると、リスキングとは以下の定義がされています。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

引用:リスキングとは ― DX時代の人材戦略と世界の潮流

リスキングを考える上で、まず前提として考えなければならない事は、AI、DX に対してどう向きあっていくのか、どのような分野で、どのようなスキルを獲得していかなければならないのか、という点です。

つまり、技術的失業に対してどのようにリスキングしていけば良いのか、この点が非常に重要となります。

リスキングをするためには何をしたらよいか?その答えはずばり、AIDXを使いこなす立場になれば良いという事です。つまり、AIに何をさせたいのか、AIに何を学習させるのか、AIが出した回答が果たして正しいのか、DXを使いこなせるのか、こうした知識とオペレーション能力が求められるようになります。

そのためには、自分の志向性、学ぶべきスキル等について熟慮し、時には方向性を変えるだけの柔軟性が求められます。従来のやり方を踏襲し、変化を受け入れられないのであれば、技術的失業を避ける事はできません。

具体的には

  • AIが作成した回答が本当に正しいのか判断するスキル
  • イレギュラーなケースを想定した処理が考慮されているのかといったレビューを行うスキル
  • イレギュラーが加味されていない場合はAIにどう答えを出させるか導き出すスキル

こうしたスキルを身につける必要があります。

AIが提示した回答に対する真偽性の確認、検証は人間がすべき大切な役割であると言えます。上記のような、AIが出した答えが正しいのか、AIが想定した結果を出すのか、イレギュラーなケースでAIがどのような判断を下すのか、その結果に対する最終判断は人間の手に委ねられています。

例えば、チャット型AIに関して言えば、膨大なデータに基づいて回答を出すのですが、時折

「富士山は世界一高い山です」

「夜のニュース番組は午前7:00から放映されています」

といった、明らかに間違った回答をしてくる事例があります。

このような場合、AIに学習し直しをさせなければなりません。そもそも、誤りであるかどうか判断を下すのは人間です。

そのため、事実は何なのか、本質とは何なのか、常に人間が考え、自分で答えを持っておく必要があります。更に、誤った情報を回答したAIに対して新たな知識を学び直させる必要も出てきます。

そのためには、機械学習とは何か、AIをどのように操作していけば良いのか、この点について知識を深め、スキルアップを図る必要があります。AI、DXを使いこなすスキルは人間が身につけておく必要があるという事です。

そのためには、

  • IT分野の基礎知識
  • 最先端技術に関する知見、知識、操作方法
  • データの扱い方、データの分析、解釈方法
  • プロジェクトマネジメント

といったスキルを身につける必要があるでしょう。

これらスキルを勘案して具体的な職種に落とし込むと、以下のような職種が今後主流になってくるものと考えられます。

  • エンジニア、プログラマー
  • データサイエンティスト
  • アノテーター
  • システムアーキテクト
  • ビジネスプロセスデザイナー
  • プロジェクトマネージャー
  • UXUIデザイナー

いずれも先端ITスキルを持った職種と言えるでしょう。

リスキリングして先端IT人材になる手順

未経験から先端IT人材になれる
  1. IT業界に未経験から転職する業種を選ぶ
  2. 未経験から先端IT人材になるための方法を知る
  3. 勉強をする
  4. ポートフォリオとなる作品を作り転職をする
  5. 経験値を積みスキルアップする

IT業界ならどんな職種でも良いわけではありません。

「プログラミングを勉強して、プログラマーになれば良いんでしょ!」

と思われるかもしれません。しかし、プログラミングさえできれば必ずしも先端IT人材になれるとは限りません。業界によっては古い技術にしか携われないプログラマーもたくさんいます。

新しい先端技術に携われるエンジニアになりたい場合はWebエンジニアを目指しましょう。Webエンジニアを目指すためのロードマップは以下の記事でまとめました。

また、AIの領域は2023年現在ではまだ業務未経験の方が仕事につける確率は低いです。Webエンジニアほどまだ職種が多くなく、多くの場合は大学院での学歴が必要になります。

ですので、今現在ではWebエンジニアを目指すのが良いでしょう

まとめ

今回の記事のまとめ
  • AI、DXの普及によって技術的失業は起こりうる
  • 技術的失業が起こる一方で新たな雇用も生まれる
  • 技術的失業に陥らないためにはリスキングが必要
  • リスキングを行うためには新たなスキルを獲得し、考え方を変える事が必要
  • AI、DXを活用する立場に立ち位置を変える
  • AI、DXを活用するためにITスキルの獲得を目指し、応用、経験、実績を積む

今回の記事では技術的失業とその対策となるリスキングについて解説しました。

こうした技術的失業について、一部では反発する動きが見えるものの、従来述べた通り時代の潮流は変わりません。その事に対し、人はただ手をこまねいて傍観しているだけではいけないのです。

失われる仕事もありますが、AIによって生み出される仕事もたくさんあります。時代の流れに抗うのではなく、リスキリングして乗りこなすことをお勧めします

弊社は開発会社であり、Web系エンジニアを養成するプログラミングスクールのRUNTEQも運営しております。その知見を活かして、最短ルートでプログラミングを学習できる方法を解説しました。ぜひ以下の記事もご覧ください。

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