「未経験のWebエンジニアにおすすめの資格が知りたい」
「Webエンジニアを目指すのに必要な資格はある?」
このように、資格取得について悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
手に職をつけるのに資格取得は有効な手段ですが、エンジニア向けの資格は多く存在するため、初心者の方は何から手を付けてよいか分からないですよね。
特に、Webエンジニアを目指すのであれば、資格は特別必要ではありません。
ただし、資格取得のための勉強の過程で身に付く知識やスキルもあるため、役立つ側面もあります。
そこで今回は、以下の内容について解説していきます。
- 未経験からWebエンジニアへ転職するためになぜ資格が必要ないのか
 - プログラミング関連の資格を取得するメリット
 - Webエンジニア転職におすすめの資格5選
 - Webエンジニアを目指す上でおすすめできない資格5選
 
本記事を読み終えれば、未経験者に必要な資格とそうでない資格の見分けがつくため、効率的な学習が可能になるでしょう。
開発会社とWebエンジニア向けプログラミングスクールを運営する弊社が、未経験Webエンジニアにおすすめの資格と不要な資格について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
未経験からWebエンジニアへ転職するために資格は必要?
基本的には、Webエンジニアを目指す際に資格は必要ありません。
IT系の資格は多くあるのになぜ必要とされないのか?というと、Web業界に限っては採用の基準になっていないからです。
では、採用では何が見られているの?
採用の際に見られているのは、「ポートフォリオ」と「カルチャーフィット」の2つです。
ポートフォリオとは、就職活動や転職活動時に自分の実力を見せるためのオリジナルアプリ作品集のことです。
カルチャーフィットとは、企業文化にその人が合うかを判断することです。
資格の有無で採用が決まることはほとんどないので、優先度は低く考えてよいでしょう。
じゃあ、資格取得の勉強も意味ない?
採用において資格の価値は低いですが、学習自体は重要なものなので積極的に取り組んだ方がよいと言えます。
資格取得が目的で暗記ゲームのように学習するのでは意味がないため、資格取得で学んだことをスキルとして身につけることが重要です。
でも、資格がないと不安だな…
- 学歴や職歴に自信がない
 - 年齢が高い
 
上記のような方で、「資格をとらないとアピールするものがなくて不安」という場合は、資格をとっておくと経歴にプラスとなり見栄えがよくなると言えるでしょう。
「資格がないから採用されない・資格があるのに採用されない」という悩みを抱えている方は、技術以外の部分にも問題があることが考えられるので、書類の書き方やコミュニケーション能力などを見直して、採用されない原因を探る必要があります。
Webエンジニア転職におすすめの資格5選
ここでは、Webエンジニア転職におすすめの資格5選について解説していきます。
- 基本情報技術者試験
 - LPIC-1(エルピックワン)
 - AWS認定ソリューションアーキテクト
 - Ruby技術者認定試験 Silver
 - ORACLE MASTER Silver SQL
 
基本情報技術者試験
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 認定団体 
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 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 
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 試験時間 
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 ■科目A : 90分 
■科目B : 100分  | 
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 試験方式 
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 CBT方式 
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 出題数 
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 ■科目A : 60問(多肢選択式) 
■科目B : 20問(多肢選択式)  | 
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 受験料 
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 7,500円(税込) 
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 受験資格 
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 特になし 
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 合格率 
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 30~50% 
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 難易度 
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 中級 
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 公式HP 
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 https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html 
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基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催する試験でエンジニアの基礎資格とも呼べる資格です。
「IT技術者への登竜門」とも言われるこの試験では、以下のような広範囲の知識が求められます
- 統計などの数学
 - アルゴリズム
 - プログラミング
 - コンピューター
 - OS
 - メディア
 - データベース
 - ネットワーク
 
上記のように、エンジニアが知っておくべき基礎部分が全て網羅されているのが特徴です。
Webエンジニアとして仕事をする上で必須の知識も学習できるので、資格勉強が実務に直結する内容になります。
何を勉強すればいいのか分からない方も、基本情報技術者試験の勉強をすれば何をすべきか明確になるのでおすすめです。
LPIC-1(エルピックワン)
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 認定団体 
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 LPI-Japan 
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 試験時間 
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 ■101試験 : 90分 
■102試験 : 90分  | 
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 試験方式 
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 CBT方式 
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 出題数 
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 ■101試験 : 60問 
■102試験 : 60問  | 
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 受験料 
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 1科目あたり16,500円(税込) 
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 受験資格 
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 特になし 
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 合格率 
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 非公開(おおよそ50%前後) 
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 難易度 
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 初級 
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 公式HP 
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 https://lpicj.org/ 
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LPIC-1は、LPIと呼ばれるLinuxプロフェッショナル認定プログラムの最初の認定資格です。
コマンドラインでメンテナンスタスクを実行したり、Linuxを実行するコンピューターをインストールして構成したりなど、基本的なネットワーク構成能力を検証します。
LPIC-1の取得を目指すことでLinux全般を学ぶことができるので、学習の入り口として捉えるとよいでしょう。
AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
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 認定団体 
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 Amazon 
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 試験時間 
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 130分 
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 試験方式 
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 ■全国にあるピアソンVUE社テストセンター 
■試験監督付きのオンライン試験  | 
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 出題数 
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 65問(択一または多肢選択式) 
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 受験料 
 | 
 15,000円 
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 受験資格 
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 特になし 
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 合格率 
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 非公開(1000点満点中720点以上で合格) 
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 難易度 
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 中級 
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 公式HP 
 | 
 https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/ 
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AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトは、AWSのテクノロジーを使用して安全かつ強固なアプリケーションを構築するために必要な知識を証明する資格です。
身につけられる知識は以下の通りです。
- コンピューティング
 - ネットワーク
 - ストレージ
 - データベース
 - デプロイと管理サービスに関する知識やスキル
 - オペレーション
 - セキュリティコントロール
 - コンプライアンス要件の実装に関する知識
 
AWSは人気がありエンジニアの中でも好きな人が多いので、持っていることで好感度も上がるでしょう。
Ruby技術者認定試験 Silver
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 認定団体 
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 Ruby Association 
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 試験時間 
 | 
 90分 
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 試験方式 
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 CBT方式 
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 出題数 
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 50問(選択式) 
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 受験料 
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 16,500円(税込) 
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 受験資格 
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 特になし 
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 合格率 
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 非公開 
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 難易度 
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 初級 
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 公式HP 
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https://www.ruby.or.jp/ja/certification/examination/version3.html | 
Ruby技術者認定試験 Silverは、Ruby Silverとも呼ばれる有名な資格で、Rubyで開発を行う会社であれば必須とも言える資格の一つです。
対象となる方は以下の通りです。
- Rubyベースのシステムを、設計・開発・運用するエンジニア
 - Rubyでシステム提案を行うコンサルタント
 - Rubyを教える講師
 - Rubyを学ぶ学生
 
Ruby技術者認定試験 Silverを取得することで、Rubyの基礎部分の理解があることの証明になるため、Rubyで開発を行う会社はもちろん、他の会社でも評価されやすいというメリットがあります。
ただし、技術試験が出た場合には解けなければいけないので、暗記ではなくアルゴリズムも含めて学習するとよいでしょう。
なお、Ruby Silverの上にあるRuby Goldは取得できた方がよいですが、最初の転職時であれば取得できなくても問題ありません。
ORACLE MASTER Silver SQL
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 認定団体 
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 Oracle 
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 試験時間 
 | 
 120分 
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 試験方式 
 | 
 ■全国にあるピアソンVUE社テストセンター 
■試験監督付きのオンライン試験  | 
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 出題数 
 | 
 78問 
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 受験料 
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 37,730円(税込) 
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 受験資格 
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 特になし 
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 合格率 
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 非公開(正答率63%で合格) 
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 難易度 
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 中級~上級 
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 公式HP 
 | 
https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html | 
ORACLE MASTER Silver SQLはSIerの中では有名で、ORACLEというデータベースに関する資格です。
対象となる方は以下の通りです。
- 開発者
 - データアナリスト
 - ORACLEデータベース上でSQLを使用する方
 
問い合わせ・データ操作・データ定義・アクセス制御といった様々なSQLのスキルを証明できます。
Ruby on Railsですと、Active Recordを使うことでSQLを書かずにデータ操作できますが、最終的にSQLを知らないとデータアクセスがうまくできません。
Webサービスにあるリレーショナルデータベースを操作するのにもSQLは必須のスキルですので、一番学びやすいORACLE MASTER Sliver SQLがおすすめです。
Webエンジニアを目指す上でおすすめできない資格5選
ここでは、Webエンジニアを目指す上でおすすめできない資格5選について解説していきます。
- P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)
 - MOS(Microsoft Office Specialist)
 - ITパスポート
 - HTML5プロフェッショナル認定試験
 - CCNA(Cisco Certified Network Associate)
 
Webエンジニアになるのに必要なければ取得する意味がないので、本当に活用できるか見極めてから取り組みましょう。
P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)
P検はパソコン検定試験と呼ばれていましたが、今では名前が変わり「ICTプロフィシエンシー検定試験」となっています。
1〜5級まであるパソコンの技能を問う試験で、Microsoftのソフトの使い方やタイピング速度テストなどが問われます。
「エンジニアになるためにはパソコンの使い方から学ばなくては」
「最初はパソコン検定から受けた方がいいかな」
このように考える方もいるかと思いますが、この辺りはプログラミング学習をしている間に自然と身に付きます。
なにより、採用の際に評価もされづらいので取得しなくてよいでしょう。
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSは、MicrosoftのソフトであるWordやExcelの利用スキルを証明する資格です。
単刀直入に言うと、エンジニアはoffice製品をわざわざ学ぶ必要はありません。
プログラミングを学習していればツールの使い方は感覚で分かりますし、たとえ分からなくてもエンジニアの特性上調べる習慣がついているので、ググって使える方が多いです。
事務の方であれば取得する価値はあるかもしれませんが、Webエンジニアが持っていてもアピールにはならないため取得しなくてよいでしょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明する経済産業省認定の国家試験です。
情報処理技術者試験の一つになっており、IT技術やIT管理・経営全般に対する考え方など基礎知識が問われます。
ITに関する幅広い知識が学べるのですが、Web業界では使われない言葉や文法が多く、暗記になってしまうのが懸念点です。
実際に現場で使わないような知識が増えても意味がありませんので、ITパスポートを取得するなら、最初から基本情報技術者試験を受けることをおすすめします。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5・CSS3・JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する試験です。
HTMLやWebの基礎知識・Web技術に関する部分は役立ちますが、CSSやグラフィック要素が強く、コーダーやデザイナー寄りの内容となっているため、Webエンジニアとして考えると無駄な要素が多いと言えます。
HTMLやWebの知識を身につけたいなら、「Webを支える技術」という書籍を読んでおけば十分理解は深まるでしょう。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)
CCNAは、シスコシステムが実施しているネットワークに関する能力を保証する資格です。
中核製品のCiscoルータやCatalystに関連する知識を含めた、ネットワークに関する最低限知っておくべき知識が求められます。
SI業界では有名で有効な資格ではありますが、出題の半分以上がWebエンジニアの業務で使わない知識となっているので、あまり活用できないと考えられます。
ただし、ネットワークの基礎周りを学ぶことができるので、全く意味がないというわけではありません。
CCNAでネットワークを学ぶのであれば、LinuC レベル3やLPIC レベル2でLinuxと合わせて学ぶ方が効果的でおすすめです。
プログラミング関連の資格を取得するメリット
ここでは、プログラミング関連の資格を取得するメリットを解説していきます。
- 一定のスキルを証明できる
 - 努力できることをアピールできる
 - 取得する資格によっては転職に有利になる
 
資格の有無で採用が決まることはほとんどないと言いましたが、全く価値がないわけではありません。
一定のスキルを証明できる
資格を取得することで、一定レベルのスキルを有していることを証明できます。
スキルに関してはポートフォリオが最も重要視されますが、資格もスキルをアピールするための一つの手段です。
職務経歴書やポートフォリオのレベルが同じであれば、資格を保有している人の方がスキルがあると判断されるかもしれません。
特に学歴や経歴などに自信がない方は、一つでも多くアピールできるものを持っておくとよいでしょう。
努力できることをアピールできる
資格自体の価値が低くても、取得に至るまでの過程は評価されるため努力できることのアピールに繋がります。
向上心を持って取り組める人材を求めている企業は多いので、真面目に学習できることを証明できれば、採用してもらえる確率も高くなるでしょう。
実際、IT業界は年功序列や性別に関係なく、能力が一番に評価される世界です。
自分磨きができない人は淘汰されていくと言っても過言ではないため、努力できる人材だと認識してもらうことで自分の価値を上げることができます。
取得する資格によっては転職に有利になる
前述したWebエンジニアにおすすめの資格を取得すれば、スキルや努力できることの証明になるため転職に有利になると言えます。
特に、未経験者におすすめされるのが以下のような資格です。
- 基本情報技術者試験
 - Ruby技術者認定試験 Silver
 
これらは学習としても良いですし、なによりスキルレベルが分かりやすいので採用時のアピールポイントとして活用できます。
まとめ
今回は、Webエンジニアを目指すプログラミング初心者におすすめの資格について解説しました。
- 未経験からWebエンジニアに転職するのに資格取得は必須ではない
 - 資格を取得することで、一定のスキルを有することや努力できることの証明になるので、転職に有利になる場合がある
 - あまり意味のない資格を取得してもアピールにはならないため、迷っている方は基本情報技術者試験の勉強をするとよい
 
未経験からWebエンジニアを目指すのに資格は必須ではないので、知識やスキルを身につけるための一つの手段と捉えるとよいでしょう。
なお面接官は、採用の際に資格よりも「ポートフォリオ」と「カルチャーフィット」を見ています。
資格勉強も力にはなりますが、ポートフォリオ制作を通して実践力を身に付けた方がアピールとしても効果的なので、サービス開発に取り組むのがベストです。

									

							
							
							
																		
							
							
							
																		
							
							
							
																		
							
							
							
																		
							
							
							
																		
							
							
							
																		