「SESの案件ガチャについて知りたい」
「SESで案件ガチャに失敗した。この先どうなるのか知りたい」
「SESの案件ガチャから抜ける方法を知りたい」
「SESからWeb系に転職する方法を知りたい」
よく耳にする「SESの案件ガチャ」。なんとなくはわかるけど、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?エンジニアであればきちんと押さえておきたいワードです。
この記事では「SESの案件ガチャ」について解説します。
残念ながらSESにいる限り、案件ガチャを100%避ける方法はありません。対策をしても、案件ガチャに失敗する可能性はあるのです。開発経験を積みたいのなら、Web系企業への転職をおすすめします。
この記事では、現役Webエンジニアから見た案件ガチャを詳しく解説します。
この記事を読めば、案件ガチャから抜け理想のキャリアを選べるようになります。
SESの案件ガチャとはなにか?
SESとは?
はじめに、SESについて解説します。
- SESとは「システムエンジニア派遣サービス」を行う企業のこと
- 派遣先の企業(SIer)に常駐して作業する
- 「System Engineering Service」の略
SES企業はSIerからの依頼を受け、自社のエンジニアをSIerの元に派遣します。派遣されたエンジニアは契約に従い、派遣先のオフィスで作業します。
契約期間は数カ月〜数年で、誰をどこに派遣するかは営業担当者がSIerと交渉して決めます。SESの詳細は「SESの仕事内容や働き方」で解説しています。
案件ガチャとは?
次に、SESの案件ガチャについてご説明します。
- 「ガチャ」の由来はカプセル自販機「ガチャガチャ」
- 運まかせの例えとして「〇〇ガチャ」のように使われる
- SESのエンジニアは「案件を自分で選べない」
- この状況を「案件ガチャ」と呼ぶ
SES企業のエンジニアは、希望分野・希望職種を営業担当者にアピールできます。「Webアプリを開発したい」「Rubyの経験を積みたい」など、日ごろから希望を伝えておくことは重要です。
しかし、この希望は必ずしも通りません。経営者・営業担当者には、利益を優先せざるを得ないときがあるのです。売上の低迷やエンジニアの待機が発生すれば、妥協してでも契約成立を優先するのはやむを得ないと言えます。
そのしわ寄せがエンジニアにきてしまうのは、仕方のないことです。
案件ガチャに失敗するとどうなる?
案件ガチャに失敗すると、キャリア形成に大きな支障をきたします。
- 希望業務に携われずスキルアップできない
- キャリアを無駄にしてしまう
ここでは、現役Webエンジニアが実際に見た案件ガチャの実態をお伝えします。
希望業務に携われずスキルアップできない
ガチャに失敗すると、開発以外の仕事に回されることもあります。コールセンターや家電量販店での営業など、特に未経験者には選択の余地がありません。
運よく開発現場に派遣されても、希望業務に携われるとは限りません。開発現場では、スキルよりもプロジェクトの進行が優先されるためです。
せっかくスキルを持っていても、テスト作業しか回ってこないこともあります。テスターはテストのみを行うので、プログラミングの経験は積めません。
そのようなガチャに耐え、経験を積んだ先輩エンジニアも数多く存在します。しかし、当初の目標と異なるキャリアになってしまうケースも多いのが実情です。
キャリアを無駄にしてしまう
このように、案件ガチャ失敗は貴重な時間を無駄にします。「とにかく経験を積め」という意見もありますが、半年・一年単位での回り道は大きな損失です。
案件ガチャに耐えているその間にも、同時期にエンジニアになり、自社開発企業やWeb系受託開発企業に入社できたライバル達はどんどん先を行き、差を広げてしまいます。
また、技術のトレンドは絶えず激しく入れ替わっています。チャンスを待っている間に、身につけたスキルが時代遅れになってしまうこともあるのです。
これらの理由から『SESはやめとけ』とよく言われます。
案件ガチャから抜ける方法
以上、案件ガチャのリスクをご説明しました。
ここからは、案件ガチャから抜ける方法を解説します。
- SESにいる限り案件ガチャは避けられない。
- SESでの経験はWeb系企業でそれほど評価されない。
- Web系なら必ず開発経験が積める。
- 案件ガチャから抜けるにはWeb系転職
案件ガチャから抜け、理想のキャリアを進んでいる先輩エンジニアはたくさんいます。あなたも、きっと大丈夫です。安心して読み進めてください。
SESにいる限りガチャは避けられない。
案件ガチャ失敗を回避する「ガチャ対策」はいくつか存在します。
- プライベートの時間を勉強にあて、資格取得などでスキルアップする
- 提案書やキャリアシートを作成し、担当営業にアピール
しかし、これらの対策をとっても、100%ガチャ失敗を回避できるわけではありません。どれだけ確率を低くしても、失敗がゼロになることはないのです。
確実に開発経験を積みたいのであれば、Webエンジニアになるのが最適です。Web系企業は小さな組織であることが多く、SIer/SES業界ほど分業制になっていません。Web系企業の場合は就職できれば、ほぼ間違いなく開発タスクに携わることができます。
具体的には、各Webエンジニアが担当ブロックの実装・テストを繰り返し行い開発を進めます。自分で考え、自分で作る手法であるため必然的にスキルアップが図れます。
SESでの経験はWeb系企業でそれほど評価されない
SES業界ではWebエンジニアを目指す人に対し、以下のようなことがよく言われます。
- 「未経験でWeb系転職は無理。SESで実務経験を積むべきだ」
- 「SESで3年経験を積めば、転職活動で評価される」
今の時代ではSESで経験を積んでWeb系企業へ転職することは昔より厳しくなっています。
SESの営業担当者は、自社エンジニアが他社へ流出しないよう必死に説得します。「今は経験」「少しずつWeb系の案件も増えている」など、期待を持たせて引き延ばすのです。
「SES3年ルール」も、間違いです。SIer/SESとWeb系では開発言語・開発手法が大きく異なります。SESでの経験はWeb系でそれほど評価されません。詳しくは「Web系はSESから」は大間違い!で解説しています。
Web系なら必ず開発経験が積める
Web系の現場では、即戦力が求められます。
- 「ひたすらテストとテスト報告書作成」のような業務は存在しない。
- 新人でも担当箇所の実装・改善・リリースを任せられる。
Web系も受託案件では、クライアントの要求に従いシステムを開発します。しかし、自らサービス改善を提案し、実装して試作する積極性が必要です。
Web系で求められるスキルはシビアです。クライアント対応から開発まで、ひとりで何役もこなします。
だからこそ、やり遂げたときの達成感は格別です。案件ガチャから抜け出し、最短で開発経験を積むには、Webエンジニアを目指すのが最善です。
未経験からWebエンジニアへ
では、未経験からWebエンジニアになるにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、開発と採用両方を熟知した現役Webエンジニアがアドバイスいたします。
- まずは業界研究
- 独学で基礎学習
- ポートフォリオの作成・キャリア相談
ステップ1:業界研究
はじめに、Web系の業界研究をしてください。一口にWeb系といっても、開発システム・開発言語は多岐にわたります。
通販(EC)サイトを構築したいのか、スマホアプリを作りたいのかなど目標を明確にしてください。
目標が決まったら、フロントエンド・バックエンドの違いについて学び、自身に必要なプログラミング言語を選択しましょう。
ステップ2:独学で基礎学習
習得する言語が決まったら、実際に簡単なプログラムを作成してください。最初のうちは、書籍やオンライン教材で学習すると良いでしょう。
まずは教材に書かれたコードをそのままエディタで書いて、動かしてみます。慣れてきたら自分なりにアレンジを加えると、学習効果が高まります。
例えば、文字や背景を好きな色に変えたり、好きなアーティストの画像を使ったりするとプログラミングがどんどん楽しくなります。
このように自分で工夫しながら実装することにより、開発業務のイメージがはっきりしてくることでしょう。
ステップ3:ポートフォリオの作成・キャリア相談
基礎レベルのスキルでは、まだ選考を勝ち抜くレベルには達していません。転職を成功させるには、ハイレベルなポートフォリオでアピールするのが最適です。
採用担当者はポートフォリオを見て、実務レベルを有する人材かを判断します。このレベルまでスキルアップできるよう、プログラミングスクールの活用を検討してください。
また、いくつかのプログラミングスクールでは、無料キャリア相談会が開催されています。年齢や経験に合わせ、個人個人に合ったキャリア形成を提案してもらえます。
「何から聞いて良いかわからない」という相談でも大丈夫です。一人で悩まず、気軽に相談してください。
まとめ
今回はSESの案件ガチャについて解説しました。
- SESでは案件ガチャは避けられない。
- Web系なら必ず開発経験が積める。
- 未経験でもWebエンジニアになれる。
これからは案件ガチャに振り回される必要はありません。未経験でも開発経験が積めるWeb系企業はたくさんあります。
一歩一歩、しっかりとステップアップし、あなたに合ったキャリア形成を実現してください。