「最近のスタートアップの年収事情ってどうなってるの?」
「高年収が期待できるスタートアップに転職するにはどうすればいい?」
「年収の交渉はできるの?」
エンジニアとしてスタートアップ企業への転職を考えている方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いと思われます。
スタートアップに対しては、ネット上で「労働環境がブラック」「給与が安い」といったネガティブな情報も発信されているため、スタートアップに興味はあるものの転職に関して不安を感じている、というケースもあるでしょう。
弊社は「株式会社スタートアップテクノロジー」という社名の会社です。名前の通りスタートアップ企業の開発を支援したり、弊社自体がスタートアップ企業として上場を目指す会社です。
どの会社よりもスタートアップ企業の働き方やカルチャーを熟知しております。
そこでこの記事では、現在のスタートアップの年収事情がどうなっているのか、スタートアップで高い年収を得るにはどうすればいいのか、などについて詳しく解説していきます。
スタートアップの年収は低い?
「スタートアップ企業は過酷で薄給」
一昔前までのスタートアップには、こんなイメージが定着していました。
では、現在ではどうなっているのでしょうか。
この項目では、最近のスタートアップにおける年収事情について解説していきます。
最近のスタートアップは年収が上がっている
従来のイメージとは違い、実は最近のスタートアップの年収は、上昇傾向にあるということがわかっています。
実際、2022年12月の日経新聞でも、以下のような記事が公開されました。
スタートアップの人材待遇が改善している。日本経済新聞社がまとめた2022年「NEXTユニコーン調査」では、回答企業の21年度の平均年収は650万円だった。上場企業の平均を45万円(7%)上回る水準だ。
東京商工リサーチの発表により、2021年度(21年4月期-22年3月期)の上場企業3,213社の平均給与が約605万でしたので、上記引用記事の通り45万円も上場企業の平均年収を上回っているのです。
スタートアップの社員の多くが20~30代であるのに対し、上場企業に勤める社員の平均年齢はもう少し高くなるであろうことを考えると、相対的な年収の開きは数字以上に大きいと言えるでしょう。
このように、スタートアップの年収は徐々に上がってきているため、給与面を心配してスタートアップを避ける必要はありません。
スタートアップで年収が低いケース
スタートアップの平均年収が上がってきているのは事実ですが、すべてに当てはまることではありません。
スタートアップは、以下の4つの成長ステージに分かれます。
- シードステージ(起業前)
- アーリーステージ(起業直後)
- ミドルステージ(事業が軌道に乗りはじめた状態)
- レイターステージ(事業が安定している状態)
起業に向けて動いているシードステージや、起業直後であるアーリーステージの場合、当然ながら売り上げはないため、どうしても年収は低めとなってしまいます。
かつ、労働環境も過酷であり、残業代なしでの長時間労働や休日なしといった待遇も珍しくありません。
ただしその分、初期から参加しているメンバーは会社が成功した時の恩恵を受けやすいです。若くして取締役になれたり、ストックオプションをもらえて上場時に大きな利益を得られる可能性もあるでしょう。
また、裁量も非常に大きくなるので一気に成長することができるでしょう。
高年収に期待できるスタートアップの特徴
高い年収を得やすいスタートアップの特徴は以下の通りです。
- ミドルステージかレイターステージにいる
- 成長業界かどうか
- 転職時の年収が高い
- ストックオプションがある
- あなた自身に開発スキルがある
ミドルステージかレイターステージにいる
前述した通り、シードステージとアーリーステージにいるスタートアップでは、高い年収はほぼ期待できません。
そのため、ミドルステージかレイターステージまで成長している企業を選びましょう。
具体的に「どの段階からがミドルステージなのか」という明確な基準はないので、事業規模や社員数、会社の決算内容、サービスのユーザー数などを確認して、総合的に判断していくしかありません。
エンジニアとして転職する場合は、事業が軌道に乗り、給与面での心配がなさそうな成長中のスタートアップを選ぶべきです。
成長業界かどうか
年収にこだわるのならば、これから転職しようとしている業界が成長しているのかどうかにも注目すべきです。
会社単位で見た場合には上り調子であっても、その会社の属する業界自体が縮小しているようならば、将来的な見通しはあまり明るくはないでしょう。
従って、今現在伸びている業界にいるスタートアップを選んだ方がよいです。
転職時の年収が高い
転職活動における面接の際に、こんなことを言われることがあるかもしれません。
「うちの会社は実力主義なので、転職直後の年収は低くなりますが、その後の頑張りでどんどん年収が上がっていきます」
確かに、そういった会社もあるでしょう。
とはいえ、その保障はどこにもなく、とりあえず人材を確保したいがための方便かもしれません。
実際には、よほどの成果を出さないと年収アップに繋がらないということもあり得ます。
IT業界は常に人材不足である上、スタートアップは資本的に苦しいことも多いため、できるだけ安い給料で人材を集めようとしているケースもあります。
しかし、最初から比較的高い年収を提示できるスタートアップならば、資本や売り上げに余裕があり、しっかり人件費をかけて優秀な人材を集めようと考えている可能性が高くなります。
年収がネックになってスタートアップに転職できない方は、転職時の年収は気にした方が良いかもしれません。
ストックオプションがある
ストックオプションがもらえる企業は年収が高くなる可能性があります。
会社側が、事前に決められた価格で一定数の自社株を購入する権利を社員に与えること。
例えば、1株あたり100円で自社株を買えたとします。
会社が上場して市場価格が1,000円になれば、「1,000円(市場価格)-100円(購入時の金額)」で1株あたり900円の利益が出ることになります。
仮に10,000株持っていたとするならば、900万円のキャピタルゲインを得られるわけです。
また、上場後のスタートアップの場合でも市場価格より安く自社株を購入できるため、自社株購入後すぐに売却すればほぼ確実に利益を出せます。
自社株の購入はあくまで「権利」であり、買いたくなければ買わなくてもよいため、社員側としてはデメリットがほとんどありません。
会社の成長に応じて利益を得られる権利ですので、働く側としては非常に大きなモチベーションになりますし、努力が報酬となって返ってくる制度となっています。
一方で、必ずしも上場できるとは限りませんし、必ずしも投資がうまくいくとは限りません。
スタートアップへの転職で高い年収を得る方法
高い年収を得ることを目的にスタートアップへ転職する際には、上記の「高年収に期待できるスタートアップの特徴」に当てはまる企業へ応募するだけでは足りません。
応募する前に、じっくりと時間をかけて以下のような準備も整えておくべきです。
企業研究を徹底する
高い年収が期待できるスタートアップへ転職するためには、候補となるスタートアップ企業のことを詳しく知る必要があります。
- 資本的に安定しているか
- 人件費を軽視していないか
- サービスの将来性はどうか
こういった点について、徹底的に調べておきましょう。
例えば、入社時の年収が低かったり、やたらと設備投資に費用をかけていたりする場合、人件費を軽く見ている可能性が出てきます。
また、サービスの将来性についてもしっかり確認すべきです。
現時点で充分なユーザー数や売り上げがあったとしても、その数字が数年前からまったく成長していない、もしくは徐々に下がってきている、といったことがあると危険です。
年収を重視してスタートアップへの転職を考えているのならば、成長を続けているのかどうかについて把握しておきましょう。
企業のカルチャーフィットや働き方をしっかり調べておく
企業のカルチャーフィットや働き方をしっかり調べておきましょう。
転職時の給料は高いに越したことはありません。しかし、企業との相性が良ければ、勝手にスキルが身に付きますし、その会社でパフォーマンスを発揮して給料も上がっていきます。
企業のカルチャーフィットは非常に大事です。企業側も「カルチャーフィット」を非常に重視して採用をしています。
カルチャーフィットという単語はあまり聞き馴染みがないかもしれません。カルチャーフィットとは、その会社とあなたの相性のようなものです。
カルチャーフィットについては、「スキルがあってもカルチャーフィットで不採用にされる理由」という記事で解説しましたので是非こちらの記事でご確認ください。
スタートアップでの働き方について詳しく解説した書籍で「「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである」をお読みいただけるのが良いでしょう。
スキルの証明のポートフォリオの完成度を高める
エンジニアの場合、転職の際に最も重視されるのがポートフォリオです。
特に未経験の場合は、他にスキルを証明できるものがないため、ポートフォリオには徹底的にこだわらなくてはいけません。
他のサービスをもじっただけだったり、ありきたりなアイデアから生まれたものであったりするポートフォリオでは、採用担当者から相手にされない可能性が高いです。
そういった事態を避けるため、以下のようなオリジナリティ溢れるポートフォリオの作成に努めるべきでしょう。
しかし、こういった質の高いポートフォリオは、未経験者が独学のみで作成するのは非常に困難となっています。
未経験者のWebエンジニア向けに、ポートフォリオ作成について具体的に解説した記事が当ブログ内にありますので、是非参考にしてください。
未経験Webエンジニア向けポートフォリオの作り方【転職で役立つ】
自社開発企業への転職に強いプログラミングスクールで学ぶ
IT業界のスタートアップは、基本的に自社開発企業となります。
従って、未経験からスタートアップへの転職を実現するためには、自社開発企業への転職に強いプログラミングスクールを探し、そこでじっくり時間をかけて学習するのがベストです。
自社開発企業は、常に即戦力を求めています。
そのため、現場で自走できるレベルのエンジニアでないとなかなか採用されません。
とはいえ、未経験の状態から自社開発企業が求めるレベルまでスキルを高めることは簡単ではなく、独学のみですとかなり厳しいと言わざるを得ません。
ましてや、少しでも高い年収を望んでの転職となるとなおさらです。
そこでおすすめなのが、「自社開発企業への転職実績が豊富なスクールに通う」という方法です。
スクールに通うためには受講料が必要となるため、独学と比べて費用はかかるものの、条件の良いスタートアップに転職できる可能性が大幅に高まります。
未経験の状態から、自社開発のスタートアップ企業へ就職・転職しやすいスクールについては、以下の記事で解説しています。
なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ」では、卒業生の約7割が自社開発企業への転職に成功しています。
有力なスタートアップへの転職を本気で考えている場合には、是非ご検討ください。
スタートアップへ転職する際の年収交渉のコツ
スキルや経験、ポートフォリオに自信がある場合には、提示された年収にそのまま従うのではなく、状況に応じて年収交渉をしてみるという選択肢もあります。
年功序列の古い会社では難しいですが、IT業界のスタートアップならば、成果主義で柔軟な対応にも期待できるため、年収交渉がうまくいくかもしれません。
この項目では、年収交渉をする際のコツについて解説していきます。
スキルや経験を証明できる資料や客観的証拠を用意する
「自分のスキルはかなり高い」
「必ず会社の役に立つ」
こういった言葉だけならば、誰でも言えます。
言葉だけでは、誰も信用してくれません。
そうではなく、具体的にどんなことができるのか、どう役に立てるのかを伝えつつ、その根拠となる資料や客観的な証拠を提示すべきです。
ポートフォリオでもいいですし、過去に関わってきたサービス開発についての資料でもよいでしょう。
そういった明確に提示できるものがなければ、下手に年収交渉をしない方が無難です。
給与面の話が出た時に交渉に入る
年収の交渉をする場合には、タイミングも非常に重要です。
給与に関しては、ほぼ確実に面接のどこかで面接官の方から話が出ますので、そこまで待つべきです。
決して、自分から年収アップのための交渉を始めないようにしましょう。
そんなことをしてしまうと印象が悪くなってしまい、年収が上がるどころか採用に関しても悪影響を及ぼしてしまいます。
特にスタートアップ企業は会社のカルチャーを大事にします。少人数の組織ですので、一人でも合わない人が入社すると会社組織への影響が大きくなります。
条件面を自分から押し出しすぎないようにしましょう。
一方で、スタートアップは激務になる可能性も高いです。自分の欲しい年収の金額より遥かに低い金額で仕事を受けてしまうとモチベーションに
年収の相場内で交渉する
いくら年収を上げたいからといって、相場を大きく超えるような金額を提示しては相手にされません。
例えば、いくら高いスキルを身に付けたとしても、まだ現場未経験の人間がいきなり年収1,000万円を提示すれば、不採用となる確率を高めてしまうでしょう。
未経験者の方の年収の相場は300万円〜500万円の範囲内です(過去の経験値で年収に幅はあります。)
自分の年齢や経験年数、スキル、これまでの成果を総合して、不自然ではない範囲の金額を提示するようにした方がよいです。
適切な年収については、ネットで調べたり、現役エンジニアの知人などに尋ねてみたりするのがおすすめです。
なお、プログラミングスクールに通っている場合は、講師に質問することですぐに適切な答えが得られるでしょう。
内定承諾後の年収交渉はしない
年収交渉ができる最後の段階は、内定のオファーが来た時です。
オファーを承諾したら、その後の年収交渉はやめておきましょう。
内定したということは、給与面も含めて双方合意に至ったということなので、そこから「やっぱり年収についてはもう一度交渉したい」というのはルール違反です。
まず認められませんし、上司や同僚からの印象も悪くなってしまいますので注意してください。
スタートアップのやりがいは年収だけでは測れない
ここまでスタートアップの年収や条件面について解説してきました。
しかし、スタートアップ企業の魅力は年収や条件面以外のところにあります。
- 経験が浅い状態でも裁量を持って仕事ができる
- 若い時にも経験値を積むことができる
- 一気にスキルを高めることができる
- ビジネスをグロースさせたり、事業を伸ばす経験ができる
あなたが経験値がないとしてもチャンスがたくさん巡ってくるのがスタートアップのメリットです。組織が小さい分、社内政治のようなくだらないこともありません。
仮にあなたが過去に輝かしい経験を積めなかったとしても、スタートアップで頑張れば人生逆転が可能です。
この記事を書いている私も、弊社に入社するまでは職歴がありませんでした。しかし、日々努力してチャンスを掴み、順調に実績と年収を高めてきています。
スタートアップのメリットは、待遇面以上に得られr
まとめ
以上、最近のスタートアップの年収事情や、高収入が期待できるスタートアップの特徴、年収交渉の方法などについて解説しました。
- 最近のスタートアップの年収は、上場企業の平均年収よりも高い
- 高い年収が期待できるスタートアップへ転職するには、質の高いポートフォリオの作成や徹底した企業研究が必要
- 年収交渉はタイミングや事前準備が重要
もし、あなたがスタートアップに挑戦する場合は、何はともあれスキルを身につけることをお勧めします。
特にスタートアップ企業では、エンジニアが非常に重宝されております。このサイトでは「エンジニア転職までのロードマップ」を作成しております。