「プログラミングを学習するのはやめとけって聞くけど、その理由は?」
Web上では、プログラミング学習について否定的な意見も散見されます。
特に目立つのが、Googleにおける「プログラミング 無駄」「プログラミング やめとけ」といった検索ワードです。
なぜ、このようなキーワードでの検索が多いのでしょうか?
疑問に感じている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、プログラミング学習を否定するような検索キーワードが多い理由について解説していきます。
併せて、プログラミングに向いている人・向いていない人の特徴などについても紹介していきます。
「プログラミングはやめとけ」と言われる8つの理由
この項目では、なぜ巷で「プログラミングを学ぶのはやめとけ」と言われているのか、その理由について紹介していきます。
あくまでネット上などで実しやかに囁かれていることなので、中には事実ではないものも含まれます。
そのあたりについても解説していきますので、是非参考にしてください。
挫折する可能性がある
プログラミング学習は、初心者にとって非常にハードルの高いものであり、独学で挑んだ場合の挫折率は約9割とも言われています。
この挫折率の高さこそが、「プログラミングを学ぶのはやめとけ」と言われる最大の理由でしょう。
挫折してしまう主な理由は、以下の通りです。
- どういう道筋で学習していいのかすらわからない
- 半年~1年という長期間の学習を継続する必要がある
- 理解できないことがあっても周りに質問できる人がいない
- エラーを解決できない
プログラミングを学び始めてみたはいいものの、上記のような理由によって途中で挫折してしまえば、それまでプログラミング学習に費やしてきた時間や費用が無駄になってしまいます。
そのリスクがあるため、「やめとけ」と言う人が多いのでしょう。
AIの発達によりプログラマーは不要になる
以前から、「AIが発達すればプログラマーは不要になるので、プログラミングを学ぶ意味がなくなる」といった主張が一定数ありました。
そして近年、ChatGPTが登場したことで、その論調はさらに高まってきています。
しかし、「AIがあるからプログラミング学習は不要、プログラマーも不要」という認識は、間違ったものであると言わざるを得ません。
まず、どんなにAIが発達しようとも、AIを管理するエンジニアは必要です。
そもそも、AIを開発するのはエンジニアですから、不要になるはずがないのです。
特に現時点のAIは、まだまだ完璧にはほど遠く、AI任せにできる状況ではありません。
実際ChatGPTにおいても、不正確な情報や偏った情報が混じってしまうことが問題視されています。
AIがAIを開発・管理する、という時代もいつかは来るのかもしれませんが、実現するとしても遠い未来の話でしょう。
健康を損ないやすい
エンジニアといえば、常にパソコンの前に座って作業をしている、というイメージを持っている方が多いと思われます。
したがって、腰痛や肩こり、眼精疲労、運動不足からくる生活習慣病などが心配になってしまうかもしれません。
確かに、エンジニアはパソコンの前で作業することが多いです。
しかし、それによって起こる問題については、個人の取り組み次第で解消できる部分だと言えるでしょう。
- 定期的に休憩して簡単なストレッチをする
- 外を散歩して気分転換を図ったり目を休めたりする
- 休日にジムへ通う
こういった対処法を実践することで、健康被害についてはクリアできます。
それに、健康の問題はエンジニアに限りません。
どんな職種にも、何かしらの健康リスクが存在します。
例えば、力仕事の方ならば怪我やぎっくり腰、美容師や料理人ならば腱鞘炎、昼夜が逆転しやすい仕事ならば自律神経の失調などです。
職業病を気にしていたら働くことはできないので、職種に伴う健康リスクとどのようにうまく付き合っていくかが重要になってくるのではないでしょうか。
プログラミングは10代から始めていないと遅い
率直に言うと、これも誤った認識です。
「プログラミング学習は早くから開始していないと意味がない」と考えている方が一定数いらっしゃるようですが、まったくそんなことはありません。
40代からプログラミングを学び、今の仕事に活かしたり、エンジニアへ転職したりしている方もいます。
プログラミングを学ぶのに年齢は関係ありません。
エンジニア転職を考えている場合は、年齢が上がるほど不利にはなってしまうものの、リスキリングや教養のために学ぶのであれば年齢を気にする必要はないのです。
エンジニア転職を考える場合でも、30代中盤くらいであれば充分間に合いますので、未経験であろうとプログラミングを学ぶ価値は充分にあるでしょう。
客先常駐がつらい
エンジニアが働く会社の種類としては、主に以下の3つに大別されます。
- 自社開発企業
- 受託開発企業
- SES企業
自社開発企業と受託開発企業は自社内でシステム開発を行いますが、SES企業の場合は、提携先の企業へエンジニアとして派遣されて開発業務にあたります。
いわゆる「客先常駐」です。
客先常駐となると、周囲は他社の人間ばかりで、気を使うことも多くなってしまいます。
したがって、そんな状況を「つらい」と感じる方も多いようです。
せっかく頑張ってプログラミングを勉強したのに、こんなことになるならやめておけばよかった、と考える方もいるのでしょう。
しかし、この問題についても解決可能です。
客先常駐が必須となるSES企業ではなく、自社開発や受託開発を行っている企業へ入社すれば問題ありません。
自社開発や受託開発を行っている企業へ入社するには、高いスキルやポテンシャルが求められますが、以下のような方法でスキルを高めれば、採用される確率が上がります。
- 妥協のない徹底した独学を行う
- 身近にいる現役エンジニアからマンツーマンで教わる
- 良質なプログラミングスクールに通う
自社開発企業や受託開発企業ならば、エンジニアとして客先へ派遣されることはないので、自社内で仲間たちと切磋琢磨しながらスキルを磨くことが可能です。
残業が多い/休みがない
「プログラミングを学んでエンジニアになることができても、日々徹夜での残業や休日出勤で生活が不規則になって、体を壊すんじゃないか・・・」
こんな不安をお持ちの方もいるかもしれません。
確かに、一昔前までのエンジニアにはそういった傾向もありましたが、今ではかなり健全化され、ある程度の規模の開発会社ならばむしろホワイトな環境、というケースの方が多いです。
納期前や、複数の案件が重なった時など、一時的に忙しくなって残業が増えることは今でもありますが、基本的には定時で帰宅できるという会社の方がスタンダードでしょう。
もちろん、一部ではブラックな会社も存在しますが、それはIT業界に限りません。
どんな業界にもブラック企業はあるため、そういった企業を避け、コンプライアンスを遵守したしっかりとした企業を選んで就職・転職することが重要です。
常に勉強し続けなければならない
IT業界の技術は日進月歩であり、日々すごいスピードで入れ替わっていきます。
場合によっては、たった1年前に最新とされたスキルが「もう古い」と言われてしまうこともあるくらいです。
したがって、エンジニアは常に勉強を欠かすことができません。
この点を負担に感じ、「プログラマーなどやめとけ」「エンジニアはきつい」といった感想を持っている方がいらっしゃるようです。
これについては真実であり、日々成長するための学習を「つらい」「面倒」と感じるのならば、エンジニアには向いていないと言えるでしょう。
逆に、自分を高めるための勉強にやりがいを感じる方や、新しく出てきた技術に興味を持てる好奇心が強い方には、エンジニアという職業は天職だと言えます。
未経験からのエンジニア転職は難しい
未経験の社会人がプログラミングを学んだところで、今更エンジニア転職を達成することは難しい、と思われていることも、「プログラミングを勉強するなんてやめとけ」と言われる理由です。
これは半分当たっており、未経験の状態からエンジニア転職を目指す場合には、ただプログラミングができるようになればいいだけではなく、企業分析や面接対策なども重要になってきます。
そのため、費用はかかりますが、未経験者の場合はプログラミングスクールに通って高いスキルを身に付けたり、転職活動のサポートを受けたりするのが一般的です。
独学のみでプログラミングを学習し、転職活動についても一人で行うとなると、エンジニア転職は難しくなってしまうでしょう。
プログラミングを学ぶメリットや魅力
「プログラミングを学ぶのはやめとけ」と言われる8つの理由を解説してきましたが、ここまでの内容だけでは、これからプログラミング学習を始めようと思っていた方は不安になってしまうかもしれません。
しかし、プログラミングを学ぶことには多くのメリットもあるため、そちらについて紹介していきます。
エンジニア転職を目指せる
現在、エンジニアの需要は高まり続けています。
実際に政府の試算でも、2030年には最高で約79万人ものITエンジニア不足が懸念されています。
※参考:経済産業省 – 参考資料 (IT人材育成の状況等について)
これだけの数のエンジニア不足が叫ばれている以上、未経験であろうとも、しっかりとプログラミングを学べばエンジニアとしての転職が充分可能なことが伝わるかと思います。
そしてエンジニアは、他の職種に比べて年収の高い職種です。
プログラミングを学ぶことで、高い年収や安定した将来性があるエンジニアへ転職できることは、大きなメリットだと言えるでしょう。
現在の仕事にプログラミングスキルを活かすことができる
プログラミングは、エンジニアだけに必要なスキルではありません。
現在の業務に対してプラスαとなる要素としても、大いに役立ちます。
例えば営業職の方であっても、自社開発のソフトウェアを販売する会社であれば、プログラミングを学ぶことによって自社の商品がいかに優れているかを技術的に詳しく説明することができます。
また、顧客管理システムや勤怠管理システムなど、自社の業務システムを改善することも可能となってくるでしょう。
特に昨今では「リスキリング」が推奨されており、新たなスキルを身に付けて新たな仕事をこなせるようになる、という動きが盛んです。
リスキリングの一環としても、プログラミング学習は重要視されています。
論理的思考が身に付く
プログラミングには、物事を論理的に考える「論理的思考」が必要となります。
論理的思考は、あらゆる場面で必要となる能力なので、身に付けておいて損はありません。
例えば何らかの交渉の場においても、理路整然と物事を説明できれば、説得力が増します。
その結果、交渉がまとまる可能性も高まることでしょう。
抱えている業務に関しても、「何を優先し、どのように進めていくか」ということが自然と整理できるようになるため、効率的に仕事をこなせるようになります。
このように、プログラミング学習の副産物として得られる論理的思考も、大いなるメリットと言えるのではないでしょうか。
副業に繋がる
プログラミングを習得することで、副業として開発案件を受注できる可能性が出てくるという点も魅力として挙げられます。
一昔前の日本では、副業を禁止する企業も多くありましたが、今では逆に副業を推奨する企業が増えています。
自社で給料を上げることが難しい分、副業への緩和が進んでいるという状況です。
特にWeb開発関連の案件は単価も高いため、スキル次第では、時として月給に近いような単価での受注も可能となってきます。
エンジニア(プログラマー)に向いている人の特徴
ここでは、エンジニア(プログラマー)として向いている人の特徴を紹介します。
エンジニアを目指したいと思っている方で、以下の特徴に当てはまるようでしたら、是非とも目指すべきでしょう。
学ぶことが好き
エンジニアは、就職してからも日々勉強する必要があります。
特にWeb業界であれば、技術の移り変わりが非常に激しいため、周囲の人たちが遊んでいる時でも学習を優先する、くらいの覚悟がないといけません。
もちろん努力した分、周囲の人たちとは自然と実力差が開いていきますので、将来の評価や年収に大きく影響します。
プライベートな遊びよりも、新たな知識やスキルについて学ぶことを優先することを楽しいと感じられる人は、エンジニア向きだと言えます。
高い年収を得たい
前述の通り、エンジニアは他の職種に比べて高い年収を得やすくなっています。
プログラミングスキルは習得することが困難な上、エンジニアになってからも日々の努力が欠かせないため、年収が高くなりやすいのは当然とも言えるでしょう。
楽して高年収を手にできるわけではありませんが、努力した分が報われやすい職種ではあります。
年功序列で、どれだけ頑張ってもほとんど給料が上がらないような旧態依然とした会社も多いですが、IT業界、特にWeb業界の会社の場合、能力に応じて柔軟に評価してくれることが多いため、年収も上がりやすいです。
コミュニケーション能力が高い
エンジニアというと、ひたすらパソコンの前でプログラミングをしているイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうでもありません。
開発チームのメンバーとの打ち合わせや、開発に絡む都度必要なやりとりなど、コミュニケーションが必須となる場面もたくさんあります。
したがって、ただ開発スキルが高い人よりも、コミュニケーション能力が高い人の方が重宝される場面もあるのです。
特に、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといったマネジメント側の人間になる場合は、コミュニケーション能力が欠かせません。
好奇心が強い
何事にも好奇心旺盛、という方も、エンジニア向きだと言えます。
好奇心がなければ、新しく登場した技術についても無関心で、ただただ既存の技術に固執する、ということもあり得るでしょう。
新たな技術を使用すれば、今の開発業務が大幅に効率化される可能性もあるわけですから、そういったことに興味を持てないというのはエンジニアとしてマイナスになってしまいます。
逆に、常にアンテナを張り、新しい技術が出てきたらすぐに使ってみたくなるような好奇心の強い方は、エンジニアに向いています。
エンジニア(プログラマー)に向いていない人の特徴
前項ではエンジニアに向いている人の特徴を挙げましたが、ここでは、逆にエンジニアとしてやっていくには厳しいという人の特徴について紹介していきます。
勉強が嫌い
スキルアップのために、日々学習する必要があるエンジニアにとって、勉強嫌いというのは致命的となってしまいます。
新技術を積極的に習得しようという意識がないと、せっかくエンジニアとして採用されたとしても、その後生き残っていけるかどうかは微妙になってくるでしょう。
どんな仕事であっても学びは必要ですが、特にエンジニアの場合は重要となってきますので、勉強することが嫌いということであればあまりエンジニアには向かないと言わざるを得ません。
プログラミングが楽しくない
プログラミングは、ある意味ゲームのようなものです。
決められた仕様に基づき、それをクリアするという意味では同じことなのです。
このプログラミングというゲームを楽しめないようであれば、残念ながらあまり適性はないと言えるでしょう。
想定通りの動作を実現できたり、困難なエラーを解決できたりした時に、何も喜びを感じられないようであれば、長続きしない可能性が高いです。
効率にこだわらない
エンジニアの使命は「効率化」にあります。
本来ならば人が手作業でやることを、プログラミングによって自動化することで効率的に業務を進めていくことがプログラミングの役割です。
したがって、効率にこだわれない人は、あまりエンジニアに向いているとは言えないでしょう。
エンジニアを目指すのならば、常に「どうすればもっと効率的なシステムを作れるのか」という考えを持ち、コードについても無駄がないように意識しなければなりません。
まとめ
以上、プログラミングを学ぶのはやめとけと言われる理由や、プログラミングに向いている人・向いていない人の特徴などについて解説してきました。
向き・不向きの特徴を見ると、「なんだか厳しそうだし、プログラミングを学ぶのはやめておこうかな」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、興味があるのならば、是非チャレンジしてみるべきです。
いざ勉強を始めてみて、向かないと思えばいつでも引き返すことはできます。
そして、仮に途中で挫折してしまったとしても、それまでに学んだ知識はいつかどこかで仕事に活かされる機会があるかもしれません。
あまり深く考えず、プログラミングに挑戦したいと思ったら、まずは学んでみることをおすすめします。
- 「プログラミング学習はやめとけ」と言われる理由は多くあるものの、最大の理由は挫折率の高さ
- プログラミングを学ぶメリットも多く存在する
- もし途中で挫折したとしても、今まで学んだことは無駄にならない
なお、弊社が運営するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」は、未経験からのエンジニア転職に強いスクールで、初心者でも挫折しにくいカリキュラムやサポート体制を整えています。
特にWebエンジニアの育成に力を入れていますので、独学が厳しいと感じた方は、是非お気軽にご相談ください。