「Web制作を行うにはRubyを勉強する必要がある?」
「手に職をつけて働くためにプログラミング学習を検討しているが何をしたらいいか分からない」
他業種の方で、このようなお悩みを抱えたままプログラミング学習を行っている方も多いかと思います。
「このままこの業界で働いていていいのか?」という不安感は誰しも抱えたことがある悩みの一つですよね。
IT・インターネット業界が成長しつづけている現代において手に職をつけるならプログラミングはおすすめですが、Web制作とWeb開発では必要なスキルがまったく異なります。
結論からお伝えすると、Web制作にはRubyを使用しないため優先的に学習する必要はありません。
良く比較されるRubyとPHPのように、分野によって必要なものを知っておかなければ効率の良い勉強ができないので、今回は以下の内容について解説していきます。
- Web制作とWeb開発の違い
- Web制作とWeb開発に必要なスキル
- Web制作とWeb開発の選び方
Webエンジニア向けのプログラミングスクールやWeb系受託開発を行っている弊社が、Web制作とWeb開発について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
Web制作にRubyは必要ない
Web開発にはRubyを使用しますがWeb制作には使用しないため、優先的に学習する必要はありません。
Web開発とWeb制作は同じ意味じゃないの?
いいえ違います!
Web開発=Web制作ではないのでこれから勉強を始めようとしている人やエンジニアを目指している人は要注意です!
Web開発とWeb制作の違いは以下の通りになります。
- Web開発はWebアプリケーションの開発をメインに行う
- Web制作はWebサイトの制作をメインに行う
ここでは一つずつ解説していきますので、違いを理解しておきましょう!
Web開発とは
Web開発とは、iPhoneやAndroidで使用されるアプリやWebアプリを開発する仕事のことを意味します。
スマホやパソコンをお持ちの方は、すでに使っている方がほとんどでしょう。
でもイメージがつきづらいな〜。例えばどんなものがあるの?
具体例としては、以下のようなアプリが挙げられます。
- LINE
- YouTube
- TikTok
- Gmail
- メルカリ
- 楽天
このようにSNSを始めとして、アプリケーション全般の開発に携わる仕事が「Web開発」となります。
Web制作とは
Web制作とは、おもにWebサイトを作る仕事のことを意味します。
Webサイトってお店のホームページとかのこと?
その通りです!
具体的には、以下のような仕事を行います。
- 企業のホームページ制作
- 有名人のオフィシャルブログ制作
- 商品の購入に繋げるためのランディングページ制作
- ホームページやブログの制作
GoogleやYahooなどの検索エンジンで調べた際に表示されるページのほとんどがWebサイトとなります。
最近では、個人でブログを書きアフィリエイトなど行う副業が流行っており、Webサイト制作を行う人が増えています。
Web開発に必要なスキル
Web開発とWeb制作の違いは分かったけど、どんなスキルが必要なの?
Web開発に必要なスキルは以下の通りです。
- サーバーやデータベースの知識
- フレームワークを使った開発スキル
- APIを用いた開発力
- チーム開発の経験
- プログラミングスキル
Web開発はWeb制作より高いスキルを要するため、何を勉強したらよいか確認してから学習を進めるようにしましょう。
サーバやデータベースの知識
サーバと聞くと、大きなコンピューターの集まりをイメージする方が多いと思いますが、実際にはハードウェアとソフトウェアの2種類が存在します。
例えば、ソフトウェアのサーバには以下のようなものが挙げられます。
- メールサーバ
- Webアプリケーションサーバ
- Webサーバ
メールサーバとはメールの送受信を行うサーバのことを意味しますが、WebサーバとWebアプリケーションサーバの違いは以下の通りとなります。
- Webサーバ:ユーザーがブラウザからリクエストした内容を受け付けて処理する
- Webアプリケーションサーバ:Webサーバからリクエストした内容をJavaやRubyなどで実行して処理する
ユーザーがWebブラウザからリクエストした内容がテキストだけの静的なページであればWebサーバからデータを送るだけですが、商品ブランドやサイズを絞るなどの動的な動作が加わる場合、Webアプリケーションサーバを経由する必要が出てきます。
このように、ユーザーとのやり取りにおいてサーバは欠かせないものであるため、Web開発を行う上で必須の知識となります。
また、データベースとはデータの管理を行うバックエンドの役割を担います。
ユーザーの登録情報や商品情報などのデータを保管しているため、サーバはデータベースにアクセスし必要なデータの抽出や処理を行います。
フレームワークを使った開発スキル
フレームワークとは、アプリケーション開発を行う際の使用頻度が高い機能や処理をパッケージ化したものです。
つまり、フレームワークを知っておくことでプログラミング言語を使って一から開発するより効率的かつ短時間で行えるというメリットがあります。
フレームワークを良く知らない人のために有名どころをまとめましたので参考にしてみてください。
- Django
- React
- AngularJS
- Ruby on Rails
- Vue.js
- Sinatra
- Padrino
- Laravel
- CakePHP
- JavaServer Faces
- Flask
アプリケーション開発を行う際にはフレームワークを使用することがほとんどであるため、言語に合ったフレームワークの使い方に慣れておく必要があります。
APIを用いた開発力
APIとは、Application Programming Interfaceの略で、プログラムの機能の一部を他のプログラムでも利用できるようにする仕組みです。
APIを用いた開発ができれば、同じ機能を持ったサービスを作る必要がなくなるため、開発効率の向上や費用削減が期待できます。
例えば、Web APIとして以下のようなものが挙げられます。
- Google Map API:Webサイト上にGoogle map機能を埋め込める
- Amazon API:納品や出荷などの手続き情報、価格や在庫などの商品情報が分かる機能
- YouTube API:YouTubeの動画情報取得、動画の分析、再生プレイヤーをWebサイトに表示できる機能
- Twitter API:いいねやフォローなどのTwitterと同様の操作が可能な機能
- PayPal API:Webサイトやブログから画面遷移することなく登録したPayPal情報を引き出し決済が可能
みなさんもインターネットを使用するなかで目にしたことが多いのではないでしょうか?
このようにAPIを利用するメリットは大きく、以下の3つが挙げられます。
- 新たな機能やサービス開発をサポートする
- より良い顧客体験を提供できる
- 自社サービスのユーザー拡大を図れる
効率的な開発が可能なだけでなく、サービス向上も見込めるためWeb開発に必要なスキルと言えます。
チーム開発の経験
Web開発はおもにチームで行うものであるため、経験があると有利です。
チーム内でそれぞれ役割があるイメージかな?
その通りです!
チーム内の役割としては、以下のような内訳となるでしょう。
- マネージャー:プロジェクトの予算やメンバーの勤務状況などを管理する
- リーダー:技術的な支援や進捗管理などを行う
- メンバー:構築や実装、テストなどを行う
プロジェクトが大きければ大きいほど多くの人手が必要となるため、一人ひとりが協力してプロジェクトに取り組む必要があります。
万が一、士気が乱れたりとまとまりのないチームである場合、仕事効率は下がりサービスの質も低下してしまいます。
積極的にコミュニケーションをとる力やトラブルへの対処力などがあるとチームに貢献できると言えるため経験を積んでおくのがおすすめです。
プログラミングスキル
Web開発に用いられる言語は、フロントエンドとバックエンドで分けられます。
- HTML
- CSS
- JavaScript
- Java
- PHP
- Ruby
- Python
Web制作にRubyが必要と思っている人も多いかと思いますが、Web開発のなかでもバックエンドに用いられるということを覚えておく必要があります。
Web開発エンジニアになるためには、約1,000時間の勉強が必要とも言われます。
将来あまり使わない言語を勉強していては遠回りになってしまうため、ここで一度整理しておくことをおすすめします。
Web制作に必要なスキル
Web制作に必要なスキルは以下の通りです。
- WordPressを使ったサイト制作
- HTMLやCSSなどのマークアップ言語
- IllustratorやPhotoshopアプリ
- WebやSEOに関する知識
Web制作はWeb開発に比べて難易度が低いため、上記スキルがあれば現場で重宝されるでしょう。
WordPressを使った開発
企業のホームページなどでもWordPressを使用することが多くなっているため、WordPressを用いた開発ができると有利です。
最近では個人でもブログを運営するなどWordPressを使う人が多くなっています。
プログラミングを知らない人でも扱えるため、学習難易度は高くありません。
WordPressが使えるだけで仕事の幅が広がるため、サクッと習得しておくと良いでしょう。
HTMLやCSSなどのマークアップ言語
Web制作で扱う言語は、おもにHTMLとCSSのマークアップ言語となります。
他のプログラミング言語と比べて習得難易度は低く、勉強期間の目安は1ヶ月前後になるでしょう。
そのため独学でも習得可能なレベルであり、ProageやドットインストールなどのWebサービスを使って学習する人が多いです。
学習方法は人それぞれであるため、Progateの実際が知りたい人はこちらにまとめてみましたので参考にしてみてください。
IllustratorやPhotoshopアプリ
Web制作にはWebデザイナーが関わることがありますが、エンジニアとの線引が曖昧な部分もあるため、IllustratorやPhotoshopアプリを使えると重宝されることでしょう。
- ポスターやチラシのデザインが可能
- ロゴのデザイン
- イラストの作成
- 地図やグラフの作成
Webサイトの設計からできるエンジニアは少ないのでデザインスキルも身につけて他と差別化できると良いでしょう。
WebやSEOに関する知識
WebやSEOに関する知識があることで、上位表示されるWebサイト制作が可能でしょう。
ただおしゃれなWebサイトを作るだけではユーザーに見られないため全く意味がありません。
検索エンジンに分かりやすく、ユーザーに使いやすい・見やすいと思ってもらうためには、WebやSEOの知識が必要です。
SEO対策はおもに3つに分けられますが、簡単にまとめてみたので参考にしてみてください。
- 検索意図とターゲットユーザーを明確にしたコンテンツを作成すること
- 検索ニーズに合致したキーワードの最適化
- 過去記事を最新情報へアップデート
- 内部リンクの構築
- 検索エンジンやサイトを評価しやすくするためのHTMLタグ最適化
- 構造化マークアップ(評価しやすくするための記述法)の活用
- ページエクスペリエンス(ユーザー体験)の改善
- 関連性の高いサイトからの被リンク獲得
- 好意的なサイテーション(サイト名などを言及する行為)の獲得
- SNSやプレスリリースによるPRと情報発信
Web開発の例
RubyはWebサイト制作ではなくおもにアプリケーション開発に使われます。
そこで、RubyのフレームワークであるRuby on Railsで開発されたサービスについてまとめてみましたので、イメージとして見てみてください。
- クックパッド
- Gunosy
- クラウドワークス
- 食べログ
- freee
- SmartNews
- 価格.com
- Airbnb
- GitHub
- hulu
- Kickstarter
Web開発とWeb制作の選ぶ基準
Web開発とWeb制作の違いは分かったけど、やっぱりどっちが向いているか分からない!
このような人のために選ぶ基準をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
大まかに分けると以下のようになります。
- 手に職をつけたいならWeb開発がおすすめ
- Webサイト関連の仕事につきたいならWeb制作へ
それでは、向いている人の特徴を解説していきます。
手に職をつけたいならWeb開発がおすすめ
手に職をつけたい人は将来性の高いWeb開発の道に進むのがおすすめです。
開発エンジニアに向いている人の特徴としては、以下の6つが挙げられます。
- プログラミングが好き
- Web・通信関連の知識を深めたい
- 高収入を目指したい
- アクセスによる負荷対策なども行いたい
- チームで働きたい
- 本業として働きたい
比較的簡単になれるWeb制作エンジニアと比べ、やや難易度の高い開発エンジニアのほうがキャリアの選択肢も広がるため、IT業界で頑張っていきたい方はWeb開発一択と言えるでしょう。
未経験からWeb開発エンジニアを目指すために必要な流れについては以下の記事をご覧ください。
Webサイト関連の仕事につきたいならWeb制作へ
Webサイト制作をメインで行っていきたい人はWeb制作の道に進みましょう。
Web制作に向いている人の特徴としては、以下の5つが挙げられます。
- プログラミングが得意でない
- 学習難易度は低いほうがいい
- デザインにも興味がある
- 一人の作業のほうが好き
- 副業として考えている
Web制作はWeb開発に比べて参入障壁が低いため価格競争にのまれがちであるほか、AIにとって代わられるリスクがある仕事と言えます。
Web開発からWeb制作に転職するのは可能ですが、逆は難しいため迷っている方は開発系に進むのがおすすめです。
将来性や給与などの違いが詳しく知りたい方はこちらにまとめてありますので参考にしてみてください。
まとめ
以上、Web開発とWeb制作の違いについて解説しました。
- Web開発はおもにアプリケーションの開発を行う仕事で、Web制作はおもにWebサイトの制作を行う仕事である
- Web開発に必要なスキルはWebに関する深い知識や開発技術、Web制作に必要なスキルはマークアップ言語やWordPressによる開発スキル
- Webサイトづくりがしたい方はWeb制作へ、アプリケーションの開発を行いたい方はWeb開発がおすすめ
おもにWebサイトをつくるWeb制作の仕事ではRubyは使用しないため、優先的に学習する必要はないでしょう。
反対にアプリケーション開発を行う場合には使用するため、Web開発の道に進みたい人は学習しておくのがおすすめです。
副業であればWeb制作のほうが難易度は低くくてなりやすいですが、本業として考えるなら将来性の高いWeb開発一択と言えます。
今回の記事を読んでみて、エンジニアに挑戦してみたいと思った方や、Web制作ではなくWeb開発に挑戦してみたいと思う方は、RUNTEQの無料なキャリア相談会にぜひお越し下さい。