IT技術の発達や副業ブームによりエンジニアへ転職する方が増えていますが、Web制作にはWebデザイナーやフロントエンドエンジニアなど多くの方が関わります。
「マークアップエンジニアとは何をする人なのか分からない」
「コーダーやフロントエンジニアとの違いを知りたい!」
このように、それぞれの役割や将来性について分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、マークアップエンジニアの仕事内容や将来性、キャリアアップのお話まで全て網羅してお届けします!
実際のところ、Web制作でフロントエンドの作り込みを担うマークアップエンジニアは、AI技術の発達などにより需要が低下しつつあります。
現役エンジニアが経験をもとに、マークアップエンジニアの将来性についてくわしく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
マークアップエンジニアとは
Web制作のフロントエンドをつくるマークアップエンジニアとは、一体どんな存在で他とどのように違うのかを解説します。
マークアップとは
マークアップとは文章の構造やレイアウトを表現することを意味し、マークアップ言語としてHTMLやXYLなどがあります。
すなわち、マークアップ言語を用いて文章構造を表現する人のことをマークアップエンジニアと呼びます。
Webサイトに文字や画像が表示され、キレイにデザインされているのはマークアップエンジニアがコーディングしたものです。
マークアップエンジニアの仕事内容
マークアップという言葉の通り、主にWebサイトの文字や画像などユーザーが直接触れる表面上の設計を行います。
主な仕事内容は以下の通りです。
・コーディング
・SEO対策
・バグの処理
・CMS構築や設計
マークアップエンジニアは、ユーザーと検索エンジンに分かりやすいようサイト設計を行うのが特徴です。
どんなに優れたデザインのWebサイトでも、ユーザーに見られなければ悩みを解決することができないため、全く意味をなしません。
そのため、デザイナーの指示書通りに淡々とコーディングを行うのではなく、検索エンジンに上位表示されるようにSEO対策を考えながら制作します。
また近年では、コーディングなしでもWebサイトの制作が可能なCMSを利用する企業が増えてきたため、CMSの構築や設計業務も担います。
マークアップエンジニアとコーダーの違い
マークアップエンジニアとコーダーの主な違いは以下の通りです。
・Web制作における目的意識
・コーディング以外の業務内容
前述した通り、マークアップエンジニアはSEOやユーザビリティなど考えながらコーディングをおこなうのに対し、コーダーは名前の通りWebデザイナーの指示書通りに忠実にコーディングを行います。
したがって、コーディングを行うこと自体は同じでも、何のために行うのか目的意識が異なります。
また、コーディング以外の業務内容もマークアップエンジニアの方が多くなります。
サイトのバグ修正やCMS構築などコーディング前後のプロセスにも携わるため、コーディング以外のスキルも必要とされます。
マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの違い
マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの主な違いは以下の通りです。
・使用する言語
・使用するフレームワーク
フロントエンドとは、WebサイトやWebアプリの画面などユーザーが直接触れる部分を表します。
フロントエンドエンジニアはフロントエンドのプログラミングを行いますが、マークアップエンジニアと違いユーザーとデータをやりとりするための処理が求められます。
そのため、HTMLやCSSに加えJavaScriptやPHPなどの知識や「Vue.js」や「React.js」などのフレームワークの使用も必要です。
また、フロントエンドもサーバーサイドとのやりとりが発生するので、実質的にサーバーサイドの知識が求められます。
業務内容は似ていますが、プログラミングスキルの面ではフロントエンドエンジニアの方が難しい技術の習得が必要です。
ですので、フロントエンドエンジニアの未経験からの採用枠はほとんどなく、大抵はサーバーサイドエンジニアとして経験を積んだ人後にフロントエンドエンジニアになるケースが多いです。
なお、フロントエンドエンジニアの仕事内容や将来性や年収などについては、以下の記事をご参照ください。
マークアップエンジニアに必要なスキル
マークアップエンジニアに必要なスキルは以下の通りです。
・HTMLやCSSを使用したコーディング
・内部対策などのSEO対策
・ユーザビリティやアクセシビリティの知識
・WordPressの構築や設計
・コミュニケーション
情報を伝えるための手段としてHTMLを使用したコーディングができることはもちろん、検索エンジンやユーザーにも分かりやすいようなコーディングスキルが必要です。
どんなに良質なコンテンツでも上位表示されなければ意味がないので、SEO対策としてタグの適切な使用・内部リンクの最適化・ユーザーを意識した構造が必要となります。
加えて、表示速度が遅い場合や使いにくい構造の場合、ユーザーの満足度が下がるため、ユーザビリティやアクセシビリティを向上させる知識や知見を持つことも重要です。
また、Web制作は一人で行わず複数人でチームとなって行うため、コミュニケーション能力も必須です。
CMSとして有名なWordPressの使用も増えており、クライアントの要望や目的に応じてサイト設計を行うこともあります。
クライアントの理想とするWebコンテンツを制作するために、他のエンジニアとコミュニケーションをとり、ゴールのズレがないように進めることが求められます。
マークアップエンジニアは未経験でも転職可能?
結論、マークアップエンジニアは未経験でも転職可能です。
実際に転職サイトでもECサイトの商品ページのコーディングなど求人が出ているほどです。
しかし、HTMLやCSSの習得に加え、UIやUXの知識なども必要になるため未経験からの転職は決して簡単ではありません。
コーディングができるだけではコーダーと変わらないため、JavaScriptやPHP、SEO対策やCMS構築など幅広い知識と技術を習得し、付加価値を高める必要があるでしょう。
平均年収
マークアップエンジニアの年収の相場は300〜500万円程度で、マイナビエージェントの調査によると平均年収は385万円と言われております。
働く環境や年齢によって変わりますが、システムエンジニアやプログラマーの平均年収443万円に比べると低くなります。
とはいえ、未経験でも始めやすく、身に付ける知識や技術、専門性などによって年収があがることが一般的なため、スキルアップしてジョブチェンジすることで上を目指すことも可能です。
将来性
フロントエンドエンジニアもいるし、マークアップエンジニアは必要ないのでは?
このように思う方もいるかもしれません。
最近では、ノーコードツールもありマーケターやデザイナーの指示通りに再現するだけのコーダーの重要度は下がってきてはいます。
しかし、マークアップエンジニアが消滅したり、なくなったりすることは考えにくいです。
- レスポンシブ対応を正確に再現できるマークアップエンジニアは貴重
- SEO対策などマーケティング部分を考えながらできる
などの理由からまだまだ将来性はあります。
ただし、WebデザイナーやWebディレクターがコーディングを兼任することもあるため、マークアップエンジニアが将来安泰というわけにはいかないでしょう。
このように、マークアップエンジニアの将来性は高いとは言えないため、さらなるスキルアップとジョブチェンジが推奨されます。
時代に取り残されず生き延びていくためには、コーディングスキルの向上に加え、デザインやディレクション、高度な設計技術、マーケティングスキルなど身につけると良いでしょう。
マークアップエンジニアを目指すために取得しておくべき資格
未経験からマークアップエンジニアになるために取得しておくべき資格について紹介します。
資格のために身につけたスキルと実際に業務で求められるスキルでは大きくレベルが違うため、「資格を保有しているから実践的なスキルがある」というわけではありません。
とはいえ、ベースとして必要な知識と技術が身につきアピールできるので、可能であれば取得しておきましょう。
WEBクリエイター能力認定試験
世界で標準的なマークアップスキルを測定する認定試験でWebサイト制作のデザイン能力やHTML、CSSによるコーディングスキルが問われます。
試験は「スタンダード」と「エキスパート」の2つのレベルが実施されており、スタンダードは未経験者や初級者向け、エキスパートは実務経験のある中級者向けです。
HTMLとCSSの基礎的な知識と技術があることをアピールできるでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5やCSS3、JavaScriptを使用し、適正にWebサイトが作れるかどうかが評価される試験です。
レベル1とレベル2があり、単純にWebサイトを作成出来る能力からデバイスへの対応能力まで実用的なスキルが求められます。
レベル1は、パソコンやスマホなど各デバイスに対応したWeb制作が可能かが問われる試験で難易度は低めなので、未経験者は取得しておくと良いでしょう。
レベル2ではアプリケーションやアニメーションなど、より動的かつ専門的な内容についても問われるため高いレベルが求められます。
レベル1は難易度が低いため取得価値は低いですが、レベル2は難易度が高いため取得価値は高いと言えます。
マークアップエンジニアのキャリアパス
マークアップエンジニアとしての能力を磨くことも大切ですが、将来性を考慮し、どのようなキャリアパスを歩むのが良いか、考えてスキルアップしていく必要があります。
マークアップエンジニアのキャリアパスを大きく分けると以下の2つになります。
・JavaScriptなどの言語を学びフロントエンジニアになる
・デザインやマーケティングを学び、Webデザイナーやマーケターとしても働く
エンジニア系
エンジニア系を進む場合は、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアを目指すと良いでしょう。
業務内容が似ていることから、JavaScriptのスキルを上げることでフロントエンドエンジニアへの転身も可能です。
しかし、フロントエンジニアは比較的新しい職種というのもあり未経験での就職が困難なケースもあります。
もしWeb開発のエンジニアを目指すのでしたら、まずはバックエンドエンジニアを目指すと良いでしょう。バックエンドエンジニアが最も求人が多く未経験からでも採用されやすいです。
バックエンドエンジニアの仕事内容や将来性や年収などについては、以下の記事をご参照ください。
デザイン系
デザイン系へ進む場合は、Webデザイナーとしての役割も担うことになります。
今後、マークアップエンジニアの職域は業務効率化の視点でWebデザイナーやWebマーケターが担う可能性が大きいです。
そのため、デザイナーとしてのスキルを身につければ、デザインからWeb制作に携わることが可能になり、Webディレクターへの道も開けます。
photoshopやillustratorなどの作業にも興味がある方は、デザイナーの道へ進むのも良いでしょう。
マーケティング系
マーケティング系に進む場合は、Webマーケターを目指すと良いでしょう。
エンジニアやデザイナーが「Webサイトの制作者」だとするとWebマーケターは「運用者」となります。
マークアップスキルに加え、Googleアナリティクスの使用・SNS広告の運用などのマーケティングスキルも必要ですが、制作から運用まで可能となるためWeb戦略を強化したい企業に重宝されるでしょう。
まとめ
以上、マークアップエンジニアの内容や将来性について解説しました!
- マークアップエンジニアはSEOを考慮したコーディングを行う
- AI技術の発展や他業種による業務の兼任により単なるコーディング要員の需要は低くなっている
- スキルアップを図り、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、マーケター、Webデザイナーへのステップアップも視野に入れるべき
ベースとしてのスキルが身につくマークアップエンジニアを目指すのも良いですが、キャリアアップを目指し、他言語習得などスキルアップを図るのが得策でしょう。
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